客はいろいろなトラブルをかかえている。前回は、早くイキすぎる人の話だったが、一番困ったのは、なかなか立たない人、なかなかイカない人である。今回は、自然に立たなくなってしまった人の話を二つ。
ペニスが立ちやすい、立ちにくいには、個人差がある。それに、歳を重ねれば重ねるほどたいてい立ちにくくなる。客の多くは、自分のペニスを挿入して射精することを目的に高いお金を払っているので、ペニスが立たないとなると大変な騒ぎになる。ふつうは、もくもくと自分の手で刺激を与え、勃起させるのに励む。そんなに無理しなくてもいいのに、とこっちは思うが、向こうはそんなこと言ってられない。が、力めば力むほど、立たなくなる。気の毒な話である。客の中には、立たないのは、Aiの責任と言わんばかりに、あれをしろ、これをしろ、と言ってくる人がいる。こちらもできるだけのことはするが、無理なものは無理。どうしようもない。
ある日、かなり高齢のJimが、「さっきバイアグラ飲んできたから大丈夫」と、はりきってやって来たことがある。しかし、いざプレイを始めると、ペニスの反応がよろしくない。Jimは「そんなはずはない。そんなはずはない」というが、こちらもどうしていいのかわからない。よく話をきくと、バイアグラを飲んだのは、Aiに会うちょっと前とか。それでは、無理だよ。効くのに時間かかるんだからと、やんわり口にしたが、Jimは納得しない。向こうはホテル代だって支払っている。おいそれとあきらめるわけにはいかない。しかし、人生とは無情なものである。30分ほど格闘したが、その甲斐虚しく、あきらめることになった。「別に挿入だけがセックスではない」というAiの声にも耳を傾けず、Jimはがっくりうなだれながら、ホテルを出て行った。幸い、お金を返せとは言われなかったので、こちらとしてはよかったが、全くいい気持ちはしなかった。
かと思えば、こんなこともあった。これまた高齢だが、Jimとは比べものにならないほど、陽気で快活なTonyと会った時のことだ。Tony は、ベトナム戦争の体験者。戦争で下腹部を負傷し、肝臓も一つしかないし、精巣も切除されてしまったと言う。Tonyはその時の話を生々しく語ってくれたが、一切おセンチにならなかったのは、Tonyのキャラのせいでもあったが、Tony のペニスのせいでもあった!
下腹部負傷にもかかわらず、Tonyはなんと勃起するペニスをもっていたのだ。Tonyは、それはもう自慢げにそのペニスをAiに披露してくれた。「ほ〜ら」するとペニスが、にょにょっと立ってくる。「え、どうして?」とたずねると、「それはね」といいながら、精巣を包む袋の部分(精巣はなかったが)をAiにさわらせてくれた。「ここにモーターが入っているんだよ。ほら。で、ここを押すと、モーターが作動してペニスが立ってくる。やってごらん。」そう言われて、Aiはいぶかしそうに、そのモーターのスイッチを押してみた。すると、にょにょっとペニスが立ってくる。これは楽しい。しかも、OFFのスイッチを押すと、このペニスがひゅう〜っと萎える。それは、まるで風船を膨らます感覚である。「へえ〜」と驚きながら、ONにしたり、OFFにしたりして、Aiがペニスの動きを面白く見ていると、Tonyは「ペニスの受ける刺激は以前のままなんだ。すごいだろ。これで、僕は一晩中だってセックスできるんだ」と誇らしげである。
Tonyは体をさわるのがうまかった。マッサージも少ししてくれた。気持ちがもりあがってくると、いよいよ挿入となった。Tonyがモーターに手をまわす。すると、再び、にょにょっとペニスが立ってくる。これには笑わずにはいられなかった。が、笑ってばかりはいられない。ペニスの挿入である。ペニスそのもの、つまりペニスの外側は、もともとTony がもっていたペニスのままなので、入れられてもさほど違和感はない。ただ、すこぶるいきりたったペニスが入ってきた、そんな印象だった。挿入プレイは、なかなか楽しかった。しばらくすると、Aiはもう十分と思ったが、Tonyはまだまだといいた様子。それはそうだろう。射精しない上に、ペニスが萎えるも心配はない。いくらなんでももういいよという顔をすると、Tonyがうれしそうな顔をして「明日の朝までやる?」ときく。「ええ、もういいよ。今日はここまでにして」と言うと、残念そうな、でも、茶目っ気のある顔で、「じゃあ、やめよう」とプレイを終了してくれた。
ペニスの勃起を助けるあんなマシーンがあるとは驚きだった。と同時に、下腹部を負傷しても、それにめげず、自分がセックス・ライフを楽しめるよう処置を施し、それを満喫しているTony の様子を見て、こちらも晴れ晴れとした気分になった。こんなすごいものがあるのなら、もっと多くの人が使えばいいのにと思った。もっとも、こんなのをつけられたら、パートナーはたまったものじゃないかもしれないけどね(笑)。