2000/9/12〜2001/6/1
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VOL.13 ●山上千恵子さん
第3回ソウル女性映画祭に行っていた山上千恵子さんから朗報が入った。
なんと、千恵子さんの「ディア・ターリ」が観客賞を貰ったという。
成田から電話があり、トロフィーを持ってやってきた。
千恵子さんのからだからはまだ、興奮の湯気が立ち上っていた。
「1回目の上映会の反応が良くてね、そして2回目の時は満場の人」
「韓国の監督でレズビアンものが4、5本あった」
「今、韓国はフェミニズムが大盛り上がりで、みんな元気。」
「あんな盛大なフェスティバルをやるのだから、パワーがあるのね」
「ウアー!行けばよかった!」
そして、受賞式、観客賞に千恵子さんのが決まったら、歓声が巻き起こり、熱気に包 まれた。とりわけ、レズビアン達が立ち上がって喜んでくれたのだそう。
176もの作品の中から4つの賞の中にに入ったのだからすごい!観客賞というのが嬉 しい。
「ディア・ターリ」は1998年の春からほぼ1年間かけて、私が作品を作る過程を中心 にドキュメントした作品だ。
このビデオ作品の面白さは、レズビアンがレズビアンものをつくるのは多い(日本で はまだまだほんの少しだけれど)けれど、ヘテロセクシャルの人がレズビアンを描い たところにある。
撮影がすべて終了して、編集作業にはいった千恵子さんは迷路に入り込んでしまった 。一切わたしは口を出さないことにしていたので、まわりで行方を見守るだけだった が、内心完成しないのかなと心配していたほどだった。
千恵子さんはしばらくたって、セクシャルアイデンティティが揺らぐのだと、またヘ テロな人間がレズビアンを描けるのだろうかともらした。自分の立っている位置がは っきりしないと。
セクシュアリティはそれぞれに個別なものだから、公式などない。ヘテロの人も同性 愛的感情を持っているわけだし、線を引くほうが難しい。
フェミニストとして70年代から作品を作ってきた人だから、女性への配慮が深い。
映像を刈込み、ナレーションの原稿を直し、推考を重ねていた。1年が経った頃、試 写会をした。その後、千恵子さんは自分の言葉を探し、説明的なナレーションを削った。 この作品にはパフォーマンスの中で自己を表現する人間と、その人間を照射しながら 自己を語る人間のふたりが居る。記録的なドキュメンタリーではないドキュメンタリ ーになっているように思える。
そのことにより、セクシュアリティという個別な事柄を語ることの難しさをクリアし ているのではないだろうか。
また、フェミニストとして生きてきた、女へのいとおしさや心意気が映像のなかに充 分に現われている。
力を持った映像作家が日本にいることを知ってほしい。そして、山上千恵子さんの映 像を見てほしいと思います。真摯に作品つくりに挑む姿を見せてもらって、勉強させ てもらいました。

千恵子さん、受賞おめでとう。

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