第29回 「雲と波と少年と」



「空と風と少年と」?
「海と空と少年と」?
あれ? 「雲と風と少年と」? だっけ?

っていうくらい、タイトルが覚えにくいこの番組。CMもなんだか抽象的で、ドラマなのかバラエティーなのかすらわからない。本当は今週、キムタクドラマ 辺りをやろうかと思ってたのだけど、早くしないとこの「雲と風と少年と」(←ごめん、今本気で間違えた)、ワンクールも持たなそうだったので。

スタッフが飲酒運転で死傷事故を起こし、番組内の1コーナー、「屋久島だより」が打ち切りになったというニュースは、ご存じの方も多いだろう。そのおか げで、島崎俊郎一家が屋久島に移住。という企画もおじゃんに。トシちゃん、これからどうするのだろう。子どもはホッとしているかもしれないが。

まあでも、この騒動について、あたしはあまり関心がない。てゆうか、第一回見てないし。二回目のみを、しかも、あまりのたるさに(コーナー打ち切りで時 間をうめるのに苦労してテンポが悪くなったのか? それとも第一回もこんな感じだったのか?)、後半はビデオを早送りしながら見てしまったのだが、それ でもあえて言わしてもらおう。

「女をなめんな。」

この「雲と波と少年と」は、「電波少年に毛が生えた」が13%の視聴率を得られず終了し、その後番組として「癒し」をテーマに始まった。CMの雰囲気、 司会が桜井幸子と進藤晶子。そして今さら「癒し」というキーワード。おそらく女性向けバラエティーのつもりなのだろう。番組の柱は打ち切りになった「屋 久島だより」を除いて3つ。海外の子どもたち(今のところモルディブとカンボジア)が日本を旅行する「ニッポンニ行ッテキタヨ」。デブ男がミゼットに 乗って地方に行き、懐かしい道具やおもちゃを発掘する「なつかし博物館へようこそ…」。大塚寧々が、ゲストの暮らす土地を訪ねる(先週は宮本亜門、今週 はマイク真木。来週は加藤登紀子)「人生を変えた風景見にきました」。

まず、「ニッポンニ行ッテキタヨ」。日本から見たら発展途上国の人間を日本に来させ、その文明の高さを自慢するとともに、「でも、私たちが失った何か を、彼らは持っているのかもしれない…」と思わせたい、この手の企画。こんなもの、テレ朝とかが今までいくらでも放映してきただろう。何を今さら。日本 の子どもたちとは違う、汚れのない子どもたちの笑顔に、癒されろと言うのか。いやされませんっ! 東南アジア系の少年、美しくて好きですけど、いかんせ ん、10才じゃ幼すぎる。って、そうゆうよこしまな目で鑑賞しちゃ、いけないんですね。

カンボジアの少女は、京都で舞妓さんの姿を見て、その美しさに感動する。そして、彼女は不思議に思う。「どうしてあんなにきれいなのに、みんな着ないの かしら・・」

これを、洋服ばっか着て、日本文化を捨てている日本人女性への純粋なメッセージと、とらえてほしいのか、男のスタッフは。アホか。

そして、「なつかし博物館へようこそ…(←この『…』むかつく)」。いくらレトロブームっつてもなあ。花柄家電にえんぴつけずり? 庶民の家には、まだ まだ現役の花柄ナベとか、いくらでもあると思うぞ。おハイソなテレビマンにはわからないかもしれないけど。そして、ナビゲーターのデブは誰だ? 言っと くけどなあ! 今のデブブームはホンジャマカ石ちゃんのトークの面白さのおかげであって、女がみんなデブ専なわけじゃないんだぞ!

「人生を変えた風景、見にきました」。ゲスト・マイク真木? 一体この番組は何才の女性をターゲットにしているのだ? 30才のあたしですら、マイク真 木は、親がレコードを持ってた。と言う程度の認識しかないぞ。

「男の癒し」として、「癒し系女優」とやらが台頭しているというのに、そして、仕事に疲れたサラリーマンのためだかなんだか知らないが、ヘテロ男向けプ チエロ番組は、数えきれないほど製作されていると言うのに、「女性向け」になったとたん、「子ども」「デブ」「オヤジ」たあ、どうゆうことだ!

確かこの番組の企画は、「電波少年・放送作家トキワ荘」に「テレビの鬼」として出ている、有名プロデューサーの手によるものだったと思う(あっ! 今気 付いた。「雲と波と少年と」って、「電波少年」とかけてんのかあ。気付くの遅すぎ。「電波少年」にこだわるの、いいかげん止めれば? でもなぜ「雷と波 と少年と」じゃないのだ?)。敏腕プロデューサー(笑)の手によっても、「女性向け」というと、こんな陳腐なものしかできないのだね。最近は視聴率も落 ちてきているようだが、かつての「スマスマ」が、なぜあれだけの高視聴率を取れたのか、もう少し参考にしてもよかったんじゃない? あたしは「スマス マ」もあんまり好きじゃないけど。

以前にも言ったことがあるけど、なぜ「女性向け」の冠をつけられたとたんに、「エロ」と「笑い」が排除されてしまうのだろう? 答えは簡単。テレビ界に おける「エロ」とは、常にヘテロ男向けのものであり、女性向けのエロなど、考えたこともないからだ。そんな古い価値観を引きずっている男テレビ社会で は、未だに「女には男のような性欲はない」と信じられていてもおかしくはないし。ちなみに、この場合の「女」には、出会い系にハマる主婦や、ヤリマン (セックス依存症と呼ばれる)は含まれない。彼女らは「異常者」として、また別のテレビの企画になるのである。こんな中で、「女にだって性欲はあるの よ!」と叫ぶのもまた今さらで空しい。

そして、「笑い」。これもまたテレビ界でのお笑いは、未だに「ブスをバカにする」ようなオチが通用しているわけで、それに心の底から笑えない女たち は、「笑いが分からない」というレッテルを貼られて終わりだ。「男に指示されるお笑いコンビこそ実力者」とか、したり顔で言う男、あなたの側にもいるで しょう?

綾小路きみまろのライブに嬉々として通い、CDを買い、「女性が年を取ると、使えなくなる言葉がたくさんあります。私をメチャクチャにして。言えなくな ります。すでに顔と体がメチャクチャだからです。」こんなネタに爆笑できるオバサンになれというのか? 

スタッフは、「電波少年」の猿岩石に一瞬「キャ〜・」となった女性たちを取り込めると思ったんだろうけど、大失敗だったね。視聴率も悪いみたいだし。念 のためもう一回言っとこう。女をなめんな。

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