ジェンダーをめぐる新学期の一コマ

またまた新学期が始まってしまいました。担任のクラスはそのまま持ち上がり、授業担当のクラスもそのままで、編入生以外は昨年度の顔ぶれです。お互いの理解が少しずつ深まっていくので、やっぱり持ち上がりはいいなぁ・・・

さて、新学期になり、新一年生も入学してきました。その新一年生の足下を見ると、ちょっとした変化が起きていました。それは何かといいますと・・・

私が担任をしているクラスの生徒は、男女で色の違うスリッパを履いています。入学時に購入する学校指定のスリッパが男女別の色分けだったためです。昨年度クラスの一人の生徒のスリッパが盗難に遭い、買い直すことになったのですが、そのときに「その学年の男子のスリッパの色は・・・」と担当の生徒指導部の教 員に説明を受けました。

疑問を抱いた私は、「本校は制服もない私服登校の学校で、体育時も私服で授業を受けている。どうしてスリッパだけ男女別指定をしているのか」と詰め寄って、「別に男女別に色分けされたスリッパに意味がないなら、色分けをやめてもいいのでは?」と、話をもちかけていたのです。

そんないきさつがあって、今年の一年生、スリッパはみんな同じ色になっていました。「スリッパも自由でいいのに・・」と思いますが、まぁ、男女で色分けするよりは一歩前進かなぁ・・・

一歩前進したことがある一方で、まだまだだなぁ・・と思った事柄も。新年度のPTAクラス役員を保護者から選出しないといけなくて、クラスの生徒全員に投げかけた時のやりとり。

私「今年もPTAのクラス役員を保護者の方にお願いしないといけない時期になったので、保護者の方に、役員をしても良いか聞いてきてもらえるかなぁ」

去年役員をしてもらった保護者の生徒A「先生、お母さんがダメって言ってました」

別の生徒B「うちのお母さんもダメって言ってました」

私「そっかぁ・・・他に受けてくれる保護者の方がいると助かるんだけどなぁ」

この自分の発言を後でふりかえってみて思ったこと。それは、「じゃあ、お父さんにも聞いてみて」的な受け答えもありだったなぁ・・ってこと。

男女共生だ、共同参画だ・・と言われるようになって久しいのですが、まだまだ子育ての母親にかかるウエイトは圧倒的に大きい。生徒たちの意識に「PTAとくればお母さん」としか浮かばない現状。生徒たちの発想に、「PTAと言えば、保護者なら誰もが関わる」という考えが育つように、種をまいていきたいもの だと思う新学期の一コマでした。

私の友だちにも子育てにがんばっている女性がたくさんいます。父親はあまりに仕事が忙しく、PTAはおろか子育てを完全に母親に任せている様子もよく耳にします。子どもが育っていく過程にほとんど関わることができずに、寝る間も惜しんで仕事に追われる父親もきついだろうと思う反面、子育てを一手に引き受け なければならない状況に置かれる母親もまた、厳しい状況におかれているなぁと実感します。

その母親が専業で主婦業をしている場合、彼女に完全な休みの日はありません。外で働く父親には仕事の休みの日があっても、炊事・洗濯など家族の世話をしている母親には、完全なオフの日は滅多にあり得ません。過去のコラムに書いたかもしれませんが、専業の女性にも有給休暇・完全週休二日を家族内で確立できる といいなぁ・・それが当たり前の慣習になるといいなぁ・・・などと思う日々です。


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