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「やばい」と思ったら精神科を予約しろ!

田房永子2019.04.10

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去年の4月、私は生まれて初めて小学生の保護者というものになった。

私はすぐにキョエエエエエエエ!! の極地に達した。特に保育園と違って出欠が気楽にできないってとこに最大のプレッシャーとストレスを感じていた。プリントのトラップ(その日のやることと持ち物が別の紙に記載されてる系)も、書類が苦手な私にとってはかなり過酷だった。しかも保育園だと先生から「お母さんこれお願いします(ちゃんとやれや)」と直接言ってもらえるが、小学校では子ども自身が恥をかいたりする。

その変化がズドーーンと私の元にやってきて、さらに下の子の保育園入園も重なっていたため、毎日こめかみの毛細血管が2000本くらい切れてた感じでビエエエエエ!!!! ってなってた。

4月10日頃、「あ、これはヤベェ、ぶっ壊れんぞ(ていうかすでにぶっ壊れてんぞ)」と思い、精神科を予約することにした。その時の私は、あえて行ったことない大きな病院の精神科を予約した。小さい個人クリニックよりは、精神科医が個性をバキバキに出してくることないかなと思って。精神科医の個性(得意分野や人間性)が必要な時もあるけど、その時の私は「今はそれいらない」と判断した。電話すると4月はすでに埋まりまくっていて、5月の前半しか取ることができなかった。だけどいちおう、5月に入ってもギンギンにやばい状態かもしんないから予約を入れた。

下の子は突発性発疹とかいろいろ併発しまくって結局4月はほとんど保育園を欠席した。上の子は絶対に遅刻、忘れ物、させられない! 下の子は連日の熱でめっちゃ苦しんでて、これ大丈夫なの?? って思って救急車呼んでいいのかどうか聞けるやつ(#7119 救急相談センター 24時間無休対応 アリガタイ!)に夜中に電話して聞いたり、そんな私にとってビエエエエ!! な4月が終わり5月に入った頃、意外とかなり、私の“このハゲーー!! ちーがーうーだーろー! ちがうだろーー!! をむやみに自分に叫ぶ心理状態”は落ち着きを取り戻していた。

5月、特に問題ない状態だったけど、予約した精神科に行くことにした。待合室で、全身を毛布にくるまっている人がいたので、元気な私なんかがこの人より先に診察の順番が来るのは悪いなと思ったけど、でもそこは勇気を持って診察を受けた。

精神科医のおじさん先生に「とにかく4月は本当に大変だった、こんなに大変だと思ってなくて、とにかく大変すぎて気が狂いそうでした」と話すと、先生は「うん、うん」と静かに聞いてくれた。話しながら、「本当に大変だったけど、今は大丈夫だなあ」と、自分が大丈夫なことを確かめることができた。「今は大丈夫です」と言うと、先生が「すごく大変だったんですね。がんばったんですね」とおだやかに言ってくれた。「薬の処方は必要ないみたいだけど、またつらくなったら話に来てくださいね」とか言ってくれちゃって、マジでなんかうれしかった。

「私、めちゃくちゃ大変だったけど乗り越えられました」って話をぜんぜん知らない初めて会った人にして「うん、うん」と聞いてもらうのって、結構必要なことだな、と思った。先生を通じて、4月の私が5月の私をねぎらってくれた感じ。それがとても自分への充足になった。自分たちが、ああ、がんばったね、って、たたえあう時間だった。その時間をとる、自分に与える、っていうことに意味があった。もしくは5月の私が4月の私を許した、とも言える。

まわりの保護者を見ると、普通のこととしてサッパリとスマートに、なんともなしにこなしているように見える。だから自分でもそういうふうに振舞わなきゃと自然に思ってしまう。そんでついつい、「6歳で小学生になるという子どもの初体験」に気を取られ、自分は大人だからたいしたことは起こっていないと思ってしまう。だけど39歳で小学生の保護者になるという初体験も、ぜんぜん当たり前じゃない充分にピンチな大事件だ。

小学新一年生の保護者は、というか4月の新生活は、「あ、やばいな」と思ったらすぐに精神科とかカウンセリング、セラピー、占いなどを予約するのがいいと思う。

私の個人的見解に基づいた、それぞれの特徴を書いておきますので、参考にならないかもしれないけど、なにかの参考にしてみてください。

【それぞれの特徴】※私の個人的見解です!

