セックスワーカーAiの営業日誌 http://www.lovepiececlub.com/seworker/ ja 2006-02-28T04:07:08+09:00 No. 47 What is Sex Work? (セックスワークって何?) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000604.html  セックスワークをしている間、部屋にはっていた大きなポスターがある。大先輩であるアーニー・スプリンクルが作った「売春婦はなぜ私のヒーローか」というユニークな条文集だ。売春婦についての40の条文が、スーパー・マンをもじったスーパー・ウーマンのかわいい絵柄の上に並んでいる。Aiは必ずしも全てに賛同していたわけではないが、いくつかの条文を読んでは自らを励まし、勇気づけていた。  セックスワークっていうと、すぐに社会の悪、よくて「必要悪」って思われがちだけど、本当にそうかなってAiは思う。もちろん、人身売買や借金返済のためなどに強制的に売春させられるのはよくない。でも、よくないと言ったからって、なくなるもんじゃないし、もっと現実的な、建設的な目でセックスワークを見ることも大事だって思う。そういう意味で、アーニーの40か条は、セックスワークをうまく表現しているんじゃないかなって思う。それに、これらの条文はAiのセックスワークをうまく総括してくれている気もするので、最終回にふさわしいと思い、紹介することにした。 1. 売春婦は、見ず知らずの人とも、自分のからだでもっとも私的で繊細な部分を共有する能力がある。 2. 売春婦は、ユーモアのセンスにあふれている。 3. 売春婦は、性の規範に挑戦する。 4. 売春婦は、陽気である。 5. 売春婦は、タフである。 6. 売春婦は、人に喜びを与える。 7. 売春婦は、創造的である。 8. 売春婦は、冒険好きで危険にさらされることも恐れない。 9. 売春婦は、よりよい愛し方を教える。 10. 売春婦は、文化やジェンダーの多様性を受け入れる。 11. 売春婦は、人々のさまざまな悩みによき助言を与える。 12. 売春婦は、楽しみ方を知っている。 13. 売春婦は、エキサイティングな服を着ている。 14. 売春婦は、ふつうの人なら耐えられないことに関しても忍耐強く寛容である。 15. 売春婦は、孤独な人たちの孤独感を減らす。 16. 売春婦は、自立している。 17. 売春婦は、安全なセックスの仕方を教える。 18. 売春婦は、伝統である。 19. 売春婦は、イケてる。 20. 売春婦は、自由な魂である。 21. 売春婦は、人々を不要なストレスから解放する。 22. 売春婦は、癒しである。 23. 売春婦は、すさまじい偏見と向き合っている。 24. 売春婦は、稼ぎがいい。 25. 売春婦は、常に仕事をもっている。 26. 売春婦は、セクシーで官能的である。 27. 売春婦は、一般の人々が持っていない特別な才能をもっている。 28. 売春婦は、たくさんの興味深い人生経験をもっている。 29. 売春婦は、たくさんセックスする。 30. 売春婦は、人々の性的欲望探求の手助けをする。 31. 売春婦は、自らの性的欲望を探求する。 32. 売春婦は、セックスを恐れない。 33. 売春婦は、セックスでお金を稼ぐ。 34. 売春婦は、輝いている。 35. 売春婦は、もてなしがうまい。 36. 売春婦は、大きなカツラをかぶる勇気がある。 37. 売春婦は、裸になることを恥と思わない。 38. 売春婦は、障害を持っている人たちを助ける。... minori 2006-02-28T04:07:08+09:00 No. 46 The Last Client(最後の客) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000599.html  サニーベイルのホテルに着くと、待っていたのはDenisだ。これまでにも何度か会っている。森本レオのそっくりさんで、会う度にそれを伝えたくなるのだが、相手は森本レオを知る由もなくどうしようもない。今回も、見るなり、一人でムフッと笑った。  Denisはシャワーを浴びた後らしく、白いバスローブを着ていた。50代の見るからに「おやじ」だが、それとはちょっと不釣り合いな清潔感が漂っていた。Denisは「ふれ合い」をとても大切にする客で、Aiの好みだ。今日も、なかなかいい感じで進んでいる。  しばらくすると、Denisはムッと立上がり、「今日は、全身なめまわしてあげる」と言い出す。えっ?と思っていると、ベロベロをからだをなめまわし始めた。最初はちょっと気持ち悪いと思ったが、なれてくると、とても心地よい。Denisは舌に少し圧力をかけながらなめるので、マッサージをしてもらっているようでもあった。「ああ、気持ちいい〜!」って言うと、「そうだろう!ちょっと研究してきたんだ・・・」とうれしそうに答える。ふ〜む、さすが研究してくれただけのことはある。  ひとしきり、プレイが終わると、Denisが「今日はいっしょにディナーを食べよう!」と言い出した。ラッキー!といっても、ディナーはホテルの部屋でだった。人目につくところへ出て行けないのが、セックスワーカーのつらいところ。Denisも、本当は雰囲気のいいレストランにでも行きたいんだけど、と申し訳なさそう。が、ないよりはまし。部屋の中の雰囲気はイマイチだったけど、ゆっくり楽しく食事ができたのでよかった。  お酒が少し入ると、Denisはとても機嫌よさそうに、自分の仕事や家族のことを話してくれた。生活はいたって質素だが、実は、このDenis、百万長者なのである。会社の社長で、ロサンジェンルスとサンフランシスコを中心に工場をいくつか持っている。  Aiが「どうやって、そんなにお金持ちになったの?」と聞いた。すると、「一夜にして金持ちになったわけではないよ」と答えた。Denisは、小さな工場で学生アルバイトをしていた頃のことから順を追って話してくれた。実際、彼は有名大学出のエリートではない。小さい工場から、コツコツと仕事をしていった人だ。「少しずつ先につながる仕事をしてきたんだ」そして、「勝負に出るときは、勝負に思い切って出た」と言う。「必ずしも、いつも順風満帆だったわけではない・・・。今だって、決して安閑とはしていられない・・・。でも、これまで何とかやってきたし、子供たちとも楽しく過ごせていて幸せだ」と。  Aiは食い入るようにしてその話を聞いていた。Aiも、いつかお金持ちになれる日がくるのだろうか?と、ふと思った。セックスワーク続けててもお金持ちにはなれないのは確実である。Denisのようにキャリアを積んでいかなくては。そう思うと、セックスワークなんかしている場合ではない、という気がしてきた。  そもそもこの頃、セックスワークに飽きがきていた。別にセックスをするのが嫌になったのではない。しかし、Aiを騙そうとする客や、いい加減な対応をする客に嫌気がさしていた。客に馬鹿にされないためには、それなりに高圧的な態度に出なくてはならない。それにもっともっとビジネスライクに接しないと、収益もあがらない。もっと割り切って客に接しないと・・・。そういうプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。自分にはセックスワークは合わないという思いが、ますます強くなっていった。そう思いあぐねていた時に聞いたDenisの話は、ショッキングだった。自分も先につながる仕事を始めないと大変なことになる。  Denisと別れた後、一大決心をしてセックスワークをやめた、というわけではなかった。が、だんだんセックスワークに対する興味がなくなっていったのか、客をとらなくなった。今から思いかえすと、客として会ったのは、このDenisが最後だった。(次回が最終回です。)... sakamoto 2006-02-20T10:59:59+09:00 No. 45 Is Sex Just Sex?(セックスって、単なるセックス?) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000595.html  セックスワーカーがよくされる質問に、「他人とセックスしながら、好きな人との関係を維持できるのか?」というのがある。Aiはあいにく、セックスワークをしている間、プライベートな関係を結べる人がいなかった。