『BREAK OUT』なオンナのエッセンスが欲しいわ……!

2011年12月12日

 ご無沙汰をしてしまって申し訳ありませんでした……。異常なほど寒くなったり、急にミストサウナのような湿気と暖気が戻ったり、みなさんお風邪など召していないかしら。最近の風邪は長引くタイプが主流みたいよ。アタシも熱自体は2日で引いたけれど、3週間ほど気管支の調子がすぐれなかったわ。

 実を言うとこのところ、体調の問題だけではなくいろいろあったので、しばらくプライベートでは超おとなしくしていたのだけれど、精神的に篭る生活はよくないわね。何かガツンと壁を破るような刺激を受けたいわ……。

 そんなときによくするのは、大きく分けて2つ。アウトドア的な打破法は、オサレをして伊勢丹と表参道のお店をあらかた食い尽くすこと。ま、「食い尽くす」とは言っても、ほとんどすべてのお店で試着し倒すにも関わらず、買うのは試着100着に対して1着くらいのものだけど。たくさん試着していくうちに、袖を通した瞬間、「自分の肩にあつらえたようにピタッと寄りそうカッティングの洋服」がどれなのか、わかるようになる。それを待っている感じね。

 インドア的な打破法としては、とんでもないパワーをもったオンナたちが主役の映画や文学に触れること、かしら。ジャンヌ・モローとブリジット・バルドーが主演した『ビバ! マリア』とか、最近だと、シェール御大とアギレラが競演した『バーレスク』とか。まあ、『バーレスク』は、たぶん世界の興行収入の6割くらいはオカマたちが支えていたんじゃないかと思うのだけれど。「セックス」のためではなく「ショー」としてのセクシー、役を奪われたショーガールからの妨害工作、そしてシェールとアギレラ!(ちなみにご存じない方のためにご説明しますと、シェールはマドンナ以前、そしてアギレラはマドンナ以後の、ゲイのディーバです)

 いま挙げたふたつの映画は明るいパワーを持った映画だけれど、アタシは暗いオーラをまとった作品も好き。桃井かおりと岩下志麻、そして山田五十鈴が恐ろしい三つ巴の争いを繰り広げる『疑惑』のことは、過去に話したことがあるけれど、グロリア・スワンソンが主演した『グロリア』とか、文学だと桐野夏生の『OUT』とかも、何か鬱々としたときに鑑賞したくなるのよね。

 これらの作品に出てきたオンナたちのように生きたいわけではないの。アタシは保険金殺人の疑いをかけられたいわけでもないし(『疑惑』)、死体をバラバラに刻みたいわけでもないし(『OUT』)、マフィアの情婦になって追手から逃げ延びるようなこともしたくない(『グロリア』)。ただ、なんというか、時々、わりと気楽に生きているアタシですら、周りを高い壁に囲まれているような閉塞感を感じることがあって、それを打ち破るためのカンフルが欲しいのかもしれない、と思ったりもするのです。

八方塞がりの状況の中、『疑惑』の球磨子(桃井かおり)は暴れ、『OUT』の女たちは死体を解体し、グロリアは銃をぶっ放しながら逃避行をする。もがいて、もがいて、壁を打ち破った先にあるのは、もしかたしたらもっと悪い状況かもしれないけれど、それでも「今、ここ」を越えるために、何かしようとする。その意気を感じたくて、アタシはこれらの作品をリピートするのかもしれない、と。

 もがいているうちに、何かが変わるかもしれない。そう思ってなければ、やってられない。いま置かれている環境に対して、一度でもそんなふうに思ったことがある人なら、鑑賞してもソンはない作品だと思うの。アタシもまだまだもがいてみなくちゃね。

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高山 真(たかやま まこと)プロフィール

高山 真高山 真(たかやま まこと)プロフィール

編集者・ライター
高山さんへのメールは taka52you@hotmail.comまで。
初の著書『こんなオトコの子の落としかた、アナタ知らなかったでしょ』 を、LPCでは直筆サイン&メッセージカードつきで発売中。
本人似顔絵イラスト by わた


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