【送信19:ローター依存症】

オナニーにおいて、ローターおよび電気アンマが必須アイテムの私。シチュエーションやストーリー性へのこだわりは少なく、刺激さえあれば満足できる機能派オナニストです。基本的に、面倒くさがりなので、オナニーにもあまり手間や時間をかけません。手軽に、確実に、速攻オーガズムを得るための道具として、セックストイを使っていました。思い返せば、私のトイ使用歴は幼少期に始まり、L.P.Cの良質でかわいいトイに出会う以前から、弟の超合金ロボ(電池にてゆるやかに起動)、父親の腰痛改善用マッサージ器(電気にてハードに振動)、祖母宅に据え置かれたマッサージチェア(刺激が強すぎて祖母が骨折したためお蔵入りに)等、震えるものならとりあえずクリトリスにあててみようとする少女でありました。残念ながら、これらはいずれも他人の持ち物であり、それを拝借して行うオナニーは時間的にも状況的にも制限が加わるため、L.P.Cでmyローターを入手できたときは大いに感動したものです。

こんなトイ・ユーザーの私ですが、恋人や夫とのセックスでは、トイを使った経験がありません。トイを持っていることを隠しはしませんでしたが、こちらも「ローターはオナニー用」と決めてかかっていましたし、また、一緒にバイブを使おうと言い出す相手もいませんでした。オトコのほうが、トイの使い方がわからないのか、バイブに負けるのが怖いのか、たんに自分のチンコを使いたいだけだったのかはわかりません。おそらく、何より大きな理由は、以前の私が、セックスを楽しむことにそれほど貪欲ではなかったためだろうと思います。あれこれ道具を持ち込んでまでセックスをする気はなかったのです。

ところが、出会い系セックスでは、楽しむことが至上命題。より楽しく、もっと気持ちよくなるためなら、小道具ばかりかクレーンでも持ち込みたい意気込みの私です。よって、ローターやバイブ、ローションやキャンドルは仕事用バッグに常備。いつ停電になっても大丈夫。オトコのほうがオモチャを持ってくることもありますが、自分のからだに直接あてるものですから、安全性や衛生面を考え、myトイだけを使います(こういうチマチマした清潔感にはこだわるのに、ドロドロした精液には無頓着で、ついナマでヤッてしまうのはなぜ?)。トイの使い方も、「これを、こういうふうにして」と私が指示を出します。トイは刺激が強いので、ちょっとでも思うように使ってもらえないと、たんなる暴力グッズに成り下がります。バイブをグイグイと膣に突っ込む、なんて荒業が厳禁なのは言うまでもありません。バイブは使うものであり、バイブに使われてはならず。この格言どおり(格言ちゃうし)、トイ使用には、職人技のような丁寧な匠の技が求められるのです。

その一方で、熟練したキャリアがなくても、一定以上の働きぶりを発揮させるのもトイの魅力。とくに、ローターはクリトリスの場所さえ的確に捉え、押しあてる強さに気を配れば、失敗の少ない逸品です。からだを使ったセックスでお互いが満足するためには、事前の打ち合わせやその場での絶え間ない交渉、双方のコンディションやシチュエーションに照準を合わせたスナイパーのようなテクニックが求められます。けっこう大変なプロセスです。「ちょっと面倒くさいけど、気持ちよくなりたい」というときの強い味方が、われらがローター。ローターを使うことで、「とりあえずイッておく」ことができ、ひとまず満足感が得られますし、「(ローターさえあれば)あとで絶対にイケる」ことから、心に余裕がうまれたりします。無理やり捻出する余裕、というのもいかがなものかとは思いますが。まぁ、ヤルからにはイキたい私としては、ローターはある種の保険でありました。

ところが、やはりセックスとは、アクティブに、アグレッシブにありたいもの。保険をかけて守りに入ったセックスは、当然のことながら、マンネリ化と惰性をうみます。ローターに依存しきっていた私は、ある日、そんな己の怠慢な態度で自滅することになりました。

その日、初めて会ったのは、初の年下オトコ。20代のマサルくんは、左手の薬指に結婚指輪を輝かせながらも、高校生と見紛うほどの童顔ぶり。美形というほどではないけれど、40代や50代のオッサンばかりと会っていた私には、艶のある若い肌というだけで神々しく見えました。肌はスベスベ、背中にシミもなく、尻も垂れていない(このレベルで感動する私)・・・ 若いオンナの肌にムシャブリつくオヤジの気持ちに思わず共感してしまいます。

とはいえ、実際には、若さや肌の美しさなんて、セックスの満足度にはほとんど役立たないものです。マサルくんのセックスは、標準的な流れをふみながらも、ちっともおもしろくない。一応、やることはやってくれるのだけれど、グッとこない。私があれこれやっても、イマイチ無反応。まぁ、私の年齢や肌の荒れ具合が、彼を奮い立たせなかったのかもしれませんが。

見た目だけがよくて、まるで味気ない食事のようなわびしさ。こちらにしたら、わざわざ時間を捻出して、出かけてきているのです(上から目線)。「なんか、最後にえぇもん食わせろや」とばかりにバッグからローターを取り出し(まるでヤクザ)、クリトリスにあててもらいました。あてるだけなら自分でもできるものの、どうせなら若いオトコにやってもらおう、と考えるあたりが、最後までセコい私です。彼は、最初こそ、「どうやって使ってほしいの・・・?」なんてエロい演出を試みてくれましたが、途中から、私が自分のオーガズムだけに没頭していると(私はさしずめ修行僧のような形相だったのかもしれません。真剣勝負っすから)、マサルくんは「・・・なんか気持ちよさそうだね」と、キレイなオチンチンを萎ませてつぶやいていました。そして、私がイキ終ると、二人で黙って着替えをし、ホテルを後にしました。

明らかに、オトコのからだ(しかも、作業させるのみ)を利用した私。搾取と罵られても仕方ありません。当然、その後、マサルくんからの連絡は途絶え、私の2年間あまりの出会い系歴で唯一の“一度きり”のセックスとなりました。いや、セックスというより、ただのオナニー介助と呼ぶべきものかもしれません。

今、思えば、彼なりに努力していたのかもしれないし、私もローターまかせで怠慢な態度だったのでしょう。それ以来、ローターに頼らず、自力で確実に快感を得るべく精進の日々。電池も電気も使わずに、“エコ・エロ”実践中の私です。


INDEX
[2008/11/19]
【送信19:ローター依存症】
[2008/11/08]
【送信18:健康問題】
[2008/10/31]
【送信17:タイムテーブル】
[2008/10/24]
【送信16:執着というリスク】
[2008/10/17]
【送信15:欲望と選択】
[2008/10/10]
【送信14:エロワード】
[2008/09/26]
【送信13:多様性】
[2008/09/19]
【送信12:チャイルドシート】
[2008/09/12]
【送信11:プレイ】
[2008/09/05]
【送信10:勝ち組・負け組】
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