これはもしかしたら、セックスワークをしている間はそういう深い関係になれないということかもしれないけど、やめたからといって、誰か見つかったわけでもないので、そうともいえないと思う。  実際、ワーカー仲間には、パートナーのいる人たちもいた。Aiと親しかったゲイの友人、Jallenはワーカーをしながら、パートナーといっしょに暮らしていた。Aiもどうやってパートナーとの関係を維持していけるのか不思議に思ったので、詳しく聞いてみたことがある。  すると、Jallenはこう言った。「セックス以外でも、スキンシップとか、言葉とか、いっしょに生活するとか、いろいろ親密感を表す方法はあるじゃないか。別にセックスにこだわることないだろう?」確かにセックスだけが愛情表現ではない。セックスをしさえすれば、すぐその相手と愛を分ち合えるのではないことは、セックスワークを見れば明らかだ。  とはいえ、セックスはパワフルだ。客とはいっても、リピーターなど同じ相手とセックスをしていれば、愛情はそれなりに深まるのではないか? と思われる読者もいるかもしれない。Aiの体験から言えば、それは、ワーカーの心持ち次第だと思う。Aiの場合は、この人と特別な関係になりたいと思わない限り、何度セックスしても、何か関係が深まるということはなかった。逆に、一回だけでも、この人となら特別な関係になれるかも? と思うことはあった。  別の友人Patは、レイプされた体験を持っていたこともあってか、セックスをすることは、かえって落ち着かないと言っていた。お金をもらってならセックスをするけど、そうでなかったら、むしろしたくない。「愛情がある人とは、無理にセックスをしなくてもいいと思える関係にあるのがいい」と言っていた。なるほど、そういう考え方もあるのかとAiは思った。  しかし、Aiはどうかというと、そのようにドライにセックスを捉えることはできなかった。例えば、前回話した出会い系サイトでの出会いが発展しそうになると、セックスワークはしたくないと思うようになった。JallenやPatのような接し方があるのは百も承知だったが、Aiはやはり好きな人とはセックスがしたい。それに、好きな人とのセックスする時間を大切にしたいと思った。それなのに仕事でもセックスをするのは、ちょっと無理かな。そんなにたくさんセックスできない、そう思った。もちろん、世の中には、こうした両立をこなすことがおそらくいるのだろうけど。  Aiの友人の中には、夫婦でグループセックスを楽しんでいるという人たちがいた。グループセックスのイベントがあると出かけていき、新しい仲間を見つけては、いっしょに楽しむそうだ。が、話をよく聞くと、これは一般に人たちが考える「フリーセックス」とはかなり違う。誰彼となくやりまくる、というのではない。そこには、ルールがあって、それを守らなくてはならない。自分のやりたい相手からOKをもらうためには、それなりの交渉術を身につける必要もあると言う。断られた時は、落ち込むこともあるらしい。  そこまでして、グループセックスをしたいと思うのは何か? と思った。Aiもそうしたイベントに参加する機会がなかったわけではないが、そうした人間関係のわずらわしさに関わるのが嫌だと思ったので、参加しなかった。夫婦でグループセックスを楽しむなんて、タフだなって思う。当然、夫婦間で嫉妬することもあるだろうに。  こういう話を聞いていると、Aiは意外と保守的かもって思う。セックスは性欲を満たすものであり、コミュニケーションの手段なので、必ずしも愛情のある相手とだけするものだとは思わない。だけど、「セックスをする」ということは、それなりに大切にしたいという気もする。以前、友人で「セックスは誰とでもしたいのが普通なのに、特定の人以外とはしないという決意をするところに価値がある」と言っていた人がいた。うん、そういう考え方もありかもしれない。でも、Aiにはまだよくわからない。... minori 2006-02-13T10:14:46+09:00 No. 44 Is Sex Work a Crime? (セックスワークは罪?) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000586.html この連載を初めてから、今月が12ヶ月め。一年続いたこの連載も、残すところあと4回となりました。最後に向けて盛り上げていくつもりですので、応援よろしくお願いします。(ご意見・ご感想など、なんでも思ったこと聞かせてくださいね。)  マウンテン・ビューにあるJackの家を訪れるのは、今回で二回目だ。大きなアパートメント・コンプレックスの中には小さな公園や林などがあちこちにあり、最初に来た時は迷子になってしまった。駐車場に車を止め、今回は迷わないぞと思うものの、どれも似た形の建物の上、あたりが暗いので、やはり迷子になってしまった。電話をすると、Jackは嫌そうな声もせず、すぐに向かいに出てきてくれた。40代ぐらいか。中肉中背の紳士。特に金持ちというわけではないが、どこか知的で育ちがよさそうだ。  家に入ると、広いリビングがある。家族の写真があちこちに飾ってある。聞けば、(Aiの多く客がそうであったように)このJackも数年前に離婚をし、小学生と幼稚園の二人の子供と離ればなれになったと言う。前回のように、今回も子供の話をとてもうれしそうにしてくれた。が、ひとしきり話すと、しばらく寂しそうな顔をする。子供のように寂しさを素直に表現するところが、ちょっとかわいいと思った。  ベッドルームには、メインベッドの向かいに二段ベッドがある。子供たちが遊びにきた時に泊まるためである。そこには、ぬいぐるみがいくつも置かれ、部屋全体が何か子供部屋のような雰囲気。そんなところで、大人二人がセックスするのだから、ちょっと妙だ。  JackはAiのペニスをしゃぶるのが好きだったが、自分がボトム(ペニスを肛門に挿入される役)も好きらしい。Aiにトップ(挿入する役)をしないかと毎回たずねるが、「できない」と断ると、その度に決まってとても残念そうな顔をする。その表情がまた子供のようにかわいいので、なんだかしてあげたくなるが、トップのサービスはしないことにしていたので仕方がない。  セックスがひとしきりすむと、話好きのJackは、最近、DIVAへ行って遊んできたことを楽しそうに話してくれた。DIVAというのは、サンフランシスコにあるトランス女性が集まるバーだ。3階建てで、一階はカウンター・バー、二階はディスコ、三階はソファーのある社交場となっている。いつも、多くのトランスとトランス好きの男性で賑わっている。Aiも一度行ったことがあるが、そのギラギラした雰囲気にうまくなじめなかった。しかし、JackはDIVAの熱気が好きだと言う。あそこへ行くと元気が出ると。この前行った時もとても楽しい時を過ごした、と興奮しながら話してくれた。  ところが、その話が終わると、Jackはさびしそうに「こんなことばっかりしていて、僕はだめだよな・・・。今日も、誘惑に負けてAiちゃん呼んじゃったし・・・」と、また子供のような素直な表情で話し出す。そんなこと言われても、と思ったが。ここはなだめることに専念した。「そんなこと言わなくてもいいじゃない。セックスしたかったんでしょ? Aiに会いたかったんでしょ? で、楽しかったんでしょ? それなら、それでいいんじゃない?」Jackはうなずきながら、「それはそうだけどさぁ・・・。子供たちになんと顔向けしたらよいのか・・・。」そんなことこっちの知ったことかと内心思いながらも、「別にそんなこと考えなくてもいいんじゃない? 今、お子さんがここにいるわけじゃないんだから。Jackがプライベートでしているんだから、問題ないじゃん・・・」「まあ、そうなんだけど・・・」と釈然としない様子。  Jackのように、セックスを買うことに対する躊躇を素直に話してくれる客は稀である。しかし、言葉の端々にそうした躊躇が感じられることがよくある。セックスワークのサービスを利用することは、罪だと思いながらも、利用している客は時々いる。こちらとしては、そんなこと考えているのはもったいないと思う。どうせお金払うなら、思う存分に楽しまないと、って。でも、そうした罪の意識を持つのもわからないではない。  社会のセックスワークに対する視線はいつも冷たい。セックスワークは罪悪だというメッセージは常に流され続けている。法的にもそういうことになっている。でも、本当に罪悪なんだろうか? いつ誰がそんなこと決めたんだろう? どうして世の中の多くの人は罪悪だって信じ続けているのだろう? 考えれば考えるほど、わからなくなってくる。