【送信48:辞退】
2009年7月 1日
AV模写のようなレオンのセックスは、フェミ的にみれば悪趣味としか言いようのないものですが、より激しい刺激を求めていた私には大いに満足できるものでした。いやらしいキス、しつこい乳首舐め、丹念なクンニ、さまざまな角度からの挿入と長時間のセックス。どれもこれも完璧でした。彼がバイブルにしているAVのおかげとはいいませんが、少なくとも、AVに対する彼の篤い信仰心のなせる技かもしれません。バカであれ、セックスに貪欲であることは素晴らしいことだと思います。その意味で、レオンは最高のセックス・パートナーといえましょう――もし、お金さえ絡んでいなければ。
レオンから渡された2万円によって、私のセックスは“彼のためのセックス”に変わり、彼の「楽しかったね」という感想は「お疲れさま」というねぎらいに変わってしまったような気がしました。それならば、違和感を覚えたその場でお金を返せば済んだわけですが、麻生首相に反発しながらも区役所から送られてきた定額給付金の手続き書類を即日投函したような私です。差し出されたお金を辞退するほど、私は聖人でもなければ、お金を受け取ることを「さもしい」と思うほど裕福でもありません。お金をもらっておきながら不満をたれるという、貧乏くさい一市民なのです。
もらった2万円は、ほかの人とのセックスにかかるホテル代であっけなくなくなってしまいました。一方のレオンは、私との1回のデートで食事代とホテル代、そして私への「契約金」を合わせて4万円余りを使ったわけです。有名アパレル企業に勤めているとはいえ、一般的な給料から二人の娘と妻を養うための家計を差し引けば、彼が自由に遊べるお金がわずかなことは明らか。愛人募集のカキコミにわざわざ「プチ愛人」と書いていたのも、彼が1ヶ月に捻出できるお金はせいぜい10万円という現実があったからです。1回のデートに4万円かかるのであれば、来月までにあと1回会うのがやっとというところ。8万円かけてセックス2回・・・ プロの風俗嬢のサービスを受けるのとあまり変わらない額。素人女とのセックスにかかるお金としては、高いんちゃうんかなぁ。
もし、お金のやりとりをせずホテル代をワリカンしたならば、お互いに1回のセックスを数千円で楽しむことができます。私にとって「4万円もらって2回セックスをする」ことと「自分も2万円払って4回セックスをする」ことは、どちらが得やろうか?(とりあえず何でも損得勘定で考える関西人) 収支の面だけで見れば、「4万円の収入」のほうが「2万円の支出」よりもお得なことは明らかです。でも、「2回のセックス」と「4回のセックス」だったら・・・ そりゃあ、当然、4回ヤリたいのが人情、いや欲望というものです。
結局のところ、私が欲しいのがお金なのかセックスなのかという選択です。愛人になることは、一見、お金とセックスの両方が得られる気がしますが、男の財布に限度があるならば、どちらかを我慢したり妥協したりしなければなりません。それに、私はたかだか1回のセックスに4万円も使わせてしまったことについて、「もったいない!」という気持ちを抑えられませんでした。他人の財布にまで心を痛めるのは、決して私が優しいからではなく、私が筋金入りのケチだからです。私にとってセックスは特別なものですが、しょせん日常の娯楽です。その気になれば誰だって手に入れられるし、誰だって享受できるものです(手に入れようとするかどうかの違いです)。セックスごときに10万円も支払わせることも、セックスを楽しんで10万円ものお金を得ることも、どちらもマンコの座りが悪いものがありました。マンコの気持ちよさがなにより重要な私にとって、マンコが引ける状況というのは、好ましいものではありませんでした。
結局、私はレオンからお金を受け取ることを辞退しました。まったくもって半端な愛人です。私の申し出は、レオンにとっても渡りに舟。マンコにチンコです。引き続き、ホテル代はレオンが負担することにして、食事代は私が持つことにしました。結局、いつものワリカンに収まる貧乏性な私です。
お金の呪縛から解き放たれた私たちは、当然、すぐさま2度目のセックスの約束をしました。しかも、次は泊りがけ。朝までヤリまくることにしたのです。愛人関係の条件が一部変更されたとはいえ(もはや「愛人」の基本的定義から外れていますが)、「恋人のような関係」という約束は顕在です。お金の問題がなくなった今、残るは純粋な恋愛プレイ(矛盾していますが)。2度目のデートの待ち合わせで、イケメンの“恋人”を得意気な顔で待つ私なのでした。
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萬田潤子 プロフィール
マンダ ジュンコ
関東在住36歳既婚 関西出身のナニワ系中年女子
ふだんは、司書として図書館に勤務。三十路も半ばを過ぎてからの“出会い系”デビュー、
その後、現在まで1年あまりにわたる充実した性生活を謳歌中。
マンコの、マンコによる、マンコのためのセックスを“出会い系”において追求する日々。出会い系はリスキー? それとも快楽の新境地? マンコで感じて考えた中年女子のセックス体験記。
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