車を買うのを手伝ってくれたSusan は、セックスワークはいつまでもできることじゃないんだし、危険だから、もう少し堅実なことをしたらと、マッサージ学校に行くのを勧めてくれた。それが、ただ勧めてくれただけじゃない。Susanの顔の広さを生かして、私に入学金を払わなくてもその学校へ行けるように工面までしてくれた。
そんなことがあって、マッサージ学校に通い始めた。もっとも、途中で問題が起き、卒業はしなかったが、数ヶ月は通った。この学校の校長は、Gil という(Gilbert の略)60前後のラテン系おやじである。その風貌は、一度見たら忘れられない。とにかく小錦ばりの巨漢である。学校は、建物の3階にあるが、Gilはもちろん階段なんて登れない。車から降りてエレベータを使ってあがってくるが、エレベーターから部屋まで歩いただけで、もうハアハア。きっと体にいろいろなトラブルをかかえているのだろう。
この男、実に強欲である。お金のことには全く節操がない。からだじゅうに「けち」と書いてある。よくもまあ、こんなにあけすけの強欲おやじが、ぬけぬけと生きていけると不思議に思う。しかも、このおやじが、めちゃくちゃセクハラとくるからタチが悪い。かわいい子には目がない。特に、Aiには異常な関心を示した。Aiがいるのを見つけると、遠くからでも「Aiちゃん〜!」と呼び、口先をすぼめチュパチュパとキスのまねをする。いいおやじが何をしているとあきれんばかりである。最初は、適当にあしらっていたが、だんだんこのセクハラ、エスカレートしてきた。「ねえ、今度いいことしようよ」などと誘ってくる。これにはあきれた。ある日、あんまりあきれたので、「そんなに言うなら、やってもいいけど、Aiはプロだからただではできないよ」とインターネットの広告を見せた。これでびびってあきらめるかと思いきや、むこうは逆に、まじでやる気になってしまった。
ということで、このセクハラGil と仕事をすることになった。学校が閉まったあとで、どこかホテルへ移動という予定だったが、強欲Gilは、ホテル代などを使うのはもってのほかと、学校内で、しかもマッッサージ用のテーブルでやると言い出す。バレたらどうするんだと、かなり抵抗したが、さすがに校長の言うことにはさからえず、マッサージ・テーブルへ。
肥満のGil にとっては、このテーブルへのぼるのも大仕事。ようやくのことで、あがると仰向けになった。すると、Gil は、Aiにも来いと手で合図する。が、しかしである。いこうにも、マッサージ・テーブルはGil の体でいっぱい。ほとんど空きスペースがない。それでも、わずかに空いているところに足をいれ、なんとか馬乗りの状態になった。まずは、フェラチオかなと思い、股間に目をやるが、ペニスが見えない。「まさか」と思って、まわりにある肉をかきわけると、小さなペニスがやっと顔を出した。コンドームをかぶせようとするが、なかなかたたない。おそらく、肥満とそれに伴う障害から、性機能もうまく働いていないのだろう。
それにしても、くさい。なんたる、このくささは!股間のまわりから、尿がくさったような匂いがムンムンしてくる。きっと、小便の時に、尿がまわりの肉にかかってしまうのだろう。ペニスの長さが、まわりの肉の厚みより短いのだから、無理もないのかと思った。
しばらくすると、Ai の穴に挿入しろという。しかし、まわりの肉が邪魔をして、挿入がうまくいかない。一生懸命まわりの肉をかき分け、ぐっと手でおさえ、それが戻らないうちに一気にAiのお尻を間に入れようするが、なかなかうまくいかない。何度もやるが、難しい。だんだん汗が出てきた。しかも、力を入れてふんばろうとすると、Gilでいっぱいいっぱいのマッサージ・テーブルから足を踏み外す。
この様子をはたから見ていたら、ギャグ以外の何ものでもなかったろう。だけど、本人たちは必死だった。しばらく奮闘するもむなしく、Aiはあきらめざるを得なかった。すると、Gil も無理なことを認め、もう一度フェラをしてくれと言った。「えっ、もう一回?」ああ、またくさい股間に顔をうずめるのかと思いながらも、作業開始。夢中になってやっていると、不意に、Gil はもういいと言った。Aiにはわからなかったが、すでに射精したらしい。こちらにはほとんどわからない量の射精だった。この大男から、これだけか。やっぱり、随分、からだの機能がいかれてるんだろうなあと、少し気の毒に思った。
すると、外でガタッと物音。ガードマンらしい。Gilはあわてて、ズボンをあげると、何もなかったかのような顔で外へ出て行った。その動作が、悪ガキがすました顔を取り繕っているようで、ちょっとおかしかった。こっちは、汗でびしょびしょである。もう二度とやるまい、そう思った。幸い、Gil のセクハラは、その後随分下火になった。本人もさすがに懲りたのか、「また、やろう」とは一度も口にしなかった。