2000/9/12〜2001/6/1
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VOL.03 ●シスターフッド
先回触れたウィメンズアート「越境する女たち21」の展覧会チラシが出来た。そのホ カホカのチラシとチケットを携え、めったに会わない友人たちの会食会に出かけた。 心のこもった料理とビールでおなかが満たされて、さてと、チラシをおもむろに出そ うとした時、ホストのたみこさんが「ターリ、出したら、見せてよ」ときた。

それで出しやすくなって、一枚ずつ渡した。「うあー、がんばっているね」「格好い いチラシじゃない」「大変だね」と飛び交い、しめくくりに「絶対面白い展覧会だか ら来てね」と念を押した。そうしたら、「私、行くわ。面白そうじゃない。2枚。」 を皮きりに10枚売れてしまった。すっかり嬉しくなって、シスターフッドの威力にワ イングラスを傾けっぱなしとなってしまった私。

皆、45から55才までの女たち、20年ほど前に野口体操をやっていた時の仲間たちだ。 それぞれの様々な生活をくぐり抜け、いい女になっている。駅までの帰り道、ひとり が言った。「いい女になってきたね」に「うん、うん」とうなずきあう私たち、いい 気なものだ。ある自信と年の厚み、いい年代になったのは確かだ。

ひとりが「60才ぐらいの女性で素敵なのがいるよね。いいなあって、思わない?」と 言う。近い将来に、約束されるものがあると確認までしてしまうのだった。

このシスターフッドに私はどれほど助けられただろうか。

カナダでの失恋に、よれよれになって帰って来たとき、行き場を失っていた。「小金 井においでよ」と誘ってくれた安藤。
家族にカミングアウトしたにもかかわらず、だめになってしまった恋、傷心を抱え、 再び実家に帰ることがいやだった時だ。
彼女が関わってきた保育所に引っぱってくれた。最初はボランティアで、そのうちパ ートタイムになり、今は常勤となった。

安藤は自分のことを「アンド(and)」だと自己紹介する。女が生き生きすることに 精魂を傾ける人だ。産む女の立場から、「準備出産(女の体にとって良い状態で出産 すること)」の活動をし、その続きから保育の現場で、働く女たちを支援してきた。 そして、そのかたわら、女が表現したり、息を抜く場が必要なんだよと、月一回のバ ーを開こうよと私を誘った。

ニュートラルという飲み屋を1晩5000円で借りて、2年、その店が閉店になるまで、 ふたりでつまみを作り、女たちが来るのを待った。その間、シスターフッドの心意気 をしっかり教授されたのだ。だって、来ない客を待つとき、彼女はピッチをあげて焼 酎を飲んでゆくのだから。

そこで最後の日までに残った売り上げ金25,000円が、ウィメンズアートネットワーク を呼びかける時のハガキ代となった。

シスターフッド、それは女がお互い元気を出せと励ますこと。

「越境する女たち21」展では、先達の話を聞き、女性アーティストたちのカタログを 閲覧できる催しもつくる。栃木美術館の小勝禮子さんにカタログの集め方を相談した ら、すぐにカタログを送ってくれた。

元気が出る。
それがシスターフッドだ。

イトー・ターリ

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