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| 第17回 |
「発掘!あるある大辞典」で、発掘されるコンプレックス |

「とくダネ!」で、偉そうなおっさんが「拉致被害者の顔が、帰国してからだんだん
穏やかになってきた。北朝鮮のように監視員がいない開放感だろう」って言ってたけ
ど、あのどこにでも張り付いているマスコミは監視員じゃないのか? 何か変化があっ
たら家の中に(一社だけらしいけど)カメラを持ち込んで撮影するわ、同級生にはイ
ンタビューするわ、恋人岬(笑)に先回りはするわ。そして、それを見ている視聴者
も監視員じゃないのかなあ。足湯に入っただけで拍手って・・人間扱いしてないじゃ
ん。「家族が一緒に暮らすのは当然」って言われてもねえ。あたしは一緒に住んでな
いんだけど。拉致被害者が、「日本には住みたいけど、東京がいい」とか言ったらど
うなるんでしょうか。
さて。「発掘!あるある大辞典」でも「スパスパ人間学!」でも「解決!クスリにな
るテレビ」でも、なんでもいいんだけど、最近、ダイエットネタが多くない? 春に
なると、テレビだけでなく女性誌でも一斉に騒ぎ出す、「夏までに○キロやせる!」
は、水着を着るとか、そういう行事があるから仕方ないとして、なぜこの時期にまで
ダイエット?
こういった「似非科学健康番組」は、どれもこれも内容が似ていて(司会者がオヤジ。
とか)区別が付かないので、いちいち「このネタはこの番組でやってたもの」という
注釈は入れないことにする。
「二の腕やせ」がテーマだった。番組では、「二の腕オバサン度チェック」として、
こんなのを紹介していた。水を入れた500mlのペットボトルを両手で持ち、それ
を目の前まで上げる。そして、両手でペットボトルを振る。この時、二の腕のお肉が
ぷるぷるとふるえたら、あなたの二の腕はオバサンの証拠。スタッフは渋谷の街で、
若い女の子にこの「二の腕チェック」をさせる。みんな、ぷるぷるだ。すっげーやせ
てる子でも、ぷるぷるだ。ぷるぷるした子は、「え〜っ!すっげ〜ショックう!」と
わめいている。ちょっとでもぷるぷるすると、「あなたの二の腕は40代」とか言わ
れちゃうのだ。そりゃショックだ。あたしは一体自分が何歳の二の腕になるのかが怖
くて、とてもチェックできなかった。
「お尻のたるみ解消!」がテーマだった。番組では、「お尻たるみ度チェック」とし
て、こんなのを紹介していた。定規のようなまっすぐな棒の端に、直角に分度器をつ
ける。分度器で普通は90度のところが、0度になっている。そして、棒をお尻の下
のラインにぐいっとあて、たるんだ肉の角度を測るのだ。たるんでいれば、マイナス
になる。このチェックを街の女性にやらせたところ、90%の女性がたるんでいると
でた。90%?・・・それって、「ふつう」ってことなんじゃねえの? 男はどうな
の? そんでもって、その対処法として、「ハイヒールを履いて歩く」というのを提
案する。ケツがしまりゃあ外反母趾はいいのか?
