「バリ一人旅。とか」

akukun31.jpg あたしも北原さん、フーサンと共に、インドネシアに行ってきたのである。が、旅の余韻に浸る間もなく、ひどい脱線事故が起きた。朝、テレビを付けた時は、死者は2人、だった。それが昼過ぎには20人を超え、事故から二日後には100人を超えそうだと報道されている。運転士がダイヤの乱れを修正しようと、無理にスピードを上げたのが原因だと言われている。そして、JRの、職員のミスに対する厳しい罰則規定がそれを引き起こしたのだとも。遺族の一部が、JR職員に食って掛かっていた。たしかに、その絶望はあたしには想像も出来ないほど深いのだろう。だけど、怒られるのを覚悟で書くけれども、こんな風に、JRの職員だからってことで、そこにいるJRの人を誰かれ構わず怒鳴りつけられる人って、たぶん、ダイヤが乱れた時も、こんな風にJR職員を怒鳴りつけるタイプの人なんじゃないだろうか。

確かに、電車が止まるとイライラする。動いていてもイライラする車内なのに、信号故障だの人身事故だの原因は様々だが、電車はよくトラブルを起こす。しかし、あたしを一番イライラさせるのは、そんな時、改札やホームにいる駅員を怒鳴りつけているオヤジだ。その駅員さんに言っても、しょうがないだろうに。正当に怒りをぶつけられる場所ができて、オヤジはイキイキしてるようにも見える(中国のデモ隊の中にも、こういうオトコ、混じってると思う)。

確かに、山手線に乗り馴れると、やたら遅れたり止まったりする武蔵野線にはもう乗れない。あたしも結構せっかちな方だから、電車が遅れると、職員に怒鳴ったりはしないけど、ちょっとイラつく。このみんなのちょっとずつのイライラが、今、問題になっているJRの体質を作る原因の一つだとは言えないだろうか?

ガルーダインドネシア航空は、ディレイ(遅れ)が多いことで有名らしい。あたしたちは今回、バリ島デンパサールで国内線に乗り継ぎ、ジョグジャカルタに向かったのであるが、案の定、40分の遅れ。最初から覚悟しているから、別に何も感じない。飛行機が見えるカフェに入って、くそ甘いレモンティーを飲んで、だらだらおしゃべりしながら、待つ。「週刊文春で、中村うさぎがホリエモンをほめてたよ。テレビで自分が腋臭だって告白してたって。客観性がある人だって」「でもそんなの、男が言うのと女が言うのとじゃ違うよね。あの美人秘書が腋臭だって告白したらすごいけど」「ボクは短小包茎早漏です。って言うんなら別だが」「だいたい無臭のワキこそ、金で買えるだろうに」話す内容はインドネシアでも日本でも同じである。

あたしも今回、大学院でワークショップをしてきた。目立ちたがりだが内気。という、典型的なマンガ家タイプのあたしである。人前で話すことに若干の心地よさを感じながらも、話すそばから、言いたいことをうまく伝えられない自分に腹が立つ。ジョグジャカルタでも日本のマンガはたくさん翻訳されているが、一応イスラム圏だからなのか、子ども向けのものがほとんどだった(浦沢直樹の「モンスター」はあった)。そういったマンガ事情なので、まず、日本の大人向けマンガ(アダルトだけではなく)についての説明をする。それから、自分が、その中でも青年誌をフィールドにしていることについて話す。フェミを自称するあたしが、男向けにマンガを描く理由をどんな風に説明しても、言い訳にしか聞こえないだろう。日本人相手でも、普段マンガを読まない人から、「なぜあなたは男性誌に描くのか」と聞かれたら、説明するのは難しい。

「チューネン娘」と、「しまいもん」が、フィールヤングの同じ号で最終回を迎えたんですが、どちらも大好きなマンガだったのに、オチが両方とも主人公の幸せな結婚でした。この絶望がわかる人はどれだけいるか。また、フェミに人気があると思われる女性作家(石坂啓、柏木ハル子、村上かつら、山崎さやかetc.すべてあたしの個人的意見です)が、みんな男性誌をフィールドにしているのはなぜか。こんなことを分析し出したら、本が一冊書けそうだ。

と、まあ、言い訳だらけ、ボロボロのワークショップだったのですが、それでも、みんな熱心に耳を傾けてくれ、たくさん質問もしてくれた。ムスリムに配慮して、今回持っていった自分のマンガには、性描写のないものを選んだのだが、あたしが話終えた後、ジルバブ(髪の毛を隠す布)をかぶった女子学生が、「坂井さんの性描写のあるマンガを読みたい」と言ってくれた。後悔も反省もあったけど、もう、次の企画を、ジョグジャ在住のアーティスト、深町玲さんと話している所である。

ワークショップを終え、あたしは北原さん、フーサンと別れ、一人でバリ島に移動した。あたしはリゾートホテルオタクでもあるのだ。こんな近くにリゾート地があるのに、足を伸ばさないわけに行かないではないか。高級スパでアーユルベーダ受けて、キュートな男の子に足の裏もんでもらって、買い物しまくって。楽しかった。

帰国日、時間とお金が余ったので空港でも足裏マッサージを受けていたら、突然、空港が停電した。「ティダアパ?」(インドネシア語で「大丈夫?」)と聞くと、マッサージのお兄ちゃんはにっこり微笑んで、「ティダアパ」と答え、真っ暗な中、足を揉み続けてくれた。だれも職員を怒鳴ったりしない。そうゆうこともあるんだって、みんなわかっているから。ゼッタイ電車が遅れなくて、停電もしない国が、そうでない国より優れているわけじゃないよね。バリ島大好き。いつかそこに住む日のために、英語もしゃべれないのに、インドネシア語を勉強中である。


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ウンコ57本目「リアル男子とフェイク男子とマイ女子」
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ウンコ56本目 今週はマンガだけだよ。
[2006/04/04]
ウンコ55本目 新・爆食女王誕生戦!
[2006/03/23]
ウンコ54本目 コーちゃん
[2006/03/09]
ウンコ53本目 サカイ、美少年に口説かれる??
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ウンコ53本目 サカイ、美少年に逆ギレされる。
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ウンコ52本目 メイド体験
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ウンコ51本目 二人の教祖様
[2006/02/02]
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