●江川綾子から高橋フミコさんへ

坂戸さんへ。
お初にご挨拶申し上げます。坂戸さんのコラムは、「今」の多くの大人と呼ばれる女性たちのリアルを浮かび上がらせていて、読んでいて気持ちいいです。ありがとうございます。(お礼が言いたくなりました)
ゆったりとした時間を持つことがなくなり、その分、本を読みたい!と切実に思う今日この頃です。坂戸さんの今回の文章を読んでその気持ちがますます強くなりました。時間は作るもの。なんとかして読書の時間を作らないと、今のまんま死んでしまう!と焦っております。

今回、「よく読まれるエッセイストは誰ですか?」「このエッセイがすごい!」という題で!とのお題を頂戴いたしました。

パッと浮かぶのは橋本治氏です。氏の作品を全て読破しているとか、熱烈なファンであるとかいう訳ではないのですが、20代の頃から(およそ20年前です)、雑誌で氏の文章を目にするようになり、飛ばし読みしようにも、目がその文章に吸い寄せられて離れなくなっていくのです。

橋本氏は、最近でも「広告批評」や「一冊の本」で(他にも書いているかもしれませんが、その二誌のエッセイしか最近は読んでません!)エッセイを連載中です。
テーマは、もうその時々。政治が動いている時は政治の話。最近の人の言葉づかいの話(言葉が乱れていることを嘆くというのではなく、その不思議さ、味な部分を検証していくというような)。自分の仕事の話など、とにかくその時気になった事を書いていく、というものが多いようですね(私が読んでいる二本はそんな感じ)。どの時のエッセイが良かった!というのは一つに絞れないのですが。

読んでいて気持ちの良い文章が好きなのです。どういうものが気持ち良いかというとその着眼点・・・冷静さ、中立なものの見方(と私には思える)、物事を突き放して見られる力、それでいて「なんちゃって!」とか言い出しそうな軽やかな空気。だらだらと妙に長いようにも見えますが、それは氏の感覚をなるべく正確にお客さん(読者ですね)に伝える為に、言葉の上で、身振り手振りに右往左往しながら説明してくれてるのです。いっぺん読んだだけで理解できない文章も出てきますが、橋本氏がこんな一生懸命説明してくれるんだから・・・と、理解できるまで繰り返し読んでしまったりするのです。私ゃ惹きつけられてやまないのです。

そもそも、エッセイって、様々な角度からの視点がないと面白くないですしね。

さくらももこ氏も以前、「本当はエッセイストになりたかった」とどこかでおっしゃっていました。『ちびまる子ちゃん』がアニメにもなり大流行していた直後だったと思います(これも20年近く前ですね)。エッセイを書く人になるための道として漫画家にまずなったのだ、というようなことも綴られていました。さくら氏ならではのユーモアで。
でもすごく共感できる話で、実は私もなんとかエッセイストになれないかなー、と。私の場合は、何にも努力せずにボーっと思っていた事が思い起こされまして。

いきなりエッセイストになる、ってなかなか難しくて、やはりその前にライターであったり、作家であったり、パフォーマーであったり、何かを極めなければ、まあ自分のエッセイまでは到達できないと思われますね。「うーんどうにもならないや」で何もしなかったぐうたらな私。

だから、今みたいな時間、こうして一応文章なんか書いて、自分の親戚・友人以外の方に読んでいただいている状況自体が、まさに「棚ボタ」なのであります。

橋本氏の著書は様々ありますが、『桃尻娘』などの小説や『桃尻語訳枕草子』、『窯変 源氏物語』などの古典を現代流に、というより橋本治流に訳したものなど、精力的に(ゆっくりめかもしれませんが)書き続けておられますが、源氏好きの私は『窯変 源氏物語』に挑戦しましたが、まー、面白いのだけど、面白すぎて長すぎて? (だって『源氏物語』って五十四帖ありますが橋本氏が書くひとつの章がもう長いし登場人物すごく企みまくってる感じで)途中で挫折してしまいました。面白いことは間違いなさそうなので、死ぬまでには読破したいものです。

余談ですが、橋本氏の文を読み始めた頃、当時流行っていた光GENJIの「ガラスの十代」の替え歌で
♪くさりやすいものばかり集めてしまうよ 輝きは飾りじゃないガラスの四十代♪
というのを書かれておられましたが、私は四十代になったらこの歌を歌おう・・・と心に決め、今、憧れの?四十代となり、時折カラオケでこの歌を歌うのですが、この部分、サビのラストの部分なので、聞いてる人は誰も気づいちゃくれませんが。

さて、高橋フミコさん!少し前のことになりますが、『ぽっかり穴のあいた胸で考えた』を読ませていただきました。節子の事いっぱい書いていただいてありがとうございました。母・節子がいろいろ申し上げたようですみません。でもそんな母をまっすぐに受け止めてくださって嬉しいことこの上ないです。
因みに私はマンガの『NANA』ファンです。9巻からの大人買いをしました。

さてようやっと私・江川綾子から高橋フミコさんへの質問です!
初めて心にガツーーーンときた映画ってなんですか?
私も数は見てないものの、映画好きです。フミコさんのシャープな目線で、人生にまず一発目にやられた映画を是非聞いて見たいと思いました!


INDEX
[2008/11/02]
おくさん
[2008/09/01]
4年目の命日に
[2008/08/01]
気狂いこけしになりたい
[2008/07/01]
女と自然
[2008/06/05]
「女」をしょいこむ、ということ。
[2008/05/01]
性教育
[2008/04/03]
母親の恋
[2008/02/07]
我が母ストーリー第28回 幸せについて
[2008/01/07]
江川綾子から高橋フミコさんへ
[2007/11/10]
我が母ストーリー第27回 なぜ「父」と呼ぶか2
これより前のコラムを見る
▼コラム一覧へ戻る  ▲topへ