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毎日マンションの一室にある会社に通う日々から数ヶ月。私はようやく仕事らしい仕事を始めることができるようになった。私の仕事は細々とした雑用。コピーをとる、頼まれたものを買いに行く、モノを取りに行く、メモをとる、現場にはりつき先輩の指示を待つ・・・。毎日遅くまで走り回り、休みなし1日20時間勤務、初任給は手取り10万円ほどだった。本来の自分を出すことも出来ず、自分の心を裏切らない最低ラインをみつけ、社会の目をかわす日々。それでも夢中で働いていた。

テレビではその頃、ニューハーフという言葉が生まれていた。昼間のテレビでニューハーフが登場している姿は実に衝撃的だった。隠されていた者達がようやく顔を出すことができるようになった瞬間だった。大抵それは“元男”の写真を写し、今の姿と比べるという“見世物”的扱いであったが、ニューハーフ達が画面で笑顔を浮かべる姿は、それまでの時代と大きく変わったことを意味していた。ニューハーフという“職業”は急速に認知されていった。

私はその頃、“仕事”をどのように考えていたのだろう。こういう生き方をしているから会社員にはなれない、好きな仕事につけない、と、考えたことはなかった。もちろん社会に出ることは怖かった。会社で自分のことをさらけだせない不自由さは感じていた。けれどこの社会の中で、私は私として生き抜いてやるという気持ちのほうが強かったのだ。その頃の私は“私は逃げも隠れもせず、昼間の社会で堂々と働いてやる!夜の世界には逃げ込むような真似はしない!!”そう思っていた。そして同時に、テレビのニューハーフと私に何の変わりもないことを知っていた。テレビに注ぐ私の視線は、地球の裏側で働く同郷の友人を思う感覚に似ている。(余談だが、数年後私はニューハーフバーに通い詰めることになる。その時私ははじめて自分が休まる場所を見つけたと思った。そしてニューハーフと恋に落ちるのである。)

ある日、いつものメンバーが揃う現場で仕事をしていた時、同じ会社の6人ほどの人達が10メートル位先で私のことをみながらヒソヒソと話をしてた。私は一人で、その人達の様子を見つめていた。しばらくたって、その中のリーダーの女性が私の所にやってきた。

「(ニタニタ笑いながら)ねぇ、あなたってレズなの?」

その時まで一緒に力を合わせて働いていた人達が、くるりと顔を変える。
それは質問ではなく、私をからかい蔑むために儀式だった。

「えっ・・・・・・・・・・・違います・・・」

私は嘘をついた。私は自分を裏切った。私は自分を殺した。私は自分を軽蔑した。私は自分を・・・・・・・笑い声を上げることなく、絡みつくよう冷たく醜い笑い顔が私のカラダを縛る。家に帰っても私はその縄を取ることができない。そして何より自分を裏切った私にはその縄をほどく資格がない。

1週間後、私は会社を辞めた。

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アンティル

アンティル(あんてぃる)

ラブローター命のFTM。
数年前「性同一性障害」のことを新聞で読み、「私って、コレかも」と思い、新聞を手に埼玉医大に行くが、「ジェンダー」も「FTM」という言葉も知らず、医者に「もっと勉強してきなさい」と追い返される。「自分のことなのに・・・どうして勉強しなくちゃいけないの?」とモヤモヤした気持ちを抱えながら、FTMのことを勉強。 二丁目は大好きだったが、「女らしくない」自分の居場所はレズビアン仲間たちの中にもないように感じていた。「性同一性障害」と自認し、子宮摘出手術&ホルモン治療を受ける。
エッセーは「これって本当にあったこと?」 とよく聞かれますが、全て・・・実話です!。2005年~ぶんか社の「本当にあった笑える話 ピンキー」で、マンガ家坂井恵理さんがマンガ化! 

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