ウンコをしろ。腹が減るぞ http://www.lovepiececlub.com/unko/ ja 2006-06-12T11:17:31+09:00 ウンコ 最終回 http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000703.html ここ最近のあたしは、とても穏やかな毎日を送っている。そこそこ仕事は忙しく、仕事がないときは趣味の模型作りに没頭し。ま、つまり、ほとんど家から出なかったってことなんだけど。外へ出るのは、編集者との打ち合わせと、たま〜に、友人と酒を飲んだりするのみ。とはいえ家にこもっていても穏やかではいられない出来事は起きる。テレビをつければ、タイゾー議員が「一家のあるじの命は太陽よりも重い」とか、相変わらず意味わからないこと言ってるし、しかしそれよりも、彼の発言に対して誰も突っ込まないことの方がストレスになる。新聞を開けば絶望的なことしか書いていないようだし、それなのに午後6時台の(主婦向け?)ニュースはとてもぬるい。確かにデカ盛り特集とか、つい見ちゃうんだけどさ。それでも、この、狭い2Kの部屋に閉じこもっている限り、世界はとても平和なのだった。 しかし、油断大敵である。先日、あたしは友人の結婚披露パーティーに出席した。友人や同僚のみを招いた、おしゃれなレストランウエディング。あたしは、新郎側の友人だった。彼とは、幼稚園と小学校が一緒の幼なじみで、とはいえ成人してからは年に一度会うかどうかというような仲だった。一緒に呼ばれた女ともだちと、「なんであたしらまで呼ばれたんだろうねー」とつぶやいてしまうような、その程度の友人。彼は、我々の間では、「マザコン」として有名だった。小学校の頃、彼のお母さんは教育ママで、息子にはテレビもマンガもほとんど見せず、付きっきりで勉強を見ていたという。彼は、親の期待通り有名私立中学に進み、早稲田大学に合格し、一流企業に入り、結構稼いでいるらしい。お母さんの自慢の息子だ。そんな彼が、お母さんが最も反対しそうな、「年上、バツイチ、子持ち」の女性と結婚したというのだ(実際もめたらしいが)。彼の「ママ離れ」を、祝福してやらねば!と、あたしはパーティーに出かけたのである。もちろん、野次馬的に、彼の妻を見たかったってのもあったんだけどね…。 パーティーは、予想を裏切らない展開で進行する。上司の挨拶(ちょっとしたユーモア付き)、ビンゴゲーム大会、そして、新郎側の友人が制作した、二人の生い立ちを追ったスライドショー。スクリーンには、彼の子供時代、中学時代、高校時代の写真が順番に映る。そして、大学のサークル仲間との写真。写真自体は、よくあるスナップショットだ。しかし、そこに付けられていたキャプションは…「スーフリ時代」。 一応断っておくが、もちろん、彼は、スーフリ出身などではない。また、女の子を酔わせてレイプした過去もない(たぶん)。ただ、彼が早稲田大学出身だったからというだけの、それだけの「ギャグ」だ。そのギャグに彼の友人たちは大爆笑。一方あたしは…会場の隅で固まっていた。新婦や、彼女の女ともだちの反応すら確かめる余裕はなかった。こういう男たちが、「痴漢えん罪はけしからん〜!」「隠すくらいならミニスカートはくな!」とか言うんだろうなあ。痴漢に遭う女たちの気持ちなど想像もしないで。あたしはこの怒りを誰にぶつけてよいものかわからず、また、怒りをぶつけてはいけない「祝福の場」の居心地の悪さを感じながら、普段は滅多に飲まない赤ワインをあおった。ああ…これだから知らない男たちの集いに参加するのはいやなんだよ…。自分の部屋で、シンプソンズのDVDでも見ながら、一人ビールでも飲んでれば、こんな思いはしなくてすんだのに…。と、心はすっかり引きこもりであった。 そんなあたしが、男と住む、ことになった。相手のことについては、ここで何を書こうが「のろけ」もしくは「いいわけ」にしか聞こえないだろうから書かない。いわゆる「同棲」を決めたのは、単純にある賃貸物件が気に入ってしまったからである(これもいいわけかな?)。あたしの部屋は、あふれる本やおもちゃで、飽和状態だった。ネットで部屋探しをするが、今の家賃から2、3万円足したところで、たいしてグレードアップはしないのである。せいぜい風呂トイレが別になるくらい。出不精なあたしは、人一倍住空間にこだわりを持つ。旅行のプランを立てる時も、まずホテル選びから始めるタイプだ。そんな中ネットで見つけた築浅4LDK。内見してみると、床や壁紙などは正直趣味に合わないが、分譲賃貸だったため、設備がものすごく良かった。しかも、あたしの大好きな街にその物件は建っていた。とはいえ、当然一人で払える家賃ではない。そこで、あたしから、「同棲」をもちかけてしまった。トイレが二つあるので掃除でもめなくていい。寝室も別にできる。と、「よかった探し」をしながら。 テレビでは、26歳で5億円の豪邸を建てたという少女漫画家が映っている。あたしは彼女のマンガをちっとも面白いと思えないが、負け犬の遠吠えでしかないのが悲しい。いつか、一人で豪邸を建てたいと思いながら、引っ越し用の段ボールを組み立てる。早まったかな〜と(きっとお互い)思わないでもないが、それでも、今より広くなる家に、どんな家具を置こうかとか、いろいろ考えるのは楽しいのであった。引っ越し先は定期借家5年。5年後、あたしはどうなっているんだろうか。 …まさか自分でも、こんな最終回のオチがつくとは思ってもいませんでしたよ。異様に力の入っている回、無理矢理2000字埋めたのがバレバレな回、いろいろあったと思いますが、読んでくれてありがとう!! では! みなさままたね〜!... minori 2006-06-12T11:17:31+09:00 ウンコ57本目「リアル男子とフェイク男子とマイ女子」 http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000661.html 以前予告した通り、今回は、東池袋の乙女ロードに続々オープンしている、女性向けコスプレカフェのレポートです!! まず伺ったのは、最近頻繁にマスコミで取り上げられている執事喫茶。店名隠したところでバレバレですが、一応伏せておきます。こちらには、某女性誌の取材で「帰宅」してまいりました! いやあ、このコラムであれこれ書いていたかいがあったってものだ。その時のルポマンガが載った雑誌はもうとっくに店頭に並んでないので、ここで詳しいレポートをしても差し支えないであろうと勝手に判断。内容が、その時のものと多少重複しておりますが、お許しください。 ウエイターは男性で、彼らはお屋敷で働く執事(またはフットマン)という設定。全員燕尾服を着てサービスしてくれます。コスプレカフェにつきものの「呼びかけ」は、予約時に「奥様」「お嬢様」「旦那様」「おぼっちゃま」の4つからチョイス可能。「ご帰宅感」を演出するために、カフェに入るときは呼び鈴を鳴らし、執事のお出迎えを待つ。内装も、男子向けメイドカフェのしょぼさに比べたら雲泥の差。偽物の暖炉や、本物の振り子時計が置かれており、なんとなく?英国のお屋敷風。内装の凝り方で言うと、メイドカフェ<執事喫茶<椿屋珈琲店て感じか(予算の差ですな)。店内はあまり広くないものの、テーブルの間隔はゆったりめ。この時はプレオープンだったので、メニューの数は限られていたのだけど、普段は「アフタヌーンティー」などもあるとか。銀食器3段重ねの、アレだ。メイドカフェのまずい飯やケーキに辟易していたのでこのこだわりは嬉しい。 あたしには「執事ファンタジー」ってないのだが、結構楽しめました。ホストクラブと違って、男子がみんな、低姿勢でね。まだ慣れていないせいもあって、ぎこちなかったりもしたけど、粗相をするたび、「失礼いたしました」って言ってくれるし。ただ、若い女子しかいないメイドカフェと違って、「執事喫茶」という設定上、やや年配の執事さんもいた。まあ、オヤジ好きって確かにいるから、これでいいのかもしれないけどさあ。でも、あたしのお気に入りは18歳のフットマンです。名前を覚えたら、呼び捨ててもいいそうな。 さて、お次はプライベートで別の店へ。こちらは、女性の店員が男装してサービスしてくれるカフェバー。お酒のメニューも豊富で、ギャルソン(店員のこと)のオリジナルカクテルなどもあるらしい。特に店の設定はないみたいだけど、ビジュアル系好き女子を意識している模様。店内の液晶テレビで、Gackt監督、Hyde主演の映画流してたし(タイトル忘れたごめん)。この店には、テーブル席とカウンター席があり、カウンターの場合は席料500円をとられるけれど、ギャルソンたちとおしゃべりができる。もちろんあたしらはカウンター席へ。店内はほぼ満席。面積は執事喫茶とそう変わらないと思うのだが、客はぎゅうぎゅう詰めに入れられている。カウンター席も隣の人と肩がぶつかりそうでいまいちくつろげない。 で、あたしたちの担当だったギャルソンですが…なんか、ホストみたいだった。一人称「俺」だし、「タメグチ」だし。他のギャルソンとはお話ししてないので、いろんなキャラがいるのかもしれんが。明朗会計で、しかも「男装」だから、ホストクラブよりも安心で気軽なんだろうけど…、ごめん、これならあたしは執事喫茶に軍配を上げます。好みの問題なのかもしれないけどね。制限時間の60分を待たずに我々は会計をすませてしまった。注文したのはカクテル一杯だけ。ギャルソンに「オメーラ帰るのはえーな!!」と言われながらそそくさと店を後にした。「男」って、FtMじゃなくても、簡単になりきれるものなのだなあ。同行者は、「う〜ん、あたしは(へテロだけど)かわいいカッコしたメイドさんの方がなぜか萌えますね〜」とのこと。 一方、メイドカフェ行ったり、自分でメイドになってみたり、いろいろやりつくしたあたしは…。「自分で、かわいい女の子の絵を描いている時」が、一番萌えるようです…。