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| 第42回 |
「大食い番組自粛一周忌特別編 赤阪尊子ドール制作記」 |

『ないのなら、作ってみせよう大食いグッズ』
を合い言葉に、これまで一人こつこつと大食い同人誌などを作ってきたあたしですが、それでもまだ物足りず、こんなものを作ってしまいました(写真参照)。
コミケで同人誌を売る際、机の上にマスコットとして置いておくと通行人の目を引くかもと、赤阪フィギュア制作を思い立ったのが始まり。
フィギュア。と一口に言っても、様々な形態があるのだが、自作する場合、大分すると、スカルピーなどのオーブン粘土(成形後、オーブンで焼くと硬化する)で作るガレージフィギュアと、いわゆるリカちゃんのような、着せ変え可能な可動式ドールの、2種類がある。あたしは、赤阪さんの似顔絵はほぼつかんだので、2Dならば自信がある。しかし、3Dで赤阪さんをイチから作るのは、技術的にも難しく、また、完成後の着色にも自信がない。そこで、比較的簡単な、ドール系から攻めることにした。
まず、某ヲタ向けホビーショップに行く。平日の午後、店内は空いていて、いかにもオタクっつー感じの、地味な男がちらほらいるだけ。女の客はあたし一人。プラモデル、ガレージキットゾーンを抜け、ようやく店内奥のドールコーナーにたどり着いた。昔はお人形といえば「おんなのこのあそび」だったのだが、最近は男も(といってもヲタのお兄さんたちだけですが)ドールで遊ぶようになったらしい。着せ変えが可能で、ポーズもいろいろつけられる所が受けているのだろう。ここには、顔の描かれていないドールヘッドと、いろいろな体型のボディがバラバラに売られている。それを、自分の好みで組み合わせ、オリジナルドールを作るのだ。
あまりアニメっぽくなく、きちんと鼻の穴のある、丸顔のドールヘッドを見つける。その顔型の中から、黒髪のものをチョイス。体は、赤阪さんは背が低いので、ロリコン向けの幼児体型のものにした(爆乳タイプとか、いろいろある)。洋服もたくさん売られていたが、なかなかイメージに合うものがなく、ここではティアラ(中古品なので100円!)のみ購入。場所を移し、デパートのおもちゃ売り場で、リカちゃん用のウエディングドレスも購入した。
家に帰り、早速作業に取りかかる。ヘッドに植毛済みのストレートの長髪を、はさみで適当にバッサリと切る。そこから、シャギーを入れたりしながらイメージに近付けてゆく。紙を敷いてその上で作業をしたのだが、それでもナイロンの髪の毛が部屋中に散らばる。とはいえ、もしこれを粘土で作っていたら、ヤスリがけもあるし、着色にはエアブラシも必要だし、こんなもんじゃすまないだろう。ガレージフィギュア作家に女がほとんどいないのは、部屋も自分も汚れるからなのかもと思う(ちなみに金もかかる)。髪形がうまくいったら、次は顔のペイント。アクリル絵の具で目と眉、そして唇を描き込む。左右対称に絵を描くのはむずかしい。しかも、元の顔型が美少女用にできているので、どうやっても、似ない。しかし、その似てなさっぷりが、市販されている有名人ドールのキッチュさを思わせいい感じなので、これで完成とみなす。叶姉妹ドールや、Puffyドールも、全然似てないもんな。ウエディングドレスは、そのままだとレースやリボンが多すぎて格好悪いので、余分なレースをすべて取り、赤阪さんが番組内で着用したドレスに近付ける。全く同じデザインにはならないが、これもまた顔と同じ理由で良しとする。
できあがったドールにドレスを着せ、食玩のホールケーキを持たせ、完成!となるはずが、まだ満足できない。どうしても、リカちゃんの外箱のようなものが欲しくなる。そこで、PCの肥やしになっていたグラフィックソフト、イラストレータのマニュアルと首っ引きで、どうにかこうにかパッケージをデザインする。基礎の基礎の技術しか駆使してないが、この安さもまた…と、無理矢理納得する。プリンタラベルに印刷し、ボール紙に貼る。ラベルがよれてうまく貼れなかったりと、失敗と試行錯誤を繰り返し、ようやく外箱も完成。一人ビールで乾杯しながら、完成した赤阪ドールを眺め、悦に入る。
