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東京オリンピック、ラジオ体操で身体を国民化?  早くも都民ファーストの皮が・・・?!
17.08.04 by 深井恵



7月下旬、九州地区の女性教育労働者研究集会に参加した。奇しくもその集会に、このコラムを読んでくださっている他県の方が参加していて、「類は友を呼ぶ」を再確認して、元気づけられた。研究集会では、過勤務をいかにして減らしていくか、根強く残る性別役割分業意識をいかに乗り越えていくか、JK(女子高生)ビジネスやSK(小学生)ビジネスから子どもたちをどう守っていくか等々に、情報交換や意見交換がなされた。

集会の翌日、7月24日から東京都庁で毎日14:55にラジオ体操の曲が流されることになった(オリンピック閉会式の9月6日まで)。東京五輪まであと3年。その3年間、毎年この時期にラジオ体操だそうである。

「みんなでラジオ体操プロジェクト」と銘打たれたこの都庁の取り組み。都内の企業や全国の自治体にも同様の取り組みを呼びかけていくという(迷惑な話だ)。企業でのラジオ体操と言えば、ドキュメンタリー映画『田中さんはラジオ体操をしない』(2008年)を思い出す。(詳しくはhttp://urayasu-doc.com/tanakasan/を参照されたい)。

この映画、いまから30年以上前、勤務時間前に毎朝行われていたラジオ体操を拒否し続けたために、大手電機会社を退職させられた田中さんの実話で、オーストラリアのマリー・デロフスキー監督の作品である。残念ながらというか、当然ながらというべきか、日本映画ではない。そして、シネコンでは上映されることはなかった映画である。

ラジオ体操をめぐる動きでは、最近「ラジオ体操 お国言葉編」というものも登場しているようで、「ラジオ体操第一 関西弁」をはじめ、津軽弁、山形弁、名古屋弁、博多弁、鹿児島弁、英語編やイタリア語編等々、さまざまなバージョンが作られている。

都庁のHPには、都内各自治体の「ゆるキャラ」たちが踊るラジオ体操の動画を見ることもできる。ラジオ体操に親しみを感じさせ、子どもも取り込んで、楽しく体操できるようにするためか。

なぜいま、ラジオ体操なのか。小池都知事はラジオ体操を取り入れた理由を、「日本人なら音楽を流せば体が勝手に動く。DNAに刻み込まれている」と説明したそうだ。いまどきの子どもたちには、ラジオ体操を知らない子どもが結構いるということをご存じないのか。

そもそもラジオ体操はいまから90年ほど前に作られたものであって、決して「(日本人の)DNAに刻み込まれている」ようなものではない。しかし、小池都知事にかかれば、まるで古来からラジオ体操をしてきた民族だといわんばかりの「DNA」話である。

ラジオ体操は昭和天皇の即位を祝うために考案された側面を持つ。その体操を全国に定着するために動いたのが、NHKと郵便局(全逓)だ。「かんぽ生命」のHPにもラジオ体操の歴史が掲載されている。

「かんぽ生命」のHPに説明があるが、旧チェコスロバキアのソコル(全国民が一斉に行う体操等)に影響を受けていたようで、国民の身体能力の強化と民族意識の高揚を目的としていたらしい。今回の都庁でのラジオ体操も、東京五輪の大会気運の醸成と都民、国民の健康増進につなげるのが狙いとのこと。

しかし、歴史を読み解けば、集団体操は愛国意識と容易に結びつくことは明らかだ。娯楽や健康を目的としていた体操が、国家の管理政策に組み込まれていく「身体の国民化」へとつながる。

先日、友人の家で『美の祭典』(1938年)を見る機会があった。ナチスドイツの時代、レニー・リーフェンシュタール監督が手がけた、ベルリン・オリンピックの記録映画二部作のうちの一つだ。筋骨隆々の人々が次から次に登場し、肉体美をこれでもかと見せつける。この映画は、当時、ナチの力を世界に誇示することに成功した。

「みんなでラジオ体操」、略して「みんラジ」という言葉が既に広がりを見せている。東京都のオリンピック・パラリンピック準備局のスポーツ推進部からは、「みんなでラジオ体操プロジェクト皆勤賞」まで用意され、都内企業や都民のみならず、全国にラジオ体操の実施を呼びかけている。

ラジオ体操にまでも「皆勤賞」を設定するとは、悪しき体質である。皆勤することを「美徳」と位置づけ、過労体質を醸成する。日本は効率の悪い働き方をしていると海外から揶揄されているのに、相変わらず、「休むこと」をよしとしない国民性。健康増進のためにする運動で、疲れ果てて体を壊す、そんなブラックユーモアに陥らないことを願う。

「都民ファースト」が、早くも「国家ファースト」にすり替えられる一面を見た、今回の「みんなでラジオ体操プロジェクト」。小池知事は国政を視野に動き始めているという。今後の選挙では、一票を投じる国民の立候補者を見極める目が試される。

これから先、「ラジオ体操拒否」の闘争が全国各地で繰り広げられるのか、協調圧力に屈してみんなでラジオ体操するのか、はたまた、自ら進んで嬉々としてラジオ体操するのか・・・。

どうせ協調するなら、ラジオ体操ではなく、みんなでかけ声かけて「♪それ、いっち、にぃ、さんっ」と、勤務時間終了とともに帰途につきたいものである。

著者| 具ゆり深井恵打越さく良阿部悠牧野雅子
プロフィール
深井恵
深井恵(ふかい・めぐみ)
九州某県の高校日本語教員。
日教組の「教え子を再び戦場に送らない」に賛同して組合加入。北原みのりさんとは、10年以上前(ジェンダー・フリー・バッシングがひどかった頃)に組合女性部の学習会講師をお願いして以来の仲。