二次コンでナルシスト??うひー。というのは、こないだ、青年誌で結構ベタな男性向け女の子キャラを描いたんですが、スケジュール的にはかなりきつかったにもかかわらず、すごい、楽しかったんですわ。そのキャラクターの性格は「正統派萌えキャラ」でないとはいえ(ロリバカ女はやっぱり描けない)、絵的にはもう、フリルとか、パンツとか、乳の谷間とか、ふんだんに盛り込んでみたらもうこれが楽しくて。あたしは絵を描いてさえいれば楽しいには楽しいのだが、たとえば、柴門ふみ先生に原作を書いていただいた「北池袋かすみ荘」(6月単行本発売予定?・)の場合、正直、ペン入れ時の快感度は今回より低かった。それどころか、「美少年キャラ」であるヒデキくんがうまく美少年に描けず、苦しかった。ケータイサイトで連載している「女には向かないオンナ」は、机に向かえば物語は容易に浮かんでくるが、絵の方は物語のために描くという感じだ。今回、好きなだけ「かわいい女の子キャラ」を描いてみて、ああそうか、あたしの「マンガの神様」は、手塚治虫ではなく、高橋留美子だったのだ!!と、再確認させられたよ。あたしが読者の立場で選ぶベストワンは、インテリ向けのアートなマンガとか、こじゃれた少女マンガじゃなく、未だに「うる星やつら」だったんだ!(気づくの遅いよ…とはいえ「犬夜叉」は2巻で挫折したんだけどさ…)  あたしの描いた「萌え?」マンガは、5月6日発売のヤングジャンプ増刊漫革に載ってます。よかったらコンビニで立ち読みでもしてください。ご意見ご感想、文句などがある場合は、LPCでもいいけど、できれば編集部宛によろしく。... minori 2006-05-06T18:19:24+09:00 ウンコ56本目 今週はマンガだけだよ。 http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000648.html minori 2006-04-19T01:09:05+09:00 ウンコ55本目 新・爆食女王誕生戦! http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000635.html 先日、ついに大食い番組復活後、初の女性大会が行われた。「赤阪尊子の後継者を探せ!!」なのだそうである。しかし…大食い好きのあたしが言うのもなんであるが、そこまで、赤阪尊子さんって、全国的な有名人なんでしょうか。彼女が初めて女王の座についたのは、10年以上前。もはや、新規の視聴者を取り込む気もないのか? テレビ東京。そんなとこが好きなんだが。というわけで、あたしもそんなテレ東の姿勢に倣い、全ての読者にわかりやすい原稿は目指さないことにしました。なので、ここまでの文章の意味がさっぱりわからんちんな方は、読まない方がよいかと思われます。 しかし、結論から言ってしまうと、今回は、復活後の「大食い王決定戦」の中でも、今ひとつ面白くなかった。これは、決して女性大食い大会だからではない。これまでも女性大会で名勝負はいくつもあった(バケツプリンとか一畳チョコとか!!)。…あたしが思うに、結局、「赤阪尊子の後継者選び」というテーマをぶち上げてしまったせいなんじゃなかろうか。だって、「打倒!赤阪」って、食う量じゃないから。キャラクター込みの、大食い界のスターなんだから。赤阪尊子は。 今回の優勝候補は、2000年に行われた「全国大食い選手権」優勝者、岩田ミユキさんと、前回の「大食い王決定戦」で健闘し、最近他局の大食いコーナーでも活躍中の、ギャル曽根こと曽根奈津子さん。岩田さん、見た目だけはどんどん赤阪さんに近付いているような気がするけど、熱すぎる闘志は、古参の大食いファンの心を離れさせる。対してギャル曽根ちゃん。ちょっと前のギャルメイクに、金髪、キラキラネイルアート。好き嫌いは激しいが、嫌いな食材でも食べはじめると「超〜うま〜い!!!」と、胃の中にスルスルと入れていく。若いギャル曽根への闘志をむき出しにする岩田ミユキに比べたら、ギャル曽根の方が赤阪尊子の後継者に近いのかもしれないと思わなくもないが…。 決勝は沖縄そば大食い60分一本勝負。ここまで勝ち残ったのは、大方の予想通り、ギャル曽根ちゃん、岩田ミユキさん、そして過去の「大食い選手権」などに参加経験のある、嘉数千恵さんの三人であった。テレ東の大食いの伝統として、決勝戦は熱々の麺もの。三人は一斉においしそうな沖縄そばをすする。一杯二杯ならばまだよい。これが十杯以上ともなると、食べたものの熱で、汗が吹き出てくる(…らしい)。ギャル曽根ちゃんは、そばを食べる手を止め、何度も化粧が落ちていないかを鏡でチェックする。「つけまつげが落ちても食べないと!!」と、檄を飛ばす女王・赤阪の声は、メイクの鬼・ギャル曽根には届かない。(もちろんここで、ラーメンにメガネを落とした赤阪尊子の昔の映像が挿入される) あ〜…。つまんない。おもしろいけど、つまんないなあ。実際に食ってる量は、歴代の男性チャンピオンにも匹敵するし、ギャル曽根ちゃんも岩田さんも嘉数さんも、すごい選手だと思うんだけどね。そりゃ、女王・赤阪だって、女を捨てていた選手ではなかった。何度も結婚引退をほのめかしたり、嬉しそうにウエディングドレス着てみたりしてたもの。けどなあ! 君たちに、テレビの前でウエディングドレスのファスナーを全開にして(食べるのに苦しいから)背中をさらして食い続けた、赤阪尊子の真似が出来るかっ? ギャル曽根も、どうせそこまでテレビ映りにこだわるんだったら、賞金で整形手術にアートメイクでもしたらどうだ。そこまでやったら、赤阪尊子の後継者として、認めてやる!! って、あたしにそんな決定権はないんだが。 確かに、素人参加型番組(芸能人でないという意味でプロスポーツなども含む)は、「スター」が数人いれば、それだけで盛り上がるものだ。大食い番組も、なんとか復活したはいいが、今ひとつ面白いキャラクターが育たず、苦労しているのだろう。結局、一番赤阪尊子イズムを継承していたのは、コメンテーターとしてゲスト出演していた、現チャンピオン・山本卓弥くんだったような。イケメンなのに、天然ボケ。お願いだから、ホットドッグチャンピオン・小林尊くんみたいに、「プロフードファイター」なんか、目指さないでね。 そういえば、これまでの女性大会って、必ず「甘味大食い」だったのに、今回から食材を問わなくなったのはなぜだろう? 必ずしも「女=甘いもの好き」ではないと、ようやく世間に認知されたのかな?と、思っていたけど、たぶんそうじゃないよね〜。大食い事故以来、放映するだけで風当たりの強いこの番組。せめて、食材を「健康的」にすることで逃げたんだよね。きっと。一回戦、もずく勝負だったし。 別に、女大食いが男に負けても、おもしろければそれでいいんだけど、でも、もしも、女が男と同じ程度に、他人から美醜を問われなかったら。ひょっとしたら、もっと量を食べられる選手が多かったんじゃないだろうか。逆に拒食症だって、最近は過去のトラウマが原因とされてるけど、「やせた女が美しい」って思い込みがなかったら、少しは違っていたんじゃないのかなあ。って、毎回似たようなコメントですいません。でも、ホントにそう思うんだもの。... minori 2006-04-04T23:19:44+09:00 ウンコ54本目 コーちゃん http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000625.html 先日、日比谷の日生劇場にて、ピーター主演の「越路吹雪物語」を観てきた。劇場内では、30代のあたしですらかなりの「若者」で、客のほとんどは中高年の女性であった。そりゃそうだ。あたしにとって、越路吹雪といえば「モノマネ」。「ろくでなし」といえば、志村けん、梅垣義明。たまにテレビなどで見る越路吹雪の映像は断片的で、「ピーターのコーちゃん(越路吹雪の愛称)はそっくり!!」と言われても、いまいちピンとこないのであった。 昨年末、フジテレビが「女の一代記シリーズ」と称し、三夜連続で瀬戸内寂聴、越路吹雪、杉村晴子らの生涯をテレビドラマ化していたのを覚えているだろうか。主演女優はそれぞれ、宮沢りえ、天海祐希、米倉良子。…正直、あまり期待できるメンツではなかったのだが、このコラムのネタになるかも…というつもりで見てみたのである。この中であたしが一番楽しみにしていたのが、天海祐希演じる越路吹雪物語「愛の生涯〜この命燃え尽きるまで私は歌う〜」だった。越路吹雪を知らないとは言っても、一応、宝塚好きなんでね…。しかし…。 越路吹雪と天海祐希。どちらも元・宝塚の男役トップスター。たしかにこれ以上の配役はないと、誰もが思うだろう。ドラマの前半、天海祐希が歌う。…あら?…大丈夫…?…まあ、これは少女時代だから、これからの成長を描くのかもしれない…と思って見ていたのだが…しかし…最後まで彼女の歌には迫力がなく…。宝塚時代の天海祐希の舞台を、あたしはテレビで数本見ただけだ。だからこれはあくまであたしの主観でしかないのだが、天海祐希って、他のトップスターに比べ、歌も演技もそれほど上手い方ではなかった。ただ、いわゆる「スターのオーラ」というものを、誰よりも持った人ではあったのだが…。エンディングで流れる、越路吹雪本人の歌声と比べてしまうと、劇中の天海はあまりにも力不足であった。しかもこのドラマ、脚本もひどくてね…。「女の幸せを求めて求めて、それでも手に入らなかった女の悲劇」というような描き方なのである。あまりにもお決まりの展開(他の二話もそうでしたがね)。あたしは越路吹雪をあまり知らないけれど、でもコーちゃんはこんなじゃなかったはずだ〜!と、あたしは大評判のピーター版を見にいくことにしたのだ。 ピーターが演じる越路吹雪は、素敵だった。ふてぶてしくて、誰よりもスターで、女王様だった。