「オスカルのコスプレがうらやましかったです!」というメールを読者からいただいたので(ありがとう?)、調子に乗ってコスプレ企画第二弾だ。なんと! メイドさんになってきました〜!!!! …ごめんなさい、イタイですか? あたし…。
秋葉原の某メイドリフレ(オーナーは女性)での、お嬢様限定サービスである。そこの制服でもあるメイド服をレンタルし、着ることができるのだ。一時間5000円なり。同行者は、前回アキバたらい回しツアーに付き合ってくれた女性編集者。彼女は「サイズあるかなあ〜?」としきりに心配していたが、スカートのウエストがゴムだったので余裕だった。トイレという名の更衣室でメイド服に着替える。店員のメイドさんたちにやたらハイウエストなエプロンのリボンを結んでもらい、撮影会、開始! 本当はそんなサービスはないのだが、メイドさんたちは我々が持参したカメラで、メイド姿の二人を何枚も撮ってくれた。ちょうどリフレの客もいなかったので、店内には女しかいない。ノリは女子校。みんな同じ制服着てるしな。「もっと目を見開いて!」「あっ!これ今日のベストショット!」「萌え〜?」とか騒ぎながらの撮影会は正直楽しかった。
残り時間は30分、我々は勇気を出して、外出することにした。どこに行こうかと迷っていると、メイドさんから「ここから歩いて五分くらいのところに神田明神がありますよ!」との提案。「それだ!」我々は履きなれない10センチヒールのストラップシューズを履き(これもレンタル)、神田明神へと向かった。
秋葉原では、路上でもたくさんメイドさんが見られる。競争相手も多い業界なので、みな、外でビラ配りをしているからだ。だから、我々も町へ出たところでそれほど注目は浴びないだろうと思っていたのだが…甘かった。アキバゾーンを抜けて神田明神への道を渡ると、いわゆる「アキバ系」男子などいないのだ。OLにサラリーマン、神田明神への参拝客(中高年率ほぼ100%)がみな、我々二人を見ている。その視線に遠慮はない。こんなことは生まれて初めての経験である。ちょっとブサイクな女の子が(失礼)、ゴスロリとかにはまっちゃう気持ちが、少しだけわかったような気がした。コンサバ服着た美人より、目立つ服装しているブスの方が、絶対注目されるもんね。モテるかどうかは別ですが…。
平日の午後、神田明神に人はまばら。しかし、だからこそ我々の存在は目立つ。コートを脱ぎ捨て、境内のど真ん中で撮影。二人で作り出したキャラクター、「メイド女王様」という設定でポーズをとる。「モデルガンとか持ちたかったっすね」「あ〜たしかに〜」メイド服と神社。この取り合わせが妙におもしろい。神社という異空間に、さらに異次元の生物がいるんだもの。宮司さんにも見られたが、別に裸になっているわけじゃないので、何も言われなかった。我々は嫌がらせのように本物の巫女さんに声をかけ、おみくじを引いた。中吉だった。
リフレ店に戻り、着替えてメイド体験終了。高揚した気分のまま、お茶を飲みにメイドカフェへ。ここはよくテレビでも取り上げられている店で、平日でも混雑している。ここ最近アキバめぐりをしてみて、気付いた。もはやメイドカフェの客の半分は、「オタク」ではない。自分は「フツー」だと思っている人たちだ。「電車男」のヒットや、日本製アニメの輸出などにより、「オタク」の地位が上がったなんて、嘘だ。みんな、ちょっとフツーじゃない言動をする彼等を、おもしろがって観察しているだけだ。以前の原稿にも書いたように、たぶん、あたしもその一人なのだ。しかし、オタク側はオタク側で、「フツー」の人たちの視線を意識した上で、「オタク」パフォーマンスを見せてあげているような(ただし決して演じているわけではないと思うが)、そんなねじれた現象すら見えてくる。あたしたちも、メイド服着て「フツー」の人から注目を浴びるの、楽しかったもんなあ。
宮崎勤について語られるとき、必ず出てくるものに「彼は本当はおたくではない。あの『おたく像』は、マスコミによってねつ造されていたものだ。だからおたくを犯罪者予備軍のように言うのは間違っている。」というのが、ある。まあ、そうだろう。全ての凶悪犯罪者のうち、「オタク」が起こしたものよりも、「フツー」の男が起こした犯罪の方が多いのは確かだろうし、ロリコン犯罪だけで見ても、必ずしもアニメファンばかりが幼女を襲っているとも思えない。ただ、「オタク」は「フツー」の人よりキャラ立ちしていることが多いので、ニュースにもしやすいのだろう。
だから、だからこそあたしも、ついつい「オタク」と呼ばれる人たちに肩入れしちゃうんだけど(自分が「オタク」だからではない。あたしは「オタク」になりきれなかったつまらない人間だ)、でもやっぱ、ロリコンに開き直られるのは大変不愉快なのである。「オタク」でない自分を確認するためにメイドカフェに行く「フツー」の男たちも、「若い女の子が御主人様にかしずく」という構造自体に嫌悪感などないだろう。ああ、「オタク」男も「フツー」男も図々しいよなあ。その図々しさをなかったことにしてロリコン犯罪を語っている限り、何も変わらないと思うよ。
もうそろそろ、アキバめぐりも卒業かな。と、思う。だって、3月に女子向けの「執事カフェ」が、東池袋にオープンするという情報が入ったのだもの! オープンしたらもちろん行ってみて、レポするから待っててね!