●アニータ!

アニータ!

ニュースをつけたらアニータの顔が!
報道陣にもみくちゃにされながら、「青森県民に何と声をかけますか?」との質問に
「男の子、女の子、みんな 青森でゴメンナサイ」

アニータに会いたいなぁ。
そう言い続けていたら、アニータの連絡先をいただいたことがあった。チリでのケータイ番号だ。何事も言い続けることが大切ね! その時はスペイン語を話す知人に電話をしてもらい、インタビューのお願いをした。もう何年も前になる。その時、アニータは日本から帰ったばかりだけれど、ほとんど日本語をしゃべることができず、「スペイン語のインタビューならOK」と返事をもらった。その後、チリ・・・というあまりの遠さに、なかなか足を運ぶことができずにずっと気になっていたが・・・アニータ、久々に顔を見た。元気そうで嬉しい。

男の子、女の子、みんな青森でゴメンナサイ

日本に何年もいながら、アニータの日本語語彙はとても少ない。日本を何年も離れている、ということもあるだろうが、知人が電話した時も、電話での日本語の会話はとても難しかった。そのことがあるからだろうか、アニータの日本での生活を思う時、「言葉」を通わせて何かをはぐくむような関係など不可能だったのだと想像する。お金と物とセックスでの流通が、アニータがこの国で得た関係性のほとんどだったと。

アニータの自著を読んだ。ずいぶん前のことで、LPCのコラムでも書いたと思う。「お金を稼ぎたい」と日本にやってきたその日にパスポートを取り上げられ、いきなりチンコを数本くわえさせられた。自分がどこにいるのかも分からず、ようやくここが名古屋で日本の真ん中あたりにあると知ったのはずいぶん後のこと。たくさんの男とのセックスを本当に安い価格で強いられて、流れて流れて青森に。そこで出会った、お金の力でしか愛を表現できない男。

テレビのコメンテーターが「図々しくも日本にやってきた。青森県民は、何か物を投げつけてやってもいいくらいだ」「いや、投げる物がもったいない」と言っていた。本当にそう言っていて、私は腰を抜かすとはこういうこと、と思うほど、しばらくボーゼンとした。それって、人間に言うこと? 物以下、って・・・。

アニータの罪は何だったのだろう。
私はそれを知りたい、と思う。
テレビカメラをむけられた青森県民も怒っている。
「日本にやってくるなんて、図々しい」
「スター気取りで図々しい」
アニータの罪はいったい、何だったのだろう?
なんで、みんなアニータを怒るのだろう?

ずっとアニータに会いたいと思っていた。
久々にアニータを見た。

「ふん、私のお尻でお金稼いだだけだよ、何が悪いんだよ」
スペイン語でそう啖呵切るアニータの映像が映される。
アニータは、この国の加害者なんだろうか? 被害者なんだろうか? 
そんな単純なもんじゃないよ、と思いながら、ではねぇ、なぜ? アニータは嫌われるのだろう?

アニータに会いたかったのは、たぶん、「この問への答え」が私の中で出ていなかったからなのだと、改めて分かる。

 


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