そして、その物語は、公私ともに越路をサポートした、作詞家の岩谷時子(高畑淳子←うまいっ!)との関係をメインに語られていた。テレビドラマ版では、「女の幸せをつかむために」結婚した夫との確執、そして酒に溺れてゆく越路の姿も描かれていたが、舞台版には一切なし。スターに上り詰めたところで、一気に20年が経過する。ドラマ版を先に見ていたあたしには少し物足りなさも感じたが、舞台版は、「女・越路吹雪」ではなく、「スター・越路吹雪」を描こうとしたのかもしれない。ラストシーン、越路が亡くなり、岩谷が一人病室で「コーちゃん、あたし、あなたのこと、大好きだったのよ!!」と泣くシーンでは、目頭が熱くなった。隣にいた中年の女性客も泣いていた。 そして、場面は一転。真っ赤なドレスに身を包んだピーター越路のレビューが始まる。越路吹雪の名曲の数々を越路吹雪になりきってピーターは熱唱する。観客席からは「コーちゃん!!」コールが響く。ああ〜、これぞ大衆演劇。笑いあり涙ありのわかりやすい演劇に、ラストは派手派手、キラキラの衣装に歌とダンスで盛り上げて締めくくり。ふてぶてしい女の役をやるのは、どうしていつも男なのさ! 黒蜥蜴とか、いじわるばあさんとか!と、思わなくもなかったが、やっぱり、ピーターは素敵だった。 「大衆演劇」というものは、とにかくわかりやすくなくてはいけないので、ベタな展開に陥りがちである。「強い男が弱い女を守って、めでたしめでたし」みたいな。しかし、これもやりようによるよな。と、「越路吹雪物語」を見て思った。細木数子や綾乃小路きみまろを好みそうなおばちゃん達が、コーちゃんと岩谷時子の友情(愛情?)物語で泣くのだ。宝塚だって、未だに一番集客力があるのは「ベルサイユのばら」なわけだし。 ベタな物語を支持する客は確かに多い。しかし逆に言えば、ベタな物語は、作り手にとってもおそらく、楽な仕事なのである。いくつかの約束ごとをちりばめれば、簡単に物語の体裁は整う。笑いにも、泣きにも、マニュアルはあるのだ。ありきたりな男女の物語を目にするたび、「作者、楽しやがって」と、思う。あたしは、わかりやすくてベタじゃない物語を作りたいな。「芸術家ではなく、芸人でありたい」という越路吹雪の言葉が身にしみた。... minori 2006-03-23T01:15:49+09:00 ウンコ53本目 サカイ、美少年に口説かれる?? http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000612.html アンティルさんのコラムで告知済みの通り、LPC人気コラム「私はアンティル」を、私・坂井恵理がマンガ化することになりました。マンガの方のタイトルは「うで毛女子校生」です。ぶんか社「ほんとにあった笑える話」3月14日発売になります。アンケートはがきに「サカイのマンガが面白かった」と書いてどしどし編集部に送りましょう。よろしく! てゆうかお願い!! ついでに、マンガの方でPRしている「女には向かないオンナ」もよろしくね!! さて、前回の続きである。ジゴロ美少年Gとの「話し合い」の時、あたしは友人の借りているヴィラに二日間、タダで滞在させてもらっていた。前回書いた通り、ここではもう一人の美少年D(20歳)が、友人のメイドとして住み込みで働いている。ヴィラ滞在初日、あたしの友人はビザの更新のため一度インドネシアから出なければならず、日帰りでシンガポールへと旅立った。いくら一番近い外国とはいえ、帰りは深夜になる。その夜、あたしはDと彼女のヴィラで二人きりでお留守番をすることになった。 Dは、現在日本語学校へ通ってはいるが、ほとんど日本語が話せない。一方のあたしもインドネシア語は少ししか話せない。あたし、日本語ですらコミュニケーション能力低めだっつーのに、ハードル高すぎ…。しかし、何か話さねば間がもたぬ。 サカイ(以下サ)「恋人はいるの?」(…我ながらなんて陳腐な質問) D「バリ人の彼女がいたんだけど、別れてもうすぐ一年になる。僕にとって初めての恋人だったのに、彼女には他にもたくさんボーイフレンドがいたんだ。それがトラウマになって一年間彼女ができない…。(意訳)」 うわ〜っ! こいつ、かわいいなあ! と、フィリピンパブのおやじモード。 サ「夢は何?」(…さらに芸のない質問) D「日本人女性と結婚して、ガイドになること」 サ「どうして日本人なの?(まあ、金持ちだからだろうけど…)バリの女の子もかわいいじゃない」 D「バリの女の子もかわいいけど…日本人は、心が好き(直訳)」 …玉の輿狙いの日本人の女かよ!! と、心の中でツッこむ。「お金目当てじゃないのよ、彼の性格が好きなの」ってか。バリ人から見たら、どんな日本人も金持ちに見える。しかも、企業に永久就職するという考えをあまり持たない彼等は、すぐに独立したがる。日本人女性と結婚して、旅行会社を設立するバリ人男性は少なくない。若いバリ人にとって、わかりやすい成功の道なのだろう(しかし、テロの影響でつぶれている現地旅行会社も少なくないんだが…そこまでは考えが至らないみたいだ)。アニメ「オバケのQ太郎」が好きだという彼に、「ああこれ?」とQちゃんの絵を描いたりしていると、いきなり、Dが日本語でこんなことを言った。 「えりさんのえがおはどうしてそんなにあまいですか」 …どう反応して良いものかわからず、あたしの口をついて出てきた言葉は「…誰に習ったのそんな日本語」であった。だって、その時のあたしといえば、ちょっとリゾートっぽいワンピースは着ていたものの、南国の暑さで顔面は汗と油でテカテカ(もちろんすっぴん)。日本と違う水質と強い紫外線にやられ、いつもより1.5倍は爆発した髪。しかも彼との年の差は13歳。「これはくどかれているのですか、それともにほんごのべんきょうですか」…なんてもちろん言わなかったけどな。 D「えりさんいいおんな」 サ「『いい女』は、あまり良い言葉じゃないから、『かわいい』って言った方がいいよ」 やっぱりうまく返せず、サカイ日本語教室開校。相手より知性のあることを示し、優位に立つことがコミュニケーションだと勘違いしている、女慣れしてないオヤジか。あたしは。 Dはあたしの目を見つめながら、インドネシアのラブソングを歌う。日本人にすら口説かれたのなど何年も前のことで、口説き方も口説かれ方も忘れてしまった。Dはかわいいけれど、欲情はしない。しかし、これはGのジゴロトークとは違うのだと思いたい自分がいる。Dだって、あたしが日本人(=金持ち)だからちょっと突ついているだけだろうに。所詮、キャバクラとメイドカフェ程度の違いしかないのだ。これが岩井志麻子だったら押し倒しているのかなあ…でも、日本人との結婚を夢見ていて、そして元カノのヤリマンぶりに傷付いている彼を相手に、気軽にやり逃げするわけにいかないし。だいたい、彼があたしの年齢を知ったらきっと引くわ…。 …と、ここまで考えて、これが、男女逆だったら、あたしは、こんなことを思うのだろうか。と、さらに考えた。33歳のオヤジが、20歳の女の子を愛人にするなんて、…よくありそうな話ですね。日本人同士でもよくありますね。年下に引け目を感じている暇があったら、相手がハタチだろうが欲情しないと!って、オヤジと張り合ってどうすんだよ。 蚊取り線香に、ガスコンロで火をつけているDを見て、あたしは日本から持参した使い捨てライターをDにあげた。すると彼は「わたしのために?」と、日本語で嬉しそうに言った。…リアルメイドカフェだ…(彼はメイドさんなので)。対等な一対一の関係などどこにもないのは知っているけど、あたしは結局男たちがやっていることの裏返しをしたいだけなんだろうか。ああ、「そんなんじゃないよ! 彼の素直な性格が好きなの!」とか、本気で言えちゃうくらい思い込めたら楽なのに。... minori 2006-03-09T01:25:54+09:00 ウンコ53本目 サカイ、美少年に逆ギレされる。 http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000601.html 前回の原稿は、紀子さんご懐妊報道の中、あほなメイド服ネタで、なかなかマヌケだったことでしょう。と、いうのも、前回の原稿は書き貯めしたものだったからなんですね。あたし、一月末から二週間ほど、バリ島で一人旅していたのです。 去年の10月。バリ島でテロがあった直後の原稿で、あたしは友人とのバリ旅に行くか行くまいかとか悩んでいたのだけど、あの時は結局キャンセルしたのでした。友人が親に反対されてね。彼女の親の気持ちも分かるし、それを押し切ってまで行く所でもないから。だったら一人で長期で行っちゃえ!! と、格安チケットで滞在できる目一杯までバリで遊んでくることにしたのだった。もちろん、テロに巻き込まれることも覚悟の上だ。 あたしはバリが好きだが、「どこが好きなの?」と聞かれて、「全部!」と言いきっちゃうほどの楽園だとは思っていない。バリ好きの日本人全てと気が合うとも思わない。二週間も行ってれば、トラブルの一つや二つはあるもので。 今回の旅は、基本的には一人旅だったのだが、バリで仕事をしているある日本人女性に結構お世話になった。彼女は、これから旅行代理店をやるつもりでいて、そこの目玉に「女王様ツアー」というものを考えているという。普通、海外で日本語のできるガイドを頼む場合、ガイドの容姿など選べない。しかし、「女王様ツアー」では、イケメンのガイドを用意するという。そこで、彼女が目を付けているガイドを、テストとしてあたしに一日使ってみてくれないかと提案された。 紹介されたバリ人の男の子Gは、たしかにかわいかった。日本人が好きそうな顔だし、日本語もペラペラだ。が、しかし…あたしはなぜかこの時「でも、あたしのタイプと違う…」と、思った。そこで、あたしの友人がメイドとして雇っているDを指差し、「こっちの子もかわいいじゃない」と言った。