なんとなく、なのだけど、起こした事件に差があるのは分かっているし、だからあくまで「イメージ」でしかないのだけど、ライブドア事件を報道するテレビを見ていて思ったのは、「ライブドアって、オウム真理教みたい」ってことだった。
こ汚く、ブサイクでデブで長髪(オンザエッジ時代)の社長(教祖)。その脇を固める、社長(教祖)よりはこぎれいな男の幹部たち。社長(教祖)よりは女にモテそうな感じ。そして、美人広報。さらに、キーマンの死亡。
ヒューザーみたいな昔ながらの日本企業(不正をしているかどうかは別として、体質的には似たようなもんだろう)に嫌悪感を持つ人にとって、ライブドアは正反対の企業に見えただろう。なんか、よくわからないけど新しいことやってくれそう。くだらない人脈がらみでは仕事しなそうだし、社員旅行とか、無駄なことはしなさそうだし。みたいな。
オウム真理教の女性信者の中には、男女共同参画と口では言いながら、何も変わらない日本の男社会に絶望し、入信した人もいると聞く。オウムの教義の中には「禁欲」というのもあったらしいから、一部の女性信者にとって、オウム真理教はとても居心地が良かったのだそうだ。とはいえ、美人の女性信者は教祖にやられてたわけだが。自分が嫌っていた世界から逃げ出したはずが、結局たいして変わらない場所に移動しただけだったのね。しかし、「愛」というものが存在しない世界は、以前いたところよりはマシだったのかもしれない。教祖への「信仰」もまた、「愛」のようなものだと気付きさえしなければ良いのだ。化粧は罪であろうし、男に媚びる女より、修行をまじめにやる信者の方が格が上だと思い込むこともできただろう。(とはいえ、男性信者のサポートとかはやらされてそうだけど…)
少し前に、オウム真理教のドキュメンタリー映画「A2」を見た。オウム信者の様子だけではなく、「オウムは出て行け!」と叫ぶ地元住民の姿が淡々と映し出される。地方の小さい施設の信者と、地元住民のほのぼのとした交流はあるものの、たいていはただ「出て行け」と叫ぶのみである。
「地元住民のように、ただ出て行けと言うのでは信者も行き場所がなくなる」と、もっともなことを言う右翼団体も登場する。とはいえ、彼等は拡声器や外宣カーで「オウムは解散しろー!」と大音量でがなり、オウムよりももっとご近所迷惑である。地元住民だって、「オウム出て行け」と看板に書けても、「右翼出て行け」とは恐くてとても書けないだろう。
さらに、ウソばっかり書き立てるマスコミ。融通の利かない警察。こんなのを毎日相手にしていたら、信者たちは「現世」になど、戻りたくなくなるだろう。信者たちがそれ以外の人間とニコニコ接しながらも、彼らをバカにしているのがよくわかる。
ここ数日、テレビではライブドアの忘年会の映像が繰り返し繰り返し流されている。コスプレや裸で歌い踊るホリエモンと幹部たち。これ、ニュースで流すような映像かなあ。この忘年会の四時間前に、株式総会で泣いていた映像とセットだからって、だまされないぞ。自分をたたえる歌を作らせ、へたくそな踊りを踊るホリエモンを見て、我々は笑う。オウム真理教の「ショーコーのうた」を思い出す。オウムのときはワイドショーが報道ぶっていたが、今回は報道番組が堂々とワイドショーレベルの娯楽を我々に提供してくれる。
さらに、ホリエモンが逮捕された日の夜、一部の局は通常の番組内容を変更して、特別番組でライブドア事件を追いかけていた。…え〜と、むずかしいことはわかりませんが、ホリエモン逮捕って、そこまでの事件なんでしょうか。結局、視聴率が取れそうだからでしょう? そんなだからホリエモンたちになめられて、つけあがられるんだよ。ライブドアとオウム、両者は組織の人間たちが似ているだけではなく、それを報道する外部の反応がとてもよく似ているのだ。
民放のテレビ局が視聴率よりも大事にしているものはスポンサーである。スポンサーが気に入らない番組は、たとえ視聴率が高くても内容が変更されたり、打ち切りになったりする。「客よりも株主を大事にするのはおかしい」って、どの口が言うのさ?(あたしは「リチャードホール」突然の打ち切り、今でも許してないからね〜、フジテレビ〜。早くシャレ山紀信とか汗のマークとかDVDに入れてくれ〜。つーか、深夜枠でいいから復活しろ〜)
あたしたちの周りで、「愛さえあれば他に何もいらない」と言い張る人間は確かにいるが、実際に他人から見て幸せそうな人間は少ない。汗水たらさないで金を稼いでいる奴は昔からいた。ホリエモンへのインタビューで、「そろそろご結婚は…」なんてバカな質問して、「結婚すると、何かいいことあるんですか?」って切り返されて、何も答えられないような記者に、ホリエモンを「金儲けしか考えてない」なんて言う資格、ないでしょ。
ホリエモンが総裁選に立候補したとき、彼に握手を求め、名刺をねだった「善良な市民たち」は、今、どんな思いでこの報道を見ているのか。彼等が見ているテレビの横には、小泉純一郎ポスターが貼ってあったりするのだろうか。
まあとにかく、ホリエモンのブログにわざわざ批判を寄せる人も、激励する人も、あたしはどっちとも気が合わないだろうなあと思う。