Jackは、そういうことを考えるのには興味がないようだったが、文化人類学者の卵であるAiにはとても重要な問いだった。セックスワークがなぜ罪悪だと言われるのか?... minori 2006-02-06T10:51:06+09:00 No. 43 The Web Ad(出会い系サイト) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000579.html  セックスワークをすることで、人とつながることはできた。が、つながったらつながったで、それが失われた時の落胆が大きかった。だからこそ余計に、誰か自分のパートナーになるような人を強く追い求めるようになっていた。  客とそういう関係になるのが難しいことは、頭ではわかっていた。が、何度となく、客に対して実るはずのない恋心を抱いた。自分から積極的に動いたことはなかったが、いつもそうした誘いを待ち構えていた。そして、そういう誘いがあった時は、それに飛びつくというわけではなかったが、結果的にズルズルと引き寄せられていくのだった。そして、結局、「利用された」格好になって、関係が終えられるのだった。  そういうふうだったから、出会い系サイトへはよくアクセスした。自分の広告を出したことも何度かあった。実際、何人かの人とコンタクトをとり、しばらくネットでやりとりをした後、デートしたこともあったが、うまくいった試しはなかった。  最初に広告を出したとき、返事はなんと46通もきた。その中には、ふざけたもの、セックスだけしたいと言っているものなど、さまざまだった。そこから数人の人とは、メールで何度かやりとりをしたが、結果的に、二人にしぼられた。この二人とは電話でも話したが、一人とは、あまりフィーリングが合わなかった。あまりうまく会話ができなかったと思ったら、向こうもそう思ったのか、二度と連絡はなかった。  が、もう一人、中国系アメリカ人のエリート建築士とは、話ももりあがり、デートをすることになった。デートはとても楽しかった。食事をした後、ドライブにいき、お茶もした。ドライブの途中では、彼が手がけたという橋やビルなども見せてくれた。とてもいい感じだった。ところが、相手からは数度メールがきただけだった。とても忙しい生活を送っているようだったので、本当に忙しいのだと思っていたが、今思うと、そうでなかったのかもしれない。  男性とはどうもうまくいかないと思った時、女性に対しても広告を出してみた。返されたメールは、10通に満たなかったが、それでも、あるフェミニストとメールの交換が続き、デートすることになった。かなりラディカルなフェミニストだったので、ちょっと気後れするところはあったが、Aiはそれなりに気に入って、少しつき合ってみたいと思った。しかし、相手からは「Aiちゃんは、女の子っぽすぎる」と言われ、交際を断られてしまった。そんなこと生まれながらの女性に、しかもレズビアンに言われる筋合いはないと思ったが(レズビアンは、女好きなのではないか!)、そう言ってみてもどうしようもなかった。当時、Aiはとても「女の子っぽかった」のだろう。  トランスの女性ともデートしたことがあった。この時は、意気投合して、セックスまでしたのだが、続かなかった。当時は、とにかく自分のパートナーが欲しい一心、しかも相手に寄りかかろうとばかり思っていた。自分の救世主が現れるのを待っていたといっても過言ではなかった。そんなふうでは、うまくいくはずはない。しかし、当時のAiには、そういう当たり前のことが理解できていなかった。  この後も、ネットで知り合ったある女性としばらくつき合うことになった。しかし、この女性は、ちょっと精神的に病んだところがあり、大変だった。メールがいっぱいきて、今度会おうということになったかと思うと、パッタリ音沙汰がなくなる。一ヶ月ほどすると、わびのメールがきて、交際が再会する。デートすると、とても盛り上がる。仲良くなって打ち解けることができたかと思うと、「昨日は打ち解け過ぎだった」という拒絶のメールがくる。それでも、しばらくつきあっていたが、やはり無理なものは無理であった。  絵をかくのが趣味だった彼女とは、情緒的な部分でつながりあうところがあり、うまく行くかもと思ったのだが、相手の精神的な傷が大きすぎた。過去に二度結婚していたが、ひどいDVを受けていた。今度ばかりは、なんとかいい関係を築く体験をさせてあげたいと思ったのだが、そういう「させてあげたい」というこちらの気持ちがおこがましかったようだった。実際、Aiの方にも我慢が足りなかったかもしれない。  出会い系サイトを通じての「出会い」によって、しばらくは寂しさを紛らわすことはできたが、パートナーを見つけだすには至らなかった。当時は相手を探し出すことばかりに必死だったが、今思うと、自分自身に誰かとパートナーシップを結ぶような準備ができていなかったような気がする。問題は「相手」ではなく、「自分」だったのだ。... minori 2006-01-30T12:25:50+09:00 No. 42 How to Go Along with the Clients (客との打ち解け方) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000573.html  セックスワークをしている間、Aiが望んでいたような人との一体感は得られたか? 答えは、Yes and Noだ。何よりも、それは相手との相性による。それに、こっちの体調や気分にも左右される。でも、Aiはできるだけそうした「一体感」のようなものが感じられるように、精一杯努力をした。  何をしたかというと、まず客とのコミュニケーションをはかり、相手と体だけでなく、情緒的にもつながれるようにしたのだった。相手と合ったら、できるだけ相手から話を引き出すようにした。そして、少しでも相手のことを知るように努めた。もちろん、話を聞いているうちに、「こいつ、嫌な奴だなあ」と思うこともあった。自分の考え方と相容れないことを言われることもあった。でも、そういう時は、つとめて相手のいいところを見つけるように心がけた。どんな人でも、一つや二つはいいところがあるものである。不思議なもので、それに気がつくと、だんだんその人がいい人のような気がしてくる。  だからといって、いつも相手の言うことを「はい、はい」聞いていたわけではない。もしそんなことをしたら、相手はAiが話をちゃんと聞いていないと思うだろう。Aiの思っていることは、むしろ、はっきり伝えるようにした。それによって、相手はAiとキャッチボールをしているような気になれたのだと思う。いったん向こうに、Aiはちゃんと話を聞いていると思わせることができると、後は比較的簡単だった。向こうは、どんどん心を開いてくる。こっちはそれを受け入れていけばいいだけである。  仕事中は、当然、Aiはプライベートなことを全て話したわけではなかった。ただ、あまり嘘はつかないようにした。嘘をついているとばれれば、お互いの関係がぎくしゃくする。もちろん、相手を喜ばすように大げさに言ったり、相手が嫌がりそうなことを過小に話したりしたことはあったが、ハッタリはできるだけ避けるようにした。こうした態度は、結果的に、相手とセックスをするという行為をスムーズなものにしたと思う。  相手の話を聞くとき、もう一つ気をつけたことがあった。それは、相手の話をできるだけ最後まで聞くことだった。そんなことは当たり前だと思われるかもしれないが、これは意外とできるようでいて、普段できていないことだ。話がわかったと思うと、たいてい、「うんうん」とか「そうそう」といって分け入っていってしまう。相づちを全く打たないのでは味気ないが、打ちすぎるのはよくない。適度にうなずいておいて、後は相手が話し終わるまでよく聞く。こうやって話を聞いていると、たいてい、相手は面白いぐらい自分の話をするようになる。短時間で相手を知るには、もっともよい方法ではないかと思う。  こうやって相手とうまくコミュニケーションができた場合は、セックスもそれなりにうまくいく。そして、相手が射精をしたとしても、「はい、終わり」としないで、できるだけ連れ添う。もちろん、全ての客がそうしたスキンシップを好むというわけではないが、されて嫌な気がする人はそんなにいないと思う。そして、ニッコリしながら「ああ、よかった」と言う。実際には、「とってもよかった」から、「ちょっとだけよかった」まで、いろいろなのだが、ここは嘘ではない範囲で、とにかく「よかった」と言ってニッコリする。客の中には、意外と自分のやっていることに自信をもてていない人がいる。