Dは日本語はあまりできないし、スタイルもG程よくはなかったのだが…。この直感は、後に正しかったことが判明する…。「じゃあ、二人とも連れて行っていいよ!」との彼女の申し出に甘え、あたしは両手に花状態で、女王様ツアーを開始した。バリでは基本的にTシャツ・短パン姿のあたしだが、この日のために前日、女王様っぽいリゾートドレスまで買ってしまった…(コスプレから入るタチなもので。でもすっぴんだけど…)。 あたしの希望で見て回りたい場所にいろいろ連れて行ってもらう。あたしは英語もインドネシア語も片言しかできないので、会話は日本語ができるGについ頼ってしまう。しかし…Gの会話のはしばしに「ジゴロ」っぽい安〜いくどき文句が混じるのである…。「一人で泊まるの寂しいでしょ? Hしないからお部屋に行ってもいい?」「今度デートしようね。携帯に電話ちょうだい!」しまいには車中で「いとしのエリー」を歌ってくれた…(これ、日本でもあたしに明らかに気のない男からよくやられるんだが、反応に困る)。彼がこれを、「サービス」としてやっているのはわかった。だからあたしも、「そうだねー。今度デートしようねー。」と、適当に相づちを打っていた。ちょっとうざかったが、たいして怒る気にもならなかったのだ。彼の人柄だろうか。 聞くとGは、普段フリーでガイドをしていて、そのほとんどは日本人のホステスさんなのだという。だからこんな会話なのかな…。しかし、あたしの友人の会社で女王様ツアーの専属ガイドになる場合、こんなトークでは困る。セクハラで訴えられたら、彼女の会社の損になってしまう。そこであたしは、女王様ツアー終了後、すべて彼女に報告した。すると彼女も怒り出し、Gを呼び出して、三人で話すことになった。 友人の部屋にやってきた彼は、とても不機嫌そうだった。そして、あたしがくどき系のトークはやめた方が良いと言うと、Gは「ワタシだってあなたと寝たくないよ!!」と、逆ギレしたのである…。「(ああいうトークをしないと)普通のガイドと同じじゃない! そんなの女王様ツアーじゃないよ!」Gは日本語がペラペラといっても、日本人のようにはもちろん話せない。インドネシア人は、人前で怒られるのを嫌がるとも聞く。分かり合うのは無理だと思ったが、ここでこっちも怒ったらいかんと、仕方なくかなり下手に出てやった。「あのね…あたしはこないだ三人でいろいろ回って、とても楽しかったの。ああいうトークが好きな人も確かにいるかもしれないけど、あれをビジネスでやったらいけないんだよ。これはクレームじゃなくて、アドバイスなの。わかる?」 すると、だんだんGも冷静になった。しかし、「あなたたちお嬢さんとは合わない。私はジゴロの世界に戻るよ。」と言って、彼女の部屋を去っていった…。「セクハラ」という「日本語」を知っていても、その意味を理解するのは難しいよな。日本人の男だってほとんど理解してないのに。日本の状況を思い浮か べ、正直なだけ、まだGの方がマシかもしれないとも思った。 Gは、もともと髪を金色に染め、ピアスに入れ墨、ビーチやクラブでナンパしまくるような、今時の「ジゴロ」だったのだという。それをあたしの友人が、「あなたは本当は頭がいいのにもったいない!!」と、髪を黒く染めさせ、彼女の仕事でガイドをする時は、長そでのシャツを着せ、一か月かけて改造していたらしいのだ…。それなのにたった一日で、彼はジゴロの世界に戻って行ってしまった。ヤンキーの魂、百までだからね…。 友人が言う。「でもGだってずっと若くてかわいいわけじゃないんだから、いつまでもホステスさんの客が付くと思ったら大間違いよねえ」結局、女王様ツアーは客にもいろいろ好みがあるだろうし、難しいだろうということになった。あたしはもう一人の美少年、Dを育てたらいいと思ったのだが。Dの話はまた来週。... sakamoto 2006-02-22T13:07:04+09:00 ウンコ52本目 メイド体験 http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000588.html 「オスカルのコスプレがうらやましかったです!」というメールを読者からいただいたので(ありがとう?)、調子に乗ってコスプレ企画第二弾だ。なんと! メイドさんになってきました〜!!!! …ごめんなさい、イタイですか? あたし…。 秋葉原の某メイドリフレ(オーナーは女性)での、お嬢様限定サービスである。そこの制服でもあるメイド服をレンタルし、着ることができるのだ。一時間5000円なり。同行者は、前回アキバたらい回しツアーに付き合ってくれた女性編集者。彼女は「サイズあるかなあ〜?」としきりに心配していたが、スカートのウエストがゴムだったので余裕だった。トイレという名の更衣室でメイド服に着替える。店員のメイドさんたちにやたらハイウエストなエプロンのリボンを結んでもらい、撮影会、開始! 本当はそんなサービスはないのだが、メイドさんたちは我々が持参したカメラで、メイド姿の二人を何枚も撮ってくれた。ちょうどリフレの客もいなかったので、店内には女しかいない。ノリは女子校。みんな同じ制服着てるしな。「もっと目を見開いて!」「あっ!これ今日のベストショット!」「萌え〜?」とか騒ぎながらの撮影会は正直楽しかった。 残り時間は30分、我々は勇気を出して、外出することにした。どこに行こうかと迷っていると、メイドさんから「ここから歩いて五分くらいのところに神田明神がありますよ!」との提案。「それだ!」我々は履きなれない10センチヒールのストラップシューズを履き(これもレンタル)、神田明神へと向かった。 秋葉原では、路上でもたくさんメイドさんが見られる。競争相手も多い業界なので、みな、外でビラ配りをしているからだ。だから、我々も町へ出たところでそれほど注目は浴びないだろうと思っていたのだが…甘かった。アキバゾーンを抜けて神田明神への道を渡ると、いわゆる「アキバ系」男子などいないのだ。OLにサラリーマン、神田明神への参拝客(中高年率ほぼ100%)がみな、我々二人を見ている。その視線に遠慮はない。こんなことは生まれて初めての経験である。ちょっとブサイクな女の子が(失礼)、ゴスロリとかにはまっちゃう気持ちが、少しだけわかったような気がした。コンサバ服着た美人より、目立つ服装しているブスの方が、絶対注目されるもんね。モテるかどうかは別ですが…。 平日の午後、神田明神に人はまばら。しかし、だからこそ我々の存在は目立つ。コートを脱ぎ捨て、境内のど真ん中で撮影。二人で作り出したキャラクター、「メイド女王様」という設定でポーズをとる。「モデルガンとか持ちたかったっすね」「あ〜たしかに〜」メイド服と神社。この取り合わせが妙におもしろい。神社という異空間に、さらに異次元の生物がいるんだもの。宮司さんにも見られたが、別に裸になっているわけじゃないので、何も言われなかった。我々は嫌がらせのように本物の巫女さんに声をかけ、おみくじを引いた。中吉だった。 リフレ店に戻り、着替えてメイド体験終了。高揚した気分のまま、お茶を飲みにメイドカフェへ。ここはよくテレビでも取り上げられている店で、平日でも混雑している。ここ最近アキバめぐりをしてみて、気付いた。もはやメイドカフェの客の半分は、「オタク」ではない。自分は「フツー」だと思っている人たちだ。「電車男」のヒットや、日本製アニメの輸出などにより、「オタク」の地位が上がったなんて、嘘だ。みんな、ちょっとフツーじゃない言動をする彼等を、おもしろがって観察しているだけだ。以前の原稿にも書いたように、たぶん、あたしもその一人なのだ。しかし、オタク側はオタク側で、「フツー」の人たちの視線を意識した上で、「オタク」パフォーマンスを見せてあげているような(ただし決して演じているわけではないと思うが)、そんなねじれた現象すら見えてくる。あたしたちも、メイド服着て「フツー」の人から注目を浴びるの、楽しかったもんなあ。 宮崎勤について語られるとき、必ず出てくるものに「彼は本当はおたくではない。あの『おたく像』は、マスコミによってねつ造されていたものだ。だからおたくを犯罪者予備軍のように言うのは間違っている。」というのが、ある。まあ、そうだろう。全ての凶悪犯罪者のうち、「オタク」が起こしたものよりも、「フツー」の男が起こした犯罪の方が多いのは確かだろうし、ロリコン犯罪だけで見ても、必ずしもアニメファンばかりが幼女を襲っているとも思えない。ただ、「オタク」は「フツー」の人よりキャラ立ちしていることが多いので、ニュースにもしやすいのだろう。 だから、だからこそあたしも、ついつい「オタク」と呼ばれる人たちに肩入れしちゃうんだけど(自分が「オタク」だからではない。あたしは「オタク」になりきれなかったつまらない人間だ)、でもやっぱ、ロリコンに開き直られるのは大変不愉快なのである。「オタク」でない自分を確認するためにメイドカフェに行く「フツー」の男たちも、「若い女の子が御主人様にかしずく」という構造自体に嫌悪感などないだろう。ああ、「オタク」男も「フツー」男も図々しいよなあ。その図々しさをなかったことにしてロリコン犯罪を語っている限り、何も変わらないと思うよ。 もうそろそろ、アキバめぐりも卒業かな。と、思う。だって、3月に女子向けの「執事カフェ」が、東池袋にオープンするという情報が入ったのだもの! オープンしたらもちろん行ってみて、レポするから待っててね! ... minori 2006-02-08T04:16:41+09:00 ウンコ51本目 二人の教祖様 http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000582.html なんとなく、なのだけど、起こした事件に差があるのは分かっているし、だからあくまで「イメージ」でしかないのだけど、ライブドア事件を報道するテレビを見ていて思ったのは、「ライブドアって、オウム真理教みたい」ってことだった。 