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LPC BOOK JAPANESE
【新連載!】LPC BOOKS JAPANESE 第1回 ブックレビューを始めます、まずは憲法!
15.05.28 by 打越さく良

  


「趣味は読書、さらにブックレビュー」
『時事通信』を担当させていただいている私、趣味は読書、さらに、感想文。
「さらに、というなら、何かもっと違う分野のことを持ってこい」とお叱りを受けそうだが、実際、読んではコツコツ、事務所のWebページやブックレビューアプリに書き込むのが、地味に楽しい。小中学校「嫌われる」夏休みの宿題の定番といったら、読書感想文。どっこい、私は当時から読書感想文が嫌いなんてことはなく、むしろ大好きで、頼まれもしないのに何冊分も書いたものである。文章にするだけではなく、小学時代は、友だちをつかまえては、『赤毛のアン』『大きな森の小さな家』『やかまし村』『メアリー・ポピンズ』シリーズ等昭和の女子小学生には定番のもののほか、吉川英治『三国志』、『宮本武蔵』、司馬遼太郎『燃えよ剣』説etc.の話をきかせたものである。今ではなぜあんなオヤジ大衆小説を飽きずに読めたのか、不明ではあるが。「自分が読んで面白かったものは他の子どもも面白いはず」と心からの親切心で語り続けていたが、今では当時の同級生に「よくつき合ってくれました、ごめんなさい、有難う」と謝りたい(汗)。


ともあれ、今もそのときと変わらず、本を紹介するのも、自分のための覚書として書き留めておくのも、大好き。私はもちろん批評家でも研究者でもなく、生半可なつぶやきめいたことしか書き留められないが、今は読んだ本5、6冊のうち1冊書ければいいほどのペースだが、仕事をリタイアした後は、きっと「海外旅行」だのなんだの(リタイア後のバラ色生活のオプションもたいして思い浮かべられず)には行かず、毎日本を読んでは感想を書くということだけで十分楽しい余生を過ごせる自信(?)がある。


ひたすら地味なマイ趣味にLOVE PIECE Clubに関心を持っていただいて、このたび、時事通信のみならず、ブックレビューのコーナーも担当させていただけることに!!やった!!と喜びながら、オファーがあってからしばらく寝かせてしまった。自分の事務所のサイト等だと自分の勝手気ままだが、LOVE PIECE Clubに載せて恥ずかしくないものをっ、と気合を入れ過ぎていたからである。しかし、まあ、しょせん、背伸びは出来ないと開き直り、書き始めることにした。


「憲法」からスタート
記念すべき第一回のテーマは、やはり憲法でしょうっ。いや硬すぎるだろそれっ。やはりポップな女子マンガとか、あれは?これは?憲法といっても、なまじ法律家だけにいい加減なことは書けない(←自意識ドンだけ過剰)、取り上げる本も基本書は外せないか、でもそうしたらそれだけで終わってしまう、緊張して無味乾燥な内容になってしまうし…。などなど、脳内会議を繰り広げて時間が経過し…。きりがないので、時事通信同様、行き当たりばったり、自由気ままに取り上げていくことにする。


「改憲」という言葉が頻繁に新聞に登場する。「護憲」の集会への講演を地方自治体が取りやめるといった事態も散見される。中学生のころ「お気に入り」のいくつかの条文を暗記していたほど憲法が大好きな私としては、憲法のことが気になって仕方がない日々である。なお、「お気に入り」の条文うちひとつの97条など、自民党改憲案でバッサリ削除されている(ちなみに、私も、『憲法のポリティカ 哲学者と政治学者の対話』白澤社、2015年を高橋哲哉教授と著した岡野八代教授とともに、人類普遍の原理を無視する自民党改憲案を「憲法草案」と呼びたくない)。ううう。「え、97条?なんだっけ」という方のために、引用する。
97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。


しみじみ、何度読んでも感銘を受ける条文だ。渋谷秀樹立教大学教授(『憲法への招待 新版』岩波新書、2014年)が指摘する通り、この条文は、歴史を現実に生きた人類の悲惨な経験こそが、人権を保障する根拠であると語っているのではないか。そうだとしたら、この条文の削除は、基本的人権を保障しない政府の行為によって人間の尊い命が失われた過去の経験を軽視し、そのような政府の行為の復活への意欲を意味するとしか考えられないではないだろうか。


弁護士にとっても、憲法は身近ではない。当然だ。憲法上の人権が侵害された!という事件がバンバン生じ、日常的に憲法訴訟を提起しなければいけないとしたら、大変な暗黒時代ではないか。私も夫婦同姓を強制する民法750条の違憲性を問う訴訟の弁護団の一員だが、民法、家事事件手続法、人事訴訟法etc.を駆使する離婚事件等家事事件は常時数十件受任していても、憲法訴訟はこのひとつのみ。なのに、なぜ憲法のことが日々気になってしかたないのか。
ざざざっと読んだ憲法の本の多くが、人びとが憲法を意識せざるを得ない現状自体に危機感を表明する。たとえば、谷口真由美大阪国際大学准教授(全日本おばちゃん党代表代行)が、『日本国憲法大阪おばちゃん語訳』(文藝春秋、2014年)の冒頭で、ほんの10年前は憲法がこんなに世間の注目を集める時代ではなかった、「これが売れたら、ある意味エライ世の中になったことですわ」と記すが、実際結構な売れ行きだそうだ(喜んでいいのかどうなのか…)。渋谷秀樹立教大学教授も、「憲法を意識しないで済むのが、憲法がうまく機能しているあかし」であり、憲法が議論されるのは、社会が大きな変革期に入ろうとしている兆候と見ることもできるが、本当に今そんな変動の時期にあるのか、むしろそれを口実にして、私たちの生命や自由を不条理に奪い、平穏で幸福な生活を脅かす企てが隠されているかもしれない、私たちの自由を守る「切り札」として真価を発揮するはずの憲法、その「切り札」の模様替えを図ろうとする議論に安易に乗るのは、「危ない」と指摘する(『憲法への招待 新版』岩波新書、2014年)。


