「金寅大賞」

2008年12月27日


今年もいよいよ大詰めです。もうすぐ新しい年にリセット、やったぜハッピーニューイヤー。その前にこの一年ちょっと振り返ってみましょうか。

今年は「篤姫」にけっこうはまったなー、特に始めの、次々呼び名が変わっていく出世魚物語な頃はとても楽しかった。毎週欠かさず観ていたものです。しかしながら、夫であるアホ将軍家定に橋の上で抱きとめられてからというもの、わたし的には面白さ半減。特に、禁を犯して大奥の扉を開けさせた篤姫が城の表をどんどんと突き進み、家祥に対面するなりやおら、「あなたについていきます」かなんかそんな台詞で、天まで上ったわたしの期待感をどーんと突き落としてからは、麻生内閣並みに支持率急落。それでも大河ドラマ史上稀なる「女物語」、最後まで見届けました。楽しかったですありがとう。はいはいあれはテレビドラマでしたよね。いずれ映画になるのではないかと先読みさせていただきました。

さて、今年のフーサン映画大賞、名付けて「金寅賞」、たった今創設させていただきました。エントリー作品少ないです。来年はもっとたくさん観まくるぞー!(いきなり反省)

まずは「金寅大泣きde賞」、これは単純に「おくりびと」に決定。実際一番泣いたので。黙って横たわる「ご遺体」というものが観客の想像力をふるわせて、瞬時に自分で創り出した物語に自分で胸がいっぱいになってしまうという仕組みです。これは同情心と呼ぶもの?だと思います。ちなみに日本アカデミー賞にもエントリーされています。滝田洋二郎監督、主演男優本木雅弘、快挙なるか!?

そして「金寅大笑いde賞」やはりこれは革新ディズニー映画「魔法にかけられて」に捧げましょう。あのおとぎの国のバカ王子と大河ドラマのアホ将軍がみごとにシンクロ。頑なな、わたしの中の男子のイメージを、ずいぶんユルユルにしてくれました。肩の力が抜けました。ありがとう王子様たち。

王子様のあとは、「金寅ヒーローde賞」これは毎年は出ません。かなりの特別賞です。「アイ・アム・レジェンド」に授与!おめでとうウィル・スミス!こんなヒーロー初めてです。なぜなら始めからヒーローはすべてを失っている。ひとりぼっち、守るものなんかありません。途中愛犬さえも失って、本当に絶望してしまう。観ている方は苦しいばかり。なんでこんな映画創るんだよー!心の中で叫びます。そこへ奇跡的に現れる子連れの母親。人類滅亡後の廃墟で、しかもいつゾンビが襲ってくるのかもわからないような危険な場所で、女子供が、誰の手助けも受けずに生き延びられるはずはない。ヒーローは戸惑います。彼が生き残れたのは、知力体力意思力経験力技術力、どれをとってもピカイチの男の中の男だったから、のはず。実際わたしも考えた、このシチュエーションでわたしが一人生き抜くことはまるで不可能、すごいぞウィル・スミス、と。それが反対に女子供に助けられちゃう。長い間たった一人で戦闘態勢にいたヒーローは、久しぶりに人間と会ってもなじめず、優しい父親や夫であったかつての自分を取り戻すことができない。そうだよねそうだよね、深く傷ついた人間の心、そう簡単に治ってたまるか。そんなわけで、彼の悲しみはわたしの心にしっかりと刻み込まれました。安らかにお眠りください。合掌。

それから「金寅かなり恐かったde賞」これはコーマック・マッカーシー原作の「ノーカントリー」に。テーマでありサブ主人公である最強冷血殺人鬼、これをスペイン系のハビエル・バルデムが怪演。何処へ逃げてもあの異様にギラギラした眼が追いかけてきます。殺人に理由なんかいらない、なぜなら彼は悪そのものだから。悪そのものって何でしょう?純粋悪、それさえも人間性の一つなんでしょうか?おお恐っ!この映画を観た後しばらくマッカーシーの小説にはまりました。彼の代表作である「ザ・ロード」もまた映画化され、アメリカで公開中だとか。これもまた絶望未来、寂寥として灯りのない、先の見えない灰色の世界。父親と幼い息子の終わりのない旅です。小説を読み終わっても、灰色の世界は消えず、再び現実に意識がなじんでくるまでに少し時間がかかってしまうというような、それほどの強烈な物語です。そしてここでもまた、ある純粋さというものが語られています。今から「金寅原作賞」を差し上げておきましょう。来年のロードショウを心待ちにしている次第、どこかの配給会社さま、是非日本公開よろしくお願いいたします。

なんだか悲しげなラインナップになっちゃったなー。それでは最後に「金寅大賞」!「セックス・アンド・ザ・シティ」とどちらか迷いましたが、ここは一つ、明るい未来を目して「ジュノ」といきましょう。「セックス・アンド・ザ・シティ」には「銀寅大賞」を。「ジュノ」に影響されてアメリカで、協力して子育てしようと誓い合い、集団妊娠した高校生が問題視され事件扱いされたことがありました。若気の至りとか性の乱れとかおバカ女子高生とか言われていたようですが、わたしははっきりと羨ましい。そんなふうに家族制度や生活体勢をクリエイティブに捉えていきたいものだなと。今頃彼女らはどうしているのでしょうか。望みは無事に叶えられたのでしょうか。

それでは、2009年、絶望と希望の未来へ!
来年もまたお付き合いのほどどうぞよろしくお願いします。
よいお年をお迎えください。

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高橋フミコのプロフィール

高橋フミコ高橋フミコ
あたくしの大移動歴
1960年横浜市生まれ☆太陽はしし座月は乙女座☆どっしりとした猿☆A型
中学・高校時代☆筋肉少女、浪人4年☆はは呑気だね美大卒業後フリーター生活20年☆はは呑気だね☆近頃は職人の親方パフォーマンス・アーティスト
☆テーマは転・映・反(隠し文字クイズよ!)
2003年から3年間ラブピコラム「半社会的おっぱい」担当させていただきました! 趣味:買い物&店員さんとのおしゃべり
特技:忘却、目標:長生き
著書「ぽっかり穴のあいた胸で考えた」2006年バジリコ


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