だから、よくやったと褒めてあげることがとっても重要だ。それに、Aiとしてもやった以上は、よかったと思いたい。そこで、とにかく「よかった」と言い、よかったことにするのである。  こうやって客とセックスをして家に帰る。たいてい、どっと疲れる。相手とあまりうまく行かなかった時は、気分的に滅入って疲れる。それに、なんだかいやーな気分である。家に帰ってからは必ずシャワーで体をきれいにし、気分もすっきりさせるようにしていたが、そういう時は、いつもより以上に体を念入りに洗っていたような気がする。そうすれば嫌なこともきれいに流されるかもって思いながら。これがうまくいったこともあったが、そうはいかないことも多かった。  しかし、逆にうまくいった時は、それはそれでつらかった。「なんで自分は今一人なんだ」と寂しくてたまらなくなる。相手をした客を恋しく思うこともあったし、そうでなくても、漠然と自分が一人でいることに寂しく思うことも多かった。が、いずれにせよ、セックスをした後、一人でいるということは、Aiにとってかなりつらいことだった。特に、毎回、情緒的にも相手に寄り添う努力をしていただけに、終わったあとが大変だった。だから、儲かっているワーカーさんは、そんなことしないで、もっとビジネスライクに客と接するのだと思う。Aiもそういうことができたらなあ、と思ったことは何度もあった。そして、そう思う度に、自分にはセックスワークは向いていないと思った。  そういうことが続くうちに、寂しさを紛らわすために、出会い系サイトを利用するようになっていった。(つづく)... minori 2006-01-24T02:49:41+09:00 No. 41 Experiencing Sex Workshops (セックス・ワークショップの経験) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000566.html  Aiのホームページ、Club-Aiには、ポリシーとして「素直、安全、愛情」の3つが掲げられていた。 ●素直 ― 私は、いつも何が欲しいか、何ができるか、何をしたくないかを、はっきり言います。かなり真っ正直で、駆け引きが嫌いです。本当です。生まれつき、そういう性格なんです。 ●安全 ― 私はいろんなことにチャレンジするのが好きだけど、遊ぶ時は、安全でないとね。これは、私が、私自身のことだけでなく、真剣にお客であるあなたのことを考えているからです。いつも必ず、コンドームを使用します。これに関しては、例外なしです。 ●愛情 ― 私は、愛情のある関係は、官能的な世界を堪能するためにはもっとも重要なことだと信じています。言葉によるコミュニケーションや、プレイの前後や最中での肌のふれあいを、とても大切にします。  このように、Aiはセックスを単に「性欲の解消」としてではなく、それ以上のものとして楽しみましょうと訴えていた。もちろん、すべての客がこうしたポリシーを読んでいたわけでもないし、理解してくれたわけでもないだろう。しかし、実際にAiに会ったお客の何人かは、このポリシーをとても気に入ってくれていた。それに何よりも、Ai自身、このようなポリシーを掲げてセックスワークをしたことを誇りに思っている。(これで、もっと儲かれば言うことはなかったのだけど・・・。)  こういったポリシーを掲げるようになったのは、サンフランシスコでのセックス・ワークショプに参加したことと深い関係がある。ワークショップでは、セックス・ポジティブの観点から、セックスの奥深さや多様性について学んだ。言葉や言葉以外のコミュニケーションの重要さについて考えたり、安全なセックスについて学習したり、セックスにおける神秘的な側面について話しあったりした。現役のセックス・ワーカー数人もゲストとして招かれ、さまざまな体験を話してくれた。  時々、本コラムの読者から「Aiちゃんは、よくもそんなに、いろんな人の相手やっていられるねえ。もう、なんでも来いって感じじゃない」と言われる。「何でも来い」というのはちょっと大げさな気もするが、わりと相手の嗜好に対して寛容だったのは事実だ。  これも、ワークショップで性の多様性について学んでいたことが、とても大きかった。アナル・フィスティングや、体中のピアス、脇の下フェチなど、実際の場に遭遇した時に驚かずに対応できたのは、すでにそういう人たちがいるということを知り、かつ、そういうことに偏見をもたないようにトレーニングされていたからだと思う。そうでなかったら、とても慌てていたと思う。また、障害者と性についても、このワークショップで学んでいたことは大きかった。車いすで動きが自由にならない客が二人いたが、いずれの場合も何とか対応できた。  こうしたワークショップで得られるものは大きい。それは、セックスワーカーにだけでなく、ふつうの人たちに対してもだと思う。Aiがサンフランシスコで受けたようなセックスに関するワークショプが日本でもあるといいのに、といつも思う。  でもワークショップに参加すれば、誰もが多様な性のあり方に対応できるようになる、というわけではないのは確かである。そのあたりは、もしかしたら、セックスワーカーの持つ「神秘性」についてのAiの思い込みがあったからかもしれない。セックスワーカーは、セックスという方法を通じて、どんな人とでもつながれる不思議な魔力をもった人で、自分もセックスワーカーになった時、その力を行使する事ができるという妄信があったおかげかと。こうした得体の知れない自信のせいか、人見知りするAiが、不思議と初めての人たちとも堂々と渡り合うことができたのだった。  では、実際どうやって、客と打ち解けていったのか? 次回は、これについて書いてみたい。... minori 2006-01-16T23:25:14+09:00 No. 40 Tyson, Again (Tyson再び) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000560.html  以前、「トランスはお好き」第11回で、ヨルダン出身の中古車販売会社の社長、Tyson の話をしているのを覚えているだろうか? いいオヤジなのか、悪者なのか、よくわからないまま何度かつきあい続けた、このTysonとも最後の時がやってきた。  最初に会ってからも、折に触れて逢瀬を重ねてきたが、その度ごとに、ツケがたまっていった。いつも時間を超過するのだが、その分を十分に払わないのである。今回電話があったときは、先にちゃんと今までの分をいただかないと困ると、かなりしつこくねばった。しかし、相手は悪名高い中古車セールスマン、口八丁で交わしてくる。が、なんとか約束をとりつけ、会う事にした。  Tysonは、家族が留守なので、ギルロイにある自宅まで来てほしいと言う。ギルロイは、サンホゼからさらに1時間半ほどかかるところにある。つまり、Aiの家からは、片道2時間半という遠距離である。普通なら絶対に引き受けない距離だが、リピーターのTysonで、すっぽかされることはないと思ったので、しぶしぶ出かけることにした。とにかく、今回は、ちゃんと規定の額をもらって帰ると言い聞かせながら。  ギルロイのインターを降りると、約束した場所からTysonに電話をかける。Tyson は、私が車を家の前に止めると、近所の人に怪しまれるので、近くまで向かいにいくと言う。そこで、近所のドラッグストアの駐車場に車を置き、迎えにきてくれたTysonの車に乗り込んだ。  自宅に入ると、リビングに通された。大きな画面のテレビとソファーの間に、毛布が敷いてある。どうやら、ベッドルームではなく、このリビングで楽しもうということらしい。なんか落ち着かないないなあ、と思ったが、Tysonというのは、そもそも落ち着きのない人物である。多くを望んでも仕方がない。  予定通り、先に約束のお金を出してくれと言うが、この期に及んでもTysonはダダをこね続ける。が、こっちも今回は強行だった。はるばるギルロイまできて、また値切られたのではたまったものじゃない。Tysonは、とても嫌そうな顔をして20ドルの束を差し出す。(アメリカでは、100ドル札や50ドル札は多く流通しておらず、数百ドルの買い物の場合は、20ドル札を使うのがごく一般的だった。)間違いがあってはならないと、丁寧にお札の数を数えた。  ここで、財布にしまってもよいのだが、もしビデオなどで、金銭が授受される場を録画されたりしているとまずい。とりあえず、そのお金を机の上に置き、重しをのせた。