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私はアンティル
醜行な黒歴史
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17.06.28 by アンティル



最近、海外からLGBTに関する嫌なニュースが入ってきている。イスタンブールでは「プライド」集会中に警察が催涙弾などを投げて解散させ、参加者を拘束した。韓国では同性と性的な関係を持ったとい理由で有罪判決が出た。韓国には軍刑法92条の6なるものがあって、「肛門性交やその他の醜行を行った者は2年以下の懲役に処される」のだと言う。


醜行=恥ずべき行為。みだらな行為。辞書を引いたらそう書いてある。誰もが進んで、人からそんなことを言われる生き方なんてしたくない。“普通に楽に生きたい”そう思って、自分のセクシャリティをわかりながらも、自分のままでいることを選べず、世の中の価値観に反旗をひるがえす前に、“普通になる”努力をするセクマイは多い。


私もその一人だった。このコラムでも昔そんな健気な努力を書いてきたが、今の私にとってはそんな努力はただの黒歴史に過ぎない。

合コンに行って、つまらない男の会話につきあい、それでもそんな会を喜んでいる友人を見ながら、それが“普通の女子”の感覚なのだと自分に言い聞かせ、さらに数年前にやはり“ちゃんとした女”になろうとデートし初キスをしてしまった男に合コンを計画してもらった。総勢16人の居酒屋合コン。そして
その結果、ある男に好かれてしまった。「芝居をやっていて男役なんで、“女子”のショートカットと言うより、“男そのもの”の髪型にしてくれ」と、オーダーした髪型に、パンツスース。薄髭に長毛の腕毛をはやす私にその男はときめいたそうだ。

友人を通して、好きだの、かわいいだのと私へのLOVEをアピールしてきた。ヘテロ養成ギブスを心にぎゅうぎゅうと付けていた私は、その最たる特訓としてデートにチャレンジした。男との2人きりのドライブデートだ。待ち合わせは私の住む都内でなく、その男が住むほぼ群馬のある街だった。電車で1時間半。私はデートとはそういうものかと何の疑問もわかぬままその駅に行った。男とのドライブデートとはどんなものか私は知らない。それまでつきあっていた彼女とはたくさんのドライブデートをしたけれど、なんだか違う。盛り上がらない会話に何のサプライズもない時間。それはバスに乗っているのと変わらなかった。畑に囲まれた道をただただ走る。とびきりな自然があるわけでもなく、観光スポットを目指すわけでもなく、あぜ道をただただぐるぐる回る、そんなドライブだ。

そうしているうちに、男は畑の中にあるラブホテルの前で止まった。そういう魂胆だったのだ。もじもじとする男が急に道端に這う虫のように思えて、ヘテロ養成ギブスをとっとと外し車を降りた。なんてバカらしいことしてんだろう私。そんな罪悪感を抱きながら都内に帰った。

もしあの時、男が強引に私をホテルに連れて行ったら、私はどうなっていたのだろう?そう思うとぞっとする。でも心に反して、そういう危険な状況を甘んじて受けようとした私を作ったのは社会の声であり視線だ。生きているだけでセクマイであることを醜行と言わんばかりの世の中で、私は必至の社会に溶け込もうとし、その度自分を知り、絶望した。そんな社会こそ醜行の主だと今なら言える。でも私にはそんな考え方を後押しする味方など誰もいなかった。

余談だが、その後その男と2度と会うことはなかったが、友人を通してその男がとても反省してるだの、振られたショックでやけ酒を飲んでいるなどという話しが聞こえてきた。しかも結構期間。その男の記憶には今、私はどのように残っているのだろうか?きらっきらな女子?それともすてきなシティガール?少しでも同じ時間を過ごせば何かがおかしいと思えるとは思うのだが、その男には私になんの違和感も感じなかったのか。男の感性、想像力の乏しさをの感じる出来事だった。

合コンを企画してもらった“元彼”も同じ。まだロン毛だった私とその頃の私とでは、あきらかに何かが変わったとわかるはずだが、その男は「いいおんなになった」とか気持ちの悪いことを言ってたっけ。げろっ!

昔の自分のそんな黒歴史を思い出していたら、いたたまれなくなった。まだまだある黒歴史。次回また。

プロフィール
アンティル
アンティル
ラブローター命のFTM。
数年前「性同一性障害」のことを新聞で読み、「私って、コレかも」と思い、新聞を手に埼玉医大に行くが、「ジェンダー」も「FTM」という言葉も知らず、医者に「もっと勉強してきなさい」と追い返される。「自分のことなのに・・・どうして勉強しなくちゃいけないの?」とモヤモヤした気持ちを抱えながら、FTMのことを勉強。 二丁目は大好きだったが、「女らしくない」自分の居場所はレズビアン仲間たちの中にもないように感じていた。「性同一性障害」と自認し、子宮摘出手術&ホルモン治療を受ける。
エッセーは「これって本当にあったこと?」 とよく聞かれますが、全て・・・実話です!。2005年〜ぶんか社の「本当にあった笑える話 ピンキー」で、マンガ家坂井恵理さんがマンガ化!