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TALK ABOUT THIS WORLD! インド編
インド式産後ケア



「今日から40日間、この部屋から出ちゃダメよ」

ええっ!?

「台所、他の部屋への出入り、階段の上り下りも、全部禁止よ」

えええ〜!!?そんなの聞いてないよ〜!

突然の軟禁宣言。これが私の産後ケアの始まりでした。

みなさま、あけましておめでとうございます。そして、お久しぶりでございます。6月中旬に起きたインドでの突然の出産騒動からおよそ3か月半インドで過ごし、10月からベビーを連れてOLIVEに復帰をしております、江夏でございます。
日本に帰ってきてからの育児ライフも驚きに満ちてはいますが、インドで体験してきた産後ケアや育児は、それこそ「衝撃」の連続でした。何だか、ほぼ毎日「ええ〜!?」って叫んでいたような気がします。

ということで今回は前回の続き、出産から3日後にインドの病院を母子共に退院したその日から始まった40日間の「軟禁」、いや、「母子の命を徹底的に守るための鉄壁のルール」について書かせてくださいね。

そもそもは、出産予定日が7月22日で、出産までに1ヶ月以上の準備期間があるはずだったのにインドに着いて2日目に突然の出産になってしまって、家族とも産前産後の過ごし方などの打ち合わせが何も出来ていなかったからなんですけどね、それにしても、その「40日」はあまりに突然始まったのです。

6月17日の午後、早産で緊急出産になった割に産後3日で母子ともに退院することになるという展開の早さに頭が付いていけず、あっけにとられたままホヤホヤのベビーを連れ、インドの家族に付き添われて義姉の家へ帰ってきたら、二階建て屋上テラス付きの家の中の一階にある、一つの薄暗い部屋に一直線に案内されたのです。ここが、この家で一番涼しい部屋だからって。涼しいって言ったってねぇ、そこはインド。日本の「涼しい」の感覚と比べてしまうと、もちろん全く涼しくないんですけどね。

間取りにするとどのくらいだろう、多分8畳以上はありそうなコンクリート造りの空間に、木で造られた重たそうなベッドがひとつ。ベッドの上には薄いけど全面手縫いで丈夫そうなマットレスが敷かれていて、その上に触り心地の良いシーツがかけてある。トイレとシャワールームが一緒になっているバスルームは部屋の外。エアコンは無く、インドではどの部屋にも必ずある、天井から吊りさがった大きなファンが一つ、ブワンブワンと回っていた。部屋の出入り口以外に鉄格子の窓が二つあって、窓枠には蚊が入って来ないようにと網戸風のネットが取り付けてあった。

その部屋に、私のスーツケースや日本から持参した生活用品がすべて運び込んであって、今日から40日間、このベッドの上でひたすらに、ただひたすらに休むのが私の役割なんだそう。

家族から出た指示は「あなたはこの部屋で、赤ちゃんと自分のことだけを考えて、とにかく休んで、食べて、寝ていなさい。家事は厳禁。食事もおやつも、必要なものはすべて私たちがこの部屋に運ぶから。絶対にお腹を空かしたらダメよ。それから、ハッピーでいなさい。」

はじめにその一言を聞いた時にはついニヤリ。「家事しなくていいの?寝てていいの?ご飯も全部作ってくれるの?ラッキー♪」って。

だって、5年前に実家の山口県で長女を里帰り出産した時も、両親は一生懸命に私と子供をケアしてくれたけれど、家事をやろうとするとむしろ本気で怒られる、みたいなことには絶対にならなかったから。生まれたばかりの赤ん坊を前に、母親になりたての私と、子育てが久しぶりすぎて手探りで記憶をたどる私の両親が、赤ん坊の一挙一動に右往左往しながらみんなで協力して赤ちゃんを迎えた、それが日本での産後だった。