客の中には、お金をもって逃げられるのでは、と恐れを持つ人がいるので、こうして一度置いておくことにしていた。これも先輩諸氏から習ったノウハウである。  Tysonは、テレビのスイッチをつけると、借りてきたビデオを再生し始めた。いずれもアダルトビデオである。ヘテロの男性用に作られたものばかりだった。なんでそんなもの見ながら、セックスしなければいけないのか。Aiはそんなに魅力がないのか、となんだか馬鹿にされたような気もしたが、考えようによっては、こっちもビデオに映ったお姉ちゃんに集中していれば(男にはほとんど興味がもてなかった)よいので、それはそれで楽しいかもと、楽天的に考えることにした。  Tysonとのセックスは、まったく楽しいものではなかった。向こうは、安心しているのか、こっちに飽きがきているのかわからなかったが、出すものを出すと、眠り込んでしまう始末。あまりにも気持ち良さそうに寝ているので、起こすわけにもいかない。とっとと帰りたいとも思ったが、時間分はいっしょにいないと、こっちがネコババ呼ばわれされかねない。退屈だと思いながら、しばらく、そのまま待っていた。初冬で、日が随分短くなっている。日が落ちると気温が下がってきた。  目を覚まさないのではと心配になり始めた頃に、Tysonはムクッと起き上がった。待っている間にすっかり体が冷えてきたせいか、トイレに行きたくなった。席を立って、用をすます。もう少しで終わりの時間だ。あと少しの辛抱である。  今回のTyson宅訪問で、すっかりTysonには嫌気がさしてしまった。こんな勝手なおやじの相手をするのはもう嫌だ。いつも値切られるし。ここは後腐れなく最後を飾って、とっとと帰ろう、そう心の中でつぶやいていた時である。  机の上に置いてあった札束を手に取る。「ありがとうございました」とニコニコしながらも、一応はとばかり、札束を数え始めた。すると、なんと40ドル足りないのである。なんど数えても、20ドル札二枚が消えている。「あれ、40ドル足りない! どうしたんだろう?」と言うが、Tysonは、「そんなこと言っても知らないよ。Aiがどっかへやったんだろう。取って隠したんじゃないか?」ととんでもないことを言う。  落ち着いて考えみたが、Aiに落ち度はない。3時間前に数えた時は確かにあった。それが、今はない。とすれば、Aiがトイレにいった隙に、Tysonが2枚抜き取った以外には考えられない。Tysonのディフェンシブ(自己防衛的)な物言いはどうも怪しい。Aiに同情を全く示さないのも、明らかにくさい。  今回は、口論になっても、Aiも食いさがらなかった。もちろん、身の危険は感じた。ここは、相手の家である。しかも、自分の車は、家の前にはない。ここから離れたドラッグストアの駐車場である。そこまで、どういくのかもわからない。相手がもし凶器でも持ち出したらどうしよう。が、だからといって引き下がることはできなかった。  30分の言い争いの末、Tysonはしぶしぶ40ドルを財布の中から取り出し、「これは、俺が払わなくてもいい余分な40ドルだからな」とさんざん悪態とつきながら、Aiに渡した。はじめてTysonに言いくるめられなかったという達成感が、体の中に満ちあふれてきた。やったー! 今度は、勝ったー! なんとも言えない充実感。  が、これからが、険悪だった。家に帰るためには、Tysonにドラッグストアまで送ってもらわなければならない。果たして、連れて行ってくれるのだろうか? とても不安だったが、Tysonは無言のまま、自分の車を出し始めた。Aiも無言のまま車に乗った。「どうかドラッグストアに連れていってくれますように!」これまた、苦しい時の神頼みである。幸い、Tysonは、Aiをドラッグストアの駐車場まで送ってくれた。車を降りると、「See you.」とだけ言って、走って自分の車に乗り込んだ。  何とも後味の悪い結末である。結局、それ以来、Tysonからは、とんと電話がかからなくなった。こっちとしても、かからなくなってセイセイしている。こういうあくどくて、いい加減はおやじとは、もっと早くから手を切るべきだったと反省しきりである。そうすれば、あんなに怖い目に会う必要はなかったはずだ。こういう危ない目にはもう会いたくない。... minori 2005-12-27T20:50:15+09:00 No. 39 Two Japanese Guys, Part 2(二人の日本人 その2) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000555.html  小川さんに会って、一週間もしないうちに、また日本人から電話があった。今度のお客、篤史さんは、ロサンジェルス在住のセールスマン。30歳前半ぐらいか、エネルギッシュで若々しい。サンフランシスコには、出張で来ていた。「実は、以前からトランスの女性に一度会いたいと思っていたんだ・・・。今日は、僕の誕生日でね。自分にプレゼントと思って、Aiちゃんを呼ぶ事にしたんだよ。」なんとも嬉しいことを言ってくれる。そうまで言われれば、こっちのサービスも俄然ぐんとよくなる。小川さんの時とは、えらい違いだ。  実際、歳が同じくらいからか、アメリカでの体験が似ているのか、この篤史さんとは、話がよくあった。価値観を共有しあえる部分が多かった。それにセックスも、相性がよかった。  篤史さんは、とても感度がよい。特に、乳首を攻められるのが大好きだった。そして、こちらが攻めると、「ああ、ああ」と女性のような喘ぎ声を出す。こうも反応がいいと、こっちもつい悪のりして、せめまくる。つねったり、なめたり、かんだり・・・。攻めれば攻めるほど、うれしそうである。  明らかに、篤史さんは攻められるのが好きだ。が、だからMだというのとは、ちょっと違う。女になりたがっている、というのもちょっと違う。むしろ、なんだか子供のようになりたがっているように見えた。子供っぽく振る舞われるのは、それはそれでかわいい。見ていていとおしく思える。しかし、これでは、Aiはお母さんだなって気がしてきた。  篤史さんには、ロサンジェルスに日本人の奥さんがいる。夫婦関係は良好。セックスもうまくいっていないわけではない。が、自分にとっては、少しもの足りない部分がある、と言っていた。もし相手が女でなくて、トランスだったら状況が違うかもしれない。そう思って、Aiに電話をしてきたそうだ。  セックスをしながら、おそらく、奥さんとのセックスでは、こういう子供のような振る舞いはしないんだろう、と思った。相手が女でなくて、トランスであると思うことで、甘えることができるのかもしれない。女の前では男を演じなくてはならないので、甘えることができないのではないだろうか。  でも、もしそれが真実だとしたら、それは、日本の男は、女の前では、かくも強く振る舞わなければならない、ということなのだろうか?それとも、日本人男性は、アメリカ人に比べて、甘えたい願望が強いのだろうか?  篤史さんは、Aiとの出会いにとても満足しているようだった。「思い切って、電話してよかった」とすがすがしい顔をしながら言ってくれた。Aiとしても、久しぶりに真剣にセックスをしたと思った。これだけ、相手に尽くすことも珍しい。相性がよかったのだろう。篤史さんとは、また会いたいと思った。  それにしても、Aiの二人の日本人客を見る限り、どうも日本の男は自立していない気がしてならなかった。女に甘えたがるというか、面倒をみてもらいたがるというか。こういうのを、マザコンと言うのかもしれない。もっとも、この甘え体質は、男に限ったことではなく、日本人一般に言えることかもしれないけれども・・・。... minori 2005-12-20T10:37:22+09:00 No. 38 Two Japanese Guys, Part 1(二人の日本人 その1) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000551.html  Aiの客の中には、二人の日本人がいた。一人は、サンフランシスコ郊外で居酒屋を営んでいるという小川さん(仮名)、それから、もう一人は、ロサンジェルスから出張中の篤史さん(仮名)だった。  小川さんは、アメリカへ来てもう二十年近くが経つらしい。その間、日本人相手の居酒屋をずっと営んできた。自らをファーストネームでなく、名字で名乗るところからして、いかにも日本的である。が、よく聞けば、これだけ長くアメリカにいながら、英語がほとんどできないらしい。「アメリカ人とは言葉が通じないから、こういうところにもなかなか来れなくって」と言われたのには、真剣に驚いた。  