VOL.29「はじめの一歩」

マンガのタイトルになってしまいました、すみません(読んだことないけど)。この夏、参議院選挙に出馬する、尾辻かな子さんのことを思っていたら、こんなタイトルになってしまいました。

先日、私の働いている職場にも、尾辻さんのCDが入荷されました。店内でかけてみました。元気な歌でした。キャッチフレーズの、We‘re Ok のロゴ入りTシャツも販売しています。二丁目の仲通りに構えられた事務所には、いつも明かりがついています。なんだか勢いがあって素敵です。

尾辻さんのイベント(講演会)に参加してきた友人が、「ゲイには、松田聖子とかユーミンとか、ゲイが好きな歌手はコレ! といった括りがあるのに、レズビアンにはコレといってないみたいなのよね」と、彼女はレズビアンではないのに変な心配をしていました。

あれはイベントの感想だったのかしら・・。

どういう流れでそういう言葉が出てきたのかよく覚えていませんが、なにかそういう共通のアイテムがあれば、レズビアン同士でつながりやすいかもしれないし、今回のように、初めて同性愛者としてカミングアウトして選挙に出る人を応援する際に、「なにかに使えた」かもしれない、というような意味合いだったのでしょうか。

たしかにゲイ同士の間では、好きな歌手が一致する場合が多いようです。たまに私も職場で、ユーミン、聖子、明菜、みゆき、とCDを交互にかけてしまい、なんだか気持ち悪くなるときもあります。でも、口ずさんでいるお客さんも多いです。古くは美空ひばりから、ちあきなおみ、槙原敬之、平井堅、安室奈美恵、浜崎あゆみ、マドンナ・・と、ゲイの間では定番のようになっている歌手がいます。

そういえばレズビアンの友達に、音楽は何を聞いているか、なんて、あまり尋ねたことはありません。それにゲイが好きな歌手といっても、上記に挙げた人たちはもともとよく売れている人たちなので、ゲイ業界でも買って聞いている人が多いというだけの話かもしれません。そこであえて共通の歌手をピックアップして繋がろうとするのは、ゲイがホモソーシャルな生き物だからかもしれない。

なんて、思いました。

でも、現在の聖子やユーミンの活動が、多くのゲイの購買力で支えられているという事実もあると思います。先日NHKで見た松田聖子のライブ会場の光景に、多くのゲイの姿を発見したし(見たらわかる、といった程度の認識ですが)、昨年は、じっさい聖子自身が、ゲイのクラブイベントでシークレットライブをしたり、ゲイ雑誌の表紙を飾ったり、と、ゲイマーケットを勘定に入れていることをアピールしていました。

アメリカのレズビアン・ゲイパレードでは毎回有名な企業のスポンサーがつくのだそうです。日本では、聖子やユーミンがゲイマーケットを意識したとしても、まだ企業が腰を上げることはないようです。

今回の尾辻さんの選挙でも組織票みたいなものがないとしたら、せめて「身内」は固めておきたいもの、かもしれません。けれどネットを見ていると、その「身内」の中からも、「ただ、同性愛者だというだけでは投票できない」という声もあるようです。

私は、それだけで充分だ、と思っています。

日本で初めてレズビアンの国会議員が誕生するという事実だけで、嬉しくてクラクラします。ほんとうに、初めて女性議員が誕生した時くらいの衝撃になるのではないかと思っています。なぜだか、ゲイの国会議員の誕生より先かもしれない、ということも嬉しい。

松田聖子の話と並べてしまうのもどうかと思いますが、「ただ、同性愛者というだけでは・・」という人にとっては、もうひとつ、購買意欲がそそらないのだと思います。

その「もうひとつ」とはなんでしょう。

みんな買うなら買うけど・・、というためらいか、はたまた、寝た子を起こすな、か。

それは個人のカミングアウトの状況に還元されてしまう微妙なものなのかもしれません。

同性愛者の議員の登場が、社会や個人にどういう影響を与えるかについては、この先、女性やセクシャルマイノリティーの議員がどんどん増えて、それが当たり前となってから振り返ればいいのに、と思います。そして、今回の選挙のあいだは、ずっとそういう気持ちでいたいな、と思っています。


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[2008/12/25]
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「レズビアンとゲイ」
[2008/12/11]
「お金をちょうだい」
[2008/12/05]
「共感か絶交」
[2008/11/21]
「ヨメとヒメ」
[2008/11/13]
May I help you?
[2008/11/06]
「受け入れ先」
[2008/10/30]
「三位一体」
[2008/10/23]
「友だちは元カレ」
[2008/10/16]
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