お値段調査を始めたのは、昨年の秋でした。
あのー、ちょっとうかがいたいんですが…
避妊に失敗してしまったようなんですけど、あとから飲んでも間に合うお薬があるって聞いたんですけど…
設定は、昨晩のセックスでコンドームが破損した女性、月経周期のちょうど12日〜14日くらい、緊急避妊とかモーニングアフターピルという言葉は知りません。
クリニック側の反応はさまざまです。「はい、扱っております」「アフターピルのことですね」と即答が得られたら話は早い。
しかし、「避妊に失敗したというのは、妊娠したということですか?」「それはどんなお薬のことかしら?」といった反応が返ってくる場合もあります。
失敗したのは昨日のことなんです。それで、あとから飲んで避妊できるお薬があるって聞いたもので…
ここでやっと「ああ、緊急避妊ですね」と理解してくれる人、よくわからないけど深刻そうなのでベテラン看護婦さんや医師に電話をまわす人、「聞いたことないわねえ、そんなのあるのかしらねえ〜」と最後まで曖昧な人など、その反応はさまざまです。なぜか怒り出す人もいます。「そんなのありません!」とかね。
もちろん、「申し訳ありませんが、うちでは扱っておりません」とすっきり言われる場合も少なくありません。
こんなしちめんどくさい調査を始めるにあたっては、いくつかのきっかけがありました。
わたしが連載をしている「cafeglobe.com」のコラムで、2001年夏に緊急避妊法を紹介したところ、併設のBBSに思いのほか多くの体験談が寄せられました。
ところがその費用、上は3万円代、下は2,000円そこそこと驚くほど幅がある。取材に行った家族計画協会が提示する「2万円」も、かなり高額な部類に入ることがわかってきた。
でもさ、ピルなんて1錠数10円よ。いくら自費診療とはいえ、3万円はボッタクリじゃない???
こうした疑問が、全国規模の価格調査という壮大な計画に乗り出すきっかけとなりました。
緊急避妊の価格、これが第1の調査内容です。
BBSを読んでいてもうひとつ気にかかったのは、処置や検査内容にバラつきがあることです。
簡単な問診と服薬指導を受けて終わったという報告の一方で、消毒をすすめられた(膣洗浄のことらしい)、内診を受けた、超音波検査を受けたという人もいる。
そこで電話調査では、内診や検査の有無なども尋ねることにしました。これが調査内容その2。
すると2万、3万といったクリニックの場合、ピルの処方に「膣洗浄」「超音波検査」などが、さながらバリューセットのように組み込まれているということがわかってきました。
例えば東京のあるクリニックでは、「ホルモン剤なので子宮ガン検査と、超音波による卵巣・子宮などのチェックをします。薬代が2万円、検査は自費ならプラス2万円です」という。
それって本当にユーザーのためなのか。その場で結果の出ないガン検査をなぜ行うのか。おまけに、本家バリューセットは単品で注文するより安くなるけど、こちらのセットはただの上乗せ。だったら検査はオプションにしていただきたい。ユーザーの弱みにつけ込んでいるのではないかという、そんな印象が拭えません。
念のため申し上げると、こんなに高額なのは東京都市部だけですけどね。
検査や内診の必要性に関しては、今後、専門家の意見も聞いていきたいと思っています。
こんな調子で、全国の診療所、病院、大学病院などに電話をかけています。現在のところは750件くらいかなあ。こんな地味な作業が意外と苦にならない、やぎ座のわたしです。 |
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