もちろん、移民の中には英語ができない人たちがたくさんいる。特に、中国人やスペイン語圏から来た人たちは、それぞれのコミュニティがサンフランシスコ市内や、その周辺にできているから、英語が話せなくても生きていける。新聞だってあるし、ケーブルテレビでは、放送だってある。銀行のATMには必ずスペイン語もあるし、運転免許試験場では、英語・スペイン語・中国語・タガログ語(フィリピン)から選択できる。中国人の場合は、チャイナ・タウン以外にも、巨大な中国人のショッピング・モールが複数あり、買い物にも困らない。  しかし、サンフランシスコ周辺の日本人のコミュニティは、そこまで大きくはない。にもかかわらず、こうして日本語だけで何十年も暮らしている人がいるというのは、予想もしていないことだった。少しは、アメリカ人やアメリカ文化に興味を示すことはないのだろうか?映画とか見にいかないのだろうか?英語通じなくって、落ち込んだりしないのだろうか?自閉症にならないのだろうか?疑問はどんどん膨らんでいった。  Aiのこともネットで見つけたわけではないらしい。英語ができないんだから、英語のホームページなどこの小川さんには役に立つまい。常連のお客さんから紹介されて、会う事にしたとか。だから、顔も知らずに会ったとか。とにかく、日本人だから大丈夫だって。何とも頼りない。  Aiにとっては、久々に会う日本人だったので、話がはずんだ。実際、一時間近く話こんでしまった。が、さて、セックスというところになって、とても困ったことになった。というのは、この小川さん。まったく、自分で動く気がないからである。しかも、何一つ、Aiを褒めるような言葉もかけなければ、「いっしょにいて楽しい」とも言わない。ああ、これだから、日本人は嫌だ!と思った。  この時まで、特に意識はしなかったが、アメリカ人の客は、どの客も多かれ少なかれ、Aiの容姿を褒め、「会いたかった」とか「楽しみにしてた」とか口にし、場を盛り上げようとする。何も言われないのは、今回がほとんど初めてである。何とも肩すかしを食った感じだった。  確かに、向こうはお金を払っている。こちらが奉仕するのは当然かもしれない。だけど、こちらもサービスがしやすいように、少しは気を使っておだてるだの、気分を盛り上げるなどしたらいいと思った。小川さんには、こういうサービス精神がまったくなかった。  この人とセックスする奥さんって、面白くないだろうなあ、とふと思った。「きれいだね」とか「かわいいね」とか言われることは、まず考えられない。それに、いっしょに気持ちよくなろう、という気もさらさらないらしい。これでは、いっしょにセックスをする意味なんかまるでない。男を気持ちよくするのは女の役目か?そんなに男は偉いのか?男はじっとしていれば、すべてサービスしてもらえると思っている、その態度が気に入らなかった。いくら商売とはいえ、これでは、こちらもサービスのしがいがない。  初めての日本人客には、ほとほと愛想を尽かしながらも、ニコニコしながらサービスした。日本人の男ってこんなものなのかなあ、としばらく思っていると、一週間もしないうちに、別の日本人から電話があった。(つづく)... minori 2005-12-12T16:01:16+09:00 No. 37 The Anal Trick(アナルの達人) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000546.html  待ち合わせは、サンマテオのマリオット・ホテル。郊外のホテルとしては、一流の場所である。今回の客、Earlは、かつてワーカーにすっぽかされた経験もあるらしく、部屋で待ち合わせるのが嫌だと言う。こっちとしては、部屋で会わないと、逆に、すっぽかされることがあるので困る。が、ホテルはAiの家からすぐだったので、ホテルのフロントで落ち合うことで妥協した。  フロントに着くと、待っていたのは長身の紳士。50代後半か。髪は短く刈っている。ブラックと言うには、肌の色が薄い。が、白人でもない。おそらく、ハーフか、クオーターなのだろう。「Aiちゃんか?」と確認すると、すぐに部屋をとり、移動。Earlは、会話は交わすが、余分なことは言わなかった。  部屋へつくと、実は、Earlは、以前にもAiに電話をしたと言う。Aiは覚えていなかったが、Earlが言うには、予定が合わず、結局、会えずじまいだったとか。Earlは、随分、楽しみにしていたらしい。うれしいことだ。会話の節々で、何度も「気持ちのいいことして、楽しい時を過ごすから」と、独特の訛りで言うのが、何とも奇妙に思えた。が、後にして思うと、それは自信のあらわれでもあった。  服を脱ぐと、すぐに四つん這いになるように言われた。前戯はなしで、いきなりアナルか。また痛みを堪えなくてはならないのか、と覚悟をしていると、「イージー、イージー、リラックス、リラックス・・・」と言うEarlの声が聞こえた。「これから気持ちのいいことして、楽しい時を過ごすから」と、例のフレーズ。ううん、大丈夫かなあと不安に思っていると、今度は、もう少し腰をあげろとか、膝の角度を広げろとか、とても細かな指示を出してくる。なんか変だなと思いながらも、言う通りにしていると、「うん、それでいい。そのままで」とEarl。  ペニスを挿入するタイミングだ。しかし、Aiのアナルに触れるEarlのペニスは随分やわらかい。Aiが思わず「もう少し硬くないと・・・」と言うと、「いいや、そんなことない。これぐらいが一番いいんだ」との返答。不思議なことを言うおやじだと思いながら、いつ痛みが襲ってくるかとびくびくしていたが、一向にその痛みがやってこない。そればかりか、しばらくすると「よし、入った」というEarlの声。「えっ?」こっちにはまったくの痛みはなかったし、そもそも何かが入ってくるという感触すら感じなかった。嘘だろう、と思いながらも、見れば確かに挿入されている。なんだこれは!マジックか?こっちは何も感じないうちに、挿入だなんて。なんてテクニシャンなんだ、このオヤジは!唖然呆然である。  しばらく挿入ごっこをするのだが、その間も、どうやって挿入させたのか気になって仕方がなかった。実際、Aiは、挿入された後、何をしたのか全く覚えていない。とにかく、どうやってあのマジックの仕掛けを聞き出したらいいかと、そればかりを考えていた。  企業秘密を聞き出すようで恐縮な気もしたが、やはり尋ねずにはいられない。服を着ながら、さりげなく、どうやって挿入したのか聞いてみた。Earlは誇らしげな顔をしつつも、やはり多くは語らなかった。「まあ、ポイントといえば、ペニスを硬くしすぎないことだな」とだけ言うと、「気持ちよかっただろう。楽しい時を過ごしただろう」と、例の循環主題を過去形で何度も繰り返す。  それにしても不思議なおやじである。どうやら、アナルにペニスをそっと、相手に衝撃を与えずに挿入することを楽しみに、セックス・ワーカーを雇っているらしい。安宿ではなく、ホテルの落ち着いた部屋で、自分が身につけた挿入のテクニックが衰えていないかを確認する、それがEarlの快楽のようだった。そのために、Earlはお金を使うことを惜しまない。世の中には、いろいろなことで性的欲求を満たす人たちがいるものである。  それにしても、あのテクニック。他の客もぜひ見習ってほしいと、つくづく思った。まあ、こんなこともあって、Aiも少し勉強をして自分のホームページ “Club Ai”に例の「アナル・セックスのやり方」を掲載したのだった(→「トランスはお好き 第10話」)。... minori 2005-12-05T11:01:10+09:00 No. 36 The Easiest Sex (一番楽だったセックス) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000541.html  同じ料金システムでも、当然のことながら、お金をもらうためにたくさん働かなくてはならない場合と、いとも簡単に稼げる場合がある。これまで話したように、相手が自由に動けない場合と、相手がイカない場合、重労働になる。が、今回の話では、「えっ、これでいいの?」って感じでお金をいただいた。  Billという客から電話があった。高速道路で隣町のベルモンテへ。インターを出ると、約束をしたホテルが目に入る。あっという間に、目的地着。部屋のドアをあけると、青白く痩せ身の青年が出てきた。言葉数が少ない。声を出しても、どこか遠くを向いているようである。