こ汚く、ブサイクでデブで長髪(オンザエッジ時代)の社長(教祖)。その脇を固める、社長(教祖)よりはこぎれいな男の幹部たち。社長(教祖)よりは女にモテそうな感じ。そして、美人広報。さらに、キーマンの死亡。 ヒューザーみたいな昔ながらの日本企業(不正をしているかどうかは別として、体質的には似たようなもんだろう)に嫌悪感を持つ人にとって、ライブドアは正反対の企業に見えただろう。なんか、よくわからないけど新しいことやってくれそう。くだらない人脈がらみでは仕事しなそうだし、社員旅行とか、無駄なことはしなさそうだし。みたいな。 オウム真理教の女性信者の中には、男女共同参画と口では言いながら、何も変わらない日本の男社会に絶望し、入信した人もいると聞く。オウムの教義の中には「禁欲」というのもあったらしいから、一部の女性信者にとって、オウム真理教はとても居心地が良かったのだそうだ。とはいえ、美人の女性信者は教祖にやられてたわけだが。自分が嫌っていた世界から逃げ出したはずが、結局たいして変わらない場所に移動しただけだったのね。しかし、「愛」というものが存在しない世界は、以前いたところよりはマシだったのかもしれない。教祖への「信仰」もまた、「愛」のようなものだと気付きさえしなければ良いのだ。化粧は罪であろうし、男に媚びる女より、修行をまじめにやる信者の方が格が上だと思い込むこともできただろう。(とはいえ、男性信者のサポートとかはやらされてそうだけど…) 少し前に、オウム真理教のドキュメンタリー映画「A2」を見た。オウム信者の様子だけではなく、「オウムは出て行け!」と叫ぶ地元住民の姿が淡々と映し出される。地方の小さい施設の信者と、地元住民のほのぼのとした交流はあるものの、たいていはただ「出て行け」と叫ぶのみである。 「地元住民のように、ただ出て行けと言うのでは信者も行き場所がなくなる」と、もっともなことを言う右翼団体も登場する。とはいえ、彼等は拡声器や外宣カーで「オウムは解散しろー!」と大音量でがなり、オウムよりももっとご近所迷惑である。地元住民だって、「オウム出て行け」と看板に書けても、「右翼出て行け」とは恐くてとても書けないだろう。 さらに、ウソばっかり書き立てるマスコミ。融通の利かない警察。こんなのを毎日相手にしていたら、信者たちは「現世」になど、戻りたくなくなるだろう。信者たちがそれ以外の人間とニコニコ接しながらも、彼らをバカにしているのがよくわかる。 ここ数日、テレビではライブドアの忘年会の映像が繰り返し繰り返し流されている。コスプレや裸で歌い踊るホリエモンと幹部たち。これ、ニュースで流すような映像かなあ。この忘年会の四時間前に、株式総会で泣いていた映像とセットだからって、だまされないぞ。自分をたたえる歌を作らせ、へたくそな踊りを踊るホリエモンを見て、我々は笑う。オウム真理教の「ショーコーのうた」を思い出す。オウムのときはワイドショーが報道ぶっていたが、今回は報道番組が堂々とワイドショーレベルの娯楽を我々に提供してくれる。 さらに、ホリエモンが逮捕された日の夜、一部の局は通常の番組内容を変更して、特別番組でライブドア事件を追いかけていた。…え〜と、むずかしいことはわかりませんが、ホリエモン逮捕って、そこまでの事件なんでしょうか。結局、視聴率が取れそうだからでしょう? そんなだからホリエモンたちになめられて、つけあがられるんだよ。ライブドアとオウム、両者は組織の人間たちが似ているだけではなく、それを報道する外部の反応がとてもよく似ているのだ。 民放のテレビ局が視聴率よりも大事にしているものはスポンサーである。スポンサーが気に入らない番組は、たとえ視聴率が高くても内容が変更されたり、打ち切りになったりする。「客よりも株主を大事にするのはおかしい」って、どの口が言うのさ?(あたしは「リチャードホール」突然の打ち切り、今でも許してないからね〜、フジテレビ〜。早くシャレ山紀信とか汗のマークとかDVDに入れてくれ〜。つーか、深夜枠でいいから復活しろ〜) あたしたちの周りで、「愛さえあれば他に何もいらない」と言い張る人間は確かにいるが、実際に他人から見て幸せそうな人間は少ない。汗水たらさないで金を稼いでいる奴は昔からいた。ホリエモンへのインタビューで、「そろそろご結婚は…」なんてバカな質問して、「結婚すると、何かいいことあるんですか?」って切り返されて、何も答えられないような記者に、ホリエモンを「金儲けしか考えてない」なんて言う資格、ないでしょ。 ホリエモンが総裁選に立候補したとき、彼に握手を求め、名刺をねだった「善良な市民たち」は、今、どんな思いでこの報道を見ているのか。彼等が見ているテレビの横には、小泉純一郎ポスターが貼ってあったりするのだろうか。 まあとにかく、ホリエモンのブログにわざわざ批判を寄せる人も、激励する人も、あたしはどっちとも気が合わないだろうなあと思う。... minori 2006-02-02T13:55:02+09:00 ウンコ51本目 二人の教祖様 http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000581.html なんとなく、なのだけど、起こした事件に差があるのは分かっているし、だからあくまで「イメージ」でしかないのだけど、ライブドア事件を報道するテレビを見ていて思ったのは、「ライブドアって、オウム真理教みたい」ってことだった。 こ汚く、ブサイクでデブで長髪(オンザエッジ時代)の社長(教祖)。その脇を固める、社長(教祖)よりはこぎれいな男の幹部たち。社長(教祖)よりは女にモテそうな感じ。そして、美人広報。さらに、キーマンの死亡。 ヒューザーみたいな昔ながらの日本企業(不正をしているかどうかは別として、体質的には似たようなもんだろう)に嫌悪感を持つ人にとって、ライブドアは正反対の企業に見えただろう。なんか、よくわからないけど新しいことやってくれそう。くだらない人脈がらみでは仕事しなそうだし、社員旅行とか、無駄なことはしなさそうだし。みたいな。 オウム真理教の女性信者の中には、男女共同参画と口では言いながら、何も変わらない日本の男社会に絶望し、入信した人もいると聞く。オウムの教義の中には「禁欲」というのもあったらしいから、一部の女性信者にとって、オウム真理教はとても居心地が良かったのだそうだ。とはいえ、美人の女性信者は教祖にやられてたわけだが。自分が嫌っていた世界から逃げ出したはずが、結局たいして変わらない場所に移動しただけだったのね。しかし、「愛」というものが存在しない世界は、以前いたところよりはマシだったのかもしれない。教祖への「信仰」もまた、「愛」のようなものだと気付きさえしなければ良いのだ。化粧は罪であろうし、男に媚びる女より、修行をまじめにやる信者の方が格が上だと思い込むこともできただろう。(とはいえ、男性信者のサポートとかはやらされてそうだけど…) 少し前に、オウム真理教のドキュメンタリー映画「A2」を見た。オウム信者の様子だけではなく、「オウムは出て行け!」と叫ぶ地元住民の姿が淡々と映し出される。地方の小さい施設の信者と、地元住民のほのぼのとした交流はあるものの、たいていはただ「出て行け」と叫ぶのみである。 「地元住民のように、ただ出て行けと言うのでは信者も行き場所がなくなる」と、もっともなことを言う右翼団体も登場する。とはいえ、彼等は拡声器や外宣カーで「オウムは解散しろー!」と大音量でがなり、オウムよりももっとご近所迷惑である。地元住民だって、「オウム出て行け」と看板に書けても、「右翼出て行け」とは恐くてとても書けないだろう。 さらに、ウソばっかり書き立てるマスコミ。融通の利かない警察。こんなのを毎日相手にしていたら、信者たちは「現世」になど、戻りたくなくなるだろう。信者たちがそれ以外の人間とニコニコ接しながらも、彼らをバカにしているのがよくわかる。 ここ数日、テレビではライブドアの忘年会の映像が繰り返し繰り返し流されている。コスプレや裸で歌い踊るホリエモンと幹部たち。これ、ニュースで流すような映像かなあ。この忘年会の四時間前に、株式総会で泣いていた映像とセットだからって、だまされないぞ。自分をたたえる歌を作らせ、へたくそな踊りを踊るホリエモンを見て、我々は笑う。オウム真理教の「ショーコーのうた」を思い出す。オウムのときはワイドショーが報道ぶっていたが、今回は報道番組が堂々とワイドショーレベルの娯楽を我々に提供してくれる。 さらに、ホリエモンが逮捕された日の夜、一部の局は通常の番組内容を変更して、特別番組でライブドア事件を追いかけていた。…え〜と、むずかしいことはわかりませんが、ホリエモン逮捕って、そこまでの事件なんでしょうか。結局、視聴率が取れそうだからでしょう? そんなだからホリエモンたちになめられて、つけあがられるんだよ。ライブドアとオウム、両者は組織の人間たちが似ているだけではなく、それを報道する外部の反応がとてもよく似ているのだ。 民放のテレビ局が視聴率よりも大事にしているものはスポンサーである。スポンサーが気に入らない番組は、たとえ視聴率が高くても内容が変更されたり、打ち切りになったりする。「客よりも株主を大事にするのはおかしい」って、どの口が言うのさ?(あたしは「リチャードホール」突然の打ち切り、今でも許してないからね〜、フジテレビ〜。早くシャレ山紀信とか汗のマークとかDVDに入れてくれ〜。つーか、深夜枠でいいから復活しろ〜) あたしたちの周りで、「愛さえあれば他に何もいらない」と言い張る人間は確かにいるが、実際に他人から見て幸せそうな人間は少ない。汗水たらさないで金を稼いでいる奴は昔からいた。ホリエモンへのインタビューで、「そろそろご結婚は…」なんてバカな質問して、「結婚すると、何かいいことあるんですか?」って切り返されて、何も答えられないような記者に、ホリエモンを「金儲けしか考えてない」なんて言う資格、ないでしょ。 