●魚のおろし方

いつもの地下鉄を降りたら、掲示板の案内が目に入った。
「外国人のための魚のおろしかた教室 講師:都内の魚屋さん」
A4のポスターに、日本語と英語で書かれていた。

魚のおろし方。外国人が日本の生活で学ぶ必要がある事柄としては、大分・・・最終段階のようにも思うけれど。企画したのは都内の生涯学習センター。ポスターを見る限り、第一回なのか、連続講座なのか分からない。もしかしたら、お葬式での作法とか、ご祝儀の渡し方とか、着物の時の作法とか、様々な講座の一環かもしれない。どんな人が来るんだろう。魚のおろし方、私もよく分かっていないけれど、おろし方、というのにはお国柄というものがあるんだろうか。

ずいぶん前、中国人の友だちがこんな話してくれた。日本に来たばかりの頃、とにかくオカネがなくてスーパーで一番安い食べ物を探していた。たくさんの食料が目もくらむばかりに並んではいるけれど、日本語が読めなかった彼女には「難しそう」な食べ物に思えなかなか手が出ない。下宿には満足な炊事道具もなく、簡単に食べられるものがいい。ずいぶん迷った彼女は、他の人が何を買っているのかをよーく観察することにした。そして、そのスーパーで一番人気の商品と思われるものを手にとった。それは小さな白いケースに入っていた。中身を見ることはできなかったが、たくさんの日本人が迷わずに買い物カゴに入れていた。これは間違いないだろう。何よりも、安い。これにしよう。100円で買えたその「食べ物」を部屋に持ち帰り、ふたを開けた。奇妙な匂いにクラクラきた。「これは食べ物か?」と悩んだが、悩んだ末にヨーグルトをかけて食べた。その味は忘れられないと言う。
「あれが納豆だと知ったのは・・・ずいぶん後だったね」

海外で、特にスーパーに行った時は「これなに?」ということは多い。英語だったらまだ想像力が沸くこともあるが、ドイツ語や韓国語やタイ語やインドネシア語となると・・・無理だ。まず、これは牛乳なのかそれとも生クリームなのか、これはオートミールなのかそれとも重曹なのかとか、これはオレンジジュースなのかそれとも食器洗剤なのか、これはコンドームなのか飴なのか、そういうレベルでパッケージを注意深くみて選ぶ。そうだね。そう考えていくと、もしかしたらスーパーで買った一匹の鰺をどう食べていいか分からない・・・と悩む外国人は多いのかもしれない。そんな人たちのための・・・外国人のための魚のおろし方教室・・・?  定員40名とあったが、そんなに集まるんだろうかと、興味がふくらんでいる。

ちなみに、私は3月に仕事を兼ねて韓国に20日ほど滞在する予定。何の仕事かは、追ってお知らせしまーす! なのだが、少しの間であっても「外国暮らしをする」ということは、刺激的で楽しみな一方、少し心細い思いもある。ソウルには、外国人のための鶏肉のさばき方教室とかあるだろうか。あったら、参加しよっと、と思いながら、スーパーで魚を買って帰った。ああ私も魚のおろし方、魚やさんに習ってみたいなぁ。(参加資格:外国人・・・でした。大ざっぱだね)


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オトコジャパン
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お久しぶりのご挨拶。
[2008/05/30]
女の罪、男の罪
[2008/05/19]
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