似顔絵
2001/12/27〜2002/12/25
オトコは顔 私は技 高山真
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第08回 『生活の設計』って、ホント大事よねぇ
ハート この連載を読んでいる友達は口々に「アンタがやたらイヤな感じでモテてるような雰囲気だけど、見栄か露悪か、どちらのつもり?」って褒め言葉ともクレームともつかない感想を漏らすの。それも当然っちゃあ当然なんだけどね。他の人が週に1回、やたらクセの強いセックスの話をつまびらかに語っていたら、ふるいから落とされたネタはその10倍以上あるはずだと、アタシだって思うもの。みなさんの中にも、アタシが超アムールな日々を送っていると想像してた人がいるかもね。でも、普段のアタシはむしろ、欲情とはかけ離れたところで生活しているオンナ。別に「キレイぶろう」なんて魂胆があるわけではなくてね。そんなポーズ、いまさら手遅れだってことくらいはわかっているし、それ以前に、アタシは欲情も生きるための主要なエネルギーのひとつだと思っているわ。なのに、なぜ普段は違うのかといったら、もっと楽しい、または重要なことがあるからよ。

第3回目のコラムでも触れたけれど、アタシは「恋人よりも友達」というオンナ。友達と会うと最低でも3時間はお互いに喋りっぱなしなの。つくづく「アタシ、ホント観察したり語ったりってのが好きなのね」と思い知る瞬間よ。「見る前に飛べ」なんて昔の流行り言葉は、アタシには気持いいくらいフィットしないわね。って、こう書くとちょっと格好つけているみたい。うふふ。まあ、話してる内容の9割は「紅白の天童よしみの、ドレスに無造作に巻きつけたビーズのネットが、網脂にしか見えなかった衝撃について」とか「よしみ以上に衝撃的だったのは、メークから着物からウィッグから、マイクを喰らい尽くしそうな笑顔まで、すべてがニューハーフ以上にニューハーフ(それも大阪の、ややえげつないくらいの営業を得意とするお店の、しかもお笑い担当)だった原田悠里ね」とか「若い頃、美醜差別に散々、泥水飲まされてきた(←あくまで予想)内館牧子が、そのルサンチマンを逆手にとり、美人女優にこれ以上ないくらいに屈辱的な役ばかりやらせている復讐絵巻っぷりから目が離せないわ(藤原紀香に“私は顔とスタイルだけを便利使いされている29歳です”なんて言わせてた)」とか「松田聖子がいまでも異様に肌がツルツルなのは、まだ“何が安全で何が危険か”も解明されていなかったどころか、PL法なんてものの概念すらなかった頃から、パイオニアの弘田三枝子先生がすべての技術を自分の顔で試してくれていたおかげよ」とか、要するに好きなオンナたちのことが中心なんだけど。一般的な意味での“好き”とはちょっと違うかもしれないけど、好きなのよ。

しかも話す場所が、かなりよさげなホテルのティールームだったりするから、横に座ってる人に会話は筒抜け。座ってるのがオンナたちの場合、楽しそうにクスクス笑ってる人がほとんどね。対してオトコの場合、苦虫噛み潰したような顔をする輩も多いけど。この間も326(さぶろう。誰がなんと言おうと、アタシはヤツをこう呼び続けるわ。あんなわかりやすいナルシズムに誰がすんなり乗ってやるもんですか!)生き写しな2人組が露骨にイヤな顔を。ブサイクが輪をかけてブサイクになるのを、なんとも思わないのかしら。ほほほ。

頭をギリギリまで高速回転させて、くだらない内容でも小難しい内容でも、その会話を集中して楽しむことが、アタシの日常におけるもっとも素晴らしい瞬間ね。逆に、恋とかセックスは非日常ならではの楽しみ。だから、実は恋人といえる相手は5年くらいいないし、セックスだって1か月に1度あるかないかだけど、困ることもないわ。特に恋の始まりの、あの高揚感は麻薬でしょ。アタシはドラッグってお酒とタバコしか知らないんだけど、外国でハードなものを経験した知り合いによると、動悸が早まり、身体も顔も熱いのか寒いのか分からなくなり、根拠のない多幸感に満たされ、性欲が無理やり高くなるという点でまったく同じなんですって。

高揚感そのものを否定するわけじゃないけど、それが永続的なものになりうると信じている人って、恋人としては少々キツいわ。四六時中、恋に酔われてもねえ。そんな人に付き合っていたら、仕事も含めた、地に足をつけた日常まで侵食されちゃうもの。それに、日常があるからこそ、非日常が非日常たりえるんだし。

貧乏くさい非日常はいらないし、貧乏くさい日常なんて想像するのもイヤ。もちろん貧乏は受け入れられるけど。仮に相手が大金持ちだったとしても、自分にかけるお金は自分で全部まかないたいと思うのがアタシにとっては自然だしね。そうね、アタシにとって“貧乏くさい”っていうのは“年をとっても子供っぽい”っていうのと同義だわ。だから普段はボロボロになっても仕事するの。で、その疲れは、友達との会話で得られる力が帳消しにしてくれる。それで回ってるのがアタシの日常ね。『恋の花』より『銭の花』よ!

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