2001/10/18〜2002/1/31

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「クィンセ・アニョス」は、中南米のヒスパニック文化のひとつで、15歳になった少女の誕生日に、彼女を大人の女性として祝うセレモニーだ。
中南米からアメリカに移住したあとも、この習慣を守る家庭は多い。
大人の女性の仲間入りを祝う象徴的なセレモニーは、どのように15歳の少女に影響を与えるのだろうか。
アメリカで育った2世の少女たちは、すでに彼女たちの日常に取り込まれているアメリカ文化とヒスパニック伝統文化の影響下に置かれている。
私は、ロチェスターのダウンタウンに住む15歳のニザベル・ゴンザレスとの出会いをきっかけに、10代の少女の暮らしと2つの文化の共存を写したいと思った。

ニザベル・ゴンザレスは、ハイスクールの9年生。
彼女のクィンセ・アニョス・セレモニーは、家から歩いて10分と離れていない教会で2001年1月13日に行われた。
この教会は彼女の異父姉、マリアが洗礼を授かり、つい2年前には、同じくクィンセ・アニョス・セレモニーを行った場所だ。
セレモニーでもっとも興味深い瞬間は、父親が15歳の誕生日の少女のスニーカーをヒールの高い華奢なサンダルに履き替えさせる場面だ。
この行為は、少女が大人に移行したことを意味する。その後は、ダンス好きの彼らのこと、真夜中まで踊り歌い、祝宴を繰り広げる。

ニザベルの両親はともにプエルトリコの出身。
家庭ではスペイン語と英語が入り乱れる。
ニザベルは、他の兄弟と同様、ロチェスターで生まれ育ち、プエルトリコには行ったことがない。
彼女は、母親のグラディス、父親のアンヘル、17歳の姉、マリア、16歳の兄、ウィリアムと共に暮らしている。
グラディスの独立した長女には娘と息子がおり、ニザベルたちは日中この姪と甥の世話をすることが多い。継父であるアンヘルと暮らして、すでに10年になる。

ニザベルの家には、毎日多くの友人や親戚が入れ代わり立ち代り集まってくる。
最初は、だれが何人でこの家に住んでいるのか見当がつかなかったくらいだ。まさしく大勢から成る拡大家族。
ママ・グラディスは言う、「これが、周りの人とうまくやっていくプエルトリコ流のやり方よ。私たちは、いつでも他人にオープンだし、誰でも大歓迎」。

参考:
ロチェスターの人種構成
白人、黒人、インディアン、インド人、中国人、フィリピン人、ヒスパニック、ベトナム人、韓国人、日本人、その他
出身国別ヒスパニック構成
キューバ人、メキシコ人、プエルトリコ人、その他
参照:1990年度合衆国国勢調査

「15歳になるってことは、とてもいいことよ。クィンセ・アニョス・セレモニーのような私たちの伝統文化をとても誇りに思っている。だって、教会に行って神から祝福を受けるなんて、すばらしいことでしょう。ヒスパニックのたいていの女の子は、待ち遠しく思ってるけど、セレモニーをできない子もいる。このセレモニーは、両親がどんなに私を愛しているか感じさせてくれる。このことで、とっても私にお金をかけてくれるから。

友達、家族、親戚といっしょにいるときは、ほとんどいつも私は幸せ。小さい頃は、「心から大好きよ」って言うのが口癖だったと聞いたことがある。普段は、踊ったり、歌ったりするのが好きで、友達とはよく男の子について話すことが多いかな。私はまだ特定の彼氏はいないけど、いつか欲しいとは思ってる。ナイスでスウィートで、一緒に過ごせるよう映画に連れて行ってくれるような人がいい。

私のママと一番上の姉は、10代で子供を生んだ。まだ小さい甥と姪は私にとってとても大切だし、彼らの世話もよくしているけど、私にはママたちとは違う計画があるの。30歳ぐらいで赤ちゃんを1人産んだら、私には十分。結婚する前に大学に進学して、いい仕事を見つけたい。今いちばんなりたいのは、看護婦か小児科医。小さな子供の世話をするのが好きだし、誰かを救うような仕事につきたいから。

これまでのところ、大人で目標にしてる人や憧れてる人はいない。そうね、たしかに自分に自信を持ってる。今のままの自分に満足もしてる。」

ニザベル・ゴンザレス

「クィンセ・アニョス・セレモニーは、母として、娘たちが大人の女性になることを手助けすることなの。自分の娘たちには、強くて自立した女性に育って欲しいと思ってるわ。それに、いい教育を身に付けて、コミュニティでのリーダーシップを発揮することを期待しているし、なにより、彼女たちがないたいものに成って欲しい。娘たちの夢がすべて実現するよう、心から祈ってる。

でも、毎日の我が家の伝統料理を受け継ぐことを忘れてはだめよ。とくに、ニザベル、いいダンサーであること、この伝統もしっかり受継ぐように。」

母、グラディスより

覚書:ニザベルたち兄弟は、両親にとって、初めて大学進学する世代(first generation to the college)だ。進学するかしないかは当人次第だが、奨学金や、卒業後に本人が返済する教育ローンの普及で、親の経済力に頼らず、早くから自立した考えを持っているように見受けられた。

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