2001/6/20〜2001/10/24
VOL.07 傍観する女〜善之21歳の場合〜
<善之21歳の場合>
真希が首をかしげる様子を思い出すと下半身がむずむずする。今は残念ながら真希 の素の脚線美を見ることができない。ジーパンをはいているからだ。今年流行の腰で はくヒップハンガータイプのぴたぴたジーンズだ。裾も7部丈で短い。
善之はいつになったら真希がこっちを向いてくれるのか、ベッドに寝っころがって 頭をソファーにもたせ、ぼんやりみていた。真希は持参した双眼鏡でベランダから外 を眺めている。善之の部屋について、飲料水を少し飲むと、「ちょっと待ってね」と 言ったきりあの態勢だ。一体何をしているか、さっぱり分からない。
窓を開け放したままじゃ、クーラーが効かないじゃないか、と文句をつけたいところ だが、この間アパート前の道で初めて顔を合わせてそのままセックスして、その後の 今日だ。まだ2回しか顔を合わせていない相手に大きな口はきけない。それどころか 相手の真意すら定かではない。実際電話番号を交換したものの、本当に連絡が来ると は思ってもみなかった。
だけど、真希のジーパン姿はなかなかのものだった。お尻はジーパンで強調されて大 きく見える分、腰のくびれがくっきり分かる。小さなぴったりしたTシャツの裾は双 眼鏡を持つ手に吊られて持ちあがり、細い腰がちらりと見える。この間ワンピースを 着ていたときは分からなかったが、Tシャツの下のがっしりした肩も、その対比で細 く長く見える首も魅力的だ。これが全部自分の物になったのかと思うと、胸がざわざ わするような熱い喜びがこみ上げてくる。
真希は双眼鏡を覗いていたまま微動だにしない。どこか遠くを見ているのではなく、 すぐ目の前の郵便局宿舎を見ているような気がする。
何十分もそうしているのを見て、寂しくなって声をかけた。
「ねえ、何してるの? 一人にしないでよ」
「うん、ちょっと待って」双眼鏡を覗いたままの空返事が返ってきた。
1〜2分、そうしていたが、ゆっくり双眼鏡を下ろすと、ゆっくり振り向いた。逆光で まぶしく顔の彼女の輪郭しか見えない。
「うふふ、ごめんね」
真希はそういってゆっくりベッドに近寄ってきた。
善之は小さくため息をついた。
「怒ってる?ちょっとこの窓から見たいものがあったの」
真希は腰を折ってベッドの上に両腕をついて体重をかけると、そっと顔だけ善之に近 づけた。
善之は真希の行動に戸惑ってどう応えていいのか、迷っていた。
「怒らないでよ」小さくささやく。
「いや・・・」
この間見た顔と違う顔を見ている気がする。昼間のせいだからだろうか。まっすぐに 目を見られると気恥ずかしい。なんとなく視線をずらしていると、真希はゆっくり唇 を寄せてきた。
舌先が触れ合うと遠慮なく舌と舌が絡み合う。善之は手を伸ばして真希の腕をつかむ と引き寄せた。真希はなし崩しに善之の上に崩れ落ちる。
真希はお腹と肘で体を支えると義之の上に覆い被さって舌を絡めた。薄目を開けてキ スをしている義之の顔を覗き見する。緩みきった顔で目をつぶっているのがかわいら しい。真希は恥骨で善之のズボンの中で硬くなったペニスを探ってつついた。
善之は目を開けると真希の肩を持ち上げ横に押し倒した。Tシャツの中に手をもぐり こませるとブラジャーの下から手を入れて乳首を撫でた。硬くてつんとした感触が気 持ち良く、乱暴にしてやりたくなる。荒っぽく胸を揉むと、真希が言った。
「今日、生理なの」
善之の手が止まる。あ、と恥ずかしそうに真希を見ると、真希は首をかしげて「ごめ んね」と言った。
善之は気まずい思いで手を引っ込めた。期待が大きかっただけにがっかりしたが、そ れを態度に出すのはひどく即物的な気がして、無理に取り繕った。
「そうだったんだ」
「うん」
「・・・」
言葉が見つからない。気まずい沈黙は嫌だなあ、と思いながら必死で言葉を探してい た。
「がっかりした? ごめんね。」
「いや、そんなことない」
白々しい言葉が続く。
「つーか、ちんちん痛いんだけど」
善之はジーパンのボタンをはずした。
「出していい?」
「うん」
ジーパンのチャックを外すと、パンツをずり下ろしてペニスを少し覗かせた。真希は 横に寝っころがったままペニスに手を伸ばすとそっと握った。亀頭を親指でこする。
「気持ち良い?」
「うん」
「どの辺が気持ち良いの?」
「そこもいいけど、もっとちゃんと握ってこすった方がいい」
