ラブピースクラブはフェミニズムの視点でセックスグッズを売り始めた日本で最初のトーイショップです。

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このところ、私にとってはとても若い世代の人たち、特に平成生まれのガールズたちの行動力とパワー、そのエネルギーに圧倒されている日々です。
『週刊 SPA!』(ヤレる女子大学生ランキング特集)への抗議行動を見て、特にそう感じています。しかもこの学生たちが、相手を動かしたことにも相手が動いたことにも。

以前なら考えられないようなことが、適当にごまかされて反故にされてしまっただろうことが、今はそうはできなくなった、そんな前例を生んだ画期的なケースだと思います。
批判や抗議を受けた出版社が、編集責任者たちが、直接、具体的に「女性をモノとみていた」と言って謝罪した。これまで、こんなふうに面と向かって対応したことがあったかしら?

今、彼女たちは、日本の女性差別、人権問題に大きな一石を投じて動いているんだ。新しいムーブメントを起こしている、これまでとは違う形で、素早く、ダイレクトに、社会でうやむやにされてきていた問題に直球でくらいついている。そんな潔さ、たのもしさに脱帽です。
ただ、勇気ある行動に拍手をおくりながら、顔出しして、こんなふうに脚光をあびた彼女たちの安全な生活が脅かされることはないだろうか? まさか危害を加えられたり、将来の進路に不利益なことは起きないだろうか? そんな老婆心も働いてしまう、心配でもあります。
これまで、出た杭は見事に打たれてきた経験をしてきたし、ジェンダーバッシングやフェミバッシングは、姑息な形で操作的に起きてきたから。

読者の皆さんも、そんな経験、残念だけどありますよね。

スマホにかえて、まだ5年です。遅いかな? ガラケーで十分、と思っていたことをすっごく悔いたもの。
SNSがもたらした情報発信と共有、リアクションの素早さ。LINE、Twitter、Facebook、Instagram・・・今では当たり前になっちゃったけど、これほど手軽に、瞬時に世界がつながるなんて、ついこの間まで「当たり前」じゃあなかった。
今はそれがあるからできることが増えたし、そこにくいついていないと追いつけない、取り残されてしまう時代なんだなぁとつくづく思います。

というのは、フェミニストカウンセラーとして、子どもや女性への暴力、人権問題に長年関わってきましたが、世代交代の時期を感じているところです。
最近、平成30年をふりかえる番組が相次いで企画されていることもあって、30年というキリのよさもわかりやすいし、そういやあの頃は・・・あんなこと、こんなこと、あれこれ思い出す機会になっています。

フェミに出会って32年、フェミカン歴は23年になりました。
私が生きてきた世界は、今のようなSNS時代のはるか前から。アナログからデジタルへ、ITとネットの前は、有線で人がつながる時代でした。そんな環境でも、やれそうなことは見つけられたし、リアルで人間関係をつくるしかなかった。

「当たり前」とか「普通」とか「常識的」な縛りは今よりも強かったと思う。それがイヤ、面倒くさくてはずれてみると、「世間」からドロップアウトした人どうしが出会えるもの。アウトサイダーの出会いを楽しめた。そこらへんが面白いところでした。
自分の道を、生きる世界を選んできたな、それでよかったなと思っています。
まだもう少し、やれそうなことはあるかも。まだ終わりじゃない。

フェミニストカウンセリングが私の生きる道になってからは、人に対峙すると同時に自分と対峙する必要がありました。
カウンセリングは、クライエントに向き合いながら、自分が問われる世界だから。
「彼女」自身に自分の生き方に向き合ってもらうのに、「私」自身をごまかすわけにはいきません。丸ごとぶつかってくるクライエントに対して、私が正直じゃなかったら、相手に失礼じゃないですか。でも、これがなかなかにキツくてツライ修行です。

クライエントとの信頼関係は、私が試されて値踏みされながら積み上がっていきます。ときには、バッサリ切られて捨てられることもありです。そこを覚悟をしておかないと、討ち死にします。すべてのカウンセリングがうまくいくなんてありえません。わがままで身勝手なクライエントもいるのです。
だけど、そんなわがままで身勝手な人ほど、その人のことを考えます。