ホリエモンが総裁選に立候補したとき、彼に握手を求め、名刺をねだった「善良な市民たち」は、今、どんな思いでこの報道を見ているのか。彼等が見ているテレビの横には、小泉純一郎ポスターが貼ってあったりするのだろうか。 まあとにかく、ホリエモンのブログにわざわざ批判を寄せる人も、激励する人も、あたしはどっちとも気が合わないだろうなあと思う。... minori 2006-02-02T13:52:52+09:00 ウンコ50本目 超今さらなのですが http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000562.html みなさまはどのような年末年始をお過ごしになりましたでしょうか? あたしは、年末に一挙再放送していたドラマ「女王の教室」を、二日間かけて一気に見てしまいました。本放送の時から気になっていて、数回見たこともあったのだけど、どうも土曜の夜という時間帯のせいか見逃していたドラマでした。ほんとに超今さらなんですけど(だいたい新年早々去年の話するなよなあ)、このドラマについて思ったことを書かせて下され。たぶんいろんなところで議論し尽くされたネタなんだろうけど。 「この物語は、悪魔のような鬼教師に小学6年の子供たちが戦いを挑んだ、一年間の記録」という冒頭のナレーション通り、6年3組の担任・阿久津真矢(天海祐希)は、今時珍しい鬼教師。テストの成績が最下位の生徒二人を代表委員に任命し、クラスの雑用(給食当番・掃除・ペットの世話など)をすべてその二人にさせたり、夏休みも登校させ、ポイント制による評価で班ごとに成績を競わさせたり。また、彼女に逆らおうとする生徒には容赦なく、生徒全員の弱みを握り、生徒の一人にスパイ活動をさせたりもする。 しかし、最初は真矢を恐れるあまり言いなりになっていた生徒たちが、徐々に反発しはじめる。そして、真矢に対抗するには彼女に弱みを見せてはならないと、勉強もさぼらず、遅刻もせず、給食も残さず、同級生や親との関係にも逃げずに向き合うようになる。事実、真矢のクラスはいつのまにか、成績面でも、生活態度でも、他のクラスから抜きん出て優れていた。そして彼等は気付くのだ。先生は、自分が悪者になってでも、自分を乗り越え、現実社会で生き延びるすべを身に付けさせようとしてくれたのだと。先生は、自分達を確かに監視していた。しかし、それは生徒たちを守るためであったのだ。 確かに、真矢には名言!と身悶えするようなセリフも多い。またそれを天海祐希に言われた日にゃあって話だ。 『他人のせいにばかりしてないで、自分の人生の責任くらい自分で取りなさい!』 『勉強は、「しなきゃいけないもの」ではなく、「したいと思うもの」です!』 『好奇心をなくした人間は、人間ではありません。サル以下です!』 (すべてあたしの記憶なので、一部正確ではないかもしれません) また、彼女が前の学校を辞めさせられた理由もいい。大人がこれを言えば黙るということを知った上で「どうして人を殺しちゃいけないんですか?」と、質問した生徒を、ボコボコに殴ったというのだ。あたしも何度も、「真矢! あんたは正しいよ!」と、引きずられそうになった。いや、正しくないにしろ、真矢は、物語の敵役として完璧だと思ったのだ。しかし。 一人の生徒が真矢に意見を述べ、他の生徒がそれに同調し、一人ずつ椅子から立ち上がるシーンがある(学園ドラマによくあるパターンですな)。最初はバラバラだった生徒たちが一致団結して、最後には生徒全員が真矢に反乱を起こすのである。けど、最初に立ち上がった生徒と、最後に立ち上がった生徒の意見が、「同じ」と言えるだろうか? 最後に立った生徒は、ひょっとしたら「真矢が正しい」って、思ってたのかもよ? そしてクライマックスになると逆に、「真矢は本当はいい先生だったんじゃないかな?」と、これまた一致団結して彼女との別れを惜しむのであるが、生徒の中の数人は、「やっぱり真矢のやり方は好きじゃない」と、思っていたかもしれない。でも、狭い教室で「1人対23人」のような形になったら、そんなこととても言い出せないだろう。つまり、彼等は何も変わっちゃいないんじゃない? 成績やマナーは向上しても、仲間はずれにされる恐怖は克服していない。それも自らの意志で、彼等は喜んで長いものに巻かれるのだ。それこそ真矢の言う「思考停止」じゃないのかなあ。 イメージできる?(真矢の口癖の一つ) にこりともせず授業をし、出来の悪い生徒には容赦なく罰を与える教師に習う日々を。テレビドラマは週一回、一時間だけの放送で、授業風景はそのうち5〜10分。しかし、これが現実だったら、週5日(ひょっとしたら7日)、朝から夕方まで彼女の授業を受けなければならない。そんな授業を、受けたいか? 本当に? たとえば、真矢のクラスに障がい者が一人でもいたら、この授業は成立したか? 最終話、真矢の生徒への虐待が問題になり、彼女は教職を離れることになる。しかし、生徒たちは心の中で真矢を慕い、他の教師の授業でもおとなしく受け続ける。教師の質問に、生徒たちは全員垂直に腕を上げ、指されるのを待つ。…北朝鮮? 校内で恋人と携帯電話で話す女性教師に向かって真矢は冷たく言い放つ。 『あなたみたいな女がいるから、「女性はいざとなったら結婚してやめられるからいいですね」って言われるのよ!』 たしかに、あたしも他の女性に対してこう思ったことは、何度もある。でも、電話くらいいいじゃんか。真矢はほとんど食事も睡眠も取らず、生徒たちのために生きている。自分のプライベートなどない。そのせいで倒れたこともある。親ですら完璧ではないことを示しながらこのドラマは、教師には完璧さを求めるのだ。それではこの先、教師のなり手はロリコンだけになるだろう。 ゆるいドラマよりは全然面白かったけど、結局どんな学園ドラマも、オチが必ず「金八」になっちゃうのね。金八を本気で尊敬する教師って実在するから、真矢に共感してなりきっちゃう教師が出てこないことを本気で願う。... minori 2006-01-09T17:12:35+09:00 ウンコ49本目 「コスプレ王選手権」とか。 http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000558.html いや〜、やっぱ、テレビ東京って、すごい。って、関東在住者以外には不親切きわまりない出だしで申し訳ないが、まあ、ほんのちょっと制作費が高いケーブルテレビ局と思っていただければ間違いない。他の民放が、とにかく視聴率をとるためにゆる〜いクイズ番組や、きつ〜い細木数子なんかを放送している中、テレ東は、「どうせ民放にはかなわないから」と、NHKとはまったく逆のベクトルで視聴率にこだわらない、趣味に走った番組ばかりを作る放送局なのだ。(テレ東でヒットした番組はもれなく他の民放にパクられる運命にありますが、テレ東がその逆をやると、たいていコケます) で、このコラムでも何度か書いているけれど、あたしはそんなテレ東の番組の中でも、「TVチャンピオン」が、ダントツで、好き(ただし司会の田中義剛を除く。最近義剛のファッション、胸が開きぎみでさらにイヤ)。全地上波の番組の中でも一番好きかもしれない。ただ、最近制作会社だかスポンサーが変わったとかで、以前のようなバカ企画(汗かき王選手権など)が減ったかわりに、子供を出場させたり(小学生料理王とか)、つまんない企画も増えてはいたのだ。でも!! ここんところのテレチャンはすごい! 「アキバ王選手権」に続き、先々週は「コスプレ王選手権」だもの! もちろんその背景には「電車男」のヒットなどがあるのだろうが、映画やドラマの「電車男」が、「リアル電車男」の実像をなかったことにし、うまくデコレーションすることでヒットしたのに対して、こちらは、「リアル電車男」をテレビに登場させちゃったんだから、おもしろくないわけがない!  …と、ここまで書いて、ちょっと一息。よのなか。というものを見回してみる。あたしのまわり(マンガ関係者や、性格的にちょっとオタク入った人たち)以外って、あんまり、「TVチャンピオン」とか、見ないものなんですってね。つーか、見ても、面白いと思わないんですってね。テレビ欄を見る時、教育テレビとテレビ東京はチェックしない人ってのも、結構いるらしい。ひょっとして、前回のメイドカフェのコラムから、読者、ドン引き?  …まあいい。勝手に話を進めさせてもらおう。「アキバ王選手権」の出場者が全員男だったのに対し、今回の「コスプレ王選手権」は、選手5人中、4人が女。まあ、よりアニメキャラに近く、美しく装えるのは実際、女の方が多いんだろうけどね。と、いうより、露出が多かったりすると、視聴率も期待できるってことなんだろうけどね。…しかし、司会者自らが「ゴールデンタイムで放送できるギリギリです!」というだけあって、「アキバ王」に負けず劣らず、濃ゆ〜い番組であった。まず、コスプレの元ネタがほとんどわからない! あたしは最近のアニメに詳しくないけれど、それでもまだ知っている方なはずだから、あたしがわからないってことは、お茶の間のみなさんは完全に置いてきぼりだろう。どんなに露出が高くても、そんなキャラになりきる女たちに萌えられるのは、やっぱ、アキバ系だけだ。お茶の間のお父さんはついていけない。きれいな女キャラだけじゃなく、「稲中卓球部」の井沢(ブサ男)のコスしてた選手もいたしなあ。そして、ただ一人の男性レイヤーは、「女装専門」。もちろん、イケメンでもなんでもない。小太りなブサ男である。それでも、彼は、自分の愛する美少女キャラの服に身を包み、キャラになりきる。彼はゲイではない。同じくコスプレイヤーの妻がいるのだ。テレビであんなに幸せそうなカップルを見たのはヤワラ&谷以来だろうか。 一回戦は、コスプレ関連のクイズ(これもIQサプリとは違い、お茶の間には超難問)であった。