こちらが見られている感じが全くしない。幽霊と会話をするのは、こういう感じなのかなと思った。  社交辞令もまったくないまま、すぐにベッドに向かうことになった。Billが服を脱ぐと、女性の下着が出てきた。「あ、また女装趣味の客か」と思っていると、Billがちょっと心配そうに「(この格好)気にしないよね」と聞く。「え、もちろん」と答えるが、Billは、あまり表情を変えない。心配そうに見えたが、もしかしたら、それがBillの地なのかもしれない。すると、また表情を変えないままに、Aiもガーダーとタイハイをつけたままでいるように、と言う。  Aiに仰向けの寝るように指示するのでそうしていると、Billが上からかぶさってきた。そして、自分のペニスをAiの横隔膜の上あたりに擦りつけてきた。そして、前後に体をふりながら、自分のペニスに圧迫を加える。Aiもからだを少し動かそうとすると、Billに静止された。「そのまま。動かないで。」Billはゆっくり、ゆっくり自分のからだを動かしながら、ペニスをAiのからだにこすりつける。Aiは何をしていいかわからず、呆然としながら、Billをみると、恍惚感にひたったような顔をしている。なんだか、とっても感じているようである。  恍惚感に震える中性的な白い顔は、如来像を彷彿させた。その一方で、Aiは手持ち無沙汰で呆然としていた。退屈でもあった。もし誰かが脇で見ていたら、さぞ奇妙な光景に映っただろう。一人は自分の世界に没頭し、もう一人は、つまらなそうに宙を見上げている。  ほんの数分すると、Billが射精した。まさか、そんなに早くくるとは思ってもいなかった。まったく不意をつかれた感じだった。Billの精液が、Aiの胸の部分につく。客の精液が体につくのは、とても困る。幸い、胸に傷はないのでよかったが、もし外傷があれば、HIV感染の危険もある。だから、いつもコンドームの中で射精してもらうようにしているのだが、こんなに早く射精するとは予想もしなかったし、それに、Billはそういう素振りすら見せなかった。  射精し終わると、Billは体を起こし、「もういいよ」と言う。とりあえず、胸についた精液を拭き取り、体を起こした。次は、どうすればいいのかと、Billを見やると、Billはとっと服を着始めている。本当に、「もういい」らしい。再び、唖然としながら、Aiはバスルームへ行き、胸の部分を洗い流す。  Billはもうセックスにはまったく興味のない様子である。Aiとしては、まったく達成感がない。ただ部屋に入って、ベッドに横たわり、数分したら、それで終わり。部屋に入ってから、まだ15分ぐらいしか経っていない。  が、お客はもういいというし、お金はもらってるんだから、こちらも帰路につくことにした。こんなんでお金もらっていいのか?と思ったが、お客は満足しているのだったら、それでいいだろう。世の中には、いろいろなことで性的快感を得る人がいると、あらためて思った。... minori 2005-11-29T00:43:26+09:00 No. 35 The Armpit Man(脇の下フェチ) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000534.html  世の中には物好きがいるものだ。Waltは脇の下フェチである。脇の下の匂いを嗅ぐのがたまらなく好き。汗をしゃぶるのが大好きだ。それさえしていれば、満足。あとは、ファックもフェラも何もいらない。  Waltは小柄で、あまり冴えない風貌。お世辞にもかっこいいとは言えない。地味なシャツに、薄汚いぶかぶかのジーンズ。30代後半だと言うが、どうみても40代後半に見える。自動車や船の修理をやっている技術屋だそうだ。最初ははにかんでいるが、自分の好きな話を始めると、水を得た魚のように流暢になる。不器用だけど、嘘はつかないタイプだと思った。  それにしても、最初に会った時は、何をするのかわからず、こっちも戸惑った。随分、もったいぶった言い方で、「ちょっと変わったことするけどいいかなあ?」と聞く。「たいていの事には驚かないけど・・・。Aiを傷つけるのでなければ、好きなことやっていいわよ・・・」と言うと、うれしそうな顔をして、「それじゃあ、手を上にあげて」と言う。何をするかと思えば、いきなり脇の下に顔をくっつけ、息を吸う。匂いをかいでいるらしい。数分の間これが続く。  やがて、Waltが舌で脇の下をなめ始めるのがわかる。くすぐったい。思わず、逃げようとするが、Waltは離さない。しかし、くすぐったいものは、くすぐったい。「ちょっと、やめて。くすぐったい」と言いながら、Waltの顔を脇からはずす。すると、「そんなことないよ。気持ちいいはず。ちょっと我慢していれば大丈夫」と、えらく自信をもって言う。  もうまったく、仕方ないなあともう一度、チャレンジ。今度は、Waltからいろいろ指示が出る。こういう姿勢をとれとか、脇の角度はどのぐらいがいいとか。Waltは、頭を力を入れて脇の下ではさめと言う。言われた通り、力を入れるが、それではまだ足りないらしい。言われるがままに、力を加える。Aiは、Waltの頭がつぶれるのではないか、窒息するのではないかと心配になるが、Waltは、「もっと強く、もっと強く」と言う。そこまで言うならと、思いっきり、力を入れて脇の下でWaltの頭をはさんだ。  すると、不思議なことに、舐められてもくすぐったくなくなった。意外にも、気持ちいいとさえ思った。Waltは脇の下のあちこちを舐め終わると、今度は、脇の下の肉を吸いつき始めた。これにも意外と気持ちよいと思う自分に驚いた。  しばらくすると、脇の下から顔をはずし、しばし休憩。聞けば、昔の彼女とやっていたレスリングごっこで味をしめたらしい。Waltは男勝りの女性に興味があったらしく、この彼女も力のあるレンスリングの選手だった。時々、冗談でWaltとレスリングごっこをしていたが、その時、汗まみれになった彼女の脇の下の匂いに、Waltは魅せられた。それ以来、Waltが性的な刺激を感じるのは、もっぱら脇の下になったらしい。それに、トランス・ウーマンを知ってからは、女性よりもトランスに興味を示すようになったとか。  前半はすわってやっていたが、後半戦はベッドに横たわることになった。まさにレスリングごっこといった感じである。経験豊富なWaltは、こうやって体勢を作るようにと、指示を出す。それに従っていると、確かにすぽっと吸い付くように、Waltの頭がAiの脇の下におさまる。しばらくは、前半戦と同じことが続いた。が、だんだん攻めが激しくなってきた。意外にも、こっちも感じ始めた。盛り上がってくると、Waltは頭を脇にはさんだまま、Aiのからだを動かしはじめた。なんだこれは、と思っていると、だんだん体が持ち上げられていった。  あっと、思った瞬間、Aiの体は宙に舞った。Waltが180度寝返りをうったのである。Aiは脇の下にぎゅっとWaltの頭をはさんでいる。つまり、Waltの体とAiの体は、直角の関係にある。最初は、ベッド面に水平だったが、Waltが寝返りを打つことで、Aiの体が持ち上がり、ベッド面に対して90度、ちょうど逆立ちのような状態になった。そして、反対側へ倒れた。一瞬の出来事ではあったが、ちょうどジェットコースターに乗ったときに感じる、不思議な脱力感があった。と同時に、Aiは、はからずもオルガスム状態に達し、しばらくは何が何だかわからなくなった。  こんなことで、オルガスムに達するとは、我ながら驚いた。Waltは、とても得意げな顔をしている。「ほら、言っただろう。気持ちいいって」。う〜ん、確かに。人間の体というのはまったく不思議である。こんなことで気持ちよくなるなんて。... minori 2005-11-23T01:20:37+09:00 No. 34 Best Fellatios (フェラの達人たち) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000528.html  フェラチオが抜群にうまい客が二人いた。まったくの偶然だが、名前は二人ともJohnだった。一人は技巧派、もう一人は、力技が得意といった感じだった。  一人めは、マウンテン・ビュー在住のジョン。なかなかの紳士。まずはリビングで少しばかりの情報交換。プライベートなことはそれほど話さない。必要最低限のことを話すという感じだった。こちらが水をくれというまで、飲み物を出してくれなかったのには、ちょっと興ざめしてしまったが。が、それはよい。  ベッドルームへ移動。