他方、上野千鶴子東京大学名誉教授の『選憲論』(集英社新書、2014年)は「憲法論議は、起きないより起きるほうがずっとよいのです」とポジティブだ。打たれたら打ち返す、いや打たれる前にこっちから打って出る、そんな言論バトルをサバイバルしてきた、タフなフェミニズム研究者ならではの力強さを感じる。たとえ結果が変わらなくても、何度でも選びなおすことでむしろ、私たちの憲法だ、と納得するのだから、と。改憲論に対して、護憲論がたんなる「現状維持」、「何もしない」でいることで、憲法の空洞化へ加担しているかもしれない、ともいう。これが議論を続けよう、ということなら、谷口さんがいう「改憲、護憲という前に、知憲でっせ」ということなら理解できるのだが、それを越えて国民投票を、ということにはまだ膝を打つのをためらう。


国民主権にいう国民とは、今ココの有権者に限らない。木村草太首都大学東京准教授は、「「国民」=「有権者の多数決」という理解は、あまりに素朴すぎる。」、国家というのは「数世代にわたり継続する団体」であるから、「主権を担うべき「国民」には、現役世代の有権者だけでなく、未成年者や生まれていない将来世代の国民までもが含まれていると理解すべきだろう」という(『テレビが伝えない憲法の話』PHP新書、2014年)。今ココの有権者の多数決によって奪ってはならない人権保障の各規定、さらには独裁を防ぎ個人の尊重を確かなものとする統治システムの各規定は、易々と「国民の総意」に丸投げすることはできない。日本国憲法の憲法改正の厳格な手続は、「国民の総意」(有権者の多数派)への丸投げにより独裁を誕生させ人権保障が形骸化することになった歴史を踏まえているものだ。もちろん、上野さんも、この厳格な改正手続を前提とし、改憲や選憲を唱えるなら、この厳格な手続のハードルを正々堂々越すべきだ、としている。しかし、「もし愚かな選択をしたら、それも主権者の責任だ」という文章には、戸惑う。先ほどの木村準教授のいうとおり、「国民」が将来世代まで入るとしたら、そう突き放すよりもまず、熟慮のための情報提供と議論を呼びかけたい。


次回も乞うご期待
さて、いよいよ、いくつかの本を取り上げて憲法がどのように語られているかを語りだそう、やはりフェミ的には24条改悪が気になるからそのあたりを取り上げたい、百地章監修・明成社編集『女子の集まる憲法おしゃべりカフェ』(明成社、2014年)なんてトンデモ本も「みなさん!こんなこと書いてあります!」と声を大にしてお知らせしたかった。ん?この本、今の時点で「初版第4刷」、トンデモ本と切り捨てるには売れすぎている、それがまた怖すぎる。明日の自由を守る若手弁護士の会の「憲法カフェ」をパクッているものの、自民党改憲マンガ同様オッサンが女たちを教え導くというこのジェンダーバイアス構図その他どこまでもツッコミをいれられそうだ。ようっし、と腕まくりしたら、なんと、これでも3800字を超えてしまったので、唐突だがこのあたりでまずは筆を置く。


次回はこの続き、あるいは全然違う本を取り上げて、数回置いて興奮がクールダウンしたころにまた書くかも。いや、そのころには改憲論議なんてあったね〜、何だったろうね〜となっているといいね、懸念を表明した幾多の憲法本も今は開く必要がないね、となっていたらいいいのだが。
どうぞよろしくお願いします。

プロフィール
打越さく良
打越さく良(うちこしさくら)
弁護士・第二東京弁護士会所属・日弁連両性の平等委員会委員日弁連家事法制委員会委


得意分野は離婚、DV、親子など家族の問題、セクシュアルハラスメント、少年事件、子どもの虐待など、女性、子どもの人権にかかわる分野。DV等の被害を受け苦しんできた方たちの痛みに共感しつつ、前向きな一歩を踏み出せるようにお役に立ちたい!と熱い。
趣味は、読書、ヨガ、食べ歩き。嵐では櫻井君担当と言いながら、にのと大野くんもいいと悩み……今はにの担当とカミングアウト(笑)。


著書 「Q&A DV事件の実務 相談から保護命令・離婚事件まで」日本加除出版、「よくわかる民法改正―選択的夫婦別姓&婚外子差別撤廃を求めて」共著 朝陽会、「今こそ変えよう!家族法〜婚外子差別・選択的夫婦別姓を考える」共著 日本加除出版

さかきばら法律事務所 http://sakakibara-law.com/index.html
GALGender and Law(GAL) http://genderlaw.jp/index.html 
WAN(http://wan.or.jp/)で「離婚ガイド」連載中。