▲カウンセリング

・対面して生い立ちを聞かれることが多い。その各カウンセリングやカウンセラーの手法や考え方に基づいて「生い立ち」を解析してくれて、「あなたはこうですよ、こういう状況ですよ」と自分についてを解説してくれる。

<私がカウンセリングに行く時>

ハッキリした悩みがある時、そのテーマ(悩み)にガッツリ取り組みたい時、自分でどうにかするのがしんどくて誰かに言ってほしい時

▲セラピー

・別名、「心理療法」(例:ヒプノセラピー=催眠療法、箱庭セラピー=箱庭療法など)。

・基本的に、自分に自分のことをたずねることをセラピストに手伝ってもらうという感じ。

<私がセラピーに行く時>

もうハラハラしてどうしようもないとか、とある出来事に心が囚われている時。他人からしたら、というか、自分でもどーでもいいようなことが気になっちゃってる時。こういう時はたいてい、そのおおもとに何か別の原因が隠れていて、それにセラピーで気づくと自分がよろこんで楽しい毎日が再開することが多い。精神科だとそういう「薬が処方されないレベルだけど自分にとっては引っかかること」は話しにくいが、セラピーだと普通のこととして聞いてくれる。

<私がよく行くセラピー>

ゲシュタルトセラピー(ゲシュタルト療法)とヒプノセラピー。

▲精神科

・保険が利く。

・薬が処方される。

・なんか意外と派閥というか流派みたいなのがあるっぽい。

・ただ薬を出すだけみたいな精神科もある。それが便利な時もあるし、さみしい時もある。

<私が精神科に行く時>

眠れなくて睡眠導入剤が欲しい時。何かしらの薬の力でどうにかなんねえかな、と思う時。つまり疲れ切っちゃってるとか、医者という権威に堂々と自分の苦しみを言えるという自信がある時。(ちなみに「心療内科」は20歳くらいの時に行って、嫌な目に遭ったのでそれ以来避けている)

▲占い

・占い師がこちらの情報をもとに、こちらについてを話しまくるのを聞く。

・カウンセリングっぽい占いはあるが、セラピーの世界とは明らかに違うと私は思う。

・行きつけが何軒かあると便利。

<私が占いに行く時>

セラピーなどが予約できない時。いますぐ! 今日! 誰かに話を聞いてほしい時。いいことを言ってはげましてほしい時。信頼している占い師には、ほんとに悩んでるときに行く。

全く占いの技術がない人もたまにいて、そういう人に当たるとその人の「占い師っぽい言動やしぐさ」を関心する時間になってしまうこともある。ただ、技術はないけどただただ、パート仲間みたいに話しを延々と聞いてくれて、超一般的なアドバイスをしてくれる人とかにあたって癒されるということもあるので、あなどれない。

【依存性】

 特にセラピーと占いに関しては、「あやしい」と抵抗を感じる人が多く、その理由は「悪徳な商法にハマってしまう恐れ」を述べられることがほとんどだ。だけど、個人的にいわゆる悪徳な感じのものにほとんど会ったことがない。それよりも個人的には、知らないで「辛口」「毒舌」の占い師にあたってしまうことのほうがこわい。

 

カウンセラーやセラピストや占い師は、相性が合う合わないの問題は当然あるが、純粋に人の話を聞くのがヘタクソ、技術がまったくないのに開業してしまっている、何か勘違いをしていて逆に自分の傷をクライアントに癒してもらっている(本人無自覚)などの、「質」もかなり重要に絡んでくる。この問題を回避するのに効果的なのは、

・そこそこの金額を払う

・逆に超高額なところは選ばない

・ホームページをよく見る

 しかない。

ちなみにセラピーのだいたいの最低金額の相場は3時間で1万5000円くらいである。それを守っても「失敗」することもある。精神科医も印象としては明らかに話をぜんぜん聞いてくれない人もいるし、簡単に言ってしまうと玉石混淆である。試して歩くしかない。カウンセリングやセラピーや占い、精神科に行ってみて、自分にはまったく合わないなと思ったら行かなくてもいい。ヨガなど別のもので同じ効果を得られるという人もいる。

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田房永子(たぶさ・えいこ)

漫画家・ライター
1978年 東京都生まれ。漫画家。武蔵野美術大学短期大学部美術科卒。2000年漫画家デビュー。翌年第3回アックスマンガ新人賞佳作受賞。2005年からエロスポットに潜入するレポート漫画家として男性向けエロ本に多数連載を持つ。男性の望むエロへの違和感が爆発し、2010年より女性向け媒体で漫画や文章を描き始める。2012年に発行した、実母との戦いを描いた「母がしんどい」(KADOKAWA 中経出版)が反響を呼ぶ。著書に、誰も教えてくれなかった妊娠・出産・育児・産後の夫婦についてを描いた「ママだって、人間」(河出書房新社)がある。他にも、しんどい母を持つ人にインタビューする「うちの母ってヘンですか?」、呪いを抜いて自分を好きになる「呪詛抜きダイエット」、90年代の東京の女子校生活を描いた「青春☆ナインティーズ」等のコミックエッセイを連載中。

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