子供を出産した女性と生まれたばかりの赤ん坊を家族が一丸となって、徹底的に、完全に休ませる。それがインド。
「あなたは大切なのよ、絶対に絶対に大切なのよ」。家族から伝わるすべての言葉や行動から伝わるシンプルで強いメッセージと、こんなにも自分の身体と命を最優先で守られることに戸惑いながらも、絶対的に存在を肯定してもらえている事に感動したりして。

...ただね、いざ守られてみると、これが大変だったんです。聞いたことがないような決まりごとだらけで。

まず、部屋に入った途端に右の手首に鉄で出来たチューリー(輪っかのブレスレット)を一つはめられて、「今日から40日は、この鉄のチューリーしか身に付けたらダメよ。
ガラスのチューリーは、40日が終わってから付けるのよ 。」と。産後の女性、夫に先立たれた人、喪に服している時には鉄のチューリーしか付けられないんだそう。

「この40日の間に着ていい服はこの3着のみで、それを洗い回して着ること 」→後で理由が発覚します

「その座り方は会陰の傷の回復に良くないから、こう座って」

「その材質には座っちゃダメ。冷えるから」

「階段の上り下りは厳禁。台所には絶対に入ったらだめ」

「汗をびっしょりかいても、髪の毛は洗ったらダメ、シャワーもこの時間はもうダメ、何なら、この時間は水に触れるのもダメ」

「自分がシャワーに行ける時間でも、赤ちゃんの調子があんまり良くないと(ウンチが緩めとか、便の色が少し緑色を帯びているとか)、母親もシャワーを浴びたらダメ。母乳が冷えるから」

「バスルームに行く時以外は部屋から出ない事。赤ちゃんと離れる時はたとえ1分でも家族の誰かを呼んでその間赤ちゃんを見ていてもらうこと。深夜にトイレに行く時も必ず家族を起こして赤ちゃんを見ていてもらう事」。この決まりのために、40日の間17歳の姪っ子がコンクリートの床にマットレスを敷き、深夜のトイレに備えてそこで眠ってくれたのです。(と言っても、深夜に彼女が爆睡している隙に何度も内緒でトイレに行ったけれど)

「40日の間に使う食器はガラス製のみ。この部屋から出られる日が来たら、他の家族と同じ金属の食器を使う」→産後すぐの女性は不浄なものとされているから

「携帯、パソコンの使用は本当に必要最低限にすること」

「絶対にお腹を空かせないこと」→ご飯の時間以外にも、枕元の手に届くところに常にデーツやナッツ類、全粒粉で作ったビスケットなどが置いてあって、そのおやつの減りが遅いともっと食べなさいと指示が入る

「日本から送られて来た物(家の外から来たもの)は部屋の中に入れない。」→日本の家族が送ってくれた荷物も、箱は部屋の外で開けられて、中味は丁寧に拭かれてから部屋の中へ。

「産後すぐはマンゴーは食べたらダメ。身体と母乳が冷えるから」(この時、ちょうどマンゴーの旬が来ていて、私はインドのマンゴーを食べるためだけにインドに行くくらいにマンゴー大好きなのに、と涙。ちなみに家族は皆うまいうまいとムッシャムシャ食べる)

その他、眠る時の姿勢や赤ちゃんにかける言葉にいたるまで、あらゆるルールが出てくる出てくる。そして、当たり前かもしれないけど、ご飯もおやつも全てがインド味。
何を食べてもカレー。辛く無くてもカレー。有無を言わさずカレー。これはカレーじゃないって言われても「インド味」。味噌汁が恋しい。日本の白米が恋しい。焼き魚が恋しいよぉぉぉ〜!スパイス入りの甘〜いミルクじゃなくて、緑茶が飲みたいよぉぉぉぉ〜。

