●別れ

9月は別れの季節・・・なのかしら。友だち・知人カップルが次々に別れはじめている。次々に、というと大げさなようだけれども、人類に「別れの気分」が増殖しているんじゃないか、と思うほどに多いのだもの・・・。思えば、安倍首相の辞任挨拶から始まったような気がする。あの週、友だちが「別れるかも」とメールをくれ、その後、次々と別の友だちから「離婚しました」「別れます」「別れたい」というような内容のメールが飛び込み・・・。さらに、私自身も、モッコちゃんに「もう、終わりにしたい・・・」と言われたのであった。ななななーーーーーんと!

「もう、ダメ・・・続けられないかも・・・・」という安倍の気持ちにみんながシンクロしたというのか。それとももっと大きな星が、地上にパワーをまき散らして人々をくじけさせているのか。それとも、その星には良い力があって、惰性や意地で続く関係に執着しないように示唆しているということなのか・・・。

とりあえずモッコちゃんとは色々と話し合った。
最近、私たちがケンカをする時に必ず、こういうセリフが出てくる。
「それは、あなたからみた世界でしょう?」

例えば、近々のケンカで言うと。ある日ツタヤにCDを借りに行くというモッコちゃんにDVDを借りてきてと頼んだ。仕事で観なければならない韓国ドラマ10本。で、それから10日後。私はギャーと叫んだ。うっかりDVDを変えし忘れていたのだ。10本!! 一日の滞納金が200円として2000円。さらにそれが3日分・・・。イヤー!! と叫びそうになりハッとモッコちゃんを振り返った。だいじょうぶ? CD返した? モッコちゃんは言った「返したよ」
思わず私はムッとしたのだった。「自分のだけ、返したんだね」

で。そこからケンカが始まった。モッコちゃんは言う。
「自分が借りた分を私に返しとけなんて、依存が過ぎるよ!」
私は言う。
「返してなんて頼んでない! 恨み言を言っただけだよ!」
モッコちゃんは言う。
「一緒に借りたこと、忘れてただけだよ!」
私は言う。
「あんなに大量に借りたのに? うっかりしすぎだね!」

私たちはそこから3時間もケンカをする。やりたかったこと、食べたかったおいしいもの、観たかった映画、全て我慢してケンカをする。何のために? 分からない。分からないまま、交互に言葉をぶつけてみる。でも、伝わらない。で、最後はこういう結末。
「それは、あなたから見えた世界でしょう? 私が見えている事実は違うから」
これが出たら、オシマイ。"藪の中合戦”に疲れ、ケンカ疲れで、寝てしまう。抱きかかえようとしても猫は逃げてしまう。淋しくて一人でクルリとまるまって寝る。

もう、関係が疲れ始めてるのかなぁ、と思う。つきあい始めの頃だったら、ひえー! 自分の分だけ返したのかよっ! とブーブー言っても「あーごっめーん」な会話だったんじゃないかなぁ、なんて想像したりする。もしくは、そもそも、私がそんな風にブーブー言わなかったりしてね。取り戻せない時間の中に、いっぱいの後悔があるような気がするけれど。

どんな関係も、変化する。どんな関係も、終わりが来る。そんなことは分かっているけれど、死がいつか分からないように、関係の終わりなんてものがどんな風にいつ訪れるかなんて分かりようがない。自分の意志で始めた「関係」だというのに、「終わり」に関しては運命とか宿命とか、そういう大きな力の関与を認めたいような感じがする。終わらなければいけない関係なのだ、という風に思わなければ、なかなか終わらせることができないくらい、終わり、というのは、あっけないようで実は重たく、人をすり減らせる行為なのだと思う。

モッコちゃんとは話し合い中。

の一方で、友だちカップルが別れた。大切な友だちでは、笹野みちるさんとフジモトマミさん。一緒に旅行に行ったり、夜遅くまで語り合う大切な二人で、この二人の別れは私には辛かった。二人の別れは二人が新しい一歩を踏み出すための大切なもの・・・と思いながら、「終わり」の寂しさに胸が塞がった。

二人から別々に話を聞いた。
「私の見えている世界は、あなたの見えている世界とは違う」
結局は、この真実とどう向き合うか、なのかもしれないと思う。

「あなたと私、見えている世界が違う」という孤独は人としての宿命。だからこそ、「違うよね」で終わるのではなく、言葉を積み重ねる楽しさを感じられる友でありたいな、なんてことを思ったりもする。大切な友だち、大切な人たちには特に・・・。
それでも関係はいつも変容して、終わったり、始まったりする。そもそもが、私とあなたが見えている世界はとても似ている、同じ匂いがする、同じような気配がする、と信じられることこそが、美しすぎる、希少すぎる愛の体験なのかもしれない。

さーて、私はどうなるか。


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女の罪、男の罪
[2008/05/19]
母としてのわたし
[2008/04/30]
運動と嘘
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[2008/03/22]
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