「ザ・オッサン」

涼しくなってきましたね。わかりません。今日は暑くて、汗をかきながら自転車で職場に向かいました。でも見上げた空は秋でした。
夏の疲れが出てくる頃なのでしょうか、ここ三日くらい、毎日が同じ日のような感覚でした。

仕事で、ビデオをシュリンクする、という作業をします。買い取ったVHSやDVDを拭いて、特殊なビニールに入れて閉じ、熱風のドライヤーでパッキングする作業です。昨日は夢の中でもシュリンクしていました。

ある日の午後、お店のカウンターでぼんやりドライヤーを当てていると、店の表で大きな声がしました。現実です。

「じゃあ、ここで待ってるから!」

見ると、背の高い痩せたオッサンが、Tシャツ短パンサンダルで、缶チューハイを持った片手を挙げてニヤついています。ザ・オッサン、といった様子です。
声をかけられたらしい男性が店内に飛び込んできました。大きなバッグを抱きかかえるようにして、店内の奥へ小走りに向かいます。年は三十代後半、ウチの常連さんです。どうやらチューハイがナンパしてきたので、常連さんはお店の中に逃げてきたようです。

そうなんです。これまで私が、数多入る二丁目のナンパオヤジたちを、なんか気持ち悪いから、と言う理由でことごとく入店禁止にしてきたせいか、いつのまにか当店はシェルターに・・!

なんて、そんな大層なことはありません、ケース・バイ・ケースです。

チューハイはそれ以上入ってくる様子はなく、見ていると、その姿からか、小学生の男の子が道路に一人で遊んでいるようです。でもオッサンで、赤ら顔。
変なひと、と視線をそらそうとして気がつきました。この人、半年ほど前から二丁目に来ていました。その頃にもナンパオヤジとしての認識はありましたが、様子が、ナンパの仕方が、今回、恐ろしく変化していたので気がつかなかったようです。

以前は、なぜか赤の皮パンに黒いジャケットという姿で、「顔なし」(知らない人はごめんなさい)のように街角で、ぼーっと立っているだけの人でした。店の中に入ってきても出ていっても気づかないくらい存在感のない人でした。

それがどうでしょう。
今や、Tシャツ短パンサンダルで(「裸の大将」ですが)、若い子のようにラップでも始めるのではないかという勢い(って、どんなだ)で、ナンパしているのです。はじけちゃったみたいです。

そら、みんな逃げるわ、と思いました。

さて、ここで問題です。私はそんなチューハイを見て、どのように思ったでしょう。

1、 気持ち悪い 2、可哀そう 3、腹が立つ

まあ、どうして腹が立つのでしょう。よくわかりませんが、少し前の私なら、1と2を連弾で思ったような気がします。今回はそのどれでもありませんでした。
私は、そのはじけた姿を見て、私もいずれあんなふうになるかもしれない・・と思いました。可能性を感じる未来、もしくは親近感といったところでしょうか。

それは先日、私がお漏らしをしたことに関係しているのかもしれません。きゃー。

いつものように酔っ払って自宅へ帰ってきました。パソコンを開いてメールの確認をしていたら尿意を催して、と思ったらもう、椅子の上でしていました。初めての経験です。
酔っ払っていたのでその時は驚きませんでした(ヘラヘラ笑っていたような気がします)。ところが朝起きて、椅子の上の惨事を見ても驚きませんでした。

感想は、「ああ、そういえば、したわ」でした。

そのあと乾いた笑いが起きました。そして、それに動揺していない自分に少し感動すら覚えました。

翌日オーラちゃんに話したら、「ヤバイねー、それは」と言われました。そう、ヤバイと思います。もう、この先、飲み屋で知り合った人とそのまま自宅へ流れこんでも、その流れがストップしてしまうかもしれないくらい、ヤバイです(そういうことはなかなか出来ませんが、この先です)。

あの後チューハイは、どこかのお店の人に警察を呼ばれて、連れて行かれました。

秋の空は高く、毎日は同じことの繰り返しばかりでもないようです。

追記)
先日の「茶屋会」に来ていただいたみなさま、北原さん、とっちーさん、本当にありがとうございました。楽しませていただいたのは私でした。ちゃんと喋れなくてすみません。今後ともどうぞよろしくお願いします!


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