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第18回「ロボットジジィ、皆さまご存じでしょうか?」

野沿田よしこ2016.04.06

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 私の名前はよしこ。でも“よしこおばさん”となってこそ“私”であると人は言います。なぜ“おばさん”なのか?誰かの“おばさん”というわけではな く、 “おばさん”=加齢具合を表現しているわけでもありません。私の行動が“おばさん”以外では成しえないものであるからです。私の趣味は人の恋愛話、セック スの話を聞くことです。と、いってもガールズTALK的に盛り上がり話し、その場で共に聞くようなスタイルでは楽しめないのです。あくまでのぞき聞き、の ぞき見すること、百歩譲って1対1で根掘り葉掘り的なTALKが好きなのです。

“人の話を聞く”“心の中や状況を探る”という力はどうやら“おじさん”“お兄さん”“おじいさん”には装備されていないようです。“お姉さん”と呼ばれ る人達には盗み聞きする根性がないようです。そして“おばあさん”には興味と能力はあっても、盗み聞きできるほどの聴力がなかったり、長時間粘れる脚力が なかったり。でも、体力的にまだその余地がある。それが“おばさん”なのです。
と、いうことで、18回目の「よしこおばさんは見た!」よろしくお願いいたします。

 春でございます。花見や新たな生活に華やぐ人々の雰囲気の中で、私は最近ロボットジジィによく出会います。ロボットジジィ、皆さまご存じでしょうか?田房永子さんの著書「ママだって人間」で紹介されているあれでございます。定年後に社会に放たれた後、電池の切れたロボットのように周りの状況に自分を合わせることなく、単独行動でマイペースに動くジジィ。春になり、そんなロボットジジィをよく目にいたします。

 先日、のぞき見、のぞき聞きのベストスポットであるフレッシュバーガーで、桜の花びらが風に乗って舞い降りる中、目の前を通る人々をガラス越しにのぞき見しておりました。気持ちいい日でありました。通りを行き交う子供達の声も、微笑ましく思えるお昼でございます。右側から、暴走トラックのような自転車が、けたたましいベベルの音と共に走り込んできました。♪りりりーんりりりーーん。
「わーん」一人の子供が引かれそうになり、悲鳴を上げていました。運転していたのは、まさにロボットジジィ。「俺の道だ!」と言わんばかりに、ベルをならし「邪魔なんだよ」と言いながら、走り去っていきました。その日から、私はロボットジジィの考察を始めることにいたしました。

 痰吐型ロボットジジィ。なぜか吐く方向は斜め30度。皆が慣れのせいか、かなりのスピードで直線を描いて地面にそれを落としています。のぞき見する前までは、側溝や植え込みなど、人の目に入らぬように少しは遠慮して吐いているのではと思っていましたが、ロボットジジィは場所を選びません。歩きながらペッ!人が前から来ていてもペッ!地下鉄を待っていてもペッ!そしてそれは年齢に関係なく、あらゆる世代の男性が唾を吐いておりました。私もどんな気分か、真似してやってみようかと思いましたが、やはり人目が気になり、植え込みの前で立ち止まっておりましたら、見知らぬ女性に「おかげん悪いのですか?」と心配されてしまいました。

 迷走ドライバー型ロボットジジィ。こちらは自転車ではなく、車のドライバー。こちらも暴走しておりました。近所を歩いておりましたら月極駐車場に見慣れぬ1台のトラックが駐まっておりました。そこへ、契約車の女性がやって来ましたが、トラックがいるため出られません。左から右へと流れる車1台がやっと通れる一方通行の道。女性がトラックドライバーに「出ますんで、どいて下さい。」と言うと、そのドライバーは黙って車に乗り込み、駐車場から車を出し一方通行の道に出て行きました。と、思ったら。車は10mほど進み、一方通行の出口手前でハザードを出し止まってしまいました。出口を塞がれた女性が、ドライバーにかけより「通れないので進んでください」と言ってます。しかし、車は動きません。どうしたらいいの?と途方に暮れる女性を前にしてもジジィドライバーは何の行動も起こしません。そうこうしていると、どこからか新たなジジィが登場しました。「これじゃ出られないから前に行きなさい」。すると素直にジジィドライバーは車を動かしました。リモコンジジィ?!ジジィドライバーの耳に届くのは、ジジィの声だけなのでしょうか?

 菌飛ばし型ロボットジジィ。今回の調査で一番、強敵だったのが菌飛ばし型ロボットジジィでございます。「へぇーーーくしょん」。マスクはもちろん、手でガードすることもなく、前方向に思いっきり菌を飛ばす菌飛ばし型ロボットジジィ。地下鉄で多く見受けられました。大抵そのような行動を取るジジィは叉を広げて座っています。また今回ののぞき見で新種も見つけました。実は「ごほごほっ」とする時に、グーの形、筒のように拳を作り、咳をしているジジィ。その拳はストローのように、菌を遠くに飛ばす装置のようになって、手でガードはしているように見えているが、逆効果。私はその新種ジジィの前に立ち、その威力を体感しました。「ごほごほごほほほほっほっー」その風力で私のブラウスを揺らしたのです。

 高校生から定年後のジジィまで、ロボットジジィはこの街に蔓延っておりました。それに比べてババァはどうでしょう。行動は多種多様、行動をメモリー化されていそうなババァのなんと少ないことでしょう。ババァのロボット化は不可能です。
 気持ちいい深夜の桜並木道、ロボットジジィが眠りついたその道は、なんとすがすがしいことでしょ
う。でも油断はできない、足もとに痰がないか確かめながら、桜を楽しむ私でございます。

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野沿田よしこ(のそえだ・よしこ)

年齢敢えて不詳。私の名前はよしこ。でも“よしこおばさん”となってこそ“私”であると人は言います。なぜ“おばさん”なのか?誰かの“おばさん”というわけではなく、“おばさん”=加齢具合を表現しているわけでもありません。私の行動が“おばさん”以外では成しえないものであるからです。
私の趣味は人の恋愛話し、セックスの話しを聞くことです。と、いってもガールズTALK的に盛り上がり話し、その場で共に聞くようなスタイルでは楽しめないのです。あくまでのぞき聞き、のぞき見すること、百歩譲って1対1で根掘り葉掘り的なTALKが好きなのです。
“人の話しを聞く”“心の中や状況を探る”という力はどうやら“おじさん”“お兄さん”“おじいさん”には装備されていないようです。“お姉さん”と呼ばれる人達には盗み聞きする根性がないようです。そして“おばあさん”には興味と能力はあっても、盗み聞きできるほどの聴力がなかったり、長時間粘れる脚力がなかったり。でも、体力的にまだその余地がある。それが“おばさん”なのです。 

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