「完全に休む」=「自分の気分に合わせて気ままに過ごす」とは違って、「休ませるため、守るため」に決められた厳密なルールの前ではむしろ個人の自由なんて二の次なのね、という現実が見えてきて、40日間の中盤からは狂ってしまいそうになってきた。朝目が覚めてまず思うのは、いますぐ自由になって、好きなものを好きなだけ食べたり、外へ出て誰に干渉されるでもなく自分のリズムで過ごしたい!ということ。

何が起きても受け入れて体当たりで経験をする、という日本から持ってきた覚悟もぐらつきそう、だけど心が折れる間も無く日々新たな「事件」が起き続けるのです。

まずはベビー誕生の6日目。この部屋で、「chatti ki ratt(チャッティ キ ラート)」という儀式を行うという。

20180112e01.jpg インドのムスリムは、性別に関係なく生まれて6日目に、子のこれからの道が護られるようにとお祈りの言葉を聴かせてから、お腹の中にいた頃に生えていた体毛を全て剃り、 爪も切り、初めての沐浴をするのです。お腹の中にいた時に生えていたものは、インドでは老廃物という感覚。日本では母と子の絆として大切に保管されたりするへその緒も、老廃物というか、不浄なものというので捨て。←へその緒は私しかいない時に目の前でボロっと取れたので、密かに保管してみましたけどね。

調べてみると、昔は日本にも赤ん坊の髪の毛を剃るという風習があったそうなのですが、インドではまだまだ当たり前のこととして行われるんですって。
生まれたばかりの赤ちゃんの頭皮ってね、京都の高級な生八つ橋みたいに柔らかくて、ほやほやに温かくって、見るからに皮膚が薄くて、それはそれは繊細なんです。
そんな頭皮にカミソリを当てるなんて。一歩間違えたら、ピーラーでじゃがいもの皮を剥くみたいに頭の皮ごと剥いてしまいそう....とか、考えるだけで脇に汗。

でも、インドにはその道のプロがいるのです。出張散髪屋さんが家まで来てくれて、我が子が怪我でもしないかしらとハラハラ見守る私を横目に、それはそれは鮮やかな手つきであっという間に赤ん坊を完璧な坊主頭にしてしまうのです。
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話は少し逸れるけれど、実は5年前に長女を日本で出産した時に初めてこの髪の毛を剃る儀式のことを知って、「ここは日本なんだし、新生児の髪を剃ることに長けたプロもいなければ専用の道具もないんだからやめておこうよ」っていう主張をしたものの、父親として、どこの国で我が子が生まれようともこの儀式を行いたい旦那と、「でも髪の毛なんてまた生えるしさ、インドの家族の想いも尊重して、怪我しないように細心の注意を払った上でやっておいても良いんじゃない?親としてはコレをやってあげられたっていうのって割と大切なものだしさ 」という私の両親の意見に後押しされて、もうね、めっちゃくちゃ恐る恐る剃ったことがあるのです。

私の父が普段髭剃りに使っている電動シェーバーの付属品のもみあげ専用シェーバーみたいなものを使って、旦那が剃り、私がその作業をサポートするという役割分担で。

相手は、まだまだ首も座っていないぐにゃんぐにゃんの新生児。両親の緊張なんかどこ吹く風。眠っていたかと思いきや、手や足を急にピヨーンとのばしたりする。そんな娘の頭皮に小刻みに振動するシェーバーが近づくたびにハラハラしながら脇に大汗をかく。

「シェーバーの刃の角度に気をつけてよ〜!お父さんの極太のもみあげを剃るのとはわけが違うからね〜!気をつけて、気をつけてよ〜!」って言いながら、少しづつ剃り上げていくこと、およそ20分。

出来上がりといえば、非常に残念な感じがする剃り残しがチラホラ、まるで皮を剥いていない里芋の雰囲気を醸し出すまだらな丸坊主ベビーに仕上がって、「うわわ〜...ごめんねベビー...」と家族みんなで静かに苦笑いしたのでした。