彼は、タイハイとハイヒールが好きらしく、Aiにつけたままでいてくれと言う。実は、Aiもこれらをつけたままやるのが好きだ。自分がいつもより艶っぽい気がして、自分で感じる。最初は履いていても、途中で邪魔になり、脱ぐ事も多かったが、Johnはうまくやりくりしてくれた。というよりも、Aiがあまり動く必要がなかったので、ヒールをはいたままプレイができたのだろう。  Johnの何がうまいって、なめ方もそうだが、手の使い方が絶妙だった。男との性体験も豊富だというJohnは、なかなか手慣れたものだった。からだ全体をさわりながらなめるものうまいが、特にうまいのは、股間や陰嚢のまわりをさわりながらなめることだった。しゃぶり加減とさわり加減が絶妙にマッチする。また、なめる場所や方向にも精通している感じだった。  包皮をむいて、亀頭の付け根部分を執拗に攻めてくる。陰茎の裏側を亀頭に向けてなめてくる感じも、すごくいい。そうしている間に、陰嚢をいじって、精巣を刺激したり、陰嚢と肛門の間を攻めたり・・・。ああ、もうたまらない。  客相手にはできるだけイカないようにしていた。イクと疲れるからである。しかし、John相手には、フェイク(演技)で終わらせるわけにはいかなかった。何よりも、気持ちいい。我慢しているのは、あまりにも損。ついつい、気持ちよくなってイキまくる。技巧派万歳!!といった感じだった。  Johnは、自分がされるよりも、することで燃えるらしい。こちらとしては、されるがままにしていれば気持ちよくなって、それで仕事が終わるので、これほどよいことはない。このJohnからは、再度連絡があり、半年後再会したが、技は相変わらず冴え渡っていた。  もう一人のJohnは、Aiと同じサンマテオという街に住んでいた。こちらのJohnは、ジャズのトランペット・プレイヤーだった。お宅へお邪魔すると、いかにもジャズ・ミュージシャンの部屋らしく、楽器やレコード、それに演奏をしている写真が所狭しと置かれていた。  さすが、ミュージシャン。雰囲気を大切にする。まずは、シャンペンで乾杯。Aiも音楽が好きなので、音楽談義に花が咲いた。結局、1時間以上しゃべりこんでしまった。とてもセックスって感じじゃなかったが、やらずに帰るわけにもいかず、ベッドールームへ。ベッドの上にはかわいいぬいぐるみがいくつもあった。親爺面しながら、かわいい趣味をしている。でももしかしたら、Johnの子供のものなのかもしれない。が、それは聞かないことにした。  服を脱ぐと、いきなりフェラが始まった。最初は、それほどうまいとは思わなかったが、だんだんと味が出てきた。そして、ああいいと思い始めてからがすごかった。さすがトランペット・プレイヤー。唇使いが尋常ではない。吸いつき感がいい。しかも、循環呼吸ができるからか(鼻から息をすって口から息をはく呼吸法。熟達した管楽器奏者はこれができる)、まったく休むことなく、しゃべりまくる。これには参った。いったいどのくらいしゃぶられ続けたのだろうか。20分は続いたと思う。こっちはイキまくり。何がなんだかわからなくなってしまった。  持久戦に持ち込まれた感じだった。これでもか、これでもかと攻められ、ああ、もうだめ。もう許して、お家へ帰らせてと思っていたが、そこで終われないのが仕事のつらいところ。こっちのJohnはファックもしたがっている。Aiは、もうへろへろなのに・・・。最後の力を振り絞って、四つん這いになると、うしろから攻められた。もうお腹いっぱいなのに、まだ食えと言われているみたいで、ちょっとつらかった。が、Johnはやさしかったので、なんとか期待に応えようとがんばった。  最初に話こんだ分、時間は超過になってしまったが、話は楽しかったので、まあいいいだろうと超過料金をねだることもできずに、「ありがとうございます!」とJohn宅を後にした。こんな風だから、いつになっても儲からないんだと思ったけど、楽しい話と、スペシャル・フェラがあったから、まあいいか。気分はよかった。トランぺッター恐るべし。... minori 2005-11-15T03:42:21+09:00 No. 33 Romance Game Part 2(恋愛ゲームその2) http://www.lovepiececlub.com/seworker/archives/000521.html  (前回からつづく)これは、あくまでゲームである。Garyは気が向く時はAiをもてなすが、余裕のない時はこんなことは一切しない。逆に、こちらにGaryに尽くすよう求めてくる。お金をもらってやっているのでは仕方がない。が、Garyとは、お金をやりとりせずにもつき合うようにもなったが、こちらが会いたいときに会うというわけにはいかなかった。  Garyは、ある一流ホテルでNo.3の地位にあるらしい。通常、とても忙しい。なかなか連絡がとれない。ある晩、いっしょベッドに入って「さあ、お楽しみ」というところで、急に呼び出しのページがかかったこともあった。ホテルでぼや騒ぎが起きたらしい。Aiは、間近でGaryとホテルの部下とのやりとりを聞いていたが、Garyの対応はとてもプロフェッショナル、かつ思いやりのあるものだった。頼もしい上司なのだろう。Garyは、急いでホテルに向かうことに。こちらは仕方なく2時間強の道のりを夜中、運転して家に帰った。往復4時間かけるも、ほとんど何もせずに帰宅だ。が、これは許せる。  でも、こっちはそういうわけにはいかない。クリスマスが近くなった。Garyから誘いがないかと待っていたが、一向に連絡がない。こちらから電話をしてみるが、連絡がとれない。2日前になって、ようやく電話がつながった。すると、Gary、「今、山に向かっている」と言う。何のことかと思いよくよく話をきくと、キリスト教徒ではないGaryは、クリスマスを祝う気などさらさらない。チベット仏教を信じる彼は、休暇を利用して、山に入りキャンプをはり、修行をするのだと言う。それまでにチベットへ訪れた話は何度も聞いていたが、さすがにこれには唖然とした。「Aiはどうなるんだよー!」と思ったが、そんなことはおかまいなしである。  Garyに言わせれば、Aiは男に頼ってばかりの女とは違う、自立した女性なんだから、自分で好きなように楽しんでくれ、ということらしい。そう言われてしまうと、こちらも何も言えない。が、そう割り切るわけにもいかない。よくよく考えてみれば、これはかなり勝手な話である。Garyが会いたいときにAiは会うが、AiがGaryに会ってほしい時には、Garyは会うとは限らない。これでは、平等な関係とはいえない。これを機に、Aiは、Garyとの恋愛ごっこはやめることにした。  この頃、Aiは男とは恋愛関係を持てないと自覚するようになった。自分が男をやっていたことがあるからか、男の身勝手さにとても敏感である。男といると、どうしても権力闘争をしてしまう。自分が相手の言うなりになっていると思うと、もう我慢ができなかった。それに、自分の恋人とはもっと時間や空間を共有したかった。楽しいことを共に分かち合いたかった。もちろん、そういうことがいっしょにできる男はいるだろう。しかし、そういう男はとても稀だ。なかなか見つからない。やっぱり、うまくいく相手は女なのかなあと考え始めた。  Garyとは、しばらくの間連絡をとりあわなくなったが、友達関係は続いた。途中で、関係が切れなかったのは、お互いそれなりに惹かれるところがあったからだと思う。Tomとともに、アメリカを離れる前に別れを告げたのは、このGaryだった。Garyには独特の世界観がある。Garyの言葉にはハッとさせられることが多かった。ある時、Garyは、「物乞いにお金を渡すか渡さないか、俺はごちゃごちゃ議論しない。あげたいと思った時はやる。そうでなければやらない。一貫していないと非難されるけど、一貫している方が勝手だし、偽善じゃないか。」  もう一つ、Garyの言葉で忘れられないは、「世の中で成功する奴は、チャンスを逃さないんだよ。その時、チャンスかどうかわからなくても、とにかく飛びつく勇気がある。凡人は、そこで何もせずに終わっていく。そうやってどんどん差が開いていくんだよ・・・」一度は一文無しになったにもかかわらず、数年のうちにミリオネアーになったGaryらしい言葉だ。これは今、Aiの座右の銘となっている。  Garyはあと一年したら仕事をやめて、貯めたお金で世界放浪の旅に出るといっている。物乞いになるのが夢だとも話していたGaryだ。今頃、どうしているのだろうか?... minori 2005-11-08T04:01:25+09:00