| |
|
|
| 第09回 |
「24時間テレビ」愛は地球を救うのかっ?(後編)」 |

先週に引き続き、24時間テレビについて、書きたいと思います。が、この一週間、
マウイ島でバカンスしていたあたしは、はっきり言ってもう24時間テレビのことな
ど忘れ、先週の勢いがなくなってしまいました。マウイ島の大自然に囲まれ、海でウ
ミガメを見て、3000メートル級の火山の山頂でサンセットと月の出まで見て、ア
メリカン・デブ飯食って、大好きなシンプソンズグッズを買い込んでいたら、そりゃ
あんた、西村知美なんて、どうでもよくなるって。
でも、書きます。現実に引き戻されるようで辛いけど、お仕事だもん・・。(とはい
え、現地で購入したハワイアンのCD聞きながら書いてるのだが)
先週はとりあえずわかりやすいフェミ的なネタだったのですが、今週は、ひょっとし
たら怒られちゃうかもしれない(誰にだ)ネタ、障害者と24時間テレビ。について。
24時間テレビをほとんど見たことのない人も、この番組が毎回、「何かにチャレン
ジする障害者」を取り上げてるのは知ってるよね? あたしも、一応それを知ってい
て、でも、それがなんだかイヤで、見てなかったように思う。何がイヤだったのか。
それを知るために、とりあえず、全部見た。義足のランナー、車椅子ダンス、車椅子
トライアスロン、小児糖尿病患者のエアロビック(with えなりかずき)・・・。そ
れから、重度の知的障害者や、身体障害者をモーニング娘。が応援しに行く。という
企画も見た。
「彼らも賢明にがんばってるから、あたしもがんばらなくちゃ!」とは、残念ながら、
思えなかった。たとえば、あたしが今後、事故や病気などで、義足生活を送ることに
なったとしよう。そうなったとしても、あたしはたぶん24時間テレビに出ていた彼
のように、走ったりしない。走るの、もともと苦手だから。そんな障害者はテレビに
出る資格はないのだ。あたしが右手を失い、それでも残った左手でマンガを描いてい
たとしたら、それがどんなにつまらない作品だったとしても、きっと取材してくれる
だろうけど。
彼らは言う。「自分がハンディを持っているなんて思ったことはない」
もちろん、どんな人間だってやりたいことをやる資格はある。夢を叶えようと思った
ら、たいへんな努力が必要なのは、障害者も健常者も同じだ。でもね、あたしは、もっ
と、「がんばってない」障害者の声が聞きたいと思ったのよ。「がんばってない」と
いう言い方は誤解を招くかもしれないけど、24時間テレビに出る障害者達も、他に、
もっと言いたいことはなかったのかな?
例えば、車椅子ダンスに挑戦した女の子の中には、カラオケが好きという子がいた。
彼女が友人とカラオケを楽しむ姿が流れていたけど、あたしがよく行くようなカラオ
ケボックスで、車椅子が入れそうな所は、ほとんどない。
言葉も話せず、歩くこともできない難病の少女を励ましに行くモーニング娘。の阿部
なつみ。彼女と触れ合うことで、少女(やな言葉だ)は「ありがとう」と、はじめて
はっきりとした言葉を発し、歩行器を使って数メートル歩くことが出来たいい話だ
ね。両親も喜んでいた。それは嘘ではないだろう。でも、障害を持った我が子に付きっ
きりの両親は、どうやって日々生活しているのか。障害者年金は充分なのか。医療費
はどれくらいかかるのか。阿部なつみが帰ったあとも、彼らの生活は続く。親が死ん
だら、彼女はどうやって生きて行くのか。日本の施設の現状はどうなっているのだ。
あたしは、何も知らない。
この国の福祉政策に、そして、町中を普通に歩く健常者に、もっと、言いたいことは
なかったのだろうか。募金もいいが、障害者が外出先で困ったとき、手を貸して欲し
いとき、具体的にあたし達がどういうことをすればよいのか。あたしはそれを聞きた
かった。
24時間テレビには、こういった問題提起というものが、徹底的に抜け落ちている。
前にも言ったけど、「感動したい人たち」の「感動」の妨げになることを、制作者側
は充分承知なのだろう。
「松浦亜弥 in カンボジア」「藤原紀香 in アフガニスタン」にしたって、彼女たち
は訪問先の悲惨な状況に涙を流すことはあっても、そこに日本がどう関わっているの
かなど、知ろうとしないし、番組側も知らせない。単なる「世界ウルルン滞在記」だ。
しかし、やっぱこの国は、スポーツする人が偉いんだなあ。障害者達がチャレンジす
るのはみんなスポーツだし。障害者ネタじゃなくても東洋の魔女 vs ロシアの何十年
ぶりかのバレーボール対決とか、デブ登山とか。24時間マラソンだって、ほんと、
意味わかんないよ。24時間走るって、何? なんでそこまでさせるんだろう。高橋
尚子が少年ジャンプでマンガを描くくらい意味がない。スポーツ選手だってやらない
ようなことを、タレントにさせるなんて、どう考えたって無理だよ。それを見て「が
んばって〜!」とか無邪気にいっちゃう視聴者は、そういうからには自分も限界を超
えた努力をするのだろうか。てゆーか、そこまでがんばらなくて、いいじゃん。今時、
スポ根ものも流行らないってのにさあ。ま、「運動」は、絵的に盛り上がるからね。
そりゃわかるけど・・。あと、司会者が24時間起きてるのも無意味。交代制にしろ。
どうせ出番のないとき寝てるにしても。
あ〜、なんか、サービス残業とかして、体ぼろぼろになるまで嬉しそうに(口ではも
ちろん「つらいっすよ〜」とか言って)働いてるバカサラリーマンを見ているようだ・
・。
夢を叶えるためには、努力が必要だ。しかし、どんなに努力をしても、叶わない夢は
ある。それは、自分に才能がないからかもしれないが、そうではなく、あなたが女だっ
たり、ブサイクだったり、デブだったり、両親がそろっていなかったり、障害者だっ
たり、外国人だったりするからかもしれないのだ。そんな社会から目をそらしたくな
る気持ちも分かる。でも、それじゃ、何も変わらない。きちんと現実を見つめること
も、夢を叶えるには必要なことだと思うよ。
あ〜、言っておきますけど、「アンチ24時間テレビ」としてフジテレビがやってる
「27時間テレビ」も、あたしゃ嫌いですからね。だらだらつまんない生放送を無理
矢理お祭りに仕立てても、寒いだけ。結局微妙な「感動もの」を地方局からながして
るようじゃ、「アンチ」の意味もないでしょうが。
そんなことより、テレビが壊れそうで、画面が見られず、音声しか聞けない(壊れそ
うと言うか、壊れてる)。来週の原稿は書けるのか?
|
|
|
|