真希は手を握りなおしてゆっくり上下にペニスをこすり始めた。亀頭の先端に透明な 雫が玉を造っている。親指でそれを亀頭全体に伸ばしてすべりを良くした。
「気持ち良い?」
「うん・・・いい。もっと早くてもいいかも」
真希はくすり、と笑った。
「ねえ、オナニーしてるところ、見せて」
「え?」
「オナニーしてるところ見たい」
返答に困って真希の顔を見ると、例によって首をかしげて微笑している。
「ダメ?」
「いや、いいけど・・・、恥ずかしいなあ」善之は小さな声で呟いた。
「じゃあ、せめて胸見して」
「いいよ」
善之は真希の揺るぎのない微笑を見て意を決し、ごそごそとズボンとパンツを脱い だ。ソファを整えて頭の位置を直した。ペニスを握るとゆっくり上下に動かし始め た。空いた手で真希のTシャツを持ち上げてブラジャーからはみ出た乳房を見た。頭 をフル回転させてイマジネーションの世界を広げる。ブラジャーに手を突っ込んで真 希の乳首を撫でる。この感覚と想像を一致させる努力をする。次第に慣れた動作が気 持ち良さにつながってくる。頭の中では今まで見たAVビデオのベスト1と真希を混同 させていく。
善之の動作は次第に確信を帯びてきた。上下させる手が早くなる。半開きに開かれた 唇からは短く息が吐き出される。視点は真希の目を嫌ってか伏し目がちだ。時々思い 出したかのように真希の胸を揉む動作をするが、ほとんど上下する手に集中してい る。顔が蒸気して赤くなってきた。ペニスの先端には新たな雫が溜まり、亀頭をつ たって善之の手に零れ落ちて、糸を引いている。
「何を想像してるの?」
「・・・」
「ねえ」
善之は恥ずかしそうに覗きこむ真希の目を避けて答えた。
「前に見たAV。・・・と、真希ちゃんとやった時のこと」
「ふーん、AVってどんなの?」
「・・・」善之は無言で手を動かし続ける。鼻の頭に汗をかいて、唇からはさらに息 を荒く吐き出している。脚の筋肉がぴくぴく動く。
「ねえ、どんなの?」
「裏ビデオの素人モノ」
「気持ち良い?」
「うん。・・・あ、ダメ。集中させて」
善之はよりいっそう早く手を動かした。
真希はジーパンの上からクリトリスに手を伸ばすと、優しく円を描くように刺激し た。ペニスの先端から流れ落ちた雫は善之の手を伝って、下腹に糸を引いていた。善 之は完全に目をつぶったまま顔を上気させ、時折声ともつかないため息をつく。真希 は股の間に手を挟むとぎゅっと足を閉じた。クリトリスが収縮する。
「あ、イク、イキそう」
苦しそうに息を吐きながら言う。
「ティッシュ取って」
「ダメ。お腹の上に出せばいいじゃない」
善之は力のない目で真希を見ると、素直に従った。
「あ、あ〜、出る」
ぐぐっと下腹に力が入ったかと思うと、大腿をぴくぴくっと痙攣させ、白い精子が ぴゅぴゅっと宙を舞ってどろりと下腹の上に落ちた。
「あー・・・」大きくため息をつくと、肩で息を吐いた。
真希はじっと善之の顔を見ていた。
善之は恥ずかしげに視線を逸らすと、手についた精子を見た。白というより透明に近 いそれは下腹と糸を引いている。
「ごめん、なんか早くて。」
「ううん、面白かった。すごい出てるね」
真希は言って円を描いて零れ落ちる精子を見やった。
「うん」
善之は気恥ずかしげに笑うとシャワーを浴びにベッドから起きあがった。
二人はベッドに横になったまま話しをしていたが、6時になったところで、真希立ち あがった。
「もう、かえらなきゃ。これから用があるの。また、ゆっくり遊びにくるね」
「うん」善之は真希がもう来ないのではないかと突き放された思いで彼女を見上げ た。
「送るよ」慌ててジーパンを探した。
「いいよ、今日は急ぐから。実は6時すぎに待ち合わせをしてるの」
「そうなんだ」
「じゃあ、ドアまで」
善之は複雑な思いでドアから去る真希を見送った。パタンとドアが閉まるとはなんと もない孤独感が襲ってきた。
真希は青空アパートに出ると、ちらりと善之の部屋を見上げてから、目の前の郵便局 宿舎に入っていった。迷いもなく、階段で2階に上がる。目指す部屋の前に立つと、 ドアベルを押した。
しばらく何の音もなかったが、バタっ中で音がすると、ドアが開いた。
伸治が出てきた。
真希ははにかみながら言った。
「来ちゃった」
伸治は鼻で笑って言った。
「入れよ」
真希は黒いドアに吸い込まれた。
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