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「女子」向けヘイトを扇動する試みをストップさせるには
17.01.10 by 打越さく良



「ニュース女子」ショック
 沖縄・高江の米軍ヘリパッド建設に反対する人たちを「テロリスト」と表現し、「日当をもらっている」、「組織的に雇用されている」等と「報道」(?)した1月2日のTOKYO-MXTVの番組「ニュース女子」が私の周辺では激震というくらいに話題になった。動画自体はYouTubeにアップされては削除されている(現時点ではこちら)。
 ひどいという言葉で想像できるものを超えている。ここで逐一指摘するのも、きつい作業だ。と思っていたら、有り難いことに、どこがどのように問題があるか検証したツイートのまとめhttps://togetter.com/li/1066931https://togetter.com/li/1067201も既にある。以下に一部触れるが、詳細は動画やツイートのまとめを参考にしていただきたい。


「現場」にいかない「現場レポート」
 番組の前半、沖縄の基地問題の特集コーナーで、「軍事ジャーナリスト」の井上和彦氏が沖縄を訪れたVTRが流される。
 「反対運動の連中がカメラを向けるとみてます」などとぼやかした画面が出るが、その場所は高江でなく、名護署前であり、人々が抗議しているのは市民の不当逮捕についてであることも触れられていない。
 人々に井上氏が近づくシーンでいったん途切れ、次はロケ中止を説明するシーンになってしまう。テロップには「このままだと危険と判断 ロケ中止」とあるが、映像はどうみても穏やかに立っている人々だけの画像で、「盛り上げ」ているのは、「襲撃されないですか?」というナレーションや「近づいたら危ない」というスタッフの声ばかり。「近づくと一人ふたり立ち上がって敵意をむき出しにしてきてかなり興奮した感じ」と井上氏は解説するも、肝心の「一人ふたりが立ち上がり敵意を…」シーンはなく、視聴者には観られない。「危険」「敵意」も制作者側の「評価」であって事実ではない。

 続いて「過激派デモの武闘派集団「シルバー部隊」 逮捕されても生活の影響のない65歳〜75歳を集めた集団」のテロップ。予め反対派には「過激派」というレッテルを貼ってしまうのだ。「万が一逮捕されても影響が少ない六十五歳以上を過激デモ活動に従事させている」として、反対派に「シルバー部隊」がいると説明される。しかし、そんな「部隊」はない。どんな運動でも、平日日中空いた時間があるのは、退職者が多いものだろうに…。「過激派デモ」「武闘派集団」「シルバー部隊」、といった悪意ある評価のレッテルのオンパレード。「逮捕されても生活の影響もない」年齢層なんてない。誰にとっても拘束されるのは痛手であるし、高齢者ならばなおさら体にはこたえる。いったい何を言っているのか。さらに、「集まった」でなく「集めた」という言葉を選択することにより、自発的に集まったのではなく、「何者かに操作され集められた」印象を生じさせもする。

 「トンネルの先が高江のヘリパッドの建設現場」というトンネルの手前で「地元関係者から現場付近が緊迫してトラブルに巻き込む可能性」があるとしてロケ断念。視聴者としては当然このトンネルを通過したらその場が「緊迫した高江のヘリパッド建設現場」かと思う。ところが、このトンネルは二見トンネルで、トンネルを通過してもそこには高江のヘリパッド建設現場があるわけではない。約40劼睥イ譴討い襪里世箸(「「沖縄の基地反対派は日当もらっている」MX報道 その根拠となる証拠とは」2017年1月7日11:01籏智広太記者)。それに、この記事が指摘するように、BuzzFeedその他報道機関、フリーランスのジャーナリストは現地で取材できているのに、車で1時間以上手前で取材を止めた上で「現場では何が起きているのか」をレポートすると銘打つのはいかがなものか。スタジオトークでは「他のメディアもカメラを向けると入れない」との発言までしているが、虚偽である


中傷、ヘイト…
 また、のりこえねっとに触れながら、のりこえねっとが「ヘイトスピーチに対峙し決然と対決し民族や国境の壁を越えて人権の普遍的価値を擁護し、防衛する行動」(設立宣言)を続けようとしているのだが、スタジオトークではその活動を「隙間産業ですね。何でもいいんです盛り上がれば」と矮小化して中傷される。「何でもいいんです盛り上がれば」と呆れたいのはこっちだ…(嘆息)。

 「反対派は日当をもらっている」「何らかの組織に雇われている」とほのめかされる。市民たちの止むに止まれぬ自発的な運動ではない印象を生じさせる。東京新聞(1月7日付け朝刊「こちら特報部」)によれば、のりこえねっと共同代表の辛淑玉さんは、「昨秋、沖縄の現状を実際に見て、ネット上で発信する特派員を募集した時、交通費として5万円を出した。カンパで5万円が集まるたびに1人派遣し、合計16人。だが、格安航空券でも、那覇空港から電車もない現地へ行くには5万円では到底足りず、みんな自腹覚悟で行った」とのこと。こんなことは、取材すればすぐわかる。思わせぶりに「2万円」が配られたという茶封筒など、その出自は最後まで不明で、反対派との関係はわからずじまい(「「沖縄の基地反対派は日当もらっている」MX報道 その根拠となる証拠とは」2017年1月7日11:01籏智広太記者)。なんなんだ…。