何がそうさせているのかな? 何を抱えているから? 私に何を言おうとしているの? そんな自分に気がついている? もしかして、私を試してる? どうなの? 教えてくれない?
何があるのかな? いつもそこ。それは、自分の見え方や捉え方のリセットにつながっていく。意識して自分の見方を変えること、これも訓練です。
そう考えると、どんな人にもちょっと寄り添えそうな気はしませんか?
だから、よほどのことがない限り、こちらからカウンセリングを断ることはありません。

さて、私が所属する日本フェミニストカウンセリング学会(フェミカン)は、認定カウンセラーを育て、日本の女性相談の現場を支えてきました。多様な女性問題、暴力や性被害などに対応する経験値は25年にわたり、その専門性と経験値、実績を積み上げて来たと自負しています。
ただ、今も現場にいる多くのカウンセラーが高齢化しつつあり、続く世代への育成が追いついていないのが悩みどころです。

平成フェミの中枢にいて、先頭を切ってくれていた上野千鶴子さんや小倉千賀子さんたちも、出会った当時はみんな若くてエネルギッシュでまぶしかった・・・。
そんな往年の日本のフェミを生きてきた人たちや、ジェンダーやフェミニズムを視点に活動を繰り広げている人たちが、フェミカンだけでなく、暴力や性暴力、ハラスメントや差別、人権、多様性、セクシュアリティ・・・、十代や思春期の居場所のない女子たちへの支援をアウトリーチで動く人たちも、さまざまなジャンルで自分たちの活動を広げている人たちは多いのに。

個別の線でつながっているネットワークは私にも見えています。その個々の意識ある人たちが、問題を問題に終わらせないと行動している人たちが、その枠組みを超えたところで広くつながる仕組みは、できないものだろうか。医療や社会福祉を含めて、これまでよりも広い専門ジャンルで、世代を超えたネットワークができないものか。性差も超えたネットワークなら、どれほどの力が結集できるだろう。もっと社会を動かせるかもしれない・・・身を削って行動している人たちがいるのもわかっているし、自分にそんな力はないけれど、そんな連合体が生まれたら・・・。

お互いのポリシーを尊重しあうことが前提ですが、もしかしたら今を生きる女子たち、ガールズたちが、新しいスタイルのネットワークで、新しいゆるやかにつながれるJAPANフェミニズムネットワーク(のような連合体)を立ち上げてくれないものか~、そこにつながって力を結集していけないものか~、そんな都合のいい妄想をしているこの頃です。

今回コラムは、とりとめのない雑記になってしまいました。(-_-;)

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今年も大切な3人の友人からのうれしい年賀状を受け取りました。
3人とも、今はシングルマザーを卒業して、独立(離別)シングルです。
私へのプライベートコメントを紹介したいと言うと、それぞれ快諾してくれました。
たった2行の言葉の裏に、語りつくせないHer historyが思い出されます。

J子・・・娘が今年大学を卒業して、大手金融機関に就職が決まったとの報告。
「学費が終わったので、私一人食べていくのは何とかなるわ。
肩の荷がおりて、やっと自由の身になれた。ここまで来たわ。やったね!」
頑張った自分を自画自賛のJ子。つぶれなくてよかった。つぶされなくてよかった。

K子・・・昨年、長女に子どもが生まれたそうです。
「2度の離婚は、自分の人生を取り戻すのに必要な経験だったのね。
自由で快適な一人暮らしで、若返ったよ~! 仕事やめなくてよかった。」
もう男はコリゴリ、だそうです。

L子・・・娘の結婚式で、離婚後、元(DV)夫と5年ぶりにやむなく対面したそう。
「二度と会いたくなかった相手と、ついに対決したの。頑張ったでしょ!
腹を決めたら、向こうが逃げた。避けたの。立場逆転! 勝った!」
今は、ぐっすり眠れるようになったそうです。

ここまで来るのに、どれほどの時間と痛み、迷い、涙があったことか。
彼女たちにカウンセリングはできません。友だちとしてよりそい、そのしんどさと時間につきあってきました。
彼女たちが自分の道を決めるのには、それぞれ何年もかかりました。
今の幸せな自分時間が文面からこぼれてきます。よかったね!
いつか彼女たちの生き方を紹介できる日がくることを願って。

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具ゆり(ぐ・ゆり)

フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んで20年あまり。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。

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