No. 33 Romance Game Part 2(恋愛ゲームその2)

 (前回からつづく)これは、あくまでゲームである。Garyは気が向く時はAiをもてなすが、余裕のない時はこんなことは一切しない。逆に、こちらにGaryに尽くすよう求めてくる。お金をもらってやっているのでは仕方がない。が、Garyとは、お金をやりとりせずにもつき合うようにもなったが、こちらが会いたいときに会うというわけにはいかなかった。

 Garyは、ある一流ホテルでNo.3の地位にあるらしい。通常、とても忙しい。なかなか連絡がとれない。ある晩、いっしょベッドに入って「さあ、お楽しみ」というところで、急に呼び出しのページがかかったこともあった。ホテルでぼや騒ぎが起きたらしい。Aiは、間近でGaryとホテルの部下とのやりとりを聞いていたが、Garyの対応はとてもプロフェッショナル、かつ思いやりのあるものだった。頼もしい上司なのだろう。Garyは、急いでホテルに向かうことに。こちらは仕方なく2時間強の道のりを夜中、運転して家に帰った。往復4時間かけるも、ほとんど何もせずに帰宅だ。が、これは許せる。

 でも、こっちはそういうわけにはいかない。クリスマスが近くなった。Garyから誘いがないかと待っていたが、一向に連絡がない。こちらから電話をしてみるが、連絡がとれない。2日前になって、ようやく電話がつながった。すると、Gary、「今、山に向かっている」と言う。何のことかと思いよくよく話をきくと、キリスト教徒ではないGaryは、クリスマスを祝う気などさらさらない。チベット仏教を信じる彼は、休暇を利用して、山に入りキャンプをはり、修行をするのだと言う。それまでにチベットへ訪れた話は何度も聞いていたが、さすがにこれには唖然とした。「Aiはどうなるんだよー!」と思ったが、そんなことはおかまいなしである。

 Garyに言わせれば、Aiは男に頼ってばかりの女とは違う、自立した女性なんだから、自分で好きなように楽しんでくれ、ということらしい。そう言われてしまうと、こちらも何も言えない。が、そう割り切るわけにもいかない。よくよく考えてみれば、これはかなり勝手な話である。Garyが会いたいときにAiは会うが、AiがGaryに会ってほしい時には、Garyは会うとは限らない。これでは、平等な関係とはいえない。これを機に、Aiは、Garyとの恋愛ごっこはやめることにした。

 この頃、Aiは男とは恋愛関係を持てないと自覚するようになった。自分が男をやっていたことがあるからか、男の身勝手さにとても敏感である。男といると、どうしても権力闘争をしてしまう。自分が相手の言うなりになっていると思うと、もう我慢ができなかった。それに、自分の恋人とはもっと時間や空間を共有したかった。楽しいことを共に分かち合いたかった。もちろん、そういうことがいっしょにできる男はいるだろう。しかし、そういう男はとても稀だ。なかなか見つからない。やっぱり、うまくいく相手は女なのかなあと考え始めた。

 Garyとは、しばらくの間連絡をとりあわなくなったが、友達関係は続いた。途中で、関係が切れなかったのは、お互いそれなりに惹かれるところがあったからだと思う。Tomとともに、アメリカを離れる前に別れを告げたのは、このGaryだった。Garyには独特の世界観がある。Garyの言葉にはハッとさせられることが多かった。ある時、Garyは、「物乞いにお金を渡すか渡さないか、俺はごちゃごちゃ議論しない。あげたいと思った時はやる。そうでなければやらない。一貫していないと非難されるけど、一貫している方が勝手だし、偽善じゃないか。」

 もう一つ、Garyの言葉で忘れられないは、「世の中で成功する奴は、チャンスを逃さないんだよ。その時、チャンスかどうかわからなくても、とにかく飛びつく勇気がある。凡人は、そこで何もせずに終わっていく。そうやってどんどん差が開いていくんだよ・・・」一度は一文無しになったにもかかわらず、数年のうちにミリオネアーになったGaryらしい言葉だ。これは今、Aiの座右の銘となっている。

 Garyはあと一年したら仕事をやめて、貯めたお金で世界放浪の旅に出るといっている。物乞いになるのが夢だとも話していたGaryだ。今頃、どうしているのだろうか?


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[2006/02/28]
No. 47 What is Sex Work? (セックスワークって何?)
[2006/02/20]
No. 46 The Last Client(最後の客)
[2006/02/13]
No. 45 Is Sex Just Sex?(セックスって、単なるセックス?)
[2006/02/06]
No. 44 Is Sex Work a Crime? (セックスワークは罪?)
[2006/01/30]
No. 43 The Web Ad(出会い系サイト)
[2006/01/24]
No. 42 How to Go Along with the Clients (客との打ち解け方)
[2006/01/16]
No. 41 Experiencing Sex Workshops (セックス・ワークショップの経験)
[2005/12/27]
No. 40 Tyson, Again (Tyson再び)
[2005/12/20]
No. 39 Two Japanese Guys, Part 2(二人の日本人 その2)
[2005/12/12]
No. 38 Two Japanese Guys, Part 1(二人の日本人 その1)
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