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台湾の慰安婦像、足蹴にしたのは「女性の人権」
18.09.14 by 李信恵



つい先日の10日から、Twitterの通知が止まらない。また炎上か。しかし、今回はいつもと様子が違う。その原因となったツイートは
「(ツイッターの私のタイムライン上では)台湾の慰安婦の像を蹴った保守の日本人男性のニュースが、ずっと流れて来る。戦時下の性暴力の被害者を悼む女性の像に蹴りを入れることをおかしいと思わない男性。現代においてこれなんだから、戦時中に支配下にある国の女性への軍の直接的な性暴力は、もっとひどかったんだろうなと思う。」
と云うもの。13日の午前中の時点で、2,859件のリツイート4,240 件のいいねがあった。

今月6日、日本の保守系団体「『慰安婦の真実』国民運動」幹部の男性、藤井実彦氏が台湾南部の台南市を訪問し、台南市に設置された慰安婦像を蹴った。この様子が街頭カメラで撮影され、現地で報道されたことから国際問題に発展。また、日本国内でも、当初はインターネット上だけだったが、大手メディア(朝日新聞など)でもこの問題を取り上げられた。

藤井氏はこの問題が公になり、国際的な非難が高まると「長旅でうっ血した足をストレッチで伸ばしただけ」と言い訳をした。また、藤井氏の周囲からは「彼はカメラの前で像を蹴る『ふり』をしただけ」と云った用語の声が上がったりもした。…馬鹿じゃないの、と思った。行為自体もそうだけど、言い訳も本当に呆れる。

在特会系のヘイトデモの取材とカウンターで、何度か参加者からトラメガなどで殴られそうになった時のことを思い出した。彼らは実際に殴るわけではなく(機動隊が必ず制止する)、こちらがおびえる姿や自分たちの強さ(本当の強さではなく)をアピールすること、また、それを誰かが撮影し配信するため行動だった。

また、同じような事件は、昔から何度もあった。鈴木信行氏(現葛飾区議会議員)がソウルの日本大使館の前に設置された従軍慰安婦の少女像に「竹島は日本固有の領土」と書かれた木の杭をくくりつけたのは2012年6月だった。(同月にはソウル市内の「戦争と女性人権博物館」の入り口付近に同じ杭が打ち込まれており、韓国内に波紋を広げた)。

私は、当時記事を書いていたサーチナ社で、「慰安婦博物館の近くに『竹島は日本の領土』と書かれた杭=韓国」、「慰安婦少女像にも『竹島は日本の領土』、日本人の男を特定=韓国」と題した記事でこの問題を取り上げ、また、2013年7月には、「”杭テロ”の鈴木氏が立候補、『選挙ポスターで韓国を侮辱』=韓国」と云う記事も書いた。しかし、当時はこれらの事件は日本ではさほど問題にならなかった。慰安婦問題について触れるたびに、私自身のTwitterは炎上し続けていたが。

6年がたって、この社会で「日本軍」慰安婦問題にちゃんと向き合う人が増えたから、今回の事件がインターネットだけではなく、大手のメディアも取り上げたのだろうか。悲しいけれど、それは違うと思う。この事件が起こったのが、台湾だったからではないのか。

藤井氏には、「親日国」と呼ばれている台湾なら、この行動が支持される、許されるという勝手で傲慢な思い込みがあったはずだ。しかし、「日本軍」慰安婦問題と云うのは、普遍的な女性の人権の問題だ。国際社会のその認識と、藤井氏の間にあった大きなギャップ。彼が蹴飛ばそうとしたものは、ただの像ではなく、「女性の人権」であることにちゃんと気が付いてもらいたい。

かつて韓国で、また米・グレンデール市(2013年12月、「テキサス親父」と日本のネットユーザーから呼ばれる米国のトニー・マラーノ氏が、現地に設置された慰安婦像の顔に紙袋をかぶせ侮蔑的な写真を撮影したこともある)において行った行動について、それをきちんと問題視しなかった日本のメディアをはじめ、傍観者であった私たちにも責任はあると思う。

私のTwitterへのメンション(返事、コメント)の中で多く見られたのが「日本人(の男性)として恥ずかしい」と云うものだった。恥ずかしいという気持ちについて分からなくもないが、そこで止まらずにいて欲しいと思う。あなたが悪いわけでもなく、恥じるとすれば「日本軍」慰安婦問題について、無関心であったことであり、責任を感じるとすればこう云った行為に及んだ人物を育てたこの社会の構成員としてではないのかな、と思う。それは、私も含めて。

また、私が小中学生のころには、日本の教科書に「日本軍」慰安婦問題についての記述がちゃんとあった。今のほとんどの教科書には、その記述は消されている。ちゃんとこの問題について学ぶ機会も失われているし、無かったことにされるか、ねつ造された歴史観が主導権を握って行こうとしている。今回の台南市での出来事は、この社会が育てた病巣の膿のようなもので、その膿を出し切るためには、「日本軍」慰安婦問題についてもっと知り、学ぶことが必要だ。

前回の記事でも書いたが、韓国で初めて声を上げたハルモニたちや、それに続いて2000年の女性国際戦犯法廷で沈黙を破った各国の被害女性たち。その声を聞く機会は、たくさんある。私もその声が届けられるよう、この問題についてこれからもしぶとく書き続けて行きたい。

13日の朝日新聞の報道によると、「『慰安婦の真実』国民運動」は12日、団体幹部が『像を蹴るようなそぶりをしたのは明らか』として、謝罪する声明を発表した」。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13676153.html?rm=150

最後に、台南の慰安婦像について。像の少女は曲げた両腕を頭の辺りに上げている。これは被害者が抱えている、変えられない現状へのやるせなさや抵抗、正義の渇望をイメージしたものだという。この像が伝えたかった声も、きちんとあなたに届きますように。

プロフィール
李信恵
李信恵
1971年生まれ。大阪府東大阪市出身の在日2.5世。フリーライター。
「2014年やよりジャーナリスト賞」受賞。
2015年1月、影書房から初の著作「#鶴橋安寧 アンチ・ヘイト・クロニクル」発刊。