LPCの連載を読んでいる人のなかには、「フェミニズムの理解者」を自負する男性や、または「ジェンダー・センシティブなカレ」を恋人にもつ女性も多いのかもしれない。わたしも最近、チンコをつけたフェミニストとの接点が増えて、あらためて思う。彼らを信用していいんだろうかって。
彼らはリプロダクティブ・ヘルス/ライツなんて言葉もよく知っているはずだ。だからこんなことを言ってわたしたちを喜ばせようとするかもしれない。
「無防備なセックスによって割を食うのは女性だ。そして生殖に関する権利主体も女性に他ならない。だから、どのような避妊法を選択するかは女性が決めるべきだ」
ひゅう、わたしたちが避妊法を決めていいの? ならばこうリクエストしてみよう。「パイプカットして!」
パイプカットは、女性にやさしい避妊法だ。だけど彼らは控え目にこう反論してくるだろう。「パイプカット手術は再生ができないから、すべての人に適用できる避妊法ではないと思うよ」
だったら。だったら、なぜ再生可能なパイプカット技術の開発を求めて声をあげないんだろう。彼らが本当に「フェミニスト」なのだとしたら、竹村和子を読む前に、なぜ自分が負担できる避妊法をもっと積極的に追求しないのだろう。わたしは、女性にピルを飲ませるオトコとフェミニストとは呼ばない。
さて今回は、これからパイプカットをしようという男性たちのために、「パイプカットのお値段」を調べておきました。
例によって自宅に置いてあったタウンページに広告を出している「泌尿器科」のクリニックすべてに電話。オドオドとした声を出すのは、緊急避妊のときと同じ要領で。
「あのー、いわゆる男性のパイプカットについてなんですけど・・・、そちらでも、やっているんでしょうか」
結果からお伝えすると、11軒中9軒がパイプカット手術を実施、価格の最高額は21万円、下は6万円、平均価格が12万6千円あたり。この価格の格差は、技術やサービスの違いというより、クリニックの性格の問題でしょうか。美容外科を併設するクリニックでは値が張るという傾向が見られます。
パイプカットについて、どんなレスが返ってくるのか、メモとペンを片手に電話をかけてみたのですが、いやこれがもう、みなさんたいへん親切で驚きました。
だって、@女性からの問い合わせですよ。男性が産婦人科に電話して「ピルほしいんですけど」と尋ねたら、間違いなく警戒されるでしょう。今回電話をかけた泌尿器科では、戸惑ったような対応はまったく見られませんでした。パイプカット手術って、妻が問い合わせてくることが多いんでしょうかね。
しかも、Aこの少子化のご時世ですよ。パイプカットは不妊化手術です。もしかしたら風当たりが強くなっているんじゃないかと思って。しかし、年金制度や日本の未来について問われることはありませんでした。
産婦人科への電話調査では、わたしはいじめられ通しでした。ときには叱られ、ときには嘲笑され、ときには電話をたらいまわしにされた挙句に見捨てられ。医療機関がサービス業であることを忘れていました。
なのに泌尿器科は、「はい、15万円になります」とこちらの質問には明瞭に答え、しかも余計なことは問わず、こちらのモジモジした口調を配慮してか、「またいつでもお電話ください」と温かい対応。
緊急避妊の調査をしているとき、わたしは自分が蔑まれるのは、オンナだからだと思っていました。医療従事者っていうのは特殊な人たちで、だから威張っているのだろうと納得していました。そうではなかったんですね。産婦人科って不思議ですね。
次回は、別の地域の泌尿器科に電話してみようかな。以下、お値段が張る順に並べます。
* 港区のSクリニック(泌尿器科・形成外科・美容外科・性病科・皮膚科)は21万円。
* 渋谷区のKクリニック(皮膚科・泌尿器科・性病科・婦人科・形成外科。タウンページでの掲載順)は18万円。予約制。保険証持参なら初診料のみ保険適用。
* 品川区のE美容外科クリニック(美容外科・泌尿器科)はだいたい15万円に消費税。「あ、できますよー。ご相談だけですと無料ですので、またいつでもお電話ください」
* 目黒区のGクリニック(泌尿器科・内科・皮膚科)は15万円。電話応対の女性から医師に電話をつないでもらう。「お子さんは?」「2人です」「そうですか、それなら適用ですね。なぜかというとね、お子さん1人だと、万が一交通事故などで亡くなったら、もう1人ってなるかもしれないしね。戻すことができる手術は、いわば不完全な手術なんですよね。顕微鏡を使って再生することもできるけど、ちょっと大掛かりなことになるね。パイプカットっていうのは、もうできなくなるようにする方法だからね」
* 千代田区のS医院(泌尿器科・皮膚科・性病科)は12万円。「30分くらいですよ」
* 目黒区のIクリニック(泌尿器科・内科・外科)は9万円。お昼休みに手術を行うとのこと。「ありがとうございました」というと、「とんでもございません。失礼いたします」と丁重な対応。
* 大田区のTクリニック(泌尿器科)は、98,000円。
* 新宿区のK医院(泌尿器科・皮膚科)は8万円。「8万円以外にはかかりません。夫婦の同意書が要ります」とのこと。
* 品川区のNクリニック(泌尿器科・皮膚科)は検査費用も込みでだいたい6万円。「消毒も必要ですし、1週間くらいは様子をみて、通院可能にして」
* 品川区のS泌尿器科クリニックは、電話に出た女性が医師に確認、「すみません。こちらではやっておりませんが」
* 大田区のM医院(泌尿器科・皮膚科・性病科)は「こちらパイプカットの方は行ってないんですよ」。
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