そして、二回戦は、「だるまさんがころんだ」の、コスプレ版、「レイヤーさんがころんだ」、である。鬼役は、「チビで痛いお笑い」の座を、最近猫ひろしに奪われたなべやかん。ドリフのような鬼のコスプレさせられて、与えられたセリフは「レイヤーさんがこ〜ろんだ!」のみ。選手たちは途中で生着替えをし、ポーズをとりながら、そして、キモオタさんたちに撮影されながら、なべやかんのいるゴールを目指す。「日本って、平和」って言葉は、こうゆう時に使うの? ねえ。 ああ…読者が離れてゆくのが見えるよ…。まあ、確かに、このサイトを訪れるような方々は、「メイド萌え〜」とか言ってるブサイク男なんか、視界にも入れたくないだろう。そして、そんな男たちの前でポーズをとる、コスプレイヤーの女の子にも、ひとこと言いたくなっちゃうだろう。前回のコラムにも書いた通り、あたしも、今のメイドブームをただ脳天気に楽しむことはできない。けど、あたしはそれでも、雑誌がおしゃれだよっていう服に身を包み、他人の愛を求め続ける「フツーの人」よりも、そうゆう生き方からどうしてもはずれちゃう人たちから目が離せない。純粋にヘンで面白いからってだけじゃなく(それも大いにあるけど)、「フツー」の人たちより、よっぽど人生楽しんでいるように見えるしね。お付き合いしたいか、は、また別の話だが。 「電車男」を読んでわかったことは、キモオタさんたちですら「生身の女子との恋愛」を、心のどこかで夢見ている。ということだ。あたしは彼等よりも、彼等にそんな夢を捨てさせない、「よのなか」とか、「フツー」というものの方が恐いと思うんだけどねえ。 余談ですが、フジテレビが「アキバ王選手権」の出場者を引っ張ってきて、「電車男特番」をやってました(またテレ東のおいしいとこだけ持っていきやがって…)。リアル電車男たちの生態を追っていたのだが、せっかく上がったアキバ系の株を、フジテレビ自ら下げてどーするんだ。おもしろかったけど。... minori 2005-12-22T11:39:49+09:00 ウンコ48本目 初メイド http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000547.html ワタクシ、先日、とうとう、秋葉原のメイドカフェに行ってきてしまいました! 女性編集者と二人、「取材」としゃれ込んだものの、もちろん取材でもなんでもなく、単に行きたかっただけです…。さらにメイドリフレクソロジーに小悪魔居酒屋と、アキバ萌え系フルコースでございました。 事前にいくつか行きたい店を調べてから行ったのだが、一番行きたかった店は、平日の昼間だというのに行列が! しかたなく、別の店に向かう。同行してくれた彼女、普段はクラブとかで遊んでるらしいのだが、でも、そこはやっぱりマンガの編集さん。メイドカフェが入っている雑居ビルの一階にあるガシャポン会館(フロア全てガシャポンマシーンだらけ)で、すでに引っかかっている。「やばいっすよ!」と言いながら「巨人の星」のミニフィギュアを手に入れた彼女は、さらに千円札を両替機に滑り込ませていた…。お目当てのメイドカフェはビルの最上階。途中のフィギュア屋やコスプレショップにも立ち寄りつつなので、なかなかたどり着かない。女がいるだけで注目を集める町、秋葉原。それでも、代官山とか表参道なんかより、あたしには居心地が良いのは、なぜ…? あたしたちが入ったメイドカフェは、「いらっしゃいませ! ご主人様!」の呼びかけもなく、ウエイトレスがメイド服を着ているという以外は、普通の喫茶店という感じ。BGMもアニメソングじゃなくて、普通のクラシック。ただ、感想を一言で言うと、「安い」。店のインテリアも、衣装も、すべてが安っぽい。ま、「ご主人様」たちが日頃「萌えて」いらっしゃる美少女アニメや美少女ゲームと同じような安さなので、あれでいいのかもしれないけど。もしもあたしがオーナーで、もっとお金があったら、内装はディ○ニーランドのホーンテッドマンションばりにリアルにするのに…。メイド服もベルベットとか使うのに…。アイスショコラを運んできたメイドさん、エプロン破れてたよ…。 メイドカフェでは、メイドさんが客のことを「ご主人様!」と呼ぶ。しかし、女性客の場合、「お嬢様!」と呼ばれるのである。メイドリフレクソロジー店でそう呼びかけられたので、知った。「奥様」でもないのね…。女性はいくつになっても若く見られたいからということ? あたしも「ご主人様」がよかったんだけどなあ。 普通のリフレ店では、客がリラックスして眠れるように、ほとんど話しかけたりはしない。しかし、ここはメイドリフレである。「おしゃべり」がサービスなのだ。だからといって、マッサージが下手なわけでもなかった。あたしも、バリ島で足裏マッサージ受けた時、担当者のあまりの美少年っぷりにドキドキしちゃったもんなあ。アキバさんたちもたまらんであろう。でも、ストーかにだけはならないで下さいね! ご主人様! 待合室には、「ご主人様とメイドの交換日記」なるノートがあり、自由にメッセージを書けるようにになっていた。「今度は相対性理論の話をしますよ」という客からの書き込みがあったが…ギャグ…だよね? 最後にはお茶を出してくれ、手書きの名刺をくれた。「セクハラ行為禁止!」と、至る所に貼ってあったが、確かにこりゃ、プチ風俗だわ。これで普通のリフレと値段が変わらないのだから、割に合わないのでは…と、余計な心配をしてしまう。帰り際にはお決まりの「いってらっしゃいませ! お嬢さま!」と言ってくれたしな。 最後に行った小悪魔居酒屋は、内装は場末のスナック。フードはほとんど冷凍食品。店員の女の子はデビル系(格闘ゲームのコスチュームとか)のコスプレをしているものの、キャバクラではないので特にサービスもなし。目の前でおにぎり握ってくれたり、カクテル作ってくれるくらいだ。「小悪魔」というテーマのせいか、かわいこぶったりもしない。それでも、ここも平日だというのにほぼ満員。客は特に小悪魔に話しかけるでもなく、静かに飲んでいる。あたしたちが一番小悪魔さんと話してたかも。でも、女の子たちは趣味のコスプレして、女の子だけの職場で、なんだか楽しそうだったな。女性客はやっぱり少ないらしく、よろこんでくれた。 メイドカフェのような「お遊び」に、目くじらをたてようとは思わない。メイド服はかわいいし、結構楽しかったし。二人で、「次は行列のできてた店に行きましょう! 午前中集合で!」と、誓ったくらいだ。それでも、やっぱり考えてしまうことがある。 最近、立て続けに小学生女児が殺される事件があった。おかげで防犯カメラを設置したり、親の見回りが強化される雰囲気になっている(母が専業主婦じゃないと、無理ですね)。そりゃ、変質者に殺されるのなんかごめんだ。でも、あたしが子供だったら、自分たちの行動が全て監視されるのなんか嫌だろうなあと、思う。その前に、議論するべきことはないんだろうか? 犯罪を起こさなくても、そして、オタクでもロリコンでもなくても、男女関係に上下関係を持ち込まないと興奮しない男たちは多い。そして、そういう価値観は、否定されるどころか、肯定すらされているのだ。「萌え」系のネタはどうして「メイド」や「妹」といった、最初から約束された主従関係でなければいけないのか? 昔行ったホストクラブのホストは、「やっぱり、女性に受けるのは亭主関白キャラなんですよ」と言っていた。本当に? あたしは嫌なんだけど。 秋葉原をうろつき、メイド関係の店はもう飽和状態だと感じた。あたしが提案するまでもなく、そろそろ女性向けの「ボーイズカフェ」のようなものもできるだろう。その場合、テーマはどんなものになるんだろう? 軍人カフェ? 侍カフェ? 衣装はいいけど、金払ってえばりんぼの男なんか見たくないぞ。「女」というものが存在しないボーイズラブの世界で、女の客はなんと呼ばれるんだろう? 弟カフェで「おねえさま!」とか? そもそも店員は男がいいのか? 男装した女がいいのか? 女性客限定のメイドカフェとかも個人的にはいいかも。もはや「ご主人様」たちのメイド妄想を止められないのなら、あたしたちも好き勝手な妄想しましょうよ。ステキな妄想をお持ちの女性のご主人様!よかったらメール下さいね!... minori 2005-12-07T14:18:10+09:00 ウンコ47本目 「わるぐち」 http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000535.html 少し前の話で申し訳ないが、とある少女マンガ家が、自分の作品の中で、とある超有名マンガ家の作品の一部をトレースしていたのが問題になり、その少女マンガ家の単行本がすべて絶版になる。という事件(というほどのもんではないが)が、あった。あたしは最近少女マンガをほとんど読まないので、その作家の名前も知らず、もちろん作品を読んだこともなかった。それでもあたしの周辺のマンガ関係者(マンガ家や編集者)と会うと、自然にその話題が出る。そしてみんな、口を揃えてこう言うのだった。「トレースは良くないけど、絶版は過剰反応だよねえ。」 …だよねえ。あたしだって、トレースはしないまでも、難しいポーズだったりすると、グラビア写真などを見ながら絵を描くことがある。人間の体を何も見ないで描くのは難しいんだよっ!と、開き直るつもりは全くないが、みんな、そのぐらいはやっているはずだ。 みんながやっているから、その少女マンガ家をかばおうというのではない。やっぱ、他人の作品をトレースしたのは、まずかったと思う。でも、ここまで大ごとにするほどのことか? あたしはそれよりも、これをここまで大ごとにしたネットの世界が恐くて、気持ち悪いと思ったのだ。ためしに、その作家の名前をネットで検索してみる。すると、すぐに彼女の盗作疑惑を検証しているサイトにたどり着いた。