世の中には物好きがいるものだ。Waltは脇の下フェチである。脇の下の匂いを嗅ぐのがたまらなく好き。汗をしゃぶるのが大好きだ。それさえしていれば、満足。あとは、ファックもフェラも何もいらない。
Waltは小柄で、あまり冴えない風貌。お世辞にもかっこいいとは言えない。地味なシャツに、薄汚いぶかぶかのジーンズ。30代後半だと言うが、どうみても40代後半に見える。自動車や船の修理をやっている技術屋だそうだ。最初ははにかんでいるが、自分の好きな話を始めると、水を得た魚のように流暢になる。不器用だけど、嘘はつかないタイプだと思った。
それにしても、最初に会った時は、何をするのかわからず、こっちも戸惑った。随分、もったいぶった言い方で、「ちょっと変わったことするけどいいかなあ?」と聞く。「たいていの事には驚かないけど・・・。Aiを傷つけるのでなければ、好きなことやっていいわよ・・・」と言うと、うれしそうな顔をして、「それじゃあ、手を上にあげて」と言う。何をするかと思えば、いきなり脇の下に顔をくっつけ、息を吸う。匂いをかいでいるらしい。数分の間これが続く。
やがて、Waltが舌で脇の下をなめ始めるのがわかる。くすぐったい。思わず、逃げようとするが、Waltは離さない。しかし、くすぐったいものは、くすぐったい。「ちょっと、やめて。くすぐったい」と言いながら、Waltの顔を脇からはずす。すると、「そんなことないよ。気持ちいいはず。ちょっと我慢していれば大丈夫」と、えらく自信をもって言う。
もうまったく、仕方ないなあともう一度、チャレンジ。今度は、Waltからいろいろ指示が出る。こういう姿勢をとれとか、脇の角度はどのぐらいがいいとか。Waltは、頭を力を入れて脇の下ではさめと言う。言われた通り、力を入れるが、それではまだ足りないらしい。言われるがままに、力を加える。Aiは、Waltの頭がつぶれるのではないか、窒息するのではないかと心配になるが、Waltは、「もっと強く、もっと強く」と言う。そこまで言うならと、思いっきり、力を入れて脇の下でWaltの頭をはさんだ。
すると、不思議なことに、舐められてもくすぐったくなくなった。意外にも、気持ちいいとさえ思った。Waltは脇の下のあちこちを舐め終わると、今度は、脇の下の肉を吸いつき始めた。これにも意外と気持ちよいと思う自分に驚いた。
しばらくすると、脇の下から顔をはずし、しばし休憩。聞けば、昔の彼女とやっていたレスリングごっこで味をしめたらしい。Waltは男勝りの女性に興味があったらしく、この彼女も力のあるレンスリングの選手だった。時々、冗談でWaltとレスリングごっこをしていたが、その時、汗まみれになった彼女の脇の下の匂いに、Waltは魅せられた。それ以来、Waltが性的な刺激を感じるのは、もっぱら脇の下になったらしい。それに、トランス・ウーマンを知ってからは、女性よりもトランスに興味を示すようになったとか。
前半はすわってやっていたが、後半戦はベッドに横たわることになった。まさにレスリングごっこといった感じである。経験豊富なWaltは、こうやって体勢を作るようにと、指示を出す。それに従っていると、確かにすぽっと吸い付くように、Waltの頭がAiの脇の下におさまる。しばらくは、前半戦と同じことが続いた。が、だんだん攻めが激しくなってきた。意外にも、こっちも感じ始めた。盛り上がってくると、Waltは頭を脇にはさんだまま、Aiのからだを動かしはじめた。なんだこれは、と思っていると、だんだん体が持ち上げられていった。
あっと、思った瞬間、Aiの体は宙に舞った。Waltが180度寝返りをうったのである。Aiは脇の下にぎゅっとWaltの頭をはさんでいる。つまり、Waltの体とAiの体は、直角の関係にある。最初は、ベッド面に水平だったが、Waltが寝返りを打つことで、Aiの体が持ち上がり、ベッド面に対して90度、ちょうど逆立ちのような状態になった。そして、反対側へ倒れた。一瞬の出来事ではあったが、ちょうどジェットコースターに乗ったときに感じる、不思議な脱力感があった。と同時に、Aiは、はからずもオルガスム状態に達し、しばらくは何が何だかわからなくなった。
こんなことで、オルガスムに達するとは、我ながら驚いた。Waltは、とても得意げな顔をしている。「ほら、言っただろう。気持ちいいって」。う〜ん、確かに。人間の体というのはまったく不思議である。こんなことで気持ちよくなるなんて。