No. 7 Got money, but... (お金をもらうにはもらったけど・・・)

 今度の客は、Savian。名前や訛りからすると、ラテン系の移民だ。何度も電話をかけてきてしつこいと思ったが、きっとそれだけ会いたいということだろうと勝手によいように解釈していた。ジョーの家でシャワーを浴び、身繕いを終え、「三度目の正直」に出た。

 ジョーの家から目的地のサンホゼまでは、電車とバスを乗り継いで約1時間半の予定だ。ところが、である。待てども待てども電車は来ない。日本と違って、電車やバスが遅れるのは日常茶飯事だから仕方がないといえばそれまでだた、どうしてこういう時に限って遅れるのだろうか・・・。

 電車を降り、バス停へ走る。悪いことは重なるものである。目当てのバスは出発したばかり。20分待たないと次のバスが来ない。これは、確実に遅刻だ。仕方なく、Savian に電話をし、30分ほど待ってほしいと伝える。やっとの思いでバスに乗るが、今度は渋滞に巻き込まれる。バスの中からもう一度、Savian に電話をする。すると、待ちきれないSavian は、途中まで向かいにくると言い出す。無理もない。もう約束の時間を一時間過ぎようとしているのだから。

 とにかく、バスを下車し、Savianを待つことにした。待たされること20分。ようやくのことで、Savian が車で現れる。待っている間寒かったが、文句は言えない。こっちが遅刻したのだから。

 Savian の車に乗り込む。少し体が暖まってきた。ところが、なんだか様子がおかしい。Savian の家に向かっていると思っていたのだが、車が止まったのは、近くにある人気のない巨大駐車場の端っこである。「あれっ?」と思っていると、Savian は、今から家に戻る時間はないから、ここでしようと言い出す。それはまずい。こんなところでセックスして、もしも誰かに見つかり通報でもされたら大変なことになる。公の場所で金銭の授受をするのも先輩諸氏の教えに反する。

 必死に、「ここでは無理よ。Savian の家に連れて行って!」と繰り返すが、「遅れたそっちが悪いのだろう」と、かえって攻められる。「いいだろう、ここで。服、脱がなくてもいいから。俺のペニスをしゃぶってくれればそれでいい。20ドル払うから。」冗談じゃない。こっちは200ドルもらうために、ここまでやってきたのだ。「嫌だ、そんなことはできない」とこっちも意地をはると、「だって、これだけしか持ってないんだ。ほら、全部で40ドル。」とポケットの中を見せる。しまった、だまされた!今まで暗がりでよくわからなかったが、よくよくSavianを見てみると、そのだらしない格好からして、どう見積もっても200ドル払える輩とは思えない。はじめから数十ドルでフェラをやらせる気だったんだ!

 どうしよう? ここで何もしないと、またもや無銭で帰ることになる。再び、交通費と時間を完全浪費するのか?だからといって、こんなところでフェラチオ? どうするAi! こっちが必死に考えている間も、Savian は「早くやってよー」としつこい。とうとう、やらないと帰さないと言い始めた。これはまずい。帰れなくなってしまっては元も子もない。

 ああもう、しょうがない! ここは、とっと用を済ませて、その場を離れるより仕方がない。「じゃあ、40ドルくれたら、やってあげる」と交渉開始。相手は最初からそのつもりだったのか、私の要求をすぐに受け入れた。不本意ながらも、車の中で相手のズボンをずり下げ、フェラチオをするはめになる。「神様、どうか誰にもみつかりませんように!見回りのおまわりさんがやってきませんように!」まさに、苦しい時の神頼みである。 

 そうそう、こういう時には香りつきコンドームと、気分を紛らわそうとするが、それもあえなく失敗。Savian の股間のくさいこと、くさいこと。信じられない。シャワー浴びて出直して来い! と叫びたかったが、ここは、ぐっと息を一のみ。とにかく、しゃぶりに入る。Come on, come on!(早く出して、早く出して!)という祈りが通じたのか、相手は意外とすぐに射精。あっけなく、終了。すぐに済んでよかったと、ほっとするもつかの間、恐る恐るまわりを見回す。大丈夫だ、誰も見ていない。

 というわけで、40ドルを手にして帰宅した。はじめての稼ぎである。もっと喜ぶべきかもしれない。でも、今回は、遅刻にはじまり、車の中でのプレイ。やってはいけないことばかりをやってしまった上に、たったの40ドル。あ〜あ、今日もうまくいかなかった。三度目の正直ならず。いつになったら、ちゃんと稼げるようになるのだろうか。セックスワークは楽じゃない。だんだんそう思い始めた。


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[2006/02/28]
No. 47 What is Sex Work? (セックスワークって何?)
[2006/02/20]
No. 46 The Last Client(最後の客)
[2006/02/13]
No. 45 Is Sex Just Sex?(セックスって、単なるセックス?)
[2006/02/06]
No. 44 Is Sex Work a Crime? (セックスワークは罪?)
[2006/01/30]
No. 43 The Web Ad(出会い系サイト)
[2006/01/24]
No. 42 How to Go Along with the Clients (客との打ち解け方)
[2006/01/16]
No. 41 Experiencing Sex Workshops (セックス・ワークショップの経験)
[2005/12/27]
No. 40 Tyson, Again (Tyson再び)
[2005/12/20]
No. 39 Two Japanese Guys, Part 2(二人の日本人 その2)
[2005/12/12]
No. 38 Two Japanese Guys, Part 1(二人の日本人 その1)
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