●韓国での日記 その一

韓国にいます。雨女の名に恥じず、韓国に着いた日は雨、そして雪、そして木枯らし。

「韓国の雪は、韓国人みたいに激しいデス。」

私の韓国語の先生である爺がそう言っていた。

「日本の雪は地面に染みこむように降る。ところが韓国の雪は、パーンパーンと地面に弾くように降る。韓国人の気質に似ているんデス」

立ち止まり、空を見上げてみた。風がとても強く、雪はまるでホコリのようにクルクルと頭の上、目の前、そこら中で散っていたけれど、確かに、当たったら痛そうな雪。「冷たくて痛くて驚いた」 東北にはそんな意味の言葉があるということを聞いたことがある。そんなことを思い出した。チベタコノでもなくて、チビチアリャだったけかな、なんだったけかな。感覚がそのまま音になったような、言葉だったな。

今日は梨花女子大学の語学堂に入った。これから3週間、平日の午前中は韓国語を習う予定。梨花女子大学は韓国では有名なエリート女子大なのだけれど、語学堂はオカネさえ払えば誰でも、男子でも入れる。それにしても、立派なビルが建ち並ぶ広い大学。まだ語学堂にしか足を踏み入れていないけれど、構内のパスタ屋さんとか街のカフェのようにオシャレだし、ちょっとした喫茶も居心地良さそうだし、各階にきちんとコーヒーの自販機が置いてあるし、そんなことでいちいち関心していた。

昨日、梨花女子大を卒業した女性と出会う機会があった。大学時代は日本文学を研究して、今、日本の本を扱う出版社で働いている。彼女はもともと「工学部」だったのだそうだ。建築家を目指していたのだけれど、当時つきあっていた彼に「女のくせに工学部だなんて、醜い」と言われ、そうかな、と思って文学部に編入したのだそうな。ちなみに、梨花女子大学は女子大で工学部がある、珍しい大学、とも言われている。

「その男、サイテー」
と口に出そうとして、うぅ、と寸前で飲み込むことができた。「醜いと言われて文学部に変えた」という彼女の調子が、楽しそうだったから。ああ、私も丸くなったものよ。昔はそういう配慮ができなくて、女友だちが離れていったこともあるものだ。へぇ・・・工学部だなんて、かっこいいけどな・・・とそんな曖昧なことを言ったら、「姉は結婚しないで、今、建築関係やってますよ」と嬉しそうにも言っていた。もう少し話したい、と思っていたけれど、目的に駅についてその話はなんとなく消えてしまった。

今日、梨花女子大学ではクラス分けのテストがあった。私は爺に仕込まれた自慢の「生徒」。爺は「あなたなら、一番下から三番目に行きますよ!」と自信を持っていて、私もそんなもんかな、とか思って臨んだのだけれど、今日のテスト、私は真っ先に教室を出た。もちろん簡単すぎて早く出たのではなく、あまりにも分からなすぎて途中で放棄したのだ。クラスは一番下。だってー。フェミとかマンコとか婆とかは書けるし、言えるけど、電話とかリンゴとか鉛筆とかバナナとか時計とか・・・そういう単語、知らないんだもーん。そんなもの書けって言われても困るもーん、と。

明日からは授業。そして色んな人に会ってこよう、色んなもの見てこようと思う。しばらく韓国から書きます。


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愛せない、という罪悪感
[2008/09/24]
男女平等というルール
[2008/09/17]
ワガママなわたし
[2008/09/09]
女の候補者
[2008/09/02]
セックス・アンド・ザ・シティな夜。
[2008/08/26]
ハウスキーパー
[2008/08/20]
オトコジャパン
[2008/08/10]
お久しぶりのご挨拶。
[2008/05/30]
女の罪、男の罪
[2008/05/19]
母としてのわたし
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