男子学生のご意見ですYO!

女子学生が少ないことで有名な、某理工系大学の学生たちが書いていると思われる掲示板を見ていたら、ある男子学生が書いたと女子学生に対するこんな意見がありました。

俺はこの大学の女子学生なんて嫌いなんですYO!
理工系出ましたと言って、企業からは珍しがられて就職できたとしても、
女だからといって、危険なことはできませんって言うんですYO!
女だからといって、定時で帰るんですYO!
女だからといって、生理休暇で休むんですYO!
女だからといって、出産や育児休業で休むんですYO!
それでも男と対等だと言うんですYO!
でも、男を選ぶときは年収なんですYO!

書き込み当時にテレビによく登場していたラッパー風お笑いタレントを真似する彼は、他の書き込みが女子学生に好意的な意見であることに相当な不満を持っているようでした。かつては理工学系大学の女子学生がものすごく珍しい存在だったのかもしれませんが、最近では「情報」「環境」「バイオ」などの流行のキーワードが含まれた学部が新たにできたようですし、内閣府男女共同参画局による「Challenge Campaign 女子高校生・女子学生の理工系分野への選択」というキャンペーンでは女子高校生を理系に導くための企画が多く掲載されています。その効果があったのか、それとも、インターネットが普及したからなのか、理工系大学に女子学生が増えているようです。

先の彼は今頃は、もしかすると社会人になったのかもしれません。もし社会人になっていたならば、生理休暇は実際のところ取得することのほうが難しいということや、出産や育児のために女性が権利を主張して当然のごとく取得しているわけではないことを少しは知ってくれたかな? なんて、考えてみるのです。出産、育児に関しては、かなり女性自身、悩んだり、迷ったり、諦めたりするのです。その一方で、まだ出産に関しては差別的な扱いをされる現実もある。当時は学生だから知らなかったのだろうな……と、考えていたけれど、このような考えを持つ男子が社会人になったからといって考えを変えるかどうか甚だ疑問に感じ始めました。もしかしたら、何も変わらず、どうせ女だからと思い、恋人ができても「応援していたこともあったけど、失敗しろって思ったこともあった……」なんて人気ドラマのヒロインの恋人みたいなこと言ったりしちゃうのかも。

こんな男性は少なからず存在するようですが、そんな方にもう少し女性寄りの視点で考えていただくことは可能だろうか? と考えてみるのですが……案の定、そんな方法はまったく考え付かないわけです。

今になってわかってきたのは、会社内での男性も生存をかけた葛藤があるということ。ある優秀な技術者で、それなりの立場にある方がいたのですが、子どもの保育園の送り迎えや習い事の送り迎えを働く妻と分担して行っていました。そのため、週の何日かは早く帰っていたのです。彼のプロジェクトは忙しく、彼の部下の一部からそんなことで上司が早く帰るなんておかしいという不満が出始めました。その不満を言い始めた男性社員は、「そんなことは母親に任せるべきだ。プロジェクトは今重大な局面を迎えているのだから!」と周囲にもらした結果、なんと大半の部下たちがそれに同調してしまったのです。それからプロジェクト内には不穏な空気がたちこめました。彼をプロジェクトからはずし、新たなリーダーを迎えようという動きが出てきました。結局、彼は子どもの送り迎えを分担することをやめ、仕事一筋にシフトしていきました。彼は仕事を取らざるをえなかったのです。こんな現実もあることから、やはり男性にもっと女性に対してもっとやさしくなれと言うのは無理な話なのでしょう……。そんな生存競争の中で仕事をしていたら、女性の存在さえある種の脅威になるかもしれないと思えば、学生の彼のような考えがその後もずっと変わらないだろうということは予想できます。

女性が興味のある分野を学び、仕事にし、それを続けてゆくのはなんて難しいことなのだろう。そう思います。ただ、今まで男だけに許されてきたような理工系の大学に女性が増えたことは嬉しいことです。しかし、最近の理工系大学が女子学生を受け入れるためにしていることのいくつかが、どうも理解できないのです。それは本来女子学生にとってはマイナスではないけれど、男子学生にとってはそれほどのプラスにはならないことなのです。学生の彼風に言えばこんな感じ。

女子学生のためだからって、カフェなんか作るなYO!
女子学生のためだからって、専用スペースなんか作るなYO!
女子学生のためだからって、外装工事するなYO!
そんなことが良く見えて、入学なんてありえないYO!
そんなことのために、学費上げるなYO!
そんなことのために、親を泣かすなYO!
そんなことのために、未来の学生(と親)も苦しむYO!

勉強する場所なんだから、見てくれなんてそんなにこだわる必要なんてないのでは? と考える私ですが、そういう感覚を持ち合わせているということは、私も相当古臭い感覚の持ち主だったということ……ですYO!


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