 スタジオトークでは、井上氏が「韓国人はいるわ、中国人はいるわ。何でこんな奴らが反対運動やってるんだと地元の人は怒り心頭」と言ったり、経済ジャーナリストの須田慎一郎氏が、辛さんについて「在日韓国人の差別と戦ってきたカリスマでお金がガンガン集まる」と述べたりした。
 反対運動に関わっている外国人は、韓国人と中国人だけではないが、あえて韓国人と中国人をあげるところに、嫌中反韓の思惑を感じ取らざるを得ない。辛さんが在日であることを強調するところにもだ。
 のりこえねっとは1月5日付で、「辛淑玉を誹謗(ひぼう)中傷する虚偽報道に対する抗議声明」を公表している。辛さんは、「ニュース女子」の制作側がのりこえねっとに取材を申し込んできたことすらないとツイートしている
 ううむ。現場にも行かないわ、のりこえねっとに取材もしないわ…。そもそも沖縄米軍ヘリパッド建設になぜ人々が反対しているのかの解説すらない。反対する人々は「過激派」と暴力をふるう異分子、「外国人」それもあえて「中国人、外国人」、「日当をもらっている」輩というわけか。異分子扱い、分断した上で排除する…。百歩譲って政治的偏りは目をつぶっても、いくらなんでも取材すらしないなんて、ニュースというに値しないだろう。いや政治的偏りに目をつぶってはいけないか。放送法第4条1項は、「政治的に公平であること」(2号)、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」(4号)を放送事業者の編集等について規定しているのだから。


ニュースは事実を公平に伝えるもののはず
 この番組は、「「タテマエや綺麗ごとは一切なし!本音だらけのニュースショー!!今話題のニュースを女性とともに考え、面白くわかりやすく解説する、大人の社交界型ニューストーク番組」
 とのことだ。タテマエや綺麗ごとはなくていいが、ニューストーク番組という以上、放送事業者として倫理は守ってもらわなくてはならない。一般社団法人日本民間放送連盟の放送倫理基本綱領も確認しよう。

「放送は、民主主義の精神にのっとり、放送の公共性を重んじ、法と秩序を守り、基本的人権を尊重し、国民の知る権利に応えて、言論・表現の自由を守る。
(略)
 放送は、意見の分かれている問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにし、公正を保持しなければならない。
(略)
 報道は、事実を客観的かつ正確、公平に伝え、真実に迫るために最善の努力を傾けなければならない。」
 今回のニュース女子はこの倫理に沿っているとはいえない。ヘイトスピーチにより被害者が「多大な苦痛を強いられるとともに、当該地域社会に深刻な亀裂を生じさせている」害悪を認め、ヘイトスピーチを「あってはならず」「許されないことを宣言」したヘイトスピーチ解消法(前文)の理念にも逆行している。


できることはある
 番組では、スタジオに「識者」として男性がずらりと並び、「教えてもらう」側に美しい女性たちがずらりと並ぶ。「男が女に教えてやる」という構図自体がなんともグロテスク。合間合間にDHCの広告が入る。番組の制作は(株)DHCシアター。同社の株主は株式会社DHCは女性の消費により得た利潤を女性へのこうした「啓蒙」に還元しようとしているのか。
 私が震撼としたこの番組について、沖縄に住むある人は「もう驚かない」と言った。こんな沖縄ヘイト、もはやありふれていると。メディアやネットで蔓延する沖縄ヘイトに、どう対抗できるだろう。番組に抗議したり、細々とSNSでつぶやいても、たかがしれている。しかし、メディアやジャーナリストの矜恃に期待して何もしないのも…。どう対抗すればいいのかだろう。おお。「♯DHC不買運動」とハッシュタグしたツイートがあらわれている。なるほど。女性は「啓蒙される」側にとどまってはいられない。消費者なら消費者として主体的に行動で意思を示せる。一人ひとりの声は小さくても、集まれば。できることから、チャレンジしよう。沖縄や在日と亀裂をつくられることにはNO、差別のない社会に少しでも近づいていきたいから。

著者| 具ゆり深井恵打越さく良阿部悠牧野雅子
プロフィール
打越さく良
打越さく良(うちこしさくら)
弁護士・第二東京弁護士会所属・日弁連両性の平等委員会委員日弁連家事法制委員会委員・日弁連子どもの権利委員会委員・日本司法支援センター調査室嘱託


得意分野は離婚、DV、親子など家族の問題、セクシュアルハラスメント、少年事件、子どもの虐待など、女性、子どもの人権にかかわる分野。DV等の被害を受け苦しんできた方たちの痛みに共感しつつ、前向きな一歩を踏み出せるようにお役に立ちたいと思います。
趣味は、読書、ヨガ、食べ歩き。嵐では櫻井君担当と言いながら、にのと大野くんもいいと悩み……今はにの担当とカミングアウト(笑)。


著書 「Q&A DV事件の実務 相談から保護命令・離婚事件まで」日本加除出版、「司法におけるジェンダーバイアス[改訂版]」共著 明石書店、「よくわかる民法改正―選択的夫婦別姓&婚外子差別撤廃を求めて」共著 朝陽会、「今こそ変えよう!家族法〜婚外子差別・選択的夫婦別姓を考える」共著 日本加除出版

さかきばら法律事務所 http://sakakibara-law.com/index.html
GAL ジェンダーアンドロウ http://genderlaw.jp/index.html