第10回 「怪談百物語・姥捨て山」嫁姑はほんとうにこわいか?



テレビ、買いました。ヤマダ電機で。25インチ、約4万円(家電リサイクル代も含 む)。もっと安いのもあったんだけど、在庫がなく、一週間から10日かかるとのこ と。そんなに待ってられるか〜!「北の国から」に間に合わないじゃないか!という ことで、奮発しちゃいました(奮発とかいうなら液晶くらい買えよ。という気もする が)。今日(金曜日)届くそうです。音声がきちんと聞こえても、映像がないテレビ は本当に役立たず。テレビってやはり映像のメディアなんだなあと、今さらながら再 認識したよ。

ろくに映らないテレビをザッピングしてもわけがわからず、今週はほとんどテレビを 見ない生活でした。テレビを叩けば一瞬画面が映るんだけど(ちびまるこのオバーチャ ンな気分)、すぐまた真っ黒画面に光の線が一本という状態に逆戻り。そうなるたび に立ち上がってテレビをたたくのも面倒だし。てなわけでネタがないので、ベタなん ですが、今週は「嫁姑」考を。

今現在のレディースコミック界がどんなことになっているか、あなたはご存じか。昔 はレディコミといえばオンナ向けエロ。サスペンス。だったのだが、最近そういうの も流行らないらしい。別に女がエロを嫌いになったわけではない。オンナ向けエロは、 今、少女マンガの世界に移っているのだ。フツーの少女マンガっぽい表紙で、中身も レディコミ的な「うしろめたさ」「暗さ」とは無縁のもっとポップな感じ。女には 「奥さま向け」でしか許されなかったエロが、女子小中学生まで降りてきたのは、とっ てもよいなあ。と、思う。「週刊新潮」とかのネタにされないことを祈ろう。(「こ こまで来た!少女向けエロマンガの信じられないナカミ」なんつて)

しかし、出版社は昔からのレディコミ読者層を捨てたわけではない。レディコミの舞 台は、今、「非日常(不倫、ジゴロ)」から「日常」に移ったのだ。しょぼめの本屋 の店頭に並ぶ分厚いA5版の雑誌。「幸せな結婚」「すてきな主婦たち」「嫁と姑サ スペンス」「嫁と姑スキャンダル」「新・感動物語 嫁と姑 戦い方愛し方」「本当 に怖い嫁姑」・・・・。すごいでしょ。レディコミと共にホラーコミックも廃り、な ぜか嫁姑と合体してるのである。「幸せな結婚」系と「嫁姑バトル」系。まるで正反 対に見える2つのジャンルだが、実は似たようなマンガだったりするのだ。て言い切 れるほどレディコミ読んでないけど、あたしも昔育児マンガとか書いてたから(苦笑) 、こういうマンガのパターンはわかってるつもりなのさ。

「幸せな結婚」系も、結婚式とか、結婚の「陽」の部分だけを描いているわけじゃな い。ハッピーなだけじゃ、ドラマは生まれないし、共感が得られないからだ。ストー リーは、「ダンナの理解がない」「姑がうるさい」とか、あたしでも共感しちゃうよ うな「結婚にまつわる」悩みから始まる。導入部は「嫁姑」系も同じ。しかし、ラス トが違う。「幸せな結婚」系は、あんなに理解がなかったダンナが、ちょっとしたきっ かけで改心し(もうここであたしは付いて行けない。導入部はあんなにリアルだった のに)、妻に謝り、妻を抱きしめ、問題解決。めでたしめでたし。一方、「嫁姑」系 は、主人公(もちろん嫁)が、ひどい仕打ちを繰り返す姑に、これまたひどいやり方 で復讐をするのである。良くあるパターンとしては、元気だった姑を階段から突き落 とすなどで、怪我をさせ、寝たきりにして、嫁が家庭での主導権を握る。とか・・・。 家の財産を自分のものにする。とか・・・・・・・。ふう。悲しくなるよね。もちろ ん読者の体験マンガもあるよ。4コママンガ仕立てになってたりするんだけど、「姑 は私を子産みマシーンとしてしか見てない!子どもが病気すると全部私のせいにする し!ふざけんな!」みたいなネタね。 ・・・・・・・笑えねーよ。オチてねえし。

「幸せな結婚」も「嫁姑バトル」も、オチが全くリアルじゃなく、そして(あたしに は)どっちも読後感が非常に悪い。「あ〜、あたしのダンナもこんな風に理解のある ダンナ様だったらなあ〜」「あ〜、あたしもあのにっくき姑を一度ひどい目にあわせ てみたいわ」とか、思うの?読者は。そんなんで日常のストレスって癒されるの?ほ んとに?思考停止。理解不能。マンガとしてのクオリティはもちろん低いし。同じ金 出してマンガ読むなら、たとえ「男向け」でも、スピリッツ買うけどなあ。

嫁姑マンガで不思議なのは、「離婚」という手段を取る嫁がほとんどいないこと。姑 を寝たきりにしても、世話をするのはダンナじゃなく、嫁である主人公。それでいい の?なぜ、家の外に出ない?それはオヤジが作っている雑誌だからなのか?それとも 読者もそんな解決法を望んではいないのか?

壊れたテレビを叩きながらなんとか見たドラマ、「怪談・百物語」。これまでは「四 谷怪談」「雪女」等のスタンダードな怪談ばかりだったのに、いきなり「姥捨て山」。 他にネタはなかったのだろうか。新聞のテレビ欄にはこうある。「姥捨て山・本当は 怖い童話の闇と影・今も昔も姑vs嫁対決・・」口減らしとして60才になったら年 寄りを地獄山に捨てねばならない掟により、山で死ぬ姑。気の強い嫁にやられっぱな しの、やさしい姑だったが、死後、幽霊となり最後には嫁をだまして殺してしまう。 「女は誰だってあんなもん(嫁のことを指して)だ・・」「女の業と言うべきか・・」 だと。ちなみに脚本家は女。とほほ。

本当に怖いのは幽霊ではなく「女」だと言いたいんだろうか。そういえばこれまでの ラインナップもみんな「女怪談」だ。男の幽霊が出てくる怪談自体が少ないんだけど ね。男は「さっぱりしていて」「執念深くない」とでも思ってるんですかね〜。元夫 が元妻をストーキングして挙げ句の果てに殺害。なんて事件が現実では数え切れない ほど起こっているというのに。

昔、男があたしにこんな話をしてくれた。「友達の家に、その友達の彼女と一緒に遊 びに行ったんだけど、友達の母親と彼女が、一緒に皿洗いしてたんだよ」あたしは彼 がその話であたしに何を伝えたかったのかさっぱりわからず、聞いた。「何が言いた いの?」「だから、仲のいい嫁姑もいるよねってこと」「母親と一緒に皿洗いをすべ きなのは息子じゃないの?二人が皿洗ってる間その友達は何やってたの」「・・・ソ ファに座ってた」彼は、あたしがフェミだって事を知った上で、これを「ちょっとい い話」としてあたしに話したのだ。嫁姑よりも、こわい話だね。

結局内容的には、「ジゴロと不倫」と同じくらい、非現実的なマンガだった「結婚」 レディコミ。「結婚」ジャンルが飽きられ、また別のものが流行ったとしても、ジェ ンダーから逃れられない限り、レディコミの内容は、全く同じまま続いていくのだろ う。そんなことだから、レディコミ業界自体が低調なことに、いいかげん編集のオヤ ジ達は気づいた方がいいと思うよ。

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