20180112e03.jpg そんな5年前とは違って、剃りムラのない見事なつるっ禿げになったら、今度は初めての沐浴。 これがね、また衝撃で。長女を日本で出産した時に病院で学んだ赤ちゃんの沐浴方法って、例えるなら「心地よいせせらぎ」。赤ちゃんを驚かせないように、細心の注意をはらって、顔にお湯がかからないようにガーゼでガードしつつ、そーっと、そーっと洗うようにって教わったんですけどね、さて、インドでの沐浴はどうだったかいうと、例えるなら 「滝行」。赤ちゃんがびっくりしないように、とかそういうのじゃなくて、タライの上で赤ちゃんを抱きかかえて、上からバシャーン!バシャーン!ってぬるま湯を浴びせかけるのです。

「ま!まさかの丸洗い!!」

でもね、不思議なもので、丸洗いされたベビーは泣きわめくでもなく、突然ザブーン!とかけられるお湯を静かに受け入れていて、それにまたびっくり。

全身を豪快に洗われた後は、タオルで拭いて、「はい、コレに着替えさせようね」

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ガーン!!ド、ドレス!!フィギュアスケーター、いや、木下大サーカスのパフォーマー....?! 義姉さんがベビーに着せようと用意してくれていた服を見て、
またまた固まる江夏。

そこにあったのは、ものすごく小さいサイズのギラギラしたドレス。黒と赤でゴールドとシルバーのビーズがびっしりと付いている。

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日本だと、それが良いかどうかは別として新生児に着せる服って、もっとこう、コットンとか木綿製の、通気性や肌触り重視の柔らかい生地で、白とかうすーいピンクとか、優しいイメージの色である場面が多いと思うんですけどね、そんな固定概念を根底から覆すようなドレスのチョイス。それを、頭から被せてベビーに着せる義姉さま。しかも、サイズが合ってない。

「あ!サイズ、違ったわ〜!ははは、ま、いっかー!」

そして、サイズ違いのドレスに埋まったベビーのツルツル頭に、ペタッとバラの髪飾り?を貼り付け、おでこに「カジャル」と呼ばれるマークをつけ(説明は後ほど)、手首にジャラジャラとブレスレットをつけて、金で出来た小さな指輪も付けて、ド派手なベビーの出来上がり。


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もはや例えようの無い、色んな意味を含んだ声が出ましたわ。「...ワォ....」

この後もまだまだ、これを上回る驚きが続く日々が待ち受けているとはつゆ知らず、たった1日の間に起きた驚きの余韻を引きずったまま、産後6日目の夜が更けていったのでした。

と、今回はここまで。今年もどうぞ、宜しくお願いいたします!

プロフィール
OLIVE
カーン・江夏・未花
OLIVE エスティシャン
幼い頃から、絵を描いたり雑貨を作ったりと、「モノづくり」がとにかく大好き。 と、同時に運動も大好き。バスケットボール部で日々汗をかきながら、美術部に在籍し、デッサン教室にも通う学生時代を過ごす。
芸術とデザイン、アートを学ぶ「モノづくり」の分野の大学在学中に、勉強の一貫として訪れることになったインドにて、伝統のボディーアート「mehendi(メヘンディ)」と出会う。
そこからメヘンディの世界に魅せられ続け、ベリーダンスのショーや、インド料理屋、ギャラリーなど様々なイベントの中でたくさんの方々にメヘンディを施すうちに、より美しくボディーラインを見せることにも興味を持ちはじめる。
自らも、数々の失敗の末にマイナス18kgというダイエットの成功を経験し、美容と健康の分野の大切さを実感しながら、子育てママとして、エステティシャンとして、ボディーアーティストとして、日々奮闘中。
学生時代に出会ったインドとは、関わって今年でちょうど10年目。
何故だかインドの人と結婚することになり、更にディープなインドの姿を見ることになって6年目。毎年のように訪れるインドで、家族としてイスラームな文化も間近に見ながら、インドでもエステ研究を楽しんでいます。