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「集団認知行動療法プログラム」のお話です
17.05.18 by 具ゆり



 今、統計的には10〜15人に1人は生涯のうちにうつ病を経験すると言われています。子どもから高齢者まで、世代を問わずに発症する病気です。
 カウンセリングでは、女性の「うつになって当然」事情はヤマほど見聞きしてきました。女性の罹患率は男性のおよそ2倍といわれていますが、一方で男性のうつも深刻です。
 男女問わず、うつ病等で休職したり、復職しても再発を繰り返して、やむなく離職せざるをえない人は少なくありません。そんな人たちと取り組んでいるプログラムがあります。

 N市精神保健福祉センターで、集団認知行動療法プログラム(リワーク支援プログラム)に関わって8年目になります。私の担当は<アサーティブネス>。
このプログラムは、うつ病等によって休職・離職している人が復職・再就職の準備性を高めていくもので、(1)病疾理解 (2)再発予防 を主な目的としています。
 受講にはいくつかの条件があります。復職・再就職する意欲があること、継続した参加ができる程度の病状の安定、主治医の同意があることなどです。
 今年度も、5月に第1期が始まりました。
 ※年間3クール(1期3ケ月24セッション)実施

 メンバーはうつ病やそれに類する病歴・疾患をかかえた人たち(10名ほど)で、男女を問いません。セッションには担当の精神科医、そして心理士などのスタッフ3〜4名がサポートに入るという、たいへん手厚いプログラムです。

 長年、女性の自己尊重トレーニングやアサーティブトレーニングを実践してきた身としては、「集団精神療法」であれ男女混合メンバーであれ、同じ姿勢を心がけて実施していますが、複数のスタッフが常にそばでサポートするスタイルは他ではないものです。
 メンバーに男性が多いのも特徴です。確かに、男性社会の職場でうつになった人たちですから当然でしょう。
 特に男性の中には、高学歴で高収入、海外駐在経験者や元管理職もいれば、研究者、公務員、教師がけっこういます。発達障害が疑われる人もいますね。
 ただ、1〜2人でも女性がいてくれるとプログラムの進行はずいぶんラクになります。ここで性差は感じます。でも最近は全員男性ということがたびたび。正直、今回も男ばっかり〜、だとガックリシンドイところです。
 それでも、ある意味わけありメンバーたちにとって、大切な社会復帰へのステップです。
 自らの意志で参加するというより、プログラムを修了することは、復職への準備、自分にとっても自信となるようで、終了したやりとげ感は大きいと聞きます。
 実は男性が多いからと逃げ腰になった時期もあるのですが、男性を知る・見るいい機会になっています。

 といっても、私が担当するのは24セッションのうち始めの3セッション。
 グループワークになれないスタッフの代わりに、まずはメンバーシップづくりがミッションです。症状が安定しているとはいえ、初対面のメンバーとスタッフたち。アイスブレーキングで場をほぐし、ゆるめながら、
  新しい関係づくり 他者との関係 アサーティブのスキルとコツ と、短いセッションですが、伝えたいエッセンスを盛り込みます。

 私は元々男性への講座や研修に拒否感があるわけではありません。
 リワークの場合、彼らがなんでうつになって求職することになったのか、離職してしまったのかという点では、休日返上の過重労働や過剰なノルマのほか、パワハラ、セクハラ、モラハラなどが、職場での不当な事実がみてとれることは多いです。労働現場での人権侵害や暴力被害が背景にあるのは、男に限らず、女に限らず、どこにでもある話しだというのも残酷なことですが。
 ただ、彼らが自分の身に起こったことを「暴力」と認識しているかどうか。もちろん、自分が受けた「仕打ち」を切々と話し出すなど、いきなり、やりきれない思いを吐き出そうとする人もいます。
 ですが、プログラムでは個別の話は深めないようにしています。カウンセリングと違って、そこはすくいきれないからです。ただ、簡単な事例を通してレッスンをしていても、自分の内面に目を向けていくと、問題はポロポロこぼれて見えてくるものです。

 職場で自分の気持ちなんか考えず、心には目を向けずに仕事にまい進してきた人が多いので、感情や気持の底にある本来の欲求に目を向けようとしても、苦手な男性は多いですね。
 そんなことで、問題は解決しないじゃないかと開き直るメンバーもいます。
 でもね、だからと言って、仕事をしている場で、立場に上下関係があるからといって、何を言われても仕方ない、従わないといけないわけじゃないでしょ? 
 相手を変えることはできません。自分がどう生きてきたか、これからどうアサーティブに生きていくか、そのためにも自分をふりかえって考えてみましょうよ。ね、特に男の人たち。


 仕事をする場での人権侵害や過剰なノルマの要求や叱責や不当な扱いや見下され感・・・。屈辱的な仕打ちを受けても、笑って受け流してきたこともあるかもしれないですね。そうだとしたら、限界がくるのは当たり前でしょ。それ、心が弱いから折れたんじゃなくて、暴力でやられてきた結果ですよ。
 苦しい、辛い、恥ずかしい、情けない・・でも仕事辞められない・・家族養わないといけない・・ 誰かに相談してみた? アルコールでごまかしたりしてない? わからなくもないけど、そんな一時しのぎを繰り返しても究極は追い詰められてバーンアウトするのがオチです。
 男性の相談しない率は高いから、自殺率の高さとかぶります。なんで? 沽券にかかわるの? それって、そんなに大切? 男の沽券ってなによ? (バカだねえ、とまでは言わないけど)だから男は死ぬのかな〜・・・

 確かに「男ジェンダー」も辛いものがありますよね。
 泣いたり、弱音を吐いたり・・・そんなガス抜きも大切なのに、そんなにハードルが高いことじゃないのに、してきた? しちゃいけないとガマンしてない? 真面目に、立派に生きてきたんだろうけど、それが悪いことじゃないのはわかるけど、世の中はこういうもんだと言い聞かせて、「自分」をないがしろにしてきたツケが出てるとは思いませんか? うつがそれを教えてくれてるのかもしれません。

 そんな沽券にこだわる人に限って、別のところではけ口、八つ当たりしている人もいる。DVや虐待、ギャンブルやアルコール依存、ひきこもったり、ターゲットを探してヘイトにあけくれたり。問題に向き合おうとしないで、逃げてることだよね。自分の問題なのに、誰かに責任転嫁したり、逆に強がって見せたりするのは不安で弱虫な証拠にも見えますよ。
 アサーティブに物事をとらえて、考えていけるといいですね。



 プログラムの中ではここまで言えませんけどね。
 心のどこかで、男性はやりにくいと思っていましたが、そうでもないのかな〜。
 かれらが女性のDV被害や暴力被害者として重なる部分があるからです。ただエリートほど防衛的な人が多いのは仕方ないのかな・・。そここそ、つっこんでいきたいところですが、実際のところは時間がありません。

 プログラムでできることは限られています。けっこうエネルギーいりますが、できることに全力です。
 認知行動療法はその後もプログラミングされているので、初めにインプットしたアサーティブのエッセンスは何度でも思い出してもらえるし、事例を繰り返し使いながら応用して深めていきます。
 あとは自分の人生ですからね。自分次第ですよ。

著者| 具ゆり深井恵打越さく良阿部悠牧野雅子
プロフィール
具ゆり
具ゆり(ぐ・ゆり)
フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んで20年あまり。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。