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あたしのことを「ナンシー関並とはいかないまでもかなりのテレビウオッチャー」だと思っている人が時々いるんだけど、それは誤解です。あたしは確かに漫画家という職業柄、仕事中にテレビをつけていることが多い。だけどそれはペン入れの時だけで、お話を考えている時はテレビを見ない。まあ、現実逃避としてたいして興味もない番組を「ネタ集め」という言い訳のもとにだらだら見てることはあるけど。てゆーか、ほんとはそればっかだけど。で、テレビ番組の中でもあたしがほとんど見ないジャンルが「ドラマ」。だったわけ。この連載が始まるまでは。
あたしはバブルの恩恵を何も受けられなかった世代なのだが、学生時代、「バブリー」な雰囲気というものを感じてはいた。その一つが「トレンディドラマ」ってやつ。トレンディドラマ=バブルって、この定義、間違ってないよね? いやもうほんとに、そういうのと縁遠い学生時代を送っていたもので。それでも周りがやたら騒ぐもんだから、再放送で「101回目のプロポーズ」を見たりもしたんだけど、全然分からなくてねえ。当時有効だったツッコミといえば武田鉄矢は司法試験の勉強をしているはずなのに、彼が持っていた参考書が全く関係のないものだった。とかそんなの。ウッチャンナンチャンによるパロディコントは悪意があって好きだったけど、友達の前で「あのドラマ、どこで感動したらいいの?」とは、とても言えない雰囲気はあった。大事マンブラザーズの「それが大事」が学食で流れた時、一緒にごはん食べてた友達に、「いい曲だよね!」って相づちを求められた時はどうしようかと思ったよ(たぶん聞こえないフリをした)。いや〜、あの頃は生きづらかったな〜。
そんなあたしだったので、野島伸司のドラマは高視聴率を誇っていた時代のものすら、ほとんど見ていない。旧「高校教師」も「ひとつ屋根の下」も「星の金貨」も「家なき子」も「人間・失格」も「未成年」も(まだある?)。あたしが見たのは前述の「101回目のプロポーズ」と、「ストロベリーオンザショートケーキ」と、そして、今回の「高校教師」だけ。こうやって書き出してみるとまぬけでいいな。そんなあたしがあの名作(らしい)「高校教師」のリメイク版について、語ってよいのか迷うところだけど、まあいいよね。内容は別もんらしいし(あ、あと野島は原案参加だけど「フードファイト」も見た。これで田辺誠一に惚れた)。
あたしが野島ドラマを見なかった理由は、言うまでもないが、レイプやらイジメやらの問題を「考えさせるフリをして」「実はそここそが見どころ」「しかもオチは古典的」というのがいけ好かなかったからだ。見てないくせになぜ分かると言われそうだが当時の番宣見てりゃだいたいわかる。でもね、レイプを単なるお色気シーンとして使用するのなんて、別に野島の専売特許じゃない。アートぶった映画から二時間サスペンスまで、みんなやってきたことだもの。あたしが一番イヤだったのは、そんな野島ドラマで真剣に感動して、ありがたがって見ている視聴者の方だったのかも。あ、でも「やまとなでしこ」みたいなドラマを「悪い人が一人も出てこなくて良かったです」なんて評しちゃうバカも同じくらい嫌い。
しかし毎回毎回主人公が死んだふりしてちゃ、どんな「いい人」でもさすがに疑問を抱くというもの。今回の「高校教師」も、裏に「千と千尋の神隠し」をぶつけられたこともあって、惨敗のご様子。とはいえ、逆に、野島ドラマを「ネタ」として笑う視聴者もだいぶ増えてきたように思う。でもね〜、弱いんだよ!
主人公の高校教師、湖賀(藤木直人)は、脳腫瘍であと半年も持たないと言われている。脳しんとうで病院に運ばれていた教え子の町田雛(上戸彩)は、湖賀が同じ病院で診察を受けているところを立ち聞きし、自分が余命わずかだと思い込んでしまう。しかし、人生に絶望していた湖賀は、雛の勘違いをただそうとせず、嘘をつき続ける。湖賀は、自分の気持ちをわかってくれる存在が欲しかったのだ。
と、まあ、この設定はかなりすっとんきょうなので、期待してたんですが、いまいちです。思わせぶりなシーンがえんえん続き、お約束の暴力やレイプもあるにはあるのですが、あまり盛り上がりません。ひとつ気がついたのは、雛のキャラクターは「ストロベリーオンザショートケーキ」の時のフカキョンと全く一緒だということ。上戸彩はフカキョンほど大根ではないのでわかりにくいけど、てるてる坊主に「てるてる1号」とか名前つけてみたりね。注意深く見てると、ほんと、まんま。劇中でも実際「天然?」とか指摘されてたし。野島は天然な不思議ちゃん(もちろん男にとっての天然)が好きで好きでたまらないのだなあ。「金八」の時はあんなにかわいく見えた上戸彩ちゃんが、このドラマだといまいちなのもそのせいか? 「金八」では「男の子」役だったので、化粧もほとんどせず、ニコリとも笑わなかった彼女が、「高校教師」のマスカラばっちり、男に媚びまくりの笑顔。これが、似合わないんだ…。成長期故の顔の変化だけじゃないと思う。化粧すれば女っぷりがあがるというわけでもないのだなあ。というのを改めて実感した。今、上戸彩よりも目が離せないのはなんと言ってもソニン。奴は、エロい。
野島伸司、一応大先生なんだからもう視聴者の意見なんか気にしないで、一人で突っ走ってくれないかなあ。「ストロベリーオンザショートケーキ」こそが、真の野島ワールドなんでしょ? あれはかなり突っ込みがいのある、いいドラマだった。特に最終回、サイコー! 未見の方はビデオ借りてでも見るべき。野島伸司は、本当はレイプなんかより、不思議ちゃんとの純愛(笑)が書きたいのだと思う。相手役の男はみんな、俺の分身。気取ってないで好きなように書きなよ〜。欲望丸出しで行けば、あなたは第二の内舘牧子になれる器だと思うのだ。なりたくもないだろうけど。
さて、最終回、湖賀先生は、本当に死んじゃうんでしょうか? それとも、ゾンビのような生命力で雛との愛を貫くのでしょうか? 公式ホームページの野島による自分語りもなかなかいい味出してるので、マニアなあなたは要チェック!です。
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ちなみに、週刊文春でオヤジが「現実はドラマを遥かに凌駕している(教師と生徒の恋愛はもはやタブーでもなんでもない)」と、「高校教師」について語ってたけど、それはそれで的外れ。な〜に高校生をわかったようなつもりになってんだ。
ところでマイケルジャクソン反論番組。全く触れないのもアレなので最後にちょっとだけ。整形疑惑や幼児虐待疑惑にどんなに反論しても、マイケルの子どものあやし方が変なのは変わらないし(子どもをひざの上に乗せて貧乏揺すりのようにガクガク揺らす)、息子に「プリンスマイケル2世」と名付けるセンスもどうかと思う。マイケルが買った何千万円もする壷も、たぶん彼以外欲しがる人はいないだろう。しかし、みんなが認識する「マイケルジャクソン」ってのは、そこいら辺も含めてのものなわけで、いくら元妻やヘアメイク担当者に語らせても、マイケルのイメージは変わらないと思うのだが。
それから、進行役の小倉智昭。こいつのせいで日テレ版より全体の印象が悪くなったように感じるのはあたしだけ? お前のやってることはいつもいつもじゃんけんで言うと「後だし」なんだからな。偉そうにもっともなこと語るな。
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