No. 29 Anal Fisting (アナル・フィスティング)

 Lloyd は、常連客の一人。Aiのよさをよく理解してくれた客の一人だ。いっしょにいて恐れをいだくことはない。比較的、安心していられる。最初に会った時から、リラックスすることができた。

 車を一時間半ほど飛ばすと、Lloydの家についた。Lloyd は、イースト・ベイ のアラモというところに住んでいる。郊外の閑静な住宅街だ。といっても、住宅の集まったコンプレックスのまわりは森で覆われている。鹿やウサギが日常的に出てくるようなところだ。

 もう9時をまわり真っ暗だが、ライトアップされた外観からすると、家はまだ新しい。大邸宅ではないが、白くて、品のいい作りは、それなりに裕福な人が住んでいるように見える。不安と期待から、ドアのベルを鳴らすと、白いバスローブに身を包んだLloydがでてきた。

 まずはリビングに通され、ワインを飲みながら、しばし歓談。Lloydは、Aiのセックスワーカーとしては変わったプロフィールに惹かれているらしい。「電話の時から違うと思ったんだけどさぁ・・・」と、いろいろ聞いてくる。肩の力の抜けたLloydには、なぜかべらべらと答えてしまう。自分の話をちゃんと聞いてもらえている感が、心地よかったのかもしれない。

 Lloydは、ニューヨークのコンロンビア大学(超一流校の一つ)を卒業した後、国際的な金融ビジネスを行っている大会社に入社。アジアを中心に、全世界をわたり歩いていた。しかし、二十年近くもたつと、過酷な労働環境と、「人のためにお金を稼いでいる」のが嫌になり、小さな会社をサンフランシスコで起こしたという。ビルの清掃を請け負う会社だ。

 これまでのエリート業界とは違い、種々雑多な人たちを相手にしないといけない。論理的に話をしても通じない人がいっぱいいる。社長といっても、自ら現場にいって働くことも多いし、収入は以前に比べると、かなりの減収らしい。でも、「人のためにではなく、自分のために仕事をする」のは、何にもましてうれしいことだ、とLloydは話す。彼の幸せそうな表情を見ていると、きっとそうなんだろう、という気がする。「自分のために仕事をする」、そういう人生をAiも送っていきたいと思った。

 ところで、このLloyd、自分のアナルを攻められるのが好きだ。しばらくの間、肛門の内側をさわっていると、「腕を入れてくれ」と言い出す。「ん?えっ、フィスティング?」「そうそう、ずーっと奥まで。」指を入れることはあっても、手全体を入れたことはない。おどおどしていると、「こうやるんだよ」とLloydが指示をだす。

 まずは、指を伸ばしたまま三角形を作る。(中指の下に人差し指と薬指をおく。そして、その下に親指と小指を入れる。五本の指先をそろえて、狐さんのような形を作るのだ。)それをゆっくりと肛門へ挿入する。ゆっくりと奥へ奥へと。手首が入った。上腕の半ばまできた。Aiはもうこれ以上は無理だろうと思って手の動きをとめると、「もっともっと」という。Lloydが少しつらそうな表情をするので、少し気が引ける。しかし、「気持ちいい。もっと奥に、もっと奥に」と言われる。

 少し怖くなってきたが、途中でやめるわけにいかない。気がつくと、肘の近くまで腕が入った。さすがにここまでだろう、と思っていると、Lloydは、「まだだ。もう少し。もうちょっと行くとスポッとはまるところがある」「えっ?、あ、はい」もう少しつっこむ。すると確かに、何かの穴にスポッとはまった感じがした。Lloydの表情が緩む。「そうしたら、ぎゅっと拳を作って・・・」「う、この中で動かすの?そんなことして大丈夫?」と不安になるも、Lloydは「大丈夫、大丈夫」と言う。それなら、とLloydを信頼して、拳をつくる。何か内蔵を押しやっている感じだ。すると、Lloydは「はあっ」と言って、恍惚感にひたる顔をするではないか。ああ、きっとこれが気持ちいいんだろうなあ、と不思議な感じにとらわれる。しばらくはそのまま、Aiの拳から上腕は、すっぽりLloydの腸の中におさまっていた。

 ビデオで見てはいたが、実際にやることになるとは思ってもみなかった。中にあるAiの拳がだんだん暖まってくるのを感じる。圧縮される感じがマッサージされているみたいで、少し気持ちがよかった。

 そこまではよかった。が、抜く時が大変だった。というのは、手を抜き出すと同時に、腸の奥の方にあった液体の便が流れ出してきたからだ。Aiはラテックスの手袋をしていたし、下にタオルもひいていた。しかし、そのドゥオーっと流れ出る便の量は半端ではなかった。どうしていいんだかわからなかったが、タオルで押さえて、シャワーへ走った。

 あんなに奥まで挿入するとなると、たとえ浣腸をして洗浄をしていても効果はないだろう。やる以上は、ドゥオーっと出てくる。Aiの許容量はわりと広い方だと思うが、スカトロ系はどうも苦手だ。フィスティングで入れるのはいいけど、出すのはいやだな、と思った。

 しかし、当のLloydは、とても嬉しそうである。「ああ、よかった。Aiちゃんにもやってあげよう」などと言う。う〜ん、Aiの肛門はそんなに大きくないから、Lloydの手なんか入るはずがない。やっても痛いだけだろう。「いいよ、いいよ」と逃げる。

 いやあ、本当に、セックスって人それぞれだと思った。とてもいい体験をした。


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[2006/02/28]
No. 47 What is Sex Work? (セックスワークって何?)
[2006/02/20]
No. 46 The Last Client(最後の客)
[2006/02/13]
No. 45 Is Sex Just Sex?(セックスって、単なるセックス?)
[2006/02/06]
No. 44 Is Sex Work a Crime? (セックスワークは罪?)
[2006/01/30]
No. 43 The Web Ad(出会い系サイト)
[2006/01/24]
No. 42 How to Go Along with the Clients (客との打ち解け方)
[2006/01/16]
No. 41 Experiencing Sex Workshops (セックス・ワークショップの経験)
[2005/12/27]
No. 40 Tyson, Again (Tyson再び)
[2005/12/20]
No. 39 Two Japanese Guys, Part 2(二人の日本人 その2)
[2005/12/12]
No. 38 Two Japanese Guys, Part 1(二人の日本人 その1)
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