確かに、「ダイエット特集」は、視聴率が取れるのだろう。やせたいと思う女性達を、
あたしは責められない。街には、やせてないと似合わない服しか売ってないし、ダイ
エット食品の危険性を読み上げる女子アナはガリガリだし。「男は本当はぽっちゃり
タイプが好き」とか言うけど、深田恭子をデブ呼ばわりする男は、たくさんいるぞ。
最近のヒロスエだって、あの程度で「太った」って言われてるぞ。そのくせガリガリ
な女がブラジャーにパット入れてると、「だまされた」とか言うんだからもう。でも、
あたしがこんなにダイエット番組を見ているのもきっと、ネタ集めだけが目的じゃな
い。そうです。あたしだって、自分の見た目を少しでも良くしたいと思ってるんです。
カミングアウトしてしまおう。あたしは、ワキ毛と、ビキニライン(はみ出陰毛)を、
永久脱毛している。その上、すね毛のレーザー脱毛も始めてしまった。こっちはまだ
途中だ。そりゃ、あたしだって、男達のもじゃもじゃなわき毛、胸毛、腹毛、陰毛、
すね毛、許してるわけじゃないよ。「なんであたしらだけ」って、思うよ。「女が毛
抜きに費やす時間を、男は何に使っているのだ」って、思うよ。「フェミのくせに」っ
て言うなら言えよ。あたしゃ、今の世の中で、毛をボーボーにする度胸はない。ワキ
毛ボーボーで水着になれない意気地なしだよ! おまけに、あたしは肌が弱くて、毛
を抜いたり剃ったりすると、毛穴が赤くなったり、伸びてきた毛が皮膚の中にもぐっ
て化膿したりするのだ。ビキニラインの方は、ブルマをはいてもはみ出るところにま
で毛穴があった。ちなみに、ケツ毛も生えているが、これはもうどうしようもないの
で、ほっておいている。たとえば、誰かと会うとき、何があってもいいようにと、毛
の処理して出かけるのって、姫野カオルコ風に言えば、不潔じゃん! 松嶋菜々子の
うそくせーナチュラルさを、責められないじゃん! だいたい、忙しいのに毛なんか
抜いてる暇はない。でも、抜かずにいられない。それならば、と、あたしは時間を金
で買ったのさ〜。そうさ、あたしはぬるいフェミ。「才能をやるからナンシー関の見
た目になれ」って言われたら、あたしはきっと、悩む。
・・・って、永久脱毛カミングアウトをしたのは、こんなことを言いたかったからで
はない(ぐだぐだいいわけを書く辺り、我ながら小心者である)。すね毛の処理をし
てもらっていたときのことだ。エステティシャンが、いきなり「足の指もレーザー当
てときますねー」と、言ったのだ。たしかに、あたしは、足の指毛もボーボーだ。女
にしては、太くて長い(2センチくらい)毛だった。しかし、あたしはこの毛に関し
ては、何も気にしていなかったのだ。だからこそ、剃りも抜きもしていなかった。で
も、彼女に指摘されたとたん、あたしは、恥ずかしくなってしまった。彼女にとって
は単なるサービスだったのだろうが、無理矢理コンプレックスを増やされてしまった
ような気がしたのだ。
人間は、程度の差こそあれ、誰でもコンプレックスを持っているものだと思う(見た
目だけの話ではなく)。それをバネにがんばる人もいるから、コンプレックスを持つ
こと自体は悪いことではない。でも、過剰にコンプレックスが「作られてる」ことは、
自覚していたい。商売に利用されていることは百も承知で、みんなダイエットに勤し
んでいるのかもしれないけど、女性だけが外見にこんなに金を使ってしまうのは、やっ
ぱり、ゆがんでいると思う(男も、ハゲだけじゃなく、もっといろいろ気を使えよな
あ)。女(個人ではなく、全体の話)が社会的にもっと力を持ったら、ここまで外見
にこだわらなくなるんじゃないか。
こういう事言ってるから、「フェミ=ブス」とか言われちゃうんだろうね。ブスのひ
がみってやつ。だけど、「フェミ=ブス」なんて考えてる男に限って「後藤真紀はか
わいい」とか言うんだよ。あれは、「面白い顔」というのが正しいのです(「色気」
はあると思うけど)。「ブス=美人でない顔」のことを言うのであれば、ブスと美人
の区別が付かない男どもに、いちゃもん付ける権利などないのである。
もう一つ、これ系の「似非科学健康番組」に思うこと。イメージカットで、女性のハ
ダカの映像をやたら流すのはなぜなのか。パンツをはかせない意味は何だ。他の説明
はCGで済ますくせに、なぜここだけが実写なのだ。どうしても、このショットを撮影
しているときのスタッフ(もちろん男)が喜んでいる映像が、目に浮かんでしまうの
だが。
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