●仕事ができる人・仕事ができない人 その1

仕事ができる人とできない人。それって誰がどんな風に判断するんだろう、という疑問は残るけれど、世の中には確実に、この別れ目があると私は思う。
仕事を始めた24歳の時から13年。惚れ惚れするように気持よく仕事ができる人と、痛ましいほど仕事ができない人。両方みてきた。

では、私自身がどうだったか、というと。大石静さんじゃないが、「え? 私って、仕事できない人だったの!?!!」という発見を、仕事をしていく過程でずっと味わってきたように思う。

「私は仕事をして生きていく」と職業的な自立心だけはむちゃくちゃ高い子どもだったせいか、仕事が出来る人・できない人がいる、という分類がそもそもあるとは想像すらせず、「仕事をする=仕事ができる自分」でしかなかったのね。10代の私が思い描いていた「将来の私」のイメージは、カツカツとヒールをはいて書類を脇に挟み歩く女、だったの。そういう自分を頭に思い浮かべすぎたせいか、仕事をする年頃になった私ははなから高飛車、はなから「できるオンナ気取り」いっぱいでした。もうこの時点で「仕事ができないオンナ」の要素100%です・・・。

たとえば・・・・。私はアルバイト先で、「私、お茶くみはしません」と宣言したことがある。事務のアルバイトで、まさにお茶くみこそが私の仕事だったというのに。しかも、社員にお茶を出せと言われたわけじゃなく、お客にお茶を出せ、と言われたというのに。

たとえば・・・・。私はバイト先の結婚式場で、「正装してきてください」と言われ(ビデオ撮影のバイトだったので会場に出入りするから)、「正装」というもののイメージがいくら考えても分からず、レインボーのショートパンツをはいていったことがある。おめでたさをアピールしようと考えた。

たとえば・・・・。私は空気が読めない。バイト先の社員に、「みのりちゃん、いい匂いね。何の香水?」と一日10回以上聞かれ、「そんなにこの匂い好きですか? 今度、持ってきます」と答えたことがある。そして、「あ・・・匂いがキツイって意味だったのか・・・」と気が付いたのは5年くらい経ったある日、突然、なのである。

たとえば・・・・。バイト先のレストランで、マスターに「水絆創膏買ってきて」と言われたことがある。「ミズバンソウコウ?」私はお金をもらい、テクテク薬局屋に歩いていったが、歩いているうちに「ミズバンソウコウ」の名前を忘れてしまったのだった。普通の絆創膏じゃないことだけは覚えていたので、丸い絆創膏を買って帰ったことがある。

こんな話は、本当にたくさんある。書いていてイヤになるほど・・・ある。そして私は、たくさんのバイト先で、「使えない女」としてクビになってきた。

しかし恐ろしいことに。これが本当に恐ろしいことなのだが、私は首クビになってもなお、自分のことを仕事ができない女、とは気が付かないでいたのである。
「みのりちゃん・・・うちも厳しいから・・・来週から・・・・は・・・もう・・」
と話しにくそうにクビを告げる大人の人々に対し、
「言いにくそうで、かわいそうだなぁ。儲かってなくて、かわいそうだなぁ」
と、本気で同情していたのだ。そしてあろうことか彼女・彼らを励ましさえした。
「わかりました!! だいじょうぶですよ! がんばってください!!」
今、こういうアルバイトがいたら、殺したくなるだろうな、私・・・。

さて。これからしばらく、「仕事ができる人・できない人」テーマで書いていきたいと思います。よろしくおつきあいを。


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愛せない、という罪悪感
[2008/09/24]
男女平等というルール
[2008/09/17]
ワガママなわたし
[2008/09/09]
女の候補者
[2008/09/02]
セックス・アンド・ザ・シティな夜。
[2008/08/26]
ハウスキーパー
[2008/08/20]
オトコジャパン
[2008/08/10]
お久しぶりのご挨拶。
[2008/05/30]
女の罪、男の罪
[2008/05/19]
母としてのわたし
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