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| 第31回 |
「みのもんたコロシアム 悩む前に相談なさい!」 |

すごいものを見た。先週の「おもいっきり生電話」でのことである。相談者は、姑がひと月に一度しか風呂に入らず、不潔で困っていると言う。また、姑はボ
ケているらしく、彼女をひどくいじめるらしい。ここまでならば、よくある相談だ。みのもんたやゲストも、「まあまあ。そう言わずうまくやんなさい」的に
話をまとめようとしていたところ、なんと、電話の向こうに、その頭痛のタネである、姑が乱入! 別の部屋でテレビを見ていたらしい。
「いたい! やめて! あ…ごめんなさい…。電話、切られちゃいそうなんですけど…」ブツ!
CMを待たずに、本当に電話が切られてしまった。仕方なく場をつなごうとする、みのとゲスト。
「昔、宅配便が来ちゃったっていうことはありましたけどねえ〜」
「でもあれだね、彼女のしゃべりかたも、あまりはっきりしないでよくないね!」
みのの笑顔はいつもどおりであるが、それでも、かなりの動揺がこちらにも伝わってくる。「おもいっきりテレビ」とは思えない緊張感だった。あのあと、相
談者は一体どうなったのだろう。追跡取材、してほしい。
そして二日後の「生電話」。今日の電話の相手は、年老いた姑と、障害者の息子の介護を自分だけがやらされることに悩んでいるという。しかし、その声は明
るく、淡々としていて、話にも破たんがない。また、「なぜ自分だけ」という訴えのみで、具体的なエピソードがなく、悲壮感も感じられない。みのは、ここ
ぞとばかり、日本の福祉の問題点を語り、また、忍耐強く介護をする相談者を褒めたたえる。
…非常にヤラセ臭い。一緒にテレビを見ていた、同じく生電話フリークと語り合うあたし。「これ、絶対こないだの電話のせいだよね。きっとあの後さあ、ス
タッフがみのに怒られたんだよ。『あんな電話、採用するんじゃねえ!』って」「そうそう。そんで、みのが語りやすいようなネタにしたんじゃない? み
の、福祉ネタ、好きだもんねえ〜」
そして、今週のネタ、「みのもんたコロシアム」である。これは、みのもんたに家庭のあらゆるもめ事を解決してもらおうという、「生電話」と全く同じ形式
の番組である。ただし、みの以外タレントはおらず、まわりを取り囲むのは、素人女性108人(なんだこの中途半端な数は。煩悩?)。スタジオに登場する
相談者ももちろん素人。ということになっている。みのもんたのギャラがいくら高いといっても、タレントを大勢そろえるよりは、みの一人に絞った方が安上
がりで、また確実に視聴率もとれるという算段なのだろう。
しかし、これが、ヤラセにもほどがある!というくらい、お粗末な番組だったのだ。オープニング、会場の108人の女性の「み〜のさ〜ん」の呼びかけで、
みのもんた登場。みのの軽快なトークに場が和む。って、この、会場にいるおじょうさん方、笑い声が、ドリフ大爆笑なんですけど…。まだこの人たち、生き
てたんだね。そしてまず最初の相談者。彼女は現在、独身男性と不倫をしている。夫と別れたいが、今別れても自分には経済力がないので、経済力のある再婚
相手を出会い系サイトなどで探している。しかしなかなか条件通りの男に巡り会えないのが悩みだと言う。みの節、炸裂。
「親子ってのは経済力でつながってるの?」
「あなたにとって、幸せって何? 飯が食えること?」
「あたしはあなたの旦那のことなんか知らないけど、旦那はあなたを信じて給料運んでくるんだよ!」
そして最後は、娘からの手紙で締めくくる。
「友達の家にはおかあさんがいない時もあるけどうちはいつもいてくれるから嬉しいです。私も大きくなったら、おかあさんのように、子どもと一緒にたくさ
ん遊んであげたい」
幼い文面に反しての漢字の多用、そして字も大人っぽい。文章も落としどころがわかりやすすぎる。ますます怪しい。
確かに、この女性と全く同じ悩みを抱えている人間は、日本中に数人は実在するだろう。だからと言って、役者にそういった女を演じさせ、みのに説教させて
いいということにはならないと思う。またね、この相談者、演技が下手なんだわ。顔はモザイクがかかっていて、サングラスもかけているのだが、その口調が
わざとらしすぎ。あややの演技みたい。会場のドリフ笑いとの相乗効果でますますヤラセっぽくなる。
とはいえ、ヤラセかどうかなんて、テレビを見ているだけでは100%の確信を持つことなどできない。前述の「生電話」の相談者は、ひょっとしたら本当に
姑と息子の介護をしているかもしれない。また、逆に電話を切られたのも、ヤラセ疑惑をそらすための演出という可能性だってないわけではない。それにして
も、「みのもんたコロシアム」、全体的にリアリティなさ過ぎ。それは、相談者や相談内容だけのせいではなく、みのの反応がいちいち大げさすぎるというの
もあると思う。出演者がボケれば、椅子から転げ落ちてずっこける(これは桂三枝のそれとは意味が違う)。自己チュー女が出てくれば、眉をこれ以上ないと
言うくらい釣り上げ、視聴者に替わって怒りを爆発させる。「娘がダンスに夢中で家事を私にやらせる」という相談には、「ダンス好きなんて、さぞかしおき
れいな娘さんなんでしょうねえ」と、前フリもわかりやすい(そして出てきたのは白いアフロにレインボーのつなぎを着たファンキーなおばちゃん。この人は
よかった)。みの信者のおじょうさんがたは、こういうのも、わざとらしいとか思わないで楽しめるんだろうか。
こんなの、なにも相談番組の形態を取らなくてもいいのに。やるならドラマでやれよ。それならヤラセとか最初から関係ないんだし。男説教師ドラマは視聴率
とれるから、おいしいぞ。「GOOD LUCK!」とか。
下世話なご近所番組が大好きなあたしではあるが、せめて「こたえてちょーだい」レベルのリアリティ(笑)が欲しかった。しかし、なぜ人はみのに説教をさ
せたがるのか。もはや、プレイ?
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