…ここでようやく我に返る。…あたし、おかしい? 仕事を後回しにし、赤阪ドールに費やした2日間。しかし、その間、あたしはとっても楽しかった! 酒を飲んでもいないのに、一人でハイになり(他人がその状態を観察しても、ただ黙々と作業をしているだけだからわからないだろうが、あたしの脳内はお祭り状態だった)、恋愛中よりもアドレナリンはびゃーびゃー出ていただろう。これまで、あたしを「オタク」呼ばわりする他人に、あたしは本気でそれを否定し続けてきた。そりゃ、平均的な大人よりは、マンガに詳しいですよ。でも、それは職業上のことであって、本物のマンガオタクには、その読書量・知識量では全くかなわないし、記憶力もないし、そこまでマンガに思い入れもないし、最近のアニメは見てないし。でも、あたしは理論武装系ではないが、どうも、クリエイター(格好つけててヤな言葉だけど他に思い付かないので)系のオタクだったようだ。
自分はオタクじゃないよ〜、と言いつつも、心のどこかに「そこまでやっちゃいかん!」と、自分で自分にストッパーをかけて生きてきたような気がする。だって、オタクじゃもてないもん(笑)。それに、「あたしぃ、よく他人から『変わってるね』って言われるのお〜」とか言う不思議少女には死んでもなりたくなかったし。まあ、こういうことを自称する女の「ヘン」など、たかが知れているが。でも、赤阪さんに対する「あんた、おかしいよ!」が褒め言葉だったように(byナンシー関)、あたしも自らの「ヘン」な部分を、受け入れようと思う。
もちろん、女である限り、この世の中は生きにくい。しかし、そこで男との関係にしがみついたり、回りに煽られるように、焦って出来合いの趣味を見つけるのではなく、一度じっくり「自分が本当に好きなものは何か」を考えてみよう(って、エラソウなこと言っても、赤阪ドール…)。他人との関わりなしに生きることなど無理だけれど、それでも、一人で没頭できる世界を持っていると、人生楽しいよ。ちっとも孤独じゃない。とはいえ、あたしは自分が作ったものを、誰かに褒めてほしくて仕方がない自己顕示欲の強い人間なので、他者も必要ではある。「かわいい」と言われるより、「マンガ面白いね」と言われる方が、100倍嬉しいのだ(照れるけど)。
ところで。「大食い選手権」、復活しませんねえ。あんなに大食いチャレンジを取り上げてた「プラス1」が、こないだは「摂食障害」の特集してたなあ。患者の99%が女性で、彼女たちにとって、食べ物=不足した愛情なのだと、心療内科医は解説する。そんなことより、「女はやせてないと」という価値観を植え付けてるメディアの自己矛盾をいいかげん問えよ。確かに番組に登場した患者は、母親との関係に苦しんでいたが、彼女はテレビカメラの前で言っていたじゃないか。ストレスでたくさん食べて、その直後に頭をよぎったのは、「太る…」ということだったと。だから彼女は吐いた。そのまま食べ物を戻さなければ、その食生活はデブのそれと同じなのに。男も明るいデブばかりじゃないけれど、無邪気な男のデブ、多いですよね。(ちなみにこの発言はデブ差別のつもりじゃありません。そう受け取られたら反省はしますけど)。大食いが男の世界になっちゃったのも、そういった価値観と、無関係じゃないんだからね。
赤阪ドール、6月のLPCのイベントで展示します(ほめてね・)。あたしがデザインした大食いTシャツなども販売予定。東京近郊のみなさん、遊びにきてね! さて、次は白田くん(現大食いチャンプ)のドールを作ろうっと。って、仕事しろ、オレ。
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