新潟市  

第07回 ナカ・ダシオくんのセックスライフ

コンドーム離れ、が叫ばれて久しい。
学生時代、オトコと2ヵ月間の旅行に行くことになり、コンドーム購入担当を買って出たわたしは、1日2回×60日+予備という算式に基づき、スーツケースにコンドーム15箱を詰めて行ったものだ(実際は、1箱半くらいしか消費しなかった。どこで計算を間違えたんだろう?)。

世界には、そもそもコンドームなんて着けるつもりのないオトコもいる。傍若無人なナカ・ダシオくんやオナカ・ダシオくんにとって、緊急避妊ピルは必携だ。

「ギャル大暴走! アフター・ピルがもたらしたSEX三昧の夏」
(話のチャンネル 2001年10月18日)

現代ギャルのSEX事情もついにここまで来た!? 今年の夏、若い女のコの間で話題沸騰した「緊急避妊薬」というシロモノをご存知か。実はコレ、射精時にコンドームが外れたり破れたり失敗して「生ハメ中出し」しちゃった際に女性が飲む、イヤ、その後に飲んでもまだ間に合う「アフター・ピル」と呼ばれるまったく新しいタイプの避妊薬なのである。(中略)ギャルたちはこれを「悪用」。ヒョイとバッグにしのばせて、生ハメ中出しSEXをバンバン楽しんじゃったりしているのだ。

記事では、「コンドームはイヤ、毎日ピルを飲むのは面倒」という「ギャル」たちが「夏のビーチをエンジョイ」する様子をリポート。「悪用」しようとしているのはどっちだか。
いや、百歩譲ってこれが誠実な取材に基づいた記事だとしよう。あらためて記事を読み返すと、女性たちのコメントは的を射ているようにも思える。

「第一、自分から(コンドームを)着けたがる男なんている? 私の経験ではひとりもいないよ」
「最後は外に出してよ、って言うんだけど、中に出しちゃうバカもいるから」

バカな男(男はみなバカです)に期待するほうがバカ、という腹のくくり方は、かなり共感できる。ずるずると中出しさせといて妊娠し、結婚して! 責任とって! わたしの人生を台無しにしたあの男が許せません! みたいな「かなしいこと.com」のリピーターよりも、ずっとマトモな判断力が備わっていると思う。

ところで、この記事がなかなか興味深いのは、次の一文。
「(女のコたちが)妊娠しても産むつもりはない。結婚したいとも今は思わないとおっしゃるのだから呆れてしまう。しかし、これが現実なのだ」

緊急避妊をちらつかせて中出ししてやろうというスケベ心の片隅に、「産みたくない」オンナへの恐怖心が顔をのぞかせる。「結婚して! 責任とって!」など、オヤジにとっては痛くも痒くもない。都合の良い避妊法を手中に収めたオンナこそ脅威なんだなあ。

ナカ・ダシオくんが好むもうひとつの避妊法は、殺精子剤だ。
長年にわたり、殺精子剤といえば、マイルーラだった。1984年に販売開始、一時は女性誌でも「スマートな避妊法」としてもてはやされたらしい。
その一方で、「かぶれる」「翌日のオリモノがすごい」「マイルーラを入れたマンコをなめたらビリビリしびれた。おそろしい」等、不安を訴える声もよく耳にした。わたしも、かぶれちゃってかぶれちゃって、泣けました。
殺精子剤とは、ひらたく言えば界面活性剤だ。マイルーラの場合はその原料に、環境ホルモンのひとつに挙げられているノニルフェノールを用いており、市民団体や、さらに大鵬薬品の労働組合からも生産中止を求める声があがっていたらしい。『買ってはいけない』にもきっちり掲載されて、売り上げはピーク時の3分の1まで減少、2001年に製造中止となった。

かつて大鵬薬品の広報に、マイルーラのユーザー像について取材したことがあるのだが、避妊効果を上げたい人(=コンドームとの併用派)ではなく、バリアなしでセックスしたい人(=中出し派)が圧倒的であることがわかった。ふーむ。避妊法としては、あまり信頼できないのにねえ。

そんな根強い中出し主義者が、マイルーラの次に求めたのが、「ネオサンプーンループ錠」。これまでマイルーラの陰に隠れていたものの、実はサンプーンの歴史は長い。1948年、昭和23年発売開始だもの。この伝統あるサンプーンが、大変な人気らしい。

1年間で売り上げ倍増!
若者に大人気の避妊薬の正しい「使用法」
(週刊ポスト 2002年12月13日号)

エーザイから発売されている「ネオサンプーンループ錠」という殺精子剤がその薬だが、00年度は約22,000本だった売り上げが、01年度は薬43,000本。さらに02年度は上半期だけで約32,000本と、まさに不況知らずの好調ぶりなのだ。(中略)実際に使用している人たちに聞いてみると、「ピルのように処方箋を書いてもらわなくても買える」「20個で600円なら安い」といった手軽さが人気の秘密のようだ。

サンプーンの成分であるメンフェゴールは、マイルーラのノニルフェノールほどの毒性はないと言われるけれど、それでも、なんでそんな錠剤をマンコの奥深くにつっこまれなきゃいけないんだか。それを選択するオトコもオンナもカップルも、わたしにはさっぱり理解できない。

避妊なしのセックスは、すべてレイプだというけれど、殺精子剤でのセックスも、じゅうぶんレイプだと思うよ、アタシは。

INDEX
調査内容詳細はこちら
第29回 [2003/07/30]
緊急避妊のお値段

●調査地域 [大学病院付属病院(私立)]
第28回 [2003/07/23]
目指せ、ヤミ堕胎

●調査地域 [大学病院付属病院(国公立)]
第27回 [2003/07/15]
中絶をめぐるわたしの空想

●調査地域 [大阪市]
第26回 [2003/07/08]
イイオサン

●調査地域 [京都市]
第25回 [2003/07/01]
村上節子さん

●調査地域 [長崎市]
第24回 [2003/06/03]
ピルは飲むのか入れるのか

●調査地域 [鹿児島市]
第23回 [2003/06/03]
パイプカットのお値段2

●調査地域 [宮崎市]
第22回 [2003/06/03]
パイプカットのお値段1

●調査地域 [大分市]
第21回 [2003/05/27]
男性用ピルかパイプカットか

●調査地域 [広島市]
第20回 [2003/05/20]
「排卵法」と「粘液法」

●調査地域 [岡山市]
第19回 [2003/05/13]
合掌

●調査地域 [和歌山市]
これより前のコラムを見る▼
 ▲topへ