そのサイトでは、彼女の作品と、元ネタの作品を重ねあわせ、トレースしたと思われる箇所をご丁寧に赤い線で示していた。それを見れば、トレースしたのは素人目にも明らかだ。事実、作家自身もそれを認めている。この検証サイトの管理人は、一応、「正義」のつもりで検証しているのだろうと思う。しかし、その周りにぐじゃぐじゃうようよと、それをただ「面白がって」「楽しんでいる」人間が見えてしまう。…気分が悪い。 「あげ足取り」は、確かに楽しい。あたしも性格がいい方ではないから、ツッこみどころ満載なものには鼻が利くしね。ただ、その検証サイトの管理人や、その周辺の傍観者の、作家に対する粘着質な叩き方は、その作家の盗作行為よりも、よほど異常ではないのか。彼女は、自分の作品の中のバスケシーンを、他のバスケマンガをトレースして描いていた。でも、自分の想像だけでバスケシーンを描いた場合、それはそれでバスケ経験者に「この絵はオカシイ」って、言われるに決まってるのだ。 あたしは、ネットはすばらしい発明だと思うし、かなり利用している方だと思う。でも、何かを調べるのには使っても、自分が匿名で発言することはほとんどない。なにも2ちゃんねるのような場所でなくとも、ゆる〜く、あたたか〜い、ネットのルールもマナーもきちんと守った掲示板も、それはそれで気持ち悪く、入って行けないのだ。ただ、相手が知人だとわかっている場合は別だけどね。どうも、面識がない相手とやり取りをするのは苦手である。なので、このLPCの掲示板もほとんど目を通していない。たま〜にこのコラムの感想が書き込まれると、北原さんが教えてくれるので、そういう時は見に行くけど(でも毎回パスワードを忘れている)。 ただ、あたしは「2ちゃんねる的」なものを全て否定しようとは思わない。やっぱ、マスコミってきれいごとしか言わないもんねえ。世の中もそうだしねえ。フラストレーションたまるよ。…それでも、だ。あたしはこのコラムのような「公の場」で他人に対して文句をたれる時、「これは、嫉妬から出た感情ではないのか?」と、必ず確認することにしている。嫉妬から出た文句は、たとえ批評のフリしたって、単なるいちゃもんだもんね。それから、「あたしは、自己顕示欲を満足させたいだけではないのか?」と、自分に問うことも忘れないようにしたい。あたしはマンガ家になるような人間である。自己顕示欲は人一倍だ。しかし、他人を見下すような行為で一時的な優越感に浸れても、それはあたしにとって根本的な解決にならない。あたしは自分の描くマンガによって、成功したいのだ。まあ、中村うさぎさんを見ていると、人間の欲望は果てしないのかも。と思わなくもないが。 あたしは、本当に嫌いなものは、視界にすら入れない。たとえば、細木数子の番組は一切見ない。もし、ギャラが発生するテレビコラムを書けと言われたら、仕事としていい加減なことは書きたくないので、きっちり見るけどね。マンガ盗作検証サイトの管理人は、いったいどんな仕事をしている人なんだろうなあ。全く自分の得にならないことに、どうしてあんなに情熱を傾けられるのだろう。 「正義のため」と言うなら、他にもやることあるだろうに。 見ず知らずの有名人を、ど〜でもいいネタで執拗に攻撃する人に問いたい。あんた、本当はその攻撃対象みたいになりたいんじゃないの?と。それでも、「そんなことはない!」と言うならご自由に。ちなみにあたしは自分の名前で検索かけたり一切しないから、罵詈雑言、好きなだけどうぞ。って、あたしそんなに有名じゃないか。... minori 2005-11-23T01:35:20+09:00 ウンコ46本 「もう一つの復活」 http://www.lovepiececlub.com/unko/archives/000522.html 「大食い王決定戦」に続き、もう一つあたしの好きな番組が密かに復活していた。それは、「まんが日本昔ばなし」である。約10年前、裏番組の「セーラームーン」にやられてしまった長寿番組だ。それがこのたび、再放送なのだが、民放のゴールデンタイム(TBS系水曜18:55〜)で復活したのである。子供の頃このアニメを見て育った世代が親になり、自分の子供にも見せたいという声が多かったのだそうな。 ここで、ちょっとひねくれた人だと、「昔ばなしなんて、ステロタイプの『いいおじいさん』が正しい生き方をしていればいいことがありますよ。なんていうリアリティのない話だろ。そんなもん今の子供に見せても何の役にも立たん」なんてことを言うかもしれない。しかし、それは「まんが日本昔ばなし」のある一面しか知らない者の発言だと思う。 「まんが日本昔ばなし」は二本立てである。先日放送された一本目は、「ききみみ頭巾」というお話。これは、困っているキツネを助けた「いいおじいさん」が、キツネから動物の会話が理解できる頭巾をもらって、それのおかげでまた別の困っている人を助け、裕福になるという物語。典型的な「昔ばなし」である。しかし、二本目。タイトルは「キジも鳴かずば」。このお話、「まんが日本昔ばなし」のビデオシリーズにも収録されていないので、もう見られる機会もなかなかないだろうから、ちょっと長くなるが、あらすじをここに書くことにする。(あたしも仕事しながら耳だけで聞いてたので、正確でないところもあるかもしれません。ご容赦下さい) ある村に、弥平とお千代という貧しい父子がつつましく暮らしておった(常田富士夫風で)。ある日、お千代がおもーい病にかかってしまった。病床のお千代は、「小豆まんま食いてえなあ。」とうわごとのように繰り返すばかり。しかし、弥平のうちにはもう一粒の米もなかった。そこで弥平は、地主様の屋敷に忍び込み、ひとつかみの米と、小豆を盗んで、千代に小豆まんまを食べさせた。このことはすぐに地主様にもばれてしまったが、盗まれたのはほんの少しだったので、犯人探しも行われなかった。小豆まんまのおかげか、お千代の病はみるみる回復し、外で元気に遊べるようになった。お千代は小豆まんまがよほどおいしかったようで、「あーずきまんま、うーまいぞ」と自作の手毬歌を歌っていた。その年、弥平たちの住む村の川が氾濫してしまう。この村では、川の神の怒りをしずめるために人柱をたてることになっていた。例年、罪人を人柱にするのが習わしであったが、その年はたいした犯罪も起きていなかった。しかし、お千代の手毬歌がもとで、弥平の盗みがばれてしまう。村人はお千代の病も知っていたので、気の毒に思ったが、他に罪人がいなかったため、弥平は人柱として、川に沈められた。村には、お千代が父を思い泣く声が、何年も何年も響いたという。しかしある時、その声がぷっつりと途絶えた。そしてそれからお千代は、ひとことも口をきかなくなったという。お千代は娘に成長したが、その姿は村からもいつの間にか消え、村人もお千代のことを忘れていた。そんなある日、ある村人が、狩りでキジを撃ち落とした。キジが落ちたあたりに行ってみると、そこには死んだキジを抱いたお千代が立っていた。お千代はつぶやく。 「キジも鳴かずば、撃たれまいに…。」 「お、お千代、お前、しゃべれたんか!」 お千代は、自分の手毬歌が父を殺したのだと、ずっと悔やんでいたのだ。お千代はキジを抱いて再びどこかへ消えていった。 …どうですか。この話。あまりにも救いがないが、今、だからこそ、リアルに感じられないだろうか。こんなもの、逆に小さいお子さんに見せていいのか? トラウマにならないか? でも、これが、「まんが日本昔ばなし」なのであるよ。 この夏から秋にかけて、戦後60年だかなんかで、やたら戦争もののスペシャルドラマが放映されていた。それらのほとんどをろくに見てはいないが、あたしの印象としては、どれもこれも一応、「戦争の悲惨さ」を描いたものであったように思う。「戦争が、起こると、あなたの大切な人を、理不尽な理由で、失いますよ。」「戦争が、起こると、あなたは毎日のごはんすら、満足に食べられなくなりますよ。」それらのドラマからあたしが受け取ったメッセージは、だいたいこんな所だ。しかしこんな「脅し」、現在の「戦争を知らない子供たち」に、はたして有効なんだろうか? もし今後、日本が戦争(のようなもの)に参加しても、戦争に行くのは、好き好んで志願した自衛隊員だけだと思っていやしないか。また、戦争が起こったところで、今の日本が、太平洋戦争の時のように餓えるなんて、誰が思っているだろうか。視聴者が、「ほたるの墓」と、「世界の中心で、愛を叫ぶ」を、同じ悲惨さでしか受け止められないのだとしたら。それでは、どんなに「戦争もの」のドラマを放映しても、視聴者の心に訴えかけることなどできない。そんなぬるい「戦争もの」に比べて、「キジも鳴かずば」のリアルさはどうだ。「戦時中」のみ、我々は大切なものを奪われるのではない。戦時中でなくとも、権力者の都合で、あたしたちは「ことば」すら奪われてしまうのだ。再放送開始からたった三回目にこの話を選んだのはなぜだろう。スタッフの良心だと、思いたい。 けど、今の日本って、「貧乏が辛いなら、貧乏にならないようにすればいいじゃない!!」なんて雰囲気だからな。「キジも鳴かずば」なんて言った所で、話、通じないかも。みなさん、わかってますか〜。マスコミがやたら「ドラゴン桜」をもてはやすのは、大手マスコミには、東大・早稲田・慶応卒しかいないからですよ〜。 ちなみに、あたし、この「キジも鳴かずば」、数十年ぶりに見たはずなのに、ひとつだけ強烈に覚えているシーンがあった。それは…「小豆まんま食いてえなあ」って、千代が病床でつぶやくところ。「小豆まんま」がすげーおいしそうに感じたんだろうなあ。その後の千代の運命なんか、全く記憶になかった。さすがエンゲル係数の高い坂井家の娘である。つーか、子供って、そんなもんだよね…。なので、「まんが日本昔ばなし」には、どんどん悲惨な話を放映してもらいたい。「サザエさん」に未だに高視聴率取らせてる場合じゃないっすよ。